進藤金日子(しんどう かねひこ)議員は、秋田県大仙市出身の1963年生まれ¹。岩手大学農学部を卒業後に農林水産省へ入省し、農村振興局などで農業土木技術者として勤務した経歴を持つ元官僚だ²。
在チリ日本大使館一等書記官など海外経験も積み、「技術士(農業部門)」の資格を有する専門家でもある³。
2016年の第24回参議院議員通常選挙(平成28年)で自由民主党から全国比例区で初当選し、以後2022年の再選まで当選2回⁴。参議院では農林水産分野を専門とし、在任中に総務大臣政務官兼内閣府大臣政務官(2019年~2020年)や財務大臣政務官(2023年~2024年)など政府ポストも歴任した⁵。
所属派閥は二階派(志帥会)で、地方基盤の強い二階俊博氏の薫陶を受けつつ、党内では食料安全保障や農業政策の中核を担う立場にある⁶。
本レポートでは、2015年から2025年6月までの10年間にわたる進藤議員の政治活動を、選挙公約の分析から立法・発言・党内活動・政策実現度に至るまで包括的に検証する。進藤議員の歩みを振り返り、その政策スタンスと実績が有権者にもたらす示唆を伝えることを目的とする。
進藤議員の政治姿勢は一貫して「農林水産業・農山漁村こそ国の命綱」という信念に支えられている⁷。
2022年参院選の選挙公報でも大書きされたスローガンは「安心安全な食と農林水産業、農山漁村の未来を切り拓き、我が国の食料安全保障の確立のため、全身全霊で力を尽くします。」という力強い宣言だった⁸。
公約の柱は食料自給率向上と食料安全保障の確立、そして美しく活力ある農山漁村の再生である。実際、公式サイトの政策理念ページには「農林水産業は『国の基』です」と明記され、農業・農村なくして国民の命を支えられないとの強い使命感が表現されている⁹。
具体策としては以下の7つの重点項目が挙げられている¹⁰: