小泉進次郎議員の政治活動総覧(2015–2025)

概要

小泉進次郎(こいずみしんじろう)氏は自由民主党所属の衆議院議員で、神奈川県第11区(横須賀市・三浦市)選出です¹。1981年4月14日生まれで、2009年に父である小泉純一郎元首相の地盤を継いで初当選し、以後6期連続当選しています²

2025年5月21日に農林水産大臣(第72代)に就任し、党神奈川県連会長として地元政界の要職も担っています³。関東学院大学卒業後に米国コロンビア大学大学院で政治学修士号を取得し、戦略国際問題研究所(CSIS)研究員や父・純一郎氏の秘書を経て政界入りしました

そうした国際派の経歴と**「政治家一家のプリンス」**としての知名度を背景に、若手論客として注目されました。2015–2025年の分析対象期間において、小泉氏は党の要職や閣僚を歴任し、環境・農政など幅広い政策分野で存在感を示しています。

本レポートでは、この10年間の活動を振り返り、小泉氏の政策理念と実績、公約の達成状況を包括的に分析します。

1. 選挙公報・マニフェスト分析

2015年以降の小泉氏の政治姿勢は、直近の選挙公報(2021年衆院選)に色濃く表れています。小泉氏はその選挙公約で「新時代の、扉をあける。挑戦を、やめない。」をスローガンに掲げ、以下の9項目を柱とするビジョンを示しました⁵⁶

物価高への対応

「くらしを守る物価高への対応」として、物価上昇で生活費が高騰する中、困窮する方々への支援策を強調しました。家計の安定を守るため、時限的な減税や給付金による緊急支援を行い、国民生活を下支えする決意を示しています。

経済のダイナミズム回復

挑戦や再チャレンジを許容し、「出る杭を伸ばす」社会へ転換することで、日本経済に活力を取り戻すと訴えました。失敗を恐れず挑戦できる寛容な社会風土づくりがテーマです。

令和の政治改革

政治への信頼回復なくして政策推進力は上がらないとの認識から、政治資金の不透明な流れを断ち切る決意を表明。長年取り組んできた国会改革の継続も誓い、「政治とカネ」の問題にメスを入れる姿勢を示しました。

聖域なき規制改革

ライドシェア(相乗りサービス)の解禁を筆頭に、生活者目線で既得権に切り込み、多様な選択肢を可能にする柔軟な制度改革を進めると約束しました¹⁰。日本で長年手が付けられなかった規制の見直しに挑み、経済・社会の新陳代謝を促す考えです。

人生の選択肢の拡大

「誰もが自分らしい生き方ができる国」を実現するため、生涯未婚や再婚、キャリアの多様化など個々人のライフスタイルの選択肢を増やす政策を推進すると述べています¹¹。これは選択的夫婦別姓や同性婚など家族制度の多様化議論にも通じる理念です。

経済・社会の強靱化と地方創生

自身の政治家としての原点と語る福島復興の継続支援を最優先に、能登半島地震や豪雨災害からの復旧加速など防災・減災に取り組むとしました¹²。地方創生策として被災地支援と地方経済の底上げを両立させるビジョンです。