宮本周司議員の政治活動総覧(2015–2025)

概要

宮本周司(みやもと しゅうじ、1971年3月27日生まれ)は、自由民主党所属の参議院議員(石川県選挙区)です。当選回数は3回で、現在3期目を務めています^1

石川県能美市出身で、東京経済大学経済学部を卒業後、地元で家業の酒蔵(株式会社宮本酒造店)を継ぎ、全国商工会青年部連合会の会長など中小企業団体のリーダーを歴任しました[^2][^3]。

こうした地域経済での経験を背景に、2013年の第23回参院選に全国商工政治連盟の組織内候補として自民党比例区から立候補し初当選(党内得票13位)を果たしました^2。2019年の第25回参院選でも比例区で再選(党内11位)しています^5。その後、地元石川県の代表として活動するため、2022年4月の参議院石川県補欠選挙に比例現職のまま鞍替え出馬し、野党候補らを大差で破って当選(得票率68.41%)しました^6。これにより参議院議員として通算3回の当選となり、現在に至るまで石川県選出議員として在職しています。

宮本氏は政界入り後、一貫して「地域の元気」をキャッチフレーズに掲げ、地元・石川や全国の中小企業の声を国政に届けることに力を注いできました。参議院では経済産業委員会や予算委員会など主に経済分野の委員を務め、2019年9月には第4次安倍第2次改造内閣で経済産業大臣政務官に就任、2022年8月には岸田第2次改造内閣で財務大臣政務官に起用されるなど、政府側の役職も歴任しています^8

2023年には参議院財政金融委員長に就任し、国会審議の場でも要職を担いました^10。党内では安倍派(清和政策研究会)に所属し^11、2022年5月からは自民党石川県連会長として地元党組織の要職も務めましたが、裏金問題を受けて2024年4月に退任しました^12。2024年11月には党政務調査会財務金融部会長に抜擢され、税制改正や予算編成に党の立場から関与しています[^14]。

本レポートでは、2015年から2025年までの宮本周司議員の政治活動を総覧し、その公約や立法活動、国会発言、党内での役割、そして政治資金問題などを包括的に分析します。有権者の視点から宮本氏の足跡を振り返り、その功績と課題を客観的に評価します。

1. 選挙公報・マニフェスト分析

宮本周司議員が直近で掲げた公約を見ると、地域経済の底上げと中小企業支援が主軸となっています。2022年4月の参院石川補欠選挙の選挙公報では冒頭に「地域を元気に!」との力強いスローガンが大書され[^15]、「地域経済と社会を支える中小企業・小規模事業者の支援強化」が最優先の政策として謳われました[^15]。

具体的には、「地域を牽引する中堅企業を力強く応援し、石川県に新たな富を生み出すこと」「国内外の需要に応える販路拡大の支援」といった施策が掲げられ、地元産業の競争力強化と市場開拓を目指す内容です[^15]。さらに「地域資源を活用した農商工連携」「地産地消の推進」など、宮本氏自身が醸造業で培った知見を活かした地域密着型の産業振興策が並びます。

また、公約にはインフラ整備や観光振興にも重点が置かれました。石川県の発展に直結する北陸新幹線の大阪延伸を一日も早く実現することや、歴史・文化資源の保護活用によるインバウンド観光の拡大、さらにはデジタル技術を活用した防災・減災対策の強化など、地域の将来像を見据えた施策も明記されています[^16]。

能登半島を抱える石川ならではの課題である過疎や災害対応についても、「地域ごとの防災ネットワーク強化」「医師・看護師の確保による医療体制充実」といった具体策を掲げ、地域住民の安心を支える決意を示しました[^17][^18]。

国政レベルの公約

国政レベルの公約では、少子高齢化や社会保障への対応が目立ちます。「教育にかかる家計負担の軽減と質の高い教育の提供」、「児童手当拡充など子育て支援の強化」、「地域包括ケアの深化による共生社会の実現」、「年金への不安払拭と医療・介護の負担軽減」といった項目が並び、暮らしの安心を高める政策に力を入れる姿勢を示しました[^18]。

加えて、「国益を守る外交力の強化」や「憲法改正を発議し国民的議論の機会をつくる」とも明記されており[^19]、安全保障や憲法問題にも前向きな立場を公約に含めています。もっとも宮本氏の場合、これらマクロな政策課題も「地方創生」に結び付けて語られる点に特徴があります。例えば外交では地方の中小企業の海外展開支援を、憲法改正では災害対策や緊急事態対応の充実を、それぞれ念頭に置くなど、常に地域目線で政策を捉えているのです。

宮本氏の公約文書で特に頻出するキーワードとしては、「地域」「中小企業」「支援」「石川」「産業」「地方創生」などが挙げられます。上位約10語を見るだけでも"地域経済""中小企業""支援"といった言葉が目立ち、まさに地元経済を活性化することが宮本氏の政治信条であることが読み取れます。これらの言葉はそのまま宮本氏の政治姿勢を象徴しており、「地域の元気こそが日本の元気」という信念が公約全体を貫いていると言えるでしょう。

2. 法案提出履歴と立法活動

宮本周司議員の立法活動の特徴は、自身が提出者となった法案が極めて少ないことです。実際、2013年の初当選から2024年末までの約11年間で、宮本氏が単独または主要提出者として提出した議員立法(いわゆる議員提案法案)はゼロ本でした^20。与党所属の参議院議員であることから、政府提出法案の審議と成立に注力し、自ら法案を起案するよりも委員会質疑や修正協議で役割を果たすスタイルを取ってきたと考えられます。

中小企業支援策への関与