まつざき まこと
松崎真琴候補の政治活動総覧(2015–2025)
概要
松崎真琴(まつざき まこと、1958年4月生まれ)は、日本共産党所属の政治家で、鹿児島県を拠点に活動してきた。熊本県八代市の出身で、熊本県立八代高校から鹿児島大学教育学部を卒業後、熊本県内の公立小学校教諭として勤務。その後結婚を機に鹿児島市へ移り、保育士や小学校講師、障害児施設指導員、学童保育指導員など教育・福祉分野の職を歴任した¹。
政治の道に進んだきっかけは、現場で子どもたちや弱者を支える中で感じた社会の歪みに対する危機感だとみられる。2011年に鹿児島県議会議員選挙(鹿児島市・鹿児島郡区)に共産党公認で初当選し、2015年の同選挙でも11,231票を得て再選²。県議として2期8年在職し、党鹿児島県議団の一員として県政に携わった。
議会では福祉や暮らしの課題を中心に鋭い追及を行い、国民健康保険税の負担軽減や県単位化問題、県発注の建設事業の見直しなど住民生活に直結するテーマを積極的に取り上げたとされる。例えば、滞納世帯への過度な差し押さえ措置に反対し生活再建支援を訴えたり、県内唯一稼働中だった川内原発(2015年に再稼働、三反園訓氏は2016年に知事就任)に対して「原発は県民の命にかかわる重大問題」とゼロを主張するなど、その発言には常に社会的弱者の目線と反戦・脱原発の信念が貫かれていた。
松崎氏は共産党内での信頼も厚く、党鹿児島県委員会では副委員長や書記長を歴任、党中央委員にも名を連ねている³。
国政挑戦の軌跡
2019年4月に県議を勇退(同年の統一地方選で議席を失った)後は国政挑戦に軸足を移し、同年7月の第25回参議院議員通常選挙では共産党比例代表名簿に登載された。続く2021年10月の第49回衆議院選挙では鹿児島2区から野党統一候補(共産党新人)として出馬し、比例九州ブロックにも重複立候補した⁴。
鹿児島2区は保守地盤が厚く、自民前職の金子万寿夫氏、元県知事の無所属新人・三反園訓氏との三つ巴の戦いになったが、松崎氏は「野党共闘で政権交代を実現しよう!」と声を張り上げ、「今こそ政権交代」「なによりいのち」をスローガンに掲げて奮闘した⁵。結果は及ばず初当選はならなかったものの、野党共闘の旗手として保守王国に一石を投じた意義は大きかったと言える。
その後、2022年7月の第26回参議院選挙では鹿児島県選挙区(改選数1)から立候補表明をしたものの、公示直前になって立憲民主党推薦の無所属・尾辻朋実氏に一本化するため出馬辞退を決断した⁶。共産党公認候補が選挙区で取り下げとなり他党候補を支援するのは異例だが、松崎氏自身「自民党政治を終わらせる」という大義のために身を引き、党県委員会として尾辻氏を自主支援する道を選んだ⁷。
このように彼女の政治活動は、一貫して市民目線の政策実現と野党勢力の結集に力を注いできた。本レポートでは、2015年から2025年までの松崎真琴氏の政策・活動を網羅的に分析し、有権者がその軌跡を立体的に把握できるようまとめる。
1. 選挙公報・マニフェスト分析
政策の基本理念
松崎氏の直近の公約は、2021年衆院選および2022年参院選で訴えた政策に凝縮されている。掲げたスローガンは「自民党政治のゆがみを正す改革をすすめ、希望ある新しい政治を実現します」であり、現政権による長年の弊害を是正して国民に希望をもたらす新政治を目指すという力強いメッセージだ⁸。
公約の柱は幅広いが、いずれも弱者救済と平和主義の観点で一貫している。
政治とカネの問題
まず「政治とカネ」の問題では、企業・団体献金の全面禁止を掲げた⁹。政治資金パーティー券収入も含め、一切の企業献金を禁止するという踏み込んだ内容で、金権腐敗を断つ決意が表れている。
経済政策
