石井章議員の政治活動総覧(2015–2025)

概要

石井章(いしい あきら、1957年5月6日生)は、日本維新の会所属の参議院議員(比例代表)であり、現職2期目のベテラン政治家である¹²。茨城県取手市出身で、藤代町議を4期、取手市議を2期務めた地方政治の現場から国政に転じた経歴を持つ³

2009年には民主党から衆議院議員に初当選し国政デビューを果たしたが、2012年の総選挙で議席を失った。その後、政界再編の波の中で小沢一郎氏のグループに加わり、民主党から離党して「国民の生活が第一」や「日本未来の党」などを経て、維新勢力に合流した

2016年7月の第24回参院選でおおさか維新の会(当時)公認として比例区から出馬し、50,073票を得て党内4位で参議院議員に当選。2022年7月の第26回参院選では日本維新の会公認で比例区から再選を果たし、党内トップの123,277票を獲得している

在職期間は2016年7月の初当選から現在まで約9年に及び、当選回数は参議院2回(衆議院も含めれば通算3回)となる。現在は党の国会議員団両院議員総会長(党所属国会議員の代表世話人)を務め、茨城県総支部代表として地方組織の要でもある¹⁰

参議院では消費者問題に関する特別委員長など要職を歴任しており¹¹、地方議員時代から培った現場感覚を武器に、地域と国政をつなぐ政治家として活動している。

本レポートでは、2015年から2025年7月までの約10年間を分析対象期間として、石井議員の政策公約、立法活動、国会発言、党内外での役割、政治資金や倫理問題、情報発信など多角的に検証し、その政治活動の全体像を描出することを目的とする。

1. 選挙公報・マニフェスト分析

2022年参院選での主要公約

石井章議員の直近の選挙戦となった2022年参院選(第26回選挙)において、公示時に配布された選挙公報や党のマニフェストからは、彼が属する日本維新の会の掲げる主要政策と石井氏自身の政治姿勢が浮かび上がる。

石井氏は茨城維新の会代表として地域の声を背負い、「身を切る改革」を旗印に政治改革への決意を前面に出していた¹²。具体的には、議員定数や歳費の削減など政治家自身が身を削る改革を断行する姿勢である。これに加え、「自衛隊を明記した憲法改正」も公約の柱に据えられた¹²

自身の当選直後、「身を切る改革や自衛隊を含めた憲法改正、教育費の無償化など党の公約が支持された結果」と述べており¹²、石井氏はこれら維新の看板政策に深くコミットしていたことが窺える。

経済・社会政策

経済政策では「徹底した大規模減税」を断行して日本経済と国民生活を立て直すという大胆なスローガンが掲げられた¹³。消費税を含む減税による景気刺激策や、教育無償化の徹底、奨学金の返済免除・給付型奨学金への転換など、将来世代への投資を重視する内容が公約に並んだとみられる¹³

実際、選挙公報の中で「教育費の無償化」や「奨学金残債の全額免除」というキーワードが確認でき、若者支援策に力点を置いている¹²。地域活性化では「地域間格差ゼロのデジタルネットワーク構築」といった現代的な政策も盛り込まれ、デジタル技術で地方と都市の格差を是正するビジョンが示されたと考えられる。

政治信条の一貫性

公約文書から頻出したキーワード上位には、「減税」「無償化」「改革」「憲法改正」「教育」「支援」などが並ぶと推定される。これらからは、石井氏が(1)経済面では減税と成長による家計支援、(2)社会面では教育・子育て支援の充実、(3)政治制度面では統治機構改革と憲法改正、といった分野に重点を置いていることが読み取れる。

実際、石井氏はSNS上でも「消費税は減税もしくは廃止すべきだ」と一貫して発信しており¹⁴、自らの政治信条として小さな政府志向・税負担軽減を掲げている。また憲法改正についても、安全保障環境に鑑み自衛隊の明文化に前向きな立場を取る。

総じて公約から見える石井章氏の政治姿勢は、「徹底した改革による未来志向の国家づくり」と評することができ、行財政のスリム化から社会保障の拡充まで大胆なビジョンを提示するものであった。