福島みずほ議員は、社会民主党(社民党)の党首を務めるベテラン参議院議員です。全国比例代表で1998年に初当選して以来、連続5期当選(2022年7月の第26回参院選で5選)を果たし、議員在職は通算26年に及びます¹²。
宮崎県延岡市出身で東京大学法学部を卒業後、弁護士として人権問題に取り組んだ経歴を持ち、消費者・男女共同参画担当大臣(鳩山由紀夫内閣)なども歴任しました³。2003年に社民党党首に就任し約10年間党を率いた後、2013年に一度退任するも、2020年に党首復帰し現在まで小政党・社民党の顔として活躍しています⁴⁵。
彼女は「人権・平和・男女平等・雇用」を政治信条の柱に掲げ⁶、護憲と社会的公正を貫く姿勢で知られます。本レポートでは、2015年から2025年までの10年間に焦点を当て、福島議員の政策公約とその実践、国会内外での活動全般を包括的に分析します。
当該期間は、福島議員が党首として社民党を事実上ただ一人で国政に残し(2022年参院選では社民党比例で唯一の当選者となった⁷)、与党に対峙しながら存在感を示してきた時期です。本レポートは、有権者が福島みずほという政治家の軌跡と現状を深く理解する一助となることを目的としています。
2022年7月の参議院議員選挙に際し、福島みずほ議員(社民党党首)は選挙公報で明確なスローガンと大胆な政策群を訴えました。「希望は憲法」「ミサイルよりコメを!」「がんこに平和!」といった印象的なキャッチフレーズを掲げ⁸、憲法擁護と平和主義を前面に出す姿勢を強調しました。公約の柱は、彼女が長年取り組んできた社会的弱者の救済と平和の追求です。
選挙公報に列挙された政策をひも解くと、その全体像が浮かび上がります。まず経済・社会保障分野では、「食料品の消費税ゼロを即時実現」⁹や「最低賃金一律1500円を早期実現」⁹、「最低保障年金月10万円の創設」¹⁰、「社会保険料の事業主負担を増やし個人負担を半減」といった大胆な再分配策が並びます。
物価高に苦しむ生活者を直接支える減税や所得底上げ策を提示し、貧困と格差の是正を最優先に掲げていました。また、非正規雇用の是正や介護・医療の自己負担軽減など労働者・生活者の待遇改善も約束しています¹¹。
政治改革の領域では「企業・団体献金の禁止」を明記し¹²、政治とカネの問題にメスを入れる断固たる決意を示しました。実際、社民党は企業献金全面禁止を一貫して主張しており、福島議員自身も党首会見で「政権交代して企業団体献金を禁止すべきだ」と強調するなど強いリーダーシップを発揮しています¹³。
一方、安全保障・エネルギー分野では徹底した平和主義と脱原発が打ち出されています。公報には「地震大国に原発はいらない!」と原発ゼロを掲げ¹²、再生可能エネルギーへの転換を訴えました。また防災面では「防災省を創設し災害対策に全力」と提案し¹⁴、大規模災害への備えを政府機構から強化する構想も示しています。
外交・安全保障について最も強いメッセージは、「沖縄・日本を再び戦場にさせない!」という言葉に凝縮されています¹⁵。具体的には「軍事予算は削減。辺野古新基地反対!」と明言し¹⁵、米軍基地建設や防衛費増額に明確にノーを突き付けました。「ミサイルよりコメを!」のスローガン通り、防衛より生活を優先する平和国家観を鮮明にしています。
さらに、ジェンダー平等と多様性の尊重も公約の大きな柱でした。選挙公報には「ジェンダー平等・多文化共生社会の実現」や「選択的夫婦別姓の実現!」が謳われ¹⁶、誰もが自分らしく生きられる社会を目指すビジョンが示されています。
福島氏自身、事実婚で夫婦別姓を貫く当事者であり「なぜ私が姓を変えなければならないのか」という思いから長年この制度改革を訴えてきました¹⁷。同性婚についても公報で直接言及こそなかったものの(紙幅の制約もあり明記されなかったと推測されます)、彼女は一貫して「結婚の平等」を支持しており、党首会見やSNSで同性婚法制化への意欲を何度も示しています¹⁸。