新妻秀規議員の政治活動総覧(2015–2025)

概要

新妻秀規(にいづま ひでき)議員は、公明党所属の参議院議員(全国比例区選出)で当選2回(2013年・2019年)を数えます¹。1970年埼玉県越谷市生まれの54歳(2025年7月現在)で、東京大学大学院工学系研究科修士課程(航空宇宙工学専攻)修了後、川崎重工業で航空機エンジニアとして18年間勤務した経歴を持ちます。

航空機開発ではボーイング787の開発に携わり、米国駐在を経験するなど技術者として活躍しました。2013年、公明党の草川昭三氏の後継として参院選に初出馬し、全国比例で26,044票を獲得して初当選。2019年の参院選でも比例区で再選(281,832票)を果たし、以後参議院議員として現在まで在職しています²

在職期間中、一貫して公明党の国会議員として与党(自公連立)に属し、文部科学大臣政務官・復興大臣政務官(第3次安倍第3次改造内閣)や復興副大臣(第2次岸田内閣)など政府職も歴任しました²。復興副大臣就任時には「父の故郷・福島の創造的復興は自分自身の使命」と述べ、東日本大震災後の風評被害払拭や被災地支援に強い意欲を示しました。

公明党内では2024年より党国際委員長を務めるほか、環境部会長代理、復興・防災部会長代理、文化局次長、愛知県本部副代表など要職を歴任しています。また参議院では2023年に総務委員長、災害対策特別委員長に就任するなど、委員会運営にも携わっています。

本総覧では、2015年から2025年6月までの10年間にわたる新妻議員の政治活動を深く分析し、その公約と実績、政策立法や発言動向、党内外での役割、情報発信などを総合的に描出します。

1. 選挙公報・マニフェスト分析

新妻秀規議員は2019年参院選に臨む際、「寄り添うココロ。やり抜くチカラ!」というスローガンを掲げました。これは「一人ひとりの声に寄り添い、最後までやり遂げる」という信条を端的に表したものです。実際、初当選以来、新妻氏は全国各地の"現場"に足を運び、直接有権者の声を聴く姿勢を貫いてきました。

選挙公報や政策集からは、彼が特に力を入れた政策分野として若者支援・教育充実、災害対策・防災、科学技術振興、中小企業支援などが浮かび上がります。たとえば公明党青年委員会の一員として取りまとめた「青年政策アクションプラン」では、教育費負担軽減のための給付型奨学金創設や学校での公衆無線LAN整備などを提言し、実現に導きました。

公約のキーワード分析

公約のキーワードとして「現場」「声」「防災」「教育」「ものづくり」「ひとづくり」「科学技術」といった言葉が頻出しており、現場主義に根差した政策遂行と科学技術立国への意欲がうかがえます。例えば、「誰もが安心できる社会」を目指す公約では、防災インフラの強化や学校施設の安全点検の推進を明記し、実際に避難所となる学校の天井等の老朽化点検を全国で実施させる成果につなげました。

また「未来を拓く日本の力」としては、大学の研究力強化や宇宙利用推進など技術革新への投資を訴え、10兆円規模の大学ファンド創設にも尽力しています。

公約の柱

公約で掲げた政策の柱は、おおむね以下の4つに分類できます:

  1. 子ども・若者への投資(教育無償化や子育て支援)
  2. 災害に強い国づくり(防災減災、復興支援)
  3. 経済の下支え(中小企業・地域産業支援)
  4. 未来への挑戦(科学技術・宇宙・環境)

新妻氏はそれらを軸に具体的な施策を次々と提案してきました。