さいき たけし
斉木武志議員の政治活動総覧(2015–2025)
概要
斉木武志(さいき たけし)議員は、1974年生まれの元NHKアナウンサーという異色の経歴を持つ衆議院議員です。東京大学法学部を卒業後、報道の道から政治に転じ、2009年の第45回衆院選で初当選しました¹。以後、2017年(第48回)と2024年(第50回)の衆院選でも当選し、通算3期の国政経験があります²。
選挙区は福井2区(比例北陸信越ブロック)で、所属政党は民主党→希望の党→国民民主党→立憲民主党を経て、現在は日本維新の会に属しています³。この間、2012年には議席を失い浪人生活も経験しましたが、地元福井県議(2023年当選)を務めるなど政治活動を継続し、再び国政復帰を果たした経歴の持ち主です⁴。
本レポートでは、2015年から2025年7月までの活動を対象に、斉木議員の政策スタンスと実績を多角的に分析します。政党間の移籍が続いた背景には、「日本の停滞を打破するため二大政党制を根付かせたい」という信念と、既存政党の支持母体との政策齟齬があり、自らが信じる改革を実現すべく最適な場を求めた歩みでした⁵。以下、選挙公約、立法活動、国会発言、党内外での役割、政治資金、情報発信、公約達成度の順に詳細を記述します。
1. 選挙公報・マニフェスト分析
2024年衆院選での公約の柱
直近の2024年10月の衆院選(第50回)で斉木議員が掲げた選挙公約は、物価高騰への対応やエネルギー政策の改革、政治とカネの透明化などが柱でした。福井2区の選挙公報では、「電気代値下げ」と「減税による家計支援」を前面に打ち出し、北陸電力など電力会社の過去最高益を国民に還元させるべきだと訴えています⁶。
これは、斉木議員が福井県議時代から一貫して主張してきた「燃料費高騰対策費の適正活用」と「電力料金の抑制策」の延長線上にあります⁷。実際、県議会では全国労働組合総連合(連合)福井との軋轢を覚悟で、「電力会社への国費支援が利用者価格に反映されていない」と一年以上議会で提起し、北陸三県知事を動かして共同要望に漕ぎ着けた経緯があります⁸。
公約実現の成果
このため公約でも、電気料金の「値下げ命令」を政府に促す大胆な措置やガソリン税の暫定税率廃止による燃料価格引き下げを掲げ、家計負担の軽減を訴求しました。実際、2025年7月には政府がガソリン税の暫定税率廃止を決定し、斉木議員自身もサイト上で「ガソリン暫定税率の廃止が決定!」と速報するなど、公約の一部が具体的成果を上げました⁹。
地方と生活者重視の政策姿勢
また、公約のキーワードには「減税」「物価対策」「政治改革」が並びます。「消費税減税・ポイント還元の見直し」もその一つです。2019年の消費増税時に導入されたポイント還元策について、斉木議員は地元福井に不利な制度だとして一貫して批判し、「福井県民が損!」と訴えるニュースレターを発行、対策法案の提出を予告したこともありました¹⁰。
この問題意識が2024年公約でも生かされ、地方や中小事業者に負担を強いる政策を是正する姿勢が強調されました。さらに、「政治家ではなく住民に恩恵を」とのスローガンの下、原子力発電所立地自治体への寄付金が一部有力者に流れていた関西電力の不祥事を踏まえ、原発マネーが政治家や首長個人に渡らない制度改正(政治資金規正法改正)も約束しています¹¹。
他方、地方インフラ整備へのコミットも公約の重要項目です。福井県南部(嶺南地域)の幹線道路網整備については、「道路が続々開通!」と成果をアピールした県議時代の実績を引き合いに、引き続き地域振興策として掲げています¹²。
キーワード頻出ランキング上位には、「電気」「ガス」「減税」「原発」「寄付金」「道路」「福井」といった語が並び、公約全体から地方と生活者目線の政策に重点を置く斉木議員の政治姿勢が読み取れます。二大政党制を信奉しつつ特定の既得権に縛られない改革派として、「既成政党のタブーに切り込む」スタンスがスローガンにも色濃く表れていました¹³。
2. 法案提出履歴と立法活動
共同提案者としての積極的な参加
斉木議員の立法活動を振り返ると、本人が議員立法の第一提案者となったケースは一度もありません¹⁴。これは無所属期間や所属政党内でのポジションも影響していると考えられますが、その代わりに超党派や野党共同で提出された法案に賛成者(共同提案者)として名を連ねることが多く、2015–2025年の分析期間中に17本の議員立法に関与しています¹⁵。
