田島麻衣子(たじま まいこ、1976年12月20日東京都大田区生まれ)は、立憲民主党所属の参議院議員(愛知県選挙区選出、1期)です¹²。
青山学院大学国際政治経済学部卒業後、米国公認会計士資格を取得し、新日本監査法人で監査業務に従事しました。その後NGO「JEN」でイラク難民支援に携わり、オックスフォード大学大学院で国際開発学修士号を取得。2006年から国連世界食糧計画(WFP)に13年間勤務し、ラオスや南アフリカなど各地で貧困削減や支援プロジェクトの効果測定に尽力した国際派です。
2019年7月の参院選愛知選挙区(改選数4)に立憲民主党新人候補として擁立され、「誰もが『生きていてよかった』と思える社会のために」というビジョンを掲げて初当選しました。得票は461,531票(得票率16.11%)を獲得し、3位で議席を獲得³。現在まで在職し、党副幹事長や国際局副局長、生殖補助医療PT事務局長など党内役職を歴任するほか、参議院では法務委員会理事、憲法審査会委員、消費者問題特別委員会委員などを務め、精力的に活動しています。
本レポートでは、2018年の政界進出から2025年までの田島氏の政治活動を追跡し、その政策の軌跡と成果を分析します。
2019年参院選に際し、田島麻衣子氏は選挙公報と自身の公式サイトで「田島まいこの5つの政策 未来ビジョン」と題した公約を示しました。国連職員としての経験と若い母親としての視点を生かし、以下の5本柱を掲げたのが特徴です。
具体的には、「軍拡競争に陥らず人権重視の外交で地域の安定を図る」「保育士の待遇改善や病児保育の充実で社会全体で子育て支援」「女性への暴力根絶や女性医師・起業家支援で男女が生きやすい社会」「スタートアップ支援や留学支援で失敗を恐れず挑戦できる社会」「税金の無駄遣いを正し電気・ガス代高騰から家計を守る」といった政策を訴えました。
キャッチフレーズは「利権政治にNOを」で、政官癒着を断ち切り国民の声が届く政治への転換を強調したと報じられています。
公約に頻出するキーワードを分析すると、「子ども」「女性」「平和」「挑戦」「家計」等が上位に並び、田島氏の重点分野が浮かび上がります。とりわけ「子ども」「子育て」関連語の多さから、少子化対策・教育支援に懸ける熱意が伝わります。また「女性」という語も目立ち、女性の権利向上への強いコミットメントが伺えます。
一方、「平和」「外交」に関する語も掲げつつ、田島氏自身が演説で「女性が子どもを産みたい時に産み、働き続けられる環境をつくる」と訴えて支持を広げたように⁴、キャンペーンでは自身の子育て経験を前面に出した訴求が功を奏しました。
総じて、公約は国際平和から身近な暮らしの支援まで幅広いが、「弱い立場の人に寄り添う政治」という一貫した姿勢が読み取れます。
議員就任後、田島麻衣子氏は野党の一員として様々な議員立法に関わってきました。自身が筆頭提出者となった法案には、例えば新型コロナで打撃を受けた事業者への休業補償を求める質問主意書提出などがありますが、より顕著なのは他議員と共同で提出した法案への取り組みです。