平あや子(たいら・あやこ)氏は1979年12月生まれの45歳(2025年現在)。日本共産党所属の政治家であり、北海道帯広市出身、新潟大学卒業の経歴を持つ¹。
新潟県の医療生協職員として働いた後、2015年に新潟市議会議員に初当選し、以後2期務めた実績がある²。市議在職中は党新潟県委員会に所属し、ジェンダー平等委員会の責任者を務めるなど地域での活動にも尽力した³。
2021年の第49回衆議院議員総選挙では新潟2区から出馬(比例北陸信越ブロック重複)したが惜敗²。翌2022年7月の参議院比例区にも党公認で挑戦したものの当選には届かず、国政進出は果たせていない。
しかし党の方針に沿った政策活動や選挙応援で全国を奔走し、2025年7月実施予定の参院選比例区候補にも再度擁立されるなど、引き続き党の顔の一人として精力的に活動している⁴。
本レポートでは、2015年から2025年6月までの10年間におよぶ平氏の政治活動を振り返り、公約の内容と実現状況、立法・議会での働き、政策領域での取り組み、資金面のクリーンさ、情報発信力などを包括的に分析する。無名の地方議員から全国区の候補者へと歩んできた軌跡をたどり、その政治的特徴と課題を明らかにしたい。
平あや子氏が掲げてきた政策の柱は、一貫して「暮らし最優先の政治」という日本共産党の基本路線に沿ったものだ。
直近の参院選(2022年)で配布された選挙公報や政策ビラを分析すると、「消費税減税」や「物価高対策」「社会保障充実」「ジェンダー平等」「平和憲法堅持」といった言葉が頻出していたことが分かる。
実際、2025年に向けた演説でも平氏は「物価高から暮らしを守るには消費税減税こそ効果がある」と強調し、消費税率5%への時限減税とインボイス制度の廃止を訴えている⁵。
また大企業優遇税制を是正し富裕層に応分の負担を求めることで財源を生み出せると主張し、「企業・団体献金を1円も受け取らない共産党だからできます」と潔白さもアピールした⁶。
こうしたスローガンから浮かび上がるのは、家計負担の軽減と大企業・富裕層優遇の是正という明確な立場である。
頻出上位のキーワードをいくつか挙げれば、「消費税」「減税」「子育て」「平和」「憲法9条」「原発ゼロ」「最低賃金」「ジェンダー」「社会保障」「教育無償化」などが並ぶと推測される。これらはいずれも日本共産党が近年強調してきた政策であり、平氏もそれを全面に掲げている形だ。
例えば「#選択的夫婦別姓の導入」「#同性婚(婚姻平等法)の実現」などジェンダー分野の公約も目立ち、党内ジェンダー委員長としての顔がうかがえる。
全体として平氏のマニフェストは、市民生活の底上げと多様性尊重に軸足を置いたものと言える。スローガン自体は党の政策集を体現した内容で個人色は強くないが、頻出語からは庶民派で改革志向の政治姿勢が読み取れる。
地元紙のインタビューでも「暮らしの現場から声を届ける政治を」と述べており、有権者目線の政策を信条としているようだ⁷。
国政レベルでの法案提出状況を見ると、平氏は国会議員に当選していないため提出法案はゼロ件である。衆参両院の議案データベースを検索しても、平あや子氏の名前で提出者となっている法案は見当たらない(提出法案数0、成立法案数0)という結果だった。
この点は本人にとって歯がゆいところだろうが、ただちに「立法実績がない」と評価するのは早計かもしれない。というのも、平氏は地方議員時代から行政に政策提言を行ってきたからだ。