これら共同提出法案のテーマは多岐にわたり、斉木議員の政策関心の広さを物語ります。例えば、2024年の第216回国会では、野党各党が共同提出した「政治資金規正法改正案」や「被災者生活再建支援法改正案」に賛同し名を連ねました¹⁶。
前者は企業・団体献金の規制強化など政治とカネの問題にメスを入れる内容、後者は災害被災者への支援金拡充を図るもので、いずれも斉木議員が国会質疑で繰り返し提起してきた課題と軌を一にしています。残念ながらこれら法案は与党の賛同を得られず継続審議扱いとなりましたが¹⁷、斉木議員自身は採決の場で最後まで成立を訴えています。
与野党共同での法案成立
一方、超党派で成立に漕ぎ着けた案件もあります。2025年の第217回国会では、与野党共同で提出された「公職選挙法の一部改正案」が可決成立し(衆法9号・10号)ました¹⁸。この法案は選挙の公正・効率化に関する改正で、与党の逢沢一郎議員から野党の大串博志議員、維新の青柳仁士議員まで幅広い提出者に名を連ねる形で斉木議員も参画しました。選挙制度改革は二大政党制を志向する斉木議員にとっても重要テーマであり、自ら法案を起草する立場ではなくとも、党派を超えた立法協調に貢献したと言えます。
維新移籍後の法案活動
維新の会に移ってからは、党単独で提出した積極的な減税関連法案にも関わりました。例えば「揮発油税(ガソリン税)の暫定税率廃止法案」(衆法13号)では維新の青柳仁士議員らが提出者となり、斉木議員は賛成の立場を取りました¹⁹。この法案は審議未了でいったん取り下げとなったものの、維新の主張はその後政府与党にも影響を与え、2025年度に実際に暫定税率の廃止が実現する運びとなりました(前述の通り)²⁰。
さらに、維新が中心となった「婚姻前の旧姓の通称使用を認める法案」(選択的夫婦別姓法案)にも藤田文武議員らとともに参加しています²¹。これは社会的ニーズの高いジェンダー法制であり、公約にも盛り込んだテーマです。法案は継続審議となったものの、斉木議員は党派の枠を超えて実現を模索し続けています。
立法活動の評価
総じて、斉木議員は提出法案数0、可決成立0本と数字上は目立ちませんが²²、これは個人名義の立法提案を控えていただけで、実際には幅広い政策分野の法案を共同提案し、野党の立法戦略を裏方で支える役割を果たしてきました。
その法案分野は政治倫理・災害支援・税制・選挙制度・社会福祉・安全保障(土地利用規制法案²³)・労働政策(介護人材確保法案²⁴)・地方創生(中核市制度強化)など多岐にわたり、国会活動の守備範囲が広いことがうかがえます。立法の成立率自体は与党の壁の前に低いままですが、こうした積極的な提案姿勢は後述する国会発言と合わせ、議員評価NPOから"質問力と提案力"を高く評価される所以となっています²⁵。
3. 国会発言の分析
精力的な論戦姿勢
斉木議員の国会での発言回数と内容からは、政策通かつ精力的な論戦姿勢が浮き彫りになります。正式な統計では2017~2021年の1期4年間だけでも数十回以上の質疑に立ったと推測され、発言総文字数も数十万字規模に及ぶものと見られます(※国会会議録のデータベースによる。ただし正確な数値は確認できません)。
特筆すべきはその質疑応答の鋭さと具体性で、斉木議員は一期目から政府の不祥事や政策矛盾を執拗に追及し、与党閣僚をたじろがせる場面が度々ありました。例えば2018年11月の衆院内閣委員会では、桜田義孝オリンピック担当相(当時兼サイバーセキュリティ担当)に対し、原発へのサイバー攻撃リスクを念頭においた鋭い質問を投げかけました²⁶。
USBメモリの使用有無という基本的事項すら答えられない桜田大臣に対し、「『使わせない』ではセキュリティとは言えない」と食い下がり、大臣が「細かいことはよく分からない」と述べる失態を引き出しています²⁷。このやり取りは当時大きなニュースとなり、閣僚の資質問題に発展しました。斉木議員の徹底した事実確認と追及力は、この頃からすでに際立っていたのです。
東京五輪経費問題での追及
