磯﨑仁彦(いそざき よしひこ)は自由民主党所属の参議院議員で、香川県選挙区選出の3期議員です¹。1957年に香川県丸亀市で生まれ、東京大学法学部を卒業後に全日本空輸(ANA)に入社し、CSR推進室リスクマネジメント部長などを務めました²。
2010年の参院選で香川選挙区から初当選し、以降3回連続当選を果たしています³。在職中には経済産業大臣政務官・副大臣や内閣官房副長官(政務担当)など政府要職も歴任し、党内では副幹事長や政務調査会副会長、環境部会長など要職を務めました⁴。
とりわけ岸田内閣では2021年10月から2023年9月13日まで内閣官房副長官を務め、政権運営に深く関与しました⁵。本レポートでは2015年から2025年6月までの10年間に焦点を当て、磯﨑議員の政策・立法活動や発言動向、公約の実現度などを総合的に分析します。
この期間、磯﨑氏は参議院で党の国会対策委員長代行も務めており、与党議員として政府立法の成立や党政策の推進に尽力してきました。
磯﨑仁彦議員の直近の選挙は2022年7月の第26回参議院選挙でした。選挙公報では「次代への、責任を果たす。」というスローガンを掲げ、世代間の責任を強調しています⁶。
公報に掲載された政策の柱は大きく4点に整理されていました。
実際、公報には「日本と世界、大都市と地方、現在と未来、そして過去にも目を向けながら、守るべきものは守り、変えるべきものは変え、より良い未来を創っていく。」との一文が記されており⁷、伝統の継承と改革の両立を訴える内容でした。
特に注目されたのは地方創生と危機管理に関する訴えです。磯﨑氏は郷土の誇る祭りや伝統文化を「未来の子どもたちのために保存し、継承できる仕組みを構築します」とし、四国八十八カ所霊場の世界遺産登録推進など文化面の政策を掲げました⁸。
同時に、防災・国土強靱化では「大胆な財政出動で防災・減災・国土強靱化を推進し、災害に強い四国新幹線の早期実現を目指します」としており⁹、地域インフラ整備による安全保障を打ち出しています。
またエネルギー政策では「2050年カーボンニュートラル実現のため再生可能エネルギーの最大限活用と、安全性を前提とした原子力の最大限活用」を掲げ¹⁰、気候変動対策とエネルギー安全保障の両立を図る考えを示しました。
さらに「男系による皇位継承を安定させる仕組みをつくることにより、『国のかたち』を護る」と明記し、伝統的な皇室制度の維持にも言及しています¹¹。これらから、磯﨑氏の政治姿勢として保守の心を重んじつつも未来志向の改革を断行するバランス感覚が浮かび上がります。