酒井庸行（さかい・やすゆき）は愛知県出身の参議院議員（自由民主党所属）で、2013年の第23回参院選で愛知県選挙区から初当選し、2019年に再選を果たした¹²。現在当選2回、在職期間は2013年7月から約12年に及ぶ。
1952年生まれの酒井氏は、大学卒業後に民間企業勤務を経て政界入りし、刈谷市議（1995年初当選）から愛知県議（2003年初当選、3期）へと地方政治で経験を積んだ³。
2013年に国政転身して以降、党内では安倍晋三元首相の派閥（清和政策研究会）に所属し、国土交通部会副部会長や政務調査会副会長など政策立案の要職を歴任した⁴。
2015年10月には内閣府大臣政務官に就任して政府の一端を担い⁵、2022年には参議院内閣委員長および財政金融委員長として国会審議をまとめる立場にも就いた⁶。
2023年9月、第2次岸田第2次改造内閣で経済産業副大臣兼内閣府副大臣（国際博覧会担当）に起用され、行政の最前線で政策執行に携わっている⁷⁸。
本レポートでは、2015年から2025年6月までの酒井議員の活動を詳細に分析し、有権者がその政治姿勢と実績を立体的に理解できるようまとめる。
酒井庸行氏の直近の選挙キャンペーン（2019年参院選）では、長期的視野で政策を考える姿勢を前面に出し、未来志向のメッセージと地域実績が有権者に支持されたと言える⁹。
実際、2019年の愛知県選挙区では、自民現職の酒井氏は定数4の中で堂々トップ当選を果たしており、その政治姿勢が評価されたことが窺える¹⁰。
選挙公報や政策集からは、彼の公約が複数のキーワードに整理できる。
主要なテーマとして、「食料安全保障」の強化、「強い経済」の実現、「活力ある地方創生」の推進、「安心して暮らせる社会」（社会保障充実と少子化対策）の徹底、「防災・減災」（災害対策）の強化、「毅然とした外交」の展開、「脱炭素・エネルギー」政策の両立、そして「AICHIメガリング構想」の推進などが挙げられる¹¹¹²。
公約には具体的な施策も盛り込まれ、例えば食料安全保障では「食料安定供給の確保に向けた構造転換」を掲げ¹³、地方創生ではデジタル田園都市構想や農林水産業の活性化による地域経済の底上げをうたった¹⁴。
少子化対策については児童手当拡充や子育て支援の着実な実行を強調し¹⁵、防災では「徹底した災害対策で命と生活を守る強い国づくり」を約束した¹⁶。
愛知県の未来像として酒井氏が提唱する「AICHIメガリング構想」は、リニア中央新幹線や中部国際空港二本目滑走路の整備などインフラ投資を通じて世界に開かれた活力ある愛知を築こうという地域ビジョンであり¹⁷、地域密着型の国会議員として郷土の成長戦略に強い思いを寄せていることが読み取れる。