赤羽一嘉議員の政治活動総覧(2015–2025)

概要

赤羽一嘉(あかば かずよし)議員は公明党所属の衆議院議員で、兵庫県第2区選出。1958年5月7日生まれの赤羽氏は慶應義塾大学卒業後に三井物産に勤務し、1993年に初当選して以降、現在10期目を務めるベテラン政治家である(2009年に1度落選を経験)¹

公明党では副代表や中央幹事会会長など要職を歴任し、国土交通大臣(第22・23代、水循環政策担当大臣を兼務)や財務副大臣、経産副大臣等の閣僚経験も持つ²

阪神・淡路大震災で被災した経験から防災政策に強い関心を示し、党内では災害対策や税制調査の要職を担ってきた。兵庫2区は神戸市兵庫区・北区・長田区と西宮市山口・塩瀬支所管内を含む地域で、赤羽氏は地元に根ざした「現場第一主義」を掲げて支持を集める³

本レポートでは、2015年から2025年までの赤羽議員の政治活動を網羅的に分析し、有権者がその軌跡と成果を評価できるようまとめる。

1. 選挙公報・マニフェスト分析

直近選挙での政策と活動実績

赤羽議員は2024年10月の衆院選で10期目の当選を果たした。公明党の兵庫2区候補として、防災・減災対策の強化、子育て支援の充実、教育負担の軽減、地域経済の活性化といった政策の柱を継続して訴えた。

特に阪神・淡路大震災を議員活動の原点とし、被災者生活再建支援法の制定・拡充をリードしてきた実績を強調。能登半島地震では、雇用調整助成金の特例措置の対象要件緩和を実現し、中長期的に復旧・復興を支える復興基金の設置も強力に後押しした

キーワード分析からみる政策重点

選挙公報から頻出するキーワードを分析すると、「防災」「減災」「教育」「子育て」「バリアフリー」「地域」「観光」「中小企業」「神戸」「西宮」などが上位に挙がり、赤羽氏が防災・教育・地域経済に重点を置いている姿勢が読み取れる。

人手不足に悩む中小企業を支えるため、省人化・省力化に必要な設備投資への補助金実現にも取り組み、「物流の2024年問題」では党プロジェクトチーム座長として運転手の賃上げ促進など、懸念される輸送力不足の解消に全力で取り組んでいる

こうした一貫した政策テーマは、震災被災の体験や長年の地元活動から培った"生活者目線"に裏打ちされており、同氏の政治姿勢を象徴している。

2. 法案提出履歴と立法活動

政府提出法案の推進役としての実績

赤羽議員は、公明党の中堅・ベテランとして多くの法案提出や審議に関わってきた。特に、2019年9月から2021年10月まで国土交通大臣を務めた際は政府提出法案の推進役を担い、観光促進や交通インフラ強化に関する法整備を指揮した

また議員立法でも、防災減災対策や中小企業支援など地元・専門分野に絡む法案の提出に関与している。2015年以降の国会会議録を分析すると、赤羽氏が提出者または賛同者となった法案は多数確認できる。

被災者支援法の拡充への貢献

立法成果の一例として、豪雨災害後の被災者生活再建支援法の拡充に尽力し、被災者支援金の上限引き上げなどを実現させた。成立した法案の背後には、党内プロジェクトチームでの調整や与野党合意形成に奔走する赤羽氏の姿があったと伝えられる。