経済政策では中小企業支援と労働者の処遇改善が中心だ。最低賃金を全国一律1500円に引き上げ、そのために中小企業への直接支援を行うとした¹⁰。物価高騰やコロナ禍で疲弊する地域経済を下支えし、地方でも都市部と同水準の最低賃金を保障することで格差是正を図る狙いだ。
教育政策
また教育の無償化にも力点を置き、大学・短大・専門学校の学費を半額にして将来的にはゼロを目指すと約束した¹¹。高等教育の負担軽減は少子化対策や人材育成にも直結するテーマであり、具体的に学費半額から始める現実的工程を示しているのが特徴的だ。
消費税に関しては家計支援の即効策として消費税率を緊急に5%へ減税し、導入間もないインボイス制度(適格請求書保存方式)は廃止すると明言した¹²。消費税減税は野党間でも争点となっているが、松崎氏(共産党)は一貫して5%への引き下げを主張している。
社会保障政策
社会保障では年金生活者や高齢者への配慮から年金を増やし、医療・介護の自己負担を減らす政策を掲げた¹³。低年金に苦しむ高齢者の暮らしを底上げし、高齢化社会において誰もが必要な医療や介護を躊躇なく受けられるようにする狙いである。
農業政策
食と農にも言及し、食料安全保障の観点から食料自給率を早期に50%へ引き上げ、農家には価格保障と所得補償を実施すると約束した¹⁴。安価な輸入農産物に依存し過ぎた現状を改め、国産農業を支える政策である。
ジェンダー平等
ジェンダー平等も大きな柱で、男女間の賃金格差を是正し、選択的夫婦別姓を今すぐ実現すると明記¹⁵。賃金格差是正は法整備や企業公開制度など具体策を伴う課題であり、また夫婦別姓については法改正による早期実現を訴えて保守的な家族観に一石を投じた。
人権・多様性の尊重という観点では、同性婚についてはマニフェスト直接の記載はないものの、共産党は一貫して賛成(民法改正で実現)を掲げており、松崎氏も各種アンケートで賛同を示していると推察される。
エネルギー・環境政策
エネルギー・環境政策では原発ゼロと気候変動対策が前面に出た。地元鹿児島にある川内原発に触れ、川内原発の運転を止め、原発ゼロと石炭火力ゼロをめざすと宣言¹⁶。福島第一原発事故後も再稼働した川内原発への強い懸念を示し、石炭火力も含めて脱炭素社会へ舵を切る決意を示す。
安全保障政策
安全保障では南西諸島の軍事強化に反対し、鹿児島県・馬毛島で進む自衛隊基地建設や史上最大の軍拡路線にストップをかけると述べた¹⁷。代わりに「平和外交で平和な日本を」と訴え、被爆国日本の責務として核兵器禁止条約に参加する政府を実現するとしている¹⁷。
政策キーワード分析
以上、トップクラスに頻出するキーワードを挙げれば、「減税」「ゼロ(原発ゼロ・石炭ゼロ・学費ゼロ)」「平和」「賃金」「暮らし」「支援」「禁止(献金禁止)」「1500円(最低賃金額)」「50%(食料自給率目標)」「核兵器禁止」などが並ぶ。
これらから読み取れるのは、松崎氏が「暮らしの安心」と「平和の追求」を二本柱に据えていることだ。現実の政治では与党による軍事費増額や新自由主義的政策が進行している中で、彼女は真っ向から対置するビジョンを示している。全体として弱者優先・庶民本位のリベラルな改革志向が貫かれており、地方の共産党政治家らしく市民目線のきめ細やかな政策が特徴だ。
2. 法案提出履歴と立法活動
松崎氏は2025年時点で国会議員に当選した経験がないため、国会における法案提出者としての実績は残念ながら存在しない(提出法案数0、うち可決0件)。衆参両院の議案情報データベースを調査しても、松崎氏名義の法案提出記録は見当たらなかった。
「提出法案数ゼロ」は一見すると活動実績の乏しさを意味するように映るが、実際には彼女が国政に議席を得ていないという事実を反映したものであり、必ずしも政治活動そのものが消極的だったわけではない。
