川合孝典(かわい たかのり)は、国民民主党所属の参議院議員(比例区選出)です1。1964年京都市生まれで、立命館大学法学部を卒業後に帝人株式会社に入社し、労働組合専従として活動しました。
その後、UIゼンセン同盟(現UAゼンセン)の東京都支部議長や政治委員会事務局長など労働界の要職を歴任し、労使問題に精通しています1。
2007年、第21回参院選で民主党公認により初当選し、参議院議員となりました2。以降、2013年に一度議席を失うものの、2016年の第24回参院選で国政に復帰し、2022年の第26回参院選でも再選を果たしています(通算3期、2013年は落選)2。
参院では国民民主党・新緑風会会派に所属し、2022年8月から党参議院幹事長、2022年12月から党幹事長代行を務めています3。また現在、党国会対策委員長や岡山県連代表も兼任し、2023年5月13日からは民社協会(旧民社党系の団体)の会長、UAゼンセン政治顧問など労組系団体の役職も担っています3。
分析対象期間(2015–2025年)は、彼が国政に復帰した2016年以降の2期目・3期目にあたり、本レポートではこの10年間の政治活動全体像を俯瞰します。労働組合出身の川合氏がどのような政策理念を掲げ、それを国会活動でどう実現しようとしてきたのか、公式資料や議事録、報道を基に検証します。
川合氏は直近の2022年参院選において、「ムダにしません 汗と税!」という印象的なスローガンを掲げました4。これは「国民の汗と税金を無駄にしない」との決意を示したもので、彼の労働者重視・財政規律志向の姿勢を端的に表しています。
川合氏は国民民主党公認候補として、党の「政策5本柱」に沿った公約を掲げました。その内容は、経済再生と賃金アップ、積極財政への転換、人的投資の拡充、安全保障の強化、そして政治改革による信頼回復という大きく5つの柱に集約されます56。
第一の柱:人への投資倍増で給料を上げる経済の実現
具体策として、中小企業支援の強化や日本型ベーシックインカム創設、非正規や中小で働く人への賃上げ支援などを掲げ、所得向上と格差是正を図るとしました7。
第二の柱:積極財政への転換
家計減税や現金給付、さらに法人税・たばこ税・所得税のバランスある増収策によって恒久財源を確保しつつ、物価高対策として時限的な減税も検討するという内容です8。
第三の柱:人づくりこそ国づくり
教育無償化の実現や児童手当の所得制限撤廃、高等教育の支援強化などを通じて少子化に歯止めをかけ、将来への投資を惜しまない方針を示しました9。
第四の柱:自分の国は自分で守る
食料安全保障や経済安全保障、危機管理体制の強化を掲げ、防災インフラ整備や農業者戸別所得補償の再構築などを約束しました10。
第五の柱:正直な政治を貫く