泉房穂候補の政治活動総覧(2015–2025)

概要

泉房穂(いずみ ふさほ、1963年8月19日生)は兵庫県明石市出身の政治家で、弁護士・社会福祉士の資格を持ちます¹

東大教育学部卒業後にNHK職員や朝まで生テレビのスタッフを務め、国会議員秘書などを経て、2003年には民主党公認で衆議院議員に初当選しました²

衆院議員時代には犯罪被害者基本法や高齢者虐待防止法、無年金障害者救済法の制定、介護保険法改正などに尽力し³、「人にやさしい社会」の実現を志向しました。

その後2005年に落選し、一時はテレビコメンテーターとしても活動しました。2011年には地元・明石市長選に立候補し初当選、以後3期12年にわたり市政を担いました。

明石市長としての実績

明石市長として泉候補は、「子どもを核としたまちづくり」を掲げ、全国に先駆けた5つの無料化政策(子ども医療費、高校給食費、第2子以降の保育料、公共施設入場料、新生児おむつ定期便の無償化)を次々と実現しました

こうした施策により明石市は人口増や住民の生活満足度向上を達成し、「本当に住みやすい街」ランキング関西1位にも輝くなど注目を集めました

論争と課題

一方で、市長在任中には部下への暴言による引責辞職(後に出直し選で圧勝復帰)や、市議会での失言、SNS発信を巡るトラブルも度重なりました(詳細は後述)。

それでも独自の福祉政策と発信力で全国的な知名度を得た泉候補は2023年に市長を退任し、無所属で国政復帰を目指して活動を開始します。

本レポートでは、2015~2025年を対象期間として、泉候補の政策理念、立法・発言動向、行政手腕、論争や課題を多角的に分析し、有権者がその政治家像を立体的に理解できるようまとめます。

1. 選挙公報・マニフェスト分析

泉房穂候補は直近の国政選挙(2022年7月の参院選兵庫選挙区)に無所属で立候補を表明しましたが、最終的に公示届出はせず、本格的な選挙公報やマニフェストの発行には至りませんでした。そのため公式の選挙公約集は確認できません。

しかし、2025年夏の参院選に向けて発信されたスローガンや政策の骨子から、泉候補の掲げる政治理念を読み解くことができます。

「国民を救う政治」の理念

最大の特徴は「国民を救う政治」という旗印のもと、物価高や生活苦に直面する人々への直接支援策を強調している点です。泉候補は明石市長時代の経験から、減税や現金給付による家計支援の必要性を訴えています。

例えば彼は消費税減税について「国民生活への支援拡充」「負担の軽減」の観点から前向きな姿勢を示し、選挙演説でもガソリン・食料価格高騰への緊急対策を掲げました(石破首相が「選択肢にない」と表明したことには反論する立場でした)

また「減税実現」をハッシュタグに掲げ、所得税・法人税の時限的減免による家計支援を唱えています。