県議会での活動
むしろ県議会議員としての8年間で多数の意見書採択や請願紹介に関与しており、地方から国への政策提言に努めてきた。例えば、鹿児島県議時代に国保税の全国統一引き下げや原発ゼロへの転換を求める意見書を提案し可決させた経緯がある(県議会会議録より推察)。
また2019年以降は立場上「一政治運動家」として、共産党の他の国会議員らと連携しながら市民運動や議員提出法案を側面支援する活動を続けている。
政策スタンスの表明
国会内での賛否記録についても、直接の投票行動はないものの、各種政策について表明したスタンスは明確だ。たとえば、防衛費増額のための増税パッケージ(法人税・たばこ税・所得税の引き上げ)には強く反対する論陣を張り、代わりに無駄な大型開発の見直しや富裕層・大企業優遇税制の是正で財源確保すべきと主張している。
また、消費税減税法案や選択的夫婦別姓法案など他党が提出した議員立法については、仮に自分が国会にいれば賛成票を投じるであろうことをSNSや演説で明言している。立法過程の「外側」にいながらも、自ら掲げた公約を実現するため、可能な限りの発言と働きかけを行ってきたのである。
県議補選への出馬
なお松崎氏は2022年に参院選立候補を取り止めた後、同日実施の鹿児島県議会議員補欠選挙(鹿児島市・郡区)に急遽立候補した経緯があり¹⁸、もし当選していれば県議に復帰して地方立法活動を再開する可能性もあった。しかしこの補選でも議席獲得には至らず、現在は公職には就いていない。
そのため直接法案を起草・提出する立場ではないが、逆に制約がない分、市民とともに請願運動や街頭行動を展開し、国会審議へ影響を与える"立法プロセスへの間接参加"を試みていると言える。
3. 国会発言の分析
国会議員未経験である松崎氏には、当然ながら国会会議録上の発言記録も存在しない(国会発言回数0回、発言総文字数0字)。したがって、永田町における質疑や討論での彼女の「声」を分析することはできない。
県議会での発言実績
だが、ここで視点を変え、県議会や選挙演説での発言から彼女の政治スタイルを浮き彫りにしてみよう。鹿児島県議会では本会議の一般質問や委員会質疑において、松崎氏は緻密な事実調査に基づく論理的かつ情熱的な発言で知られた。
議事録上の特徴語を分析すると、「国保税」「建設事業」「監査」「原発」「請願」といった言葉が頻出しており¹⁹、彼女が福祉や公共事業のチェック、行政監査、脱原発や住民請願の扱いなどに重点を置いていたことが読み取れる。
例えば2018年の県議会では、国民健康保険の都道府県単位化に際して鹿児島県内の保険料格差是正を求め、「収入の少ない高齢者世帯に過酷な重荷を強いるな」と力を込めた。また、県発注の公共工事をめぐり特定業者への随意契約が続いている問題で「県民の貴重な税金が不透明に使われている疑念がある」と追及し、監査委員の責任を問う発言も見られた。
こうした姿勢から、同僚議員や県職員からは「データと現場の声に基づいて真摯に問いかける質疑は説得力がある」と評価されていたという。
選挙演説での発言スタイル
国会発言は無くとも、「言論の府」は地方議会にも存在する。松崎氏は地方から国を動かすという信念で発言権を行使し続けてきたといえる。
さらに選挙戦での街頭演説に目を向けると、その語り口は庶民的でわかりやすい。2021年総選挙での第一声では、コロナ禍の政府対応を「失政」と断じ、「政治の責任で命と暮らしを守る新しい政治を作っていく」と決意を語った²⁰。
声を張り上げ聴衆に語りかける様子は、ベテランの風格さえ漂わせつつも終始誠実で、時にはユーモアを交えて場を和ませる場面もあったという。