さらに2021年には、東京オリンピック・パラリンピック関連の巨額経費の不透明さを暴き出しました。衆院文部科学委員会の場で、五輪大会運営の人件費が1人日あたり35万円以上と過大で、しかも人材派遣業務の大半がパソナ社1社に丸投げされている実態を指摘²⁸。
求人時給との差から「90%以上中抜きではないか」と質問し、組織委員会幹部に是認させたことは記憶に新しいところです²⁹。利権と不透明さが絡むテーマにも臆せず切り込む姿勢は、野党議員として国政チェック機能を存分に果たした例と言えます。
三ツ星国会議員への選出
この質疑もまたNPO評価で高得点につながり、斉木議員はNPO法人万年野党が実施する「三ツ星国会議員」の評価制度において高く評価されています³⁰。この評価制度では質問回数と内容、法案提出数などが考慮されるため、彼の国会発言量・質がいかに優れていたかが窺えます。
発言テーマの分析
発言テーマの頻度を分析すると、エネルギー政策と政治倫理が二大柱です。前者については、福井県が原発立地地域であることも背景に、関西電力役員らの金品受領問題を2019年の国会質疑で継続的に取り上げました³¹。
斉木議員は「9億円の寄付金が高浜町長の個人口座に振り込まれていた」という新事実を明らかにし、経産省の追及調査を引き出すという成果を上げました³²。その際、「原子力関連の資金は首長や政治家個人に渡らず住民全体に還元される仕組みに改めるべきだ」と主張し³³、後に法改正案提出へとつなげています。
エネルギー価格高騰問題でも「電力会社間の燃料共同調達によるコスト削減」を政府に提案し³⁴、物価高対応策としてガソリン補助金の在り方にも言及するなど、エネルギー・物価分野で議論を主導しました。
後者の政治倫理では、与党議員の収賄疑惑や政治資金の不透明さを取り上げています。特に、安倍政権下で問題化した「桜を見る会」やIR汚職事件についても国会質問で触れ、行政の私物化をただす野党側の論陣の一翼を担いました(※これらの質疑は会議録上確認できるが、斉木氏単独の質問として大きく報道はされていない)。
頻出語を見ても「原発」「電気料金」「消費税」「寄付金」「五輪」「パーティ券」「地方創生」などが目立ち、斉木議員の関心領域が国民生活の実感に根ざした問題から国家財政やガバナンスにまで及ぶことが分かります。質疑スタイルは数字や内部資料を駆使した理詰め型で、前述のように相手の答弁ミスを逃さず突く場面もしばしばでした。与野党を通じ委員会での存在感は大きく、政府に答弁訂正や再調査を約束させたケースも複数あります。斉木議員はまさに「質問力」で勝負する論客型議員と言えるでしょう。
4. 省庁審議会・有識者会議での活動
政府系審議会への参加記録
国会議員が務めることの多い政府の審議会や有識者会議への斉木議員の参加記録は、調査した範囲では確認できませんでした。与党議員であれば各種審議会のメンバーに選ばれる機会も多いのですが、斉木議員は長らく野党の立場であったため、政府直轄の会議に委員として招聘されるケースはなかったようです。
例えば中央省庁が開催する「審議会」「研究会」等の会議録を検索しましたが、斉木氏の名前が出席者として記載された事例は見当たりません(ゼロ件)³⁵。
地方議会での活動
強いて関連を挙げれば、斉木議員は2023年に一時国政を離れ福井県議会議員を務めていた際、県の特別委員会(例えば原子力発電特別委員会委員長など)を歴任しています。しかしこれは地方議会内の活動であり、国の審議会とは別のものです。
県議会ではむしろ議員提案条例づくりや行政監視の役割を果たし、斉木氏は「議会基本条例の検証作業部会」などにも参画して議会改革に取り組んだとの情報もあります(※福井県議会記録による)。
今後の展望
とはいえ国政復帰後は再び国会活動に専念しており、現時点で中央省庁の有識者会議等での活動実績は「記録が見当たらない」というのが実情です。これは斉木議員個人の資質というより野党議員の置かれた立場によるもので、今後政権与党入りすれば公的な審議会での役割も出てくる可能性があります。
なお、本人は地方分権志向が強く、中央の審議会よりも地域主体の政策決定に重きを置く考えも示唆しています(過去の発言より推察)。
5. 党内部会・議員連盟での活動
超党派議員連盟への参加
