自由民主党所属の石井浩郎(いしい ひろお、1964年生)は、秋田県選挙区選出の参議院議員(3期)です¹。元プロ野球の強打者という異色の経歴を持ち、2010年の参院選で初当選以降、2016年・2022年と連続3回の当選を果たしています²。
地元秋田では激戦を実行力で勝ち抜く実績を重ねてきました³。
2010年7月の初当選から現在まで約15年間在職し、党副幹事長など要職を歴任しつつ郷里秋田と国政を結ぶパイプ役として存在感を示しています。早稲田大学中退後に社会人野球・プロ野球で活躍し、引退後は解説者・二軍監督・実業家などを経て政界入りした異色の経歴を持ち⁴、地方から国を変えるとの信念で自民党が野党時代に立候補を決断した人物です。
分析期間の2015–2025年は、彼が参議院で2期目から3期目にかけて在職した時期であり、本レポートではこの10年間の活動実績と政治姿勢を総合的に検証します。
石井氏は2022年7月の参院選に向け、「豊かな日本をつくるには、地方から。秋田に活力!」をキャッチフレーズに掲げました⁵⁶。
選挙公報には大きく5つの政策柱が示され、農林水産業の発展、地方経済を元気に、命と暮らしを守る、教育の充実・スポーツの発展、そして女性が活躍できる社会を目指す内容でした⁷。
たとえば「農林水産業と成長産業に」「地方経済の元気を取り戻す」「未来への投資『教育』の充実」といった具体的見出しが並び、地方の自然資源や中小企業支援、次世代型の社会保障網整備、国土強靱化、女性の経済的自立支援など幅広い施策で"一億総活躍"社会を地方から実現する決意が謳われています。
またスポーツを通じた健康で豊かな地域社会づくりにも触れられ、元アスリートらしい視点で教育・文化・スポーツの振興を掲げているのが特徴です。
スローガンからは「地方創生」を軸に据えた姿勢が明確で、「外交と憲法改正」への言及も併記されており、安全保障環境への対応や憲法9条への自衛隊明記など保守政党候補らしい主張も含まれます⁸⁹。
選挙公約文中で頻出したキーワード上位には「地方」「秋田」「農業」「教育」「支援」「女性」「スポーツ」「命」などが並んでおり、石井氏の重点分野が地方経済と暮らしの支援、次世代育成、安全保障にわたることが読み取れます。
総じてマニフェストは「地方から日本を変える」という明確なストーリーで貫かれており、地元秋田への愛着と国政への意気込みが強く感じられる内容でした。
参議院議員としての石井浩郎氏は、議員立法においては在職中に提出者となった記録は確認されていませんが¹⁵、与党議員として政府提出法案の成立に深く関与してきました。
特に注目すべきは、参議院の委員長職を歴任して数々の法案審議を主導した点です。2016年1月には参議院文教科学委員長に就任し¹⁰、その後2017年に沖縄・北方問題特別委員長、2018年に政治倫理の確立及び選挙制度特別委員長を歴任しました¹¹。