城内実議員の政治活動総覧(2015年–2025年)

概要

城内実(きうち みのる)議員は、自由民主党所属の衆議院議員で、静岡県第7区選出です¹。1965年生まれ、東京大学卒業後に外務省に入省し外交官として勤務した経歴を持ちます²

2003年に初当選し、通算7回の当選を重ねてきました。特に2015年以降は、安全保障や外交分野で頭角を現し、2024年10月に発足した第1次石破内閣では経済安全保障担当大臣として初入閣を果たしました²³

在職中には外務副大臣や環境副大臣、衆議院外務委員長など要職も経験し、党内では経済産業部会長や情報調査局長を務めるなど政策立案に積極的に関与してきました²

本レポートでは、2015年から2025年までの10年間にわたる城内議員の政治活動を包括的に分析し、その政策姿勢と成果を明らかにします。

1. 選挙公報・マニフェスト分析

直近の衆議院選挙(2021年10月)において、城内議員は選挙公報で「日本が豊かで安心できる国になるよう信念を貫く」とのスローガンを掲げました。

元外交官の経験を活かし、経済安全保障や防衛力強化といった国家安全に関わる政策を前面に出す一方、地元静岡の産業振興や防災対策など地域密着の公約も示しました。

マニフェストでは「経済再生」「外交力強化」「地方の声を国政へ」を柱に据え、具体策として企業の研究開発支援や農林水産業の強化、災害に強い街づくりなどを挙げています。

公約文中で特に頻出したキーワードには「経済」「安全保障」「地元」が含まれ、城内議員が経済成長と国の安全を両立させる姿勢を重視していることが読み取れます。

また「子育て支援」「教育無償化」といった社会政策にも言及し、保守派ながら現場のニーズに応える柔軟さも示しました。城内議員の重点分野は全般に保守本流の路線でありつつ、地元有権者へのきめ細かな訴えかけも忘れない点が特徴と言えます。

2. 法案提出履歴と立法活動

城内議員は与党議員として政府提出法案の審議に積極的に関わる一方、自ら立法にも携わってきました。2015年以降、提出者に名を連ねた議員立法は外交・安全保障や地方創生に関するものが多く、たとえば自衛隊の活動基盤を拡充する関連法案などに共同提案者として参画しています。

また、「テレワーク推進法案」や「気候変動対策推進に関する決議」など時勢に応じた政策にも関与しました。

経済安全保障推進法への関わり

立法面で注目されるのは、2022年に成立した経済安全保障推進法です。これはサプライチェーンの強靱化や重要技術の流出防止を図る画期的な法律で、城内議員は与党議員として法案成立を支持し、現在は経済安全保障担当大臣として同法の運用に携わっています。

また政府提出の安保法制関連法や防衛費増額に伴う財源確保法などでも賛成票を投じ、与党の一員として政権政策を支えています。法案成立率は高く、2015年以降に城内議員が関与した主な法案はほぼすべて国会で可決されており、政策実現力の高さがうかがえます。

3. 国会発言の分析

国会での城内議員の発言は、この10年間で外交委員会や安全保障委員会での質疑が多く、外交官出身らしく国際情勢や安全保障政策に関する論点で政府をただす姿が目立ちました。