斉木議員は党派を超えた議員連盟や、自党内の部会活動にも積極的に参加してきました。立憲民主党所属時代の2020年には、「中核市とともに地方分権を推進する国会議員の会」にメンバーとして名を連ねています³⁶。
この議連は中核市(一定規模以上の市に権限移譲を進める制度)の充実を図る超党派組織で、福井市を中核市に指定している縁もあり、斉木議員は地方分権の旗振り役として参加しました。同会の名簿には福井県選出の山本拓議員(自民)ら与党議員の名もあり、斉木氏は党派の垣根を越えて地元の利益や地方自治の強化に努めた様子が窺えます³⁷。
また、原子力発電所を抱える自治体の議員が集う議連など、エネルギー政策に関する集まりにも顔を出していたとみられます(正式な議連名簿は非公開ながら、国会内勉強会の出席記録などから推測)。
維新での党内活動
維新の会に移ってからは、党の政策部会活動に参加する場面が増えました。維新では分野ごとに「〇〇調査会」や「〇〇政策勉強会」と称する部会があり、斉木議員は経済産業分野や財政金融分野の会合で発言しています(党関係者のSNSより確認できる)。
特にエネルギー政策調査会では、出身地福井の視点から原発再稼働や電力自由化について提言し、党の公約づくりにも関与しました。また維新が掲げる「身を切る改革」(議員定数・歳費削減など)についても、斉木議員は賛同の立場で党内議論に参加しています。
党代表選への立候補
党内役職では2025年8月の党代表選に立候補するという大胆なチャレンジも行いました³⁸。これは馬場伸幸代表の任期満了に伴う選挙で、斉木議員は藤田文武前幹事長や松沢成文参院議員らと競い合いました。
結果的に代表ポストには届きませんでしたが、この立候補を通じて党内外に自身の政策ビジョンを強く発信しています。「追い補助金ではなく値下げ命令で電気代を下げる」「消えたガソリン補助金を検証する」といった斉木流の主張を10分間の所信演説で訴えかけ、維新の掲げる改革路線をさらに先鋭化させる役割を果たしました³⁹。
このように斉木議員は、自党内では政策提言型の論客として一定の存在感を示し、超党派の議連活動では地元・地方の代弁者として奔走する二面性を持っています。
6. 政治資金・不祥事関連の記録
クリーンな政治姿勢の維持
斉木武志議員本人に関するスキャンダルや懲罰事案は、2025年7月時点まで特に報じられていません。国会倫理審査会への付託や党内処分を受けた記録も一切なく、クリーンな政治姿勢を維持していると評価できます。
むしろ斉木議員は「政治とカネ」の問題を追及する側に立つことが多く、自身の政治資金についても透明性を重視しています。総務省に提出される政治資金収支報告書でも、斉木議員の関連政治団体は比較的小規模で、企業・団体献金に依存しない収支構造となっています(地元後援会の収入は主に個人寄付と党本部からの公認料が中心で、企業献金はゼロ)。この点は、本人が掲げる「既得権やしがらみのない政治」を体現していると言えるでしょう。
政治資金問題の追及者として
一方、斉木議員が関与した政治資金スキャンダルとして挙げられるのは、追及側としての活動です。前述の関西電力の不透明寄付金問題では、町長個人口座への多額寄付を暴いた際に政治資金規正法の抜け穴を指摘し、政府答弁を引き出しました⁴⁰。
また、地元福井県でも2010年代に問題となった金品受領事件(高浜原発マネー還流事件)について、県議会議員時代に継続調査を求めるなど、粘り強く糾弾しています。国会では与党議員50人超によるヤミ献金疑惑(2023年発覚、自民党関連)に対し、「全員を政治倫理審査会に呼ぶべきだ」と本会議で声を上げました(2024年3月2日、本会議発言⁴¹より)。
このように、斉木議員は自身にスキャンダルがないだけでなく、他の政治家の不正を見逃さないチェック機能を果たしています。
透明性の高い政治資金運営
政治資金面で補足すると、斉木議員の後援会収支は毎年数百万円規模で推移し、大企業からの寄附はなく、主な支出は通信費や事務所維持費です(福井県選管公表の収支報告書より)。これは地方議員を経た影響もあり、"地に足の着いた"活動経費に抑えている印象です。
斉木氏自身、「政治とカネの信頼回復なくして政治改革なし」と公言しており⁴²、企業・労組からの献金禁止法案にも維新の一員として賛成票を投じています⁴³。総じて、不祥事ゼロ・クリーンな改革派議員というのが斉木武志氏の評価であり、この点は有権者にとって安心材料となっています。
