深堀浩(ふかほり・ひろし、1965年生まれ)は、国民民主党所属の政治家で、長崎県選挙区から参議院議員選挙に挑戦する新人候補です。1965年長崎市生まれで、地元の山里小・中学校、長崎北高を経て九州電力に勤務した異色の経歴を持ちます。
40歳で政治の道を志し長崎市議会議員に初当選、その後2011年に長崎県議会議員選挙(長崎市選挙区)で初当選して以降、連続4期務めました¹。県議時代は文教厚生委員会委員長など要職を歴任し、改革21会派に属して県政改革に取り組んできました。
また労働組合出身で、九州電力労組や電力総連と強い繋がりを持ち、国民民主党長崎県連では幹事長を務めました²。
本報告では、2015年から2025年6月までの深堀氏の政治活動を振り返り、その政策の特徴と実績を多角的に分析します。地方議員として培った経験と実績を踏まえ、参院選に挑む深堀氏がどのような理念と戦略を持つ政治家なのか、事実に基づき検証することを目的とします。
深堀氏の直近の選挙公報を読むと、「みんなの手取りを増やす夏。」というキャッチコピーが大きく掲げられています³。これは物価高騰や実質賃金の目減りに直面する生活者の懐を直接あたためる政策を前面に出したスローガンで、その背景には長引く景気低迷や地域経済の疲弊への強い危機感がうかがえます。
また同時に「地方が主役の政治」を実現する決意も示されており、中央集権から地方分権へ財源と権限を移し、人口減少に歯止めをかけて地域が自立・存続できる仕組みを作ると宣言しています⁴。スローガンからは、家計支援と地方重視という二本柱が浮かび上がります。
公約の中身は極めて具体的で、経済政策では減税と負担軽減に力点が置かれています。例えばガソリン価格対策として、ガソリン税の暫定税率(1リットルあたり25.1円)廃止と、ガソリン税に対する消費税課税による税の二重負担の撤廃による大幅な燃料減税を掲げました⁵。
また電気代高騰に対応するため、厳格な安全基準を満たした原発のリプレース・新増設推進や再生エネルギー賦課金の一時停止にも踏み込んでおり、エネルギー政策では電力会社出身らしい現実路線が見られます⁶。
社会保険料についても「現役世代の負担軽減」を掲げ、子育て支援のための拠出金を国債で賄い保険料上乗せを廃止するといったアイデアも盛り込みました⁵。
さらに消費税は景気回復まで一律5%に減税し、インボイス制度は廃止すると大胆な提言をしています⁷。所得税・住民税についても基礎控除の大幅引き上げ(123万円→178万円)や年少扶養控除の復活など減税策を並べており、税制改革による可処分所得の向上が公約の核となっています³。
一方、社会政策の領域では少子化対策と教育無償化が目玉です。深堀氏は離島や過疎地を含めどこに住んでも等しい支援を受けられる社会を目指し、全国一律で小中学校給食費と0~2歳児保育料の無償化を国の責任で実現するよう主張しています⁸。
長崎県内では自治体間で給食無償化の取り組みに差があり、「全国で3割の自治体が実施済みなのに長崎県内は19%に留まる」という現状への焦燥感が、公約にも表れています⁹。
子育て世代への直接支援強化や、教育費負担の軽減策は、公約中でも繰り返し強調されるキーワードです。また「人づくりこそ、国づくり」として就職氷河期世代や若者への支援策、年金底上げも掲げられ、将来世代の不安払拭と社会保障の持続可能性にも目配りしています⁸。