朝日健太郎議員の政治活動総覧(2015–2025)

概要

朝日健太郎(あさひ・けんたろう)議員は1975年熊本県生まれ。法政大学を卒業後、サントリー株式会社で勤務し、バレーボール日本代表(ビーチバレー)として2008年北京五輪と2012年ロンドン五輪に出場した異色の経歴を持つ¹²

現役引退後はNPO法人理事長としてスポーツ普及や環境保護活動に携わり、2016年の第24回参議院議員通常選挙に東京都選挙区から自由民主党公認で出馬し初当選を果たした³。以降2期連続当選し、現在の所属政党は自由民主党、選挙区は東京都選挙区、通算当選2回である。在職期間は2016年7月から現在まで9年近くに及ぶ。

議員就任後、朝日氏は若手議員として党内外で頭角を現した。菅義偉内閣では2020年9月18日に国土交通大臣政務官に抜擢され、主に水管理・鉄道・住宅・公共交通など国土交通分野を担当して全国のインフラ現場を視察

2023年9月13日発足の第2次岸田第2次改造内閣では9月15日に環境大臣政務官に就任し、環境行政にも携わっている。党内では東京都連会長代行や参議院政策審議会副会長など要職を歴任し、参議院では予算委員や環境委員会理事、国土交通委員会理事など複数の委員会で理事を務めるなど、与党議員として着実にキャリアを積んできた。

2015年から2025年までの分析対象期間において、本レポートは朝日議員の政策公約と実績を総覧し、その政治活動を包括的に評価することを目的とする。

1. 選挙公報・マニフェスト分析

スローガンと公約の全体像

朝日健太郎氏の直近の選挙(2022年7月の第26回参院選)におけるキャッチフレーズは「決断と実行。暮らしを守る。」だった。これは都民の生活を守るために自ら決断し実行するという強い意志を示したものだ

選挙公報では、「東京からだれもが輝く社会へ」というビジョンが掲げられ、8本の重点政策の柱が提示されたと報じられる。朝日氏の公約の柱には、「子ども・子育て支援」、「災害・減災対策」、「東京五輪・パラリンピックの成功」、「環境・海洋保全」、「経済成長・デジタル化」、「スポーツ振興」などが並んでいたと見られる¹⁰¹¹

特に少子高齢化を国家の最重要課題と位置づけ、「子ども・子育て」「教育環境の充実」「健康寿命の延伸」を主要テーマに据えている¹²。この背景には、朝日氏自身が子育て世代であり親の介護も経験する「責任世代」としての実感があると語っており、現役子育て世代の政治家だからこその視点で政策を訴えた¹⁰

マニフェストの具体的施策

朝日氏の2022年公約では、具体的に「安心して子育てができる社会」の実現を掲げ、育児休業法の改正による男性の育休取得率向上や「こども家庭庁」創設への取り組みを成果として挙げた¹³

また「災害から命と暮らしを守る」政策として、豪雨対策のための「流域治水関連法」の成立に尽力したことを強調した¹⁴。さらに「2020東京大会の安全な開催」にも触れ、コロナ禍の中で東京オリ・パラを無事成功させるため奔走したと実績を述べている¹⁵。これらは1期目の自身の成果をアピールすると同時に、2期目も継続して取り組む決意表明でもあった。

頻出キーワード上位と政治姿勢

朝日氏のマニフェストや公式サイトで頻出するキーワードを分析すると、「子ども」「スポーツ」「社会」「健康」「環境」「東京」「海岸」「防災」「働き方」「教育」などが上位に挙がる¹⁶¹⁷

例えば公式サイトのQ&Aでは「力を入れている政策は何ですか?」との問いに対し、「子供・子育て政策」「海洋環境・領土保全政策」「防災・減災・インフラ政策」「カーボンニュートラル・エネルギー政策」と答えており、まさにキーワード群を裏付ける内容だった¹⁶

これらから読み取れるのは、朝日氏が若者や未来世代への責任(子育て・教育)と、自らのバックボーンであるスポーツを通じた社会貢献、そして環境保全や防災といった国土の守りに強い関心を持つ政治家であるという姿勢である。スポーツ選手出身らしく「スポーツで人と地域を元気に」という理念が随所に見られ、ビーチや海洋資源を活用した地域活性化策など独自色も光っている¹⁸¹⁹

同時に、東京選出議員として首都直下地震等への備え(減災)やインフラ整備にも言及し²⁰、都市と地域の安全保障にも力を入れる姿勢が伺えた。