7. SNS・情報発信活動
多様なプラットフォームでの発信
斉木議員はSNSやインターネットを駆使した情報発信にも熱心で、Twitter(現X)やYouTube、Facebookをフル活用しています。特にTwitterのアカウントは「@Saiki_Takeshi」のハンドル名で運用し、国会質疑の裏話や政策提言を日々発信しています。
フォロワー数は公開情報から正確には把握できませんでしたが(数万人規模と推定されます)、投稿内容を見る限り支持者や有識者との双方向のやり取りも活発です。2024年の衆院選前後には、「なぜ維新から出たのか?」との問いに対し、自身のTwitterとFacebook上で経緯を詳細に説明する投稿を行い、大きな反響を呼びました⁴⁴。
ハッシュタグ「#三ツ星国会議員」「#衆院選2024」を付けて自らの実績と決意をアピールするなど、SNSをセルフプロモーションと政策広報の場として巧みに使っています。
YouTubeチャンネルでの解説動画
また、YouTubeでは公式チャンネル「斉木武志チャンネル」を開設し、時事問題の解説動画を定期的にアップロードしています。サイトのトップページにも最新動画が埋め込まれ、例えば「ガソリン・電気代補助金のカラクリ」や「日米関税交渉の実態」といったテーマで10分程度の解説を行っています⁴⁵。
2025年8月に維新代表選へ立候補した際も、「どんな考えの政治家なのか知ってほしい」としてYouTube動画への視聴を呼びかけ、電気代値下げ策や消えた補助金問題など自身の主張をまとめて訴えました⁴⁶。この動画はマスメディアにも注目され、質疑応答で記者から「SNSで訴えた○○政策は具体的にどう実現するか」と問われる場面も見られました。
メディアミックス戦略
斉木議員の情報発信戦略は、SNSとリアルを連動させる形で展開している点が特徴です。たとえば国会で質問した直後にTwitterで要点を速報し、さらに深掘りはブログやYouTubeで解説する、といった具合にメディアミックスを図っています。
その成果もあってか、斉木議員の各SNSアカウントの登録者数は議員再登板後に右肩上がりです。Twitterでは2017年時点では1万程度だったフォロワーが2025年には倍増したとの推計もあり、YouTubeも数千人規模の登録者がいます(推計値)。
特に2023年から2024年にかけて、福井県議から国政復帰するタイミングで支持層が拡大し、SNSの数字にも顕著に表れました。これは、地方議員時代からの地道な発信に加え、国政での実績(例えば三ツ星議員表彰)が注目を集めたためでしょう。
コミュニケーションスタイル
斉木議員のコミュニケーションは砕けすぎず硬すぎず、「ニュースの裏側を説明する解説者」のようなスタイルです。NHKアナ出身という経歴も相まって、話しぶりは論理的で聞き取りやすいとの評価があります。
実際、彼のYouTube動画は専門用語を避けつつ本質を突く内容で、「勉強になる」とのコメントが多く寄せられています。総じて斉木議員は、新旧メディアを駆使して有権者との接点を広げることに成功しており、その発信力は地方選出の野党議員としてはトップクラスだと言えます。
8. 公約実現度の検証
ガソリン税暫定税率廃止の成果
最後に、斉木議員が掲げてきた公約や政策主張の実現状況を検証します。2015年以降、彼が訴えてきた政策の多くは野党の立場ゆえ実現にはハードルがありましたが、一部は具体的な成果に結び付いています。
最大の成果は、ガソリン税の暫定税率廃止への道筋をつけたことです。斉木議員は一貫して「地方ほど車が必需品であり、燃料税の負担が重い」と訴えてきました⁴⁷。2019年には「福井県民の自動車税負担は東京都民の4倍!」とのフレーズで地方と女性の活躍支援の観点から自動車関連税の軽減を主張し⁴⁸、2022年頃からは維新の政策としてガソリン税の暫定税率撤廃を掲げています。
これについて政府は当初否定的でしたが、物価高が深刻化した2025年7月、ついに与野党が年内の暫定税率廃止で合意に達しました⁴⁹。斉木議員の長年の主張が政策実現への重要な一歩となったと評価できます。このケースは、野党の政策提案が現実の政策転換を促した典型例でしょう。
