池下卓(いけした・たく)議員は大阪府高槻市出身の政治家で、税理士の資格を持つ異色の経歴の持ち主です¹。1975年生まれの現在50歳で、祖父の佐一郎氏が高槻市議を務めた地方政界に縁のある家系に育ちました²。
龍谷大学大学院を修了後、2011年に当時躍進期にあった地域政党「大阪維新の会」から大阪府議会議員選挙に初当選し、以後2015年、2019年と大阪府議を通算3期務めました³。維新改革の地盤を府政で築いたのち、2021年の第49回衆議院議員総選挙で国政に転じます。
この選挙では大阪10区から新人候補として立候補し、知名度抜群の立憲民主党重鎮・辻元清美氏を小選挙区で破る大金星を挙げました⁴。辻元氏にとっても小選挙区での敗北は2012年以来で、比例復活もならず、維新の猛攻の象徴的勝利として全国の注目を集めました⁵。
池下氏は地元生まれという強みを生かし、「唯一の地元出身候補」であることを強調して保守層にも浸透を図る戦術をとりました⁶。維新副代表の吉村洋文大阪府知事らも応援に駆けつけ、「成長のための改革ができるのは維新だけ。改革をやるのが池下さんだ」と大観衆を前に訴えるなど党を挙げた後押しで追い風を受けました⁷。こうした戦略が奏功し、池下氏は初当選を果たします。
その後、2024年10月の第50回衆議院選挙でも大阪10区で再選され、現在まで衆議院議員2期目として在職しています⁸。所属政党は日本維新の会(大阪維新の会)で、党内では財務局長という要職に就き、党執行部の一員としても活動しています⁹。
本レポートでは、2015年から2025年7月までの10年間を対象に、池下議員の政治活動を多角的に分析します。地方議員から国会議員へと成長してきた歩みを描きつつ、選挙公約の内容とその実現状況、国会での立法・発言活動、党内外での役割、さらに政治資金や情報発信まで網羅し、有権者が評価できる材料を提供することを目的としています。
池下議員の直近の選挙公報やマニフェストからは、掲げる政策の全体像と政治姿勢が浮かび上がります。2024年衆院選で池下氏は「大阪から日本を変える!」とのスローガンを前面に出し¹⁰、日本維新の会が提唱する「言ったらやる」という信条を体現する改革派候補であることを強調しました。
公約の目玉は池下氏いわく「日本大改革プラン」であり、その柱の一つが税制改革です¹¹。具体的には「活力を生み出す現代型の税制」を掲げ、所得格差解消のため労働所得課税の大幅減税を打ち出しました¹²。同時に国際競争力を高めるため法人税率の引き下げを主張する一方、既得権益化している分野への課税は強化するとしており、メリハリの効いた税制で経済に活力を与える構想です¹³。
また、日本維新の会の代名詞ともいえる「身を切る改革」も公約の柱です。池下氏は政治腐敗を浄化し国民の信頼を取り戻すとして、企業・団体献金の禁止や国会議員の特権的経費である文書通信交通滞在費(いわゆる「文通費」)の旧制度の廃止など、徹底したクリーン政治を訴えました¹⁴。
実際、選挙ビラでも「政治腐敗を浄化」「企業団体献金と政策活動費の廃止」と明記されており、公職者自らが身を削る改革への強いコミットメントが示されています¹⁵。
加えて、教育無償化の推進も維新の「4大改革」の一つとして打ち出されました。池下氏のビラ裏面には全国一律の教育無償化構想が漫画で分かりやすく紹介され、有権者に親しみやすく伝える工夫もされています¹⁶。
このように国政レベルの大きな改革ビジョンと並行して、池下氏は地元高槻・島本地域の「重点政策7項目」にも力点を置きました¹⁷。具体例として、防災対策の強化や地域医療の充実、子育て支援の拡充、JR高槻駅前の再々開発、島本町の活性化、さらには市営バスなど地域の足の確保など、住民の日常に直結する課題への具体策を提示しています¹⁸。
限られた紙面に盛り込んだこれら地域密着の公約からは、「地元の声を国政に届ける」という池下氏の強い意気込みが伝わってきます。公約文中で頻出したキーワードを分析すると、「改革」「支援」「医療」「教育」「子育て」などが上位を占めており、行財政改革への意欲と社会保障・教育への関心の高さがうかがえます。こうした言葉の端々にも、歳出の無駄を省いて得た財源を将来世代への投資(教育・子育て)に充てるという維新らしい政策哲学が表れていると言えるでしょう。