高橋はるみ議員(71歳)は、元通商産業省官僚で2003年から2019年まで北海道知事を4期務めた経歴を持つ政治家です。2019年の第25回参議院通常選挙で自由民主党から北海道選挙区に立候補し初当選し、現在1期目の参議院議員(在任期間2019年7月~)です。
所属政党は自民党で、党内では安倍派(清和政策研究会)に属し、令和5年には党女性局長にも就任しました。本報告では、2015年から2025年までの彼女の政治活動を網羅的に振り返り、その公約と実績、国会内外での役割、政策スタンスを分析します。
北海道知事時代に培った地域行政の経験を国政にどう活かしたかに注目し、また直近の課題への対応状況も含め、高橋氏の議員活動を多面的に評価します。
高橋氏が直近の参院選(2019年)で掲げたスローガンは「北海道の未来を拓く」であり、「北海道の5つの基本政策」として地域経済と暮らしの底上げを打ち出しました。
具体的には、以下の五本柱を掲げました:
(1)食と観光の振興
「本道の食・観光を世界に展開し、地域経済の活性化につなげます」
(2)再生可能エネルギー等を活用したエネルギー政策
北海道人口や自然を活かした強靭なエネルギー供給への挑戦
(3)デジタル化・新分野支援による中小企業応援
スマート農業やMaaS支援、人材育成で地域産業を支える
(4)広大な北海道のインフラ整備と医療確保
老朽化対策や北海道新幹線延伸、第2青函トンネル建設など物流強化
(5)北方領土問題の解決推進
国民世論の喚起と隣接地域振興
マニフェストの頻出キーワードを見ると、「北海道」「食」「観光」「エネルギー」「デジタル」「中小企業」「インフラ」「医療」「北方領土」などが上位に並び、高橋氏の関心領域が地域経済・産業振興と社会インフラ整備、安全保障(北方領土)に集中していることが読み取れます。
知事時代からの経験も踏まえ、"地方創生""地域主権"への強い意欲が感じられ、地方発の政策を国政で実現するという姿勢がうかがえます。例えば「食料自給率向上」や「スマート農業推進」といった公約からは、北海道の農業振興に対する思い入れが伺え、一方で「デジタル人材育成」「エネルギー供給強靱化」といった言葉からは、国の政策潮流に合わせ地域の将来投資を図ろうとする姿勢も見えます。