堂故茂議員の政治活動総覧(2015–2025)

概要

堂故茂(どうこ しげる)議員は、自由民主党所属の参議院議員(富山県選挙区)であり、2013年の初当選以来2期連続で参議院に席を置いています¹²

経歴と背景

1952年に富山県氷見市で生まれ、高岡高校から慶應義塾大学経済学部を卒業後、運送会社勤務や綿貫民輔衆院議員の秘書を経て政界入りしました³

1991年に富山県議会議員に初当選し(2期7年在職)、その後1998年からは郷里の氷見市長を4期15年務めるなど、長年地方政治の現場で経験を積んだ人物です³

国政進出と選挙実績

2013年7月の第23回参院選で富山県選挙区から国政へ転じ初当選、2019年の第25回参院選でも再選されました²。現在まで参議院議員としての在職期間は10年以上に及びます。

政治家としてのキャリア

国会議員としてのキャリアの中で、堂故氏は党・国会内の様々な役職を歴任してきました。1期目には文部科学大臣政務官として教育行政に携わり、自民党副幹事長にも就任しています³

2018年には参議院農林水産委員長に就き、与党議員として委員会運営の重責を担いました。また、自民党内では富山県連の参院選挙区支部長を務めるなど地方組織の要職も経験し、党総務部会長代理や参議院政務調査会副会長として政策立案にも関わっています

2023年9月、第2次岸田第2次改造内閣で国土交通副大臣に抜擢され、約1年間にわたり国土交通行政の副掌舵を執りました。2024年11月以降は参議院文教科学委員長に就任し、国会の教育・科学技術政策審議を主導する立場にあります

このように地方・国政双方の現場で経験を重ねた堂故氏は、「ふるさとに根っこがある人づくり、国づくり」をモットーに掲げ、自らの郷土である富山と日本全体の発展を結びつける視点で活動してきました

本レポートでは、2015年から2025年までの10年間にわたる堂故議員の政治活動を総覧し、その公約と実績、国会内外での動きについて包括的に分析します。

1. 選挙公報・マニフェスト分析

政治理念とスローガン

堂故茂議員の直近の選挙公報(2019年参院選)をひも解くと、掲げられたスローガンや政策の柱から彼の政治姿勢が浮かび上がります。最大のキャッチフレーズは「ふるさとに根っこがある人づくり、国づくり」であり、これは地方に根差した人材育成を通じて国全体を良くしていこうという理念を端的に表現しています。

教育政策への強いこだわり

具体的な政策項目を見ると、まず教育分野への強いこだわりが目立ちます。「生きる力をはぐくむ教育」「ふるさと教育」「食育」「幸福学」「キャリア教育」など独自のキーワードを並べ、人づくりの様々な側面を強調しています

幼児教育の無償化や質の向上、学校施設の安全整備(耐震化・空調設備・トイレ改修等)、教員の長時間労働是正といった具体策も掲げられており⁹¹⁰、教育環境の充実が公約の筆頭に据えられました。これらはすでに市長時代から力を入れていたテーマであり、国政でも「教育・人づくりの堂故」として取り組む決意が見て取れます。