東徹(あずま・とおる、1966年9月16日生)は、日本維新の会所属の衆議院議員(大阪府第3区選出)です。大阪市住之江区出身で、近畿大学法学部卒業後に社会福祉士として福祉施設勤務などを経て、大阪府議会議員(自民党公認)に初当選しました(2003年)¹。
2010年に自民党を離党して大阪維新の会の結成に参加し、2013年には参議院議員選挙(大阪選挙区)で初当選、以後2019年まで参議院議員を2期務めました²。党内では旧維新の党・おおさか維新の会で総務会長等を歴任し、大阪維新の会創設メンバーの一人でもあります³。
2024年には参議院議員から衆議院大阪3区へのくら替え出馬を決断し、同年10月の第50回衆議院総選挙で当選、衆議院議員となりました⁴。在職通算では地方議員3期、国会議員3期(参院2期・衆院1期)を重ねており、本レポートでは2015年から2025年7月までの10年間に焦点を当て、東議員の政策・活動を総合的に分析します。
東徹議員が直近の選挙で掲げた公約の特徴として、「身を切る改革」を前面に打ち出す姿勢が挙げられます。参議院議員時代から一貫して「政治家自らが率先して既得権を削る改革」を訴えており、2024年の衆院選大阪3区でも「大阪から日本を変える。維新だからできる改革!」といったスローガンを掲げました。
選挙公報では、日本維新の会公認候補として歳費や議員特権の削減、行政の無駄撲滅などを強調し、具体的には「国会議員歳費の2割カット」「企業団体献金の禁止」「公共事業の見直し」などの政策が並びました(※公約ビラより推定)。また、地元大阪の課題にも触れ、「大阪の成長を日本の成長に」という地域密着の視点から、関西万博の成功や地域活性化への意欲を示しています。
公約に頻出するキーワードとしては、「改革」「大阪」「日本」「身を切る」「教育無償化」「福祉充実」などが挙げられ、行政改革と社会保障の両立に重点を置く姿勢が浮かび上がります。特に「改革」という言葉は繰り返し用いられ、東議員が政治家の既得権是正や制度見直しに情熱を注いでいることがうかがえます。
また「教育無償化」「子育て支援」など将来世代への投資にも言及し、日本維新の会の基本政策である教育負担の軽減策を支持しています。これらから、東議員の公約は「身を切る改革」と「将来世代への投資」を二本柱とし、行財政のスリム化で財源を生みつつ社会福祉や教育に振り向けるというメリハリのある政策観が読み取れます。
総じて、公約全体からは「大阪発の改革スピリットを国政へ」という信念が感じられ、有権者に対し現状打破への決意を強く印象付ける内容となっていました。
東徹議員は参議院議員時代、少数野党の立場から精力的に議員立法を模索しました。特筆すべきは、前述の公約と直結する歳費・議員特権の削減法案です。
2019年(令和元年)の第200回国会では、「国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案」を参議院に提出し、議員歳費の削減を提起しました⁶。この法案は東議員ほか1名の発議によるもので、内容は国会議員の歳費(月給)を2割カットすることを主眼としていました⁷。
続く令和2–3年にも同趣旨の法案を再提出し、第204回国会(2021年)では参法第1号として同様の歳費削減法案が提出されています⁸。さらに、立法事務費(議員に交付される政策活動費)の縮減にも取り組み、2021年1月には「各会派に対する立法事務費の交付に関する法律の改正案」を発議しました⁹。
加えて、「国会議員の秘書の給与等に関する法律の改正案」も提出し、議員秘書給与の在り方見直しによる歳出削減を図ろうとしました¹⁰。これらはいずれも日本維新の会の掲げる「身を切る改革」の具体策であり、東議員自身が法案提出者となって実行に移した形です。