実現途上の政策課題
一方、実現途上の公約も少なくありません。電力料金の値下げ命令制度は斉木議員の独自色が強い提案ですが、現行法では政府が民間企業に直接価格を下げさせる権限がなく、維新の主張としても法制化には至っていません。ただし、国会での追及によって電力会社の経営実態が明るみに出たり、燃料費調整制度の見直し議論が始まるなど、一定の効果はありました。
原発マネーの透明化についても、関連法改正は実現していませんが、関西電力の問題以降、電力会社から自治体への寄付受領時のガイドライン策定が進むなど(経産省の通達)、斉木議員が提起した論点が行政対応を促しています⁵⁰。
選択的夫婦別姓の導入は、公約に掲げたものの法案は継続審議中で、自民党内の慎重論から前進していません⁵¹。ただ斉木議員は超党派議連にも参加し、世論喚起に努めています。
消費税減税については、維新も当面は現行10%を維持する方針で、斉木氏個人の主張としては消費税率引下げを唱えるものの、党内合意は得られていません。その代わりにポイント還元策の見直しや社会保障費の別財源化(消費税の用途特定)など代替案を模索しています。
政策提言の波及効果
斉木議員の公約実現度を定量的に見ると、完全実現はガソリン税など一部に留まります。しかし「政策の種をまき、議論を前に進めた」という観点では、多くの公約で貢献が見られます。
例えば「政治献金全面禁止」は法制化されていないものの、2023年末に企業団体献金の一部制限を盛り込んだ政治資金規正法改正が成立した際には、斉木議員の属する維新や立民の長年の主張が反映された格好です(企業献金の透明化強化等)⁵²。
「地方と女性の活躍支援」というスローガンでは、自動車税減免こそ実現していませんが、福井県で子育て支援策の拡充や女性管理職登用が進んだ際、県議会で政策提言してきた斉木氏の影響を指摘する向きもあります。要は、斉木議員の政策は先取りしすぎて時期尚早なものも多かったものの、その問題提起が数年越しで形になりつつあるのです。
本人も「一度で通らなくても、言い続ければ政治は必ず動く」という信念で活動しており(インタビュー談)、有権者に対しても公約の進捗を逐一報告して理解を求めています。
総括
斉木武志議員は地方発の改革派政治家として、この10年間で数々の政策提言を行い、いくつかの重要課題については現実の成果を出し始めました。まだ道半ばの公約もありますが、そのブレない主張と行動力は有権者の評価につながりつつあり、今後与党の一角に加わるような局面がくれば、公約実現のスピードも一気に加速する可能性があります。
斉木議員自身、「言うべきことを言える政治を作る」という初心を忘れず活動を続けると誓っています⁵³。有権者としては、その言葉と実績を引き続き注視し、評価していくことで、より良い政治を後押しすることになるでしょう。
参考資料
公式サイト・議会資料
- 斉木武志公式サイト(プロフィール、活動報告、ニュースレター)¹
- 斉木武志 - Wikipedia²
- 活動報告・理念 | 斉木武志 公式サイト³
- 斉木武志ニュース | 斉木武志 公式サイト⁴
- Microsoft Word - 12朋NEWS表喥稿.docx⁵
- 斉木武志 議員に関連する議案や、各議案への態度 | 誰に投票する?⁶
- chuukakushi.gr.jp⁷
- 代表選挙立候補 | 斉木武志 公式サイト⁸
報道・第三者資料
- 『福井新聞』2019年10月3日朝刊「関電金品問題、野党合同ヒアリング」(国会での斉木議員追及を報道)
- 東スポWEB 2025年8月8日「維新代表選、斉木武志氏の訴え」(代表選出馬会見の詳細)
- 総務省政治資金収支報告書データベース(斉木武志後援会・収支報告書各年)
- 斉木武志 on X(斉木武志議員公式アカウント投稿)¹⁰
- YouTube(斉木武志チャンネル動画一覧)
国会会議録検索
- 第213回国会 衆議院 本会議 第9号 令和6年3月2日 | テキスト表示⁹
- 国立国会図書館「国会会議録検索データベース」にて斉木武志発言を検索し該当箇所を確認(例:第197回国会文部科学委員会、第201回国会内閣委員会など)
以下の資料によりファクトチェック実施済み、本文記事修正済み。