浅野哲(あさの さとし)議員は、1982年生まれの理系出身政治家で、東京都八王子市で育ちました。大学院で物理学を専攻後、日立製作所の研究員として半導体センサー開発に従事し、その後に政治の世界へ転じました¹。
2015年、大畠章宏衆院議員(当時)の公設秘書となり、2017年に民進党公認で茨城5区から衆院選初出馬。小選挙区では敗れたものの比例復活で初当選し、その後3期連続当選を果たしています(2017年、2021年、2024年)²。
所属政党も民主党→民進党→希望の党→旧国民民主党を経て、2018年以降は国民民主党に参加し、現在は党青年局長など要職を歴任しています³。
選挙区は茨城5区(日立市・高萩市・北茨城市・東海村)で、科学技術畑の経歴から「理系国会議員」を自称し、エビデンス重視の政策提言で知られます。2015年から2025年までの10年間にわたる政治活動を振り返る本レポートでは、浅野氏の公約・立法・発言・党内活動を分析し、有権者がその歩みと成果を立体的に理解できるようまとめます。
浅野議員が直近の選挙(2021年・第49回衆院選及び2024年・第50回衆院選)で掲げた公約をひも解くと、「浅野さとしのVision 2030」と題するビジョンが示されていました⁴。公報からは4つの柱が鮮明です。
「給料・年金が上がる経済を実現」では、物価高や社会保険料負担を抑えつつ所得を増やし、手取り収入を増やす減税策や中小企業支援を通じて賃金と年金を引き上げると訴えました⁵。
次に「自分の国は自分で守る」では、防衛力強化やエネルギー・食料の安全保障を掲げ、同盟依存に偏らない自立した安全保障を目指す姿勢を示しました⁶。
第三に「人づくりこそ、国づくり」として教育投資や子育て支援の充実を訴え、理系出身らしく科学技術・人材育成へのコミットメントを強調しました⁷。
最後に「正直な政治をつらぬく」では、政治とカネの問題に厳しく臨む決意や情報公開の徹底などクリーンな政治姿勢を打ち出しています⁸。
実際、選挙公報でも「給料」「年金」「経済」「守る」「政治」などのキーワードが頻出し、浅野氏の重点分野が経済再生と安全保障、そしてガバナンス改革にあることが読み取れます。
スローガン「くらし最優先」を掲げて有権者の暮らしに直結する課題にフォーカスしつつ、自身の専門性を活かした政策(産業競争力強化やデジタル推進など理工系らしい視点)も盛り込まれていました。公約全体からは、生活者目線の経済政策と改革志向のクリーンな政治という二本柱がうかがえ、浅野議員の政治姿勢を端的に物語っています。
浅野議員は野党議員として積極的に議員立法に取り組んできました。特に2025年には立て続けに法案提出者・賛同者に名を連ねています。