本田顕子議員の政治活動総覧(2015–2025)

概要

本田顕子(ほんだ あきこ)は、1971年熊本県生まれの政治家で、薬剤師でもある¹。2019年の第25回参議院通常選挙で自由民主党から比例代表で初当選し、現在1期目の参議院議員を務めている²

熊本県出身で、星薬科大学卒業後は医薬品卸会社や薬局勤務を経て、父で元参議院議員の本田良一の公設秘書を務めた経歴を持つ³

政治家を志した背景には、熊本地震(2016年)で医薬品供給の責務を担った経験があり、「切れ目のない医療提供」の重要性を痛感したことがある。その後、日本薬剤師連盟副会長や熊本県薬剤師会職員を歴任し、薬剤師の視点から政策提言する姿勢を貫いてきた

党派は自由民主党で、党内では参議院自民党副幹事長や女性局長代理など要職を歴任し、2024年11月には自由民主党女性局長(党女性局長)に就任した

在職中には厚生労働大臣政務官兼内閣府大臣政務官(2022年8月~)、さらには文部科学大臣政務官兼復興大臣政務官(2023年10月~)など政府の政務官も務めており、行政の一端も担った

本レポートでは、2015年から2025年6月までの本田議員の政治活動を振り返り、その政策公約と実績、国会内外での活動の全体像を分析する。特に2019年の当選以降の動向に焦点を当て、直近の政治課題に対するスタンスや取り組みについても最新情報を織り交ぜながら評価することを目的とする。

1. 選挙公報・マニフェスト分析

本田顕子議員の直近の選挙公報(2019年参院選比例代表)を紐解くと、掲げられたスローガンは「人生100年時代を見据えたすべての世代のために 国民のいのちと暮らしを守る!」という力強いもので、社会保障と医療を軸に据えた政策が全面に打ち出されていた

具体的な公約の柱は大きく6つに整理されており、その内容から本田議員の政策姿勢が浮かび上がる。

公約の6つの柱

1つ目の柱:安心して暮らせる社会をつくる

全世代型の社会保障制度の実現を掲げていた¹⁰。高齢者から子どもまで全ての世代を支える医療・年金・介護の充実が謳われ、特に医療費の膨張への対策に強い関心を示している。

2つ目の柱:住み慣れた場所で自分らしく暮らせる社会をつくる

医療や介護が必要になっても在宅で暮らし続けられる地域ケアの充実を公約した¹¹。これは本人が熊本地震の際に地域医療の重要性を痛感した経験と重なり、地域包括ケアシステムへの共感がうかがえる。

3つ目の柱:必要なくすりや機器を確実に提供して健康な生活を確保する

医薬品の安定供給と創薬力強化、セルフメディケーション推進が掲げられた¹²。薬剤師出身らしく、医療用医薬品の生産・流通の安定化や市民自身が薬を適切に活用できる環境づくりに言及している。

4つ目の柱:若者が希望を持てる社会をつくる

薬物乱用防止や心のケア体制整備など若者の健全育成に触れ¹³