自由民主党所属の参議院議員、馬場成志(ばば せいし)氏は、熊本県選挙区選出の政治家である[1][2]。1964年熊本市生まれで、熊本市議(2期)、熊本県議(5期)を経て2013年に国政へ進出した経歴を持つ[3][4]。
地方議会では第81代県議会議長など要職を歴任し、地方行政に精通している[5]。参議院議員としては2013年に初当選し、2019年に再選、現在2期目(在職期間2013年7月〜現職)にあたる[1][6]。
党内では岸田派(宏池会)に属していたが、2024年の宏池会解散により現在は無派閥で、2023年には第2次岸田改造内閣で総務副大臣に就任した[7][6]。厚生労働大臣政務官(2016年)や参議院外交防衛委員長(2021年)など国会内外の要職も歴任し、与党議員として政策立案や政府答弁にも携わってきた[2]。
本レポートでは、2015年から2025年までの馬場氏の政治活動を振り返り、掲げた公約の遂行状況や立法・発言の特徴、党内外での役割を包括的に分析する。馬場氏の歩みを通じて、地方議員出身の参議院議員が国政でどのような役割を果たし、有権者との約束にどう向き合ってきたかを明らかにすることが目的である。
馬場氏は直近の選挙公報(2019年参院選)で「夢と希望あふれる新たなくまもと、そして日本へ。」とのスローガンを掲げ、郷土熊本の未来像と日本全体の成長戦略を重ね合わせたビジョンを示した[8]。
公約では「馬場せいし4つのお約束!!」として、以下の四つの柱を立てている[8]:
(1)「安心で希望に満ちた暮らしの創造」
人口減少下でも過疎地や離島の医療・介護拠点を守り、女性や高齢者、障がい者、外国人も活躍できる地域社会を作り、子どもの貧困連鎖を断ち切る支援策を強化する[9][10]。
(2)「未来へつなぐ資産の創造」
国土強靱化による防災力強化、過疎地域振興や移住定住促進、プロスポーツ支援や武道館・野球場整備検討、有明海・八代海の環境再生といった地域資産の充実[11][12]。
(3)「次代を担う力強い地域産業の創造」
中小企業の販路拡大・事業承継支援、震災で落ち込んだ売上の回復支援策、インバウンド(訪日観光)推進の仕組み検討、農林水産物の輸出振興や6次産業化で「稼げる農林水産業」を目指すこと[13][14]。
(4)「世界とつながる新たな熊本の創造」
九州のハブとなる熊本空港の機能強化とアクセス鉄道の整備、八代港へのクルーズ船拠点整備、2019年の女子ハンドボール大会やラグビーW杯熊本開催を復興の象徴として世界へ発信し、その遺産を次世代に引き継ぐこと、さらにはオリンピック出場を目指すアスリート育成など国際交流拡大[15]。
これら公約からは、熊本地震からの復旧・復興に全力を挙げつつ、地域の活力創出と国際化にも視野を広げた政策姿勢が浮き彫りになる。