柳ヶ瀬裕文議員の政治活動総覧(2015–2025)

概要

柳ヶ瀬裕文(やながせ ひろふみ)は、日本維新の会所属の参議院議員(比例区選出、当選1回)で、1974年11月8日東京都大田区生まれの50歳(2025年時点)1

海城高校、早稲田大学を卒業後、JR東日本企画で広告マンとして勤め、アニメ「ポケットモンスター」のビジネス立ち上げにも関わった経歴を持つ2。その後2004年から民主党の蓮舫参議院議員の公設第一秘書を務め、政治の現場を学んだ3

2007年、大田区議選に民主党公認で立候補してトップ当選し3、身近な行政改革や子育て支援策に取り組み始める。2009年には都議会議員選挙に初当選し、以降3期10年務める中で、新型インフルエンザ対策や児童虐待防止、築地市場問題、震災後の放射能対策など幅広い課題に挑戦した4

2012年には大阪維新の会の流れを汲み「東京維新の会」を自ら立ち上げ、都議会で既得権打破や脱原発、行財政改革を掲げて活動5。2017年都議選では小池旋風で他党が席巻する中、維新勢ではただ一人議席を守る健闘を見せ、都政で存在感を示した6

そうした経験を引提げ、2019年の参院選に維新から比例区で出馬して初当選し7、国政に舞台を移した。国会議員団では若手ながら頭角を現し、2021年11月には日本維新の会総務会長に就任して党運営の中枢に参画したが、2024年12月に同職を退任した7。現在は参議院外交防衛委員会理事などを務めつつ8、維新の政策発信の顔としても活躍している。

在職期間中(2015–2025年)に焦点を当て、本レポートでは柳ヶ瀬氏の政治信条と実績を多角的に検証する。有権者が同氏の歩みを立体的に理解し評価できるよう、選挙公約から立法活動、国会発言、党内での役割、情報発信に至るまで事実に基づき詳述することを目的とする。

1. 選挙公報・マニフェスト分析

基本姿勢と政策の柱

柳ヶ瀬氏の最新の選挙公約をひも解くと、そのスローガンは「次世代へ!」である。「次の世代に、この素晴らしい国をつなぎたい」というフレーズに象徴されるように、未来世代への責任を強調する姿勢が一貫している9

具体的な政策の柱としてまず掲げているのが「既得権益の打破」と「政治改革」だ。柳ヶ瀬氏は「僕たちは企業団体献金を受け取りません。しがらみのない維新にしかできない政治がある」と訴え、企業・団体からの献金禁止を明言している10

自らに甘い政治への批判を込めて「議員の身を切る改革」、すなわち議員報酬や定数の3割カットなどを断行し、徹底した行財政改革で財源を生み出すと約束した11。そしてその生み出した財源は「教育無償化」をはじめ将来世代のために投入するとも明記されている12

政策の具体的内容

実際、公約のキーワード上位には「改革」「無償化」「教育」「規制緩和」「行財政」などが並び、柳ヶ瀬氏が行政改革と教育支援を二本柱に据えていることが浮かび上がる。例えば大胆な規制緩和による民間主導の経済成長を掲げ、政府の介入を減らしてシェアリングエコノミーやIoTなど新産業を伸ばすと訴える13

一方で社会政策では「多様性あふれる社会の実現」を目指し、LGBT支援や選択的夫婦別姓の導入、ひとり親家庭や里親支援にも積極的に取り組むと約束している14。伝統的な保守政党が消極的な選択的夫婦別姓や同性パートナーシップにも前向きな姿勢を示し、リベラルな側面も併せ持つのが柳ヶ瀬氏の公約の特徴だ。

税制・財政政策への取り組み

さらに注目すべきは税制・財政政策へのコミットである。柳ヶ瀬氏は「消費税の増税は凍結」と明言し、消費税率10%への引き上げに反対する立場を明確にしていた15。軽減税率についても「手続きを煩雑化し特定産業への利益誘導になる」として完全撤廃を主張しており15、既存政策の問題点を鋭く突く。

年金制度については「現役世代が損しない積立方式への抜本改革」を掲げ、情報公開の徹底による国民の信頼回復を前提に、年金含む社会保障の世代間不公平を是正すると約束した16

憲法改正への言及