小野寺まさる(本名:小野寺秀〈おのでら・まさる〉、1963年8月10日生)は北海道帯広市出身の保守系政治家で、外交・安全保障から地方行政まで歯に衣着せぬ言動で知られる人物です¹。
父の小野寺勇氏も防衛問題に精通した北海道議会議員で、地方政界の論客として知られていました²。いわば二世議員として、米国留学(ウィスコンシン州立大オークレア校)と小樽商科大学卒業後に会社勤務や青年会議所(JC)活動を経て政治の道に入り、2003年に北海道議会議員選挙(帯広市選挙区)で初当選を果たしました³。
以後3期12年間にわたり道議を務め、党道連広報委員長や道議会経済常任委員・食と観光対策特別委員などを歴任しながら北海道の課題に取り組みました⁴。2015年に道議を任期満了で引退した後も政治的発信を続け、外国資本による土地買収やアイヌ政策への問題提起などで注目される"在野の論客"となりました。
その後2024年、保守系論客の百田尚樹氏らが結党した新党「日本保守党」に合流し、2025年2月14日に同党北海道支部長に就任しました⁵。2024年10月の第50回衆議院選挙では比例北海道ブロックから新党の名簿1位で国政復帰を狙いましたが、得票率が届かず落選⁶。現在は2025年7月20日実施の参議院議員通常選挙北海道選挙区に新人候補(日本保守党公認)として立候補し、長年の主張を国政の場で実現すべく精力的に活動しています⁷。
小野寺氏が直近の参院選に向けて掲げるマニフェストを読むと、"守り抜く""取り戻す"といった保守色の強いスローガンが前面に出ています。重点政策の柱は大きく三つに集約できます。
第一の柱:経済・財政政策
「減税を通じた経済活性化」を掲げ、食料品(酒類含む)の消費税を恒久ゼロ%にする、地方税減税を全国で推進する、ガソリン税・所得税も減税する、といった大胆な減税策を打ち出しています⁸。
物価高に苦しむ家計を直接潤す減税は与党が消極的な中で野党各党も競う争点となっており、小野寺氏も「食品の消費税、ゼロにすべきだ」と訴えるなど積極減税派の急先鋒です⁹。
第二の柱:外交・安全保障政策
「日本を守る」決意を明確に示し、自衛隊を正式な軍隊として位置づけるため憲法9条2項の改正を主張しています¹⁰。軍事挑発を強める中国や北朝鮮を念頭に、「スパイ防止法」の制定や防衛費増強はもちろん、自衛隊法・海上保安庁法の改正による体制強化など安全保障関連の法整備を網羅的に提言しています¹¹。
なかでも小野寺氏が力を込めるのが外国資本による土地買収の規制です¹²。道議時代から一貫して訴えてきたこの問題では、「安全保障上の脅威となる外国勢力による不動産(特に土地)買収の禁止」を明文化し、日本の水源地や自衛隊基地周辺が他国の手に落ちる事態を食い止めるべきだと訴えています¹³。
第三の柱:伝統文化・家族観
「日本の国体、伝統文化を守る」を掲げて皇室典範改正(旧宮家の復活)や歴史教育の見直しに言及する一方、近年制定されたLGBT理解増進法について「児童への教育」に関する条文削除などの見直しを主張しています¹⁴。
夫婦同姓制度を維持すべきとの考えが強く、選択的夫婦別姓の導入には反対の立場です。また同性婚の法制化についても慎重で、伝統的家族観を重んじる日本保守党の立場に沿っています¹⁵。
以上のように、小野寺氏の公約には「減税」「外国」「安全保障」といった言葉が何度も登場し¹⁶、経済重視と国益・主権擁護の姿勢が色濃く表れています。マニフェスト上位に並ぶキーワードからは、地域経済を活性化し(減税)、郷土北海道の土地と資源を守り(外国資本規制)、国家の自立と伝統を守る(安全保障・皇室)という小野寺氏の政治信条が読み取れます¹⁷。
小野寺氏は国政での立法経験こそありませんが、その分、北海道議会議員として地域課題の解決に奔走してきました。最たる成果が、外国資本による土地買収規制に関する先駆的条例の制定です。