赤石博子(あかいし ひろこ、1961年生まれ)は、日本共産党所属の女性政治家である。群馬県みどり市出身で、前橋女子高校を経て立教大学文学部を卒業後、NHK出版の雑誌『きょうの健康』編集者として約32年間勤めた経歴を持つ¹。
その後川崎市多摩区に移り住み、市民運動に参加。2019年の川崎市議会議員選挙(多摩区選挙区)に新人候補として立候補し、4,663票を得て初当選(定数9位)した²。
市議1期目(2019-2023)では党川崎北部地区常任委員として地域の政策提言に携わり、市議会では福祉や防災など暮らしに密着した課題に精力的に取り組んだ。2021年には第49回衆議院議員選挙で神奈川9区から立候補し、18,835票を獲得するも落選³。
2023年の川崎市議選では4,746票で次点に終わり市議再選はならなかった⁴。現在は国政進出を目指し、党公認の衆院神奈川9区候補や参院比例区候補として活動している⁵。
本レポートでは、2015–2025年の彼女の政治活動を網羅的に振り返り、市民生活に根差したその歩みと公約の実現状況を検証する。
赤石博子の掲げる政策は一貫して「格差をなくし、誰もが明るく豊かに暮らせる」社会の実現に主眼を置いている⁶。
2019年の川崎市議選公報では「格差をなくし誰もが明るく豊かに暮らせる川崎へ」というスローガンを掲げ、福祉充実と暮らし優先の市政を強調した⁶。
具体的な公約としては、市営住宅増設や特別養護老人ホームの増設、国民健康保険料や介護保険料の引き下げなど生活支援策の充実、児童手当拡充や給付型奨学金の創設など子育て・教育支援の強化が並び、加えて大型開発の見直しによる税金の無駄遣い是正など、市民の暮らしを直撃する問題への対策を掲げた⁷。
また「憲法を市政運営の基本に据え、人権を尊重し、差別を許さない川崎を」「憲法9条が輝く平和都市・川崎をつくる」といった平和・人権の訴えも公約の柱に据え、基地のない平和な地域づくりを目指す立場を鮮明にしている⁸。
こうしたキーワードからは、弱者救済や平和主義に軸足を置く日本共産党らしい政治姿勢が読み取れる。実際、彼女のマニフェストに頻出する語句は「暮らし」「福祉」「支援」「平和」「子ども」など生活者目線のものが多く、市民の命と暮らしを最優先する姿勢が表れている。
とりわけジェンダー平等の推進には力を入れており、本人も候補者アンケートで最も重視する政策として「ジェンダー平等の推進」を挙げている⁹。選択的夫婦別姓の導入や同性婚の合法化にも賛成の立場を明確にしており¹⁰¹¹、多様性を尊重する社会改革にも意欲的だ。
総じて、赤石博子の掲げる政策群は、地域から国政まで一貫して「暮らし・福祉の充実」と「平和と人権擁護」が二本柱となっており、その政治理念は終始ブレていないことがうかがえる。