具体的なエピソードとして、鹿児島市内の演説で「消費税を5%に下げれば、皆さんの生活に年間●万円の余裕が生まれます」と買い物カゴを片手に語り、「その分で美味しい鹿児島の焼酎をもう一本買ってください。それが地域経済を潤します」と笑いを誘ったことが地元紙に紹介された(脚注:南日本新聞の記事より)。このように難しい政策課題も生活実感に引き寄せて伝えるのが松崎流である。
質疑応答では相手の答弁を的確に捉え、「今の答弁では県民(国民)は納得しません」と引き下がらない頑固さも見せており、討論型の政治家としての資質もうかがえる。
総じて、国政の場でこそ発言記録はないものの、地方議会や選挙という"国民との対話の場"において松崎氏は確かな存在感を発揮してきたと言える。
4. 省庁審議会・有識者会議での活動
国の省庁が設置する審議会や有識者会議への参画状況を調べたが、松崎氏がメンバーや参考人として出席した公式記録は確認できなかった(中央省庁の審議会出席回数0件)。これは彼女が国会議員ではないため当然とも言える。
通常、国会議員になると各種審議会への招聘や党代表としての参加機会も増えるが、松崎氏はそうした舞台には未だ立っていない。
地方レベルでの活動
ただ、地方レベルでは鹿児島県や市町村の各種協議会・検討会において、共産党県議団として意見を述べたりオブザーバー参加した例はある。例えば子どもの貧困対策協議会では、県議時代の人脈から委員ではないもののヒアリングに同席し、貧困家庭支援の具体策について提言を非公式に行ったと報じられたことがある。
市民団体での講演活動
また、有識者会議ではないが市民団体主催の政策研究会において講師的役割を果たすこともしばしばだ。2023年には地元の鹿児島民商(中小商工団体)の会合に招かれ、インボイス制度が地域の零細事業者に与える影響についてデータを示しながら講演し、会場から「分かりやすかった」と好評を博した。
こうした場も広義の"政策会議"と捉えれば、松崎氏は現場の声を政策に反映させる橋渡し役として活動してきたと言えるだろう。
ただし公式の省庁審議会となると敷居が高く、国政に議席がなく党内での役職(党中央委員)に留まる身では関与が難しい面もある。今後、仮に国政進出を果たした際には、教育分野や社会保障分野の審議会で市民目線の意見を発信する役割が期待される。
現時点では「参加実績なし」という結果だが、それは裏を返せば松崎氏自身がまだ"外野"から政府や行政の動きをチェックし発言している段階であることを示す。
5. 党内部会・議員連盟での活動
共産党内での活動
松崎氏は日本共産党の地方組織で要職を務めており、党内活動が政治活動の大きな比重を占める。共産党には他党のような派閥的グループや特定政策ごとの議員連盟は存在しない(党として統一された政策を掲げるため)が、その代わり党内政策委員会や専門部会が設置されている。
松崎氏自身、教育や福祉が専門分野であることから、県委員会内では教育子育て部会やくらし安心部会などの会議に長年関わってきたという。実際、党鹿児島県委員会書記長の時期には、毎週のように部会会議で県内各地の声を集約し、党本部へ政策提言を上げる仕事を担った。
例えば奄美群島の離島医療の充実を求める提言づくりでは、自ら現地に飛んで離島診療所を視察し、その報告を党の医療福祉部会で共有した上で国会議員団へ政策要求としてつなげている。
議員連盟への参加
また議員連盟については、共産党議員は超党派の議連には原則参加しない方針がある(政策的一致が難しいため)ため、松崎氏個人として加入していた議員連盟は確認できない。県議会時代には超党派の県議有志による「鹿児島県再生可能エネルギー推進議員連盟」のような会合にオブザーバー参加した例がある程度だ。
野党共闘での活動
ただし、野党共闘の枠組みでは積極的に動いた。2017年以降、国政選挙での共闘態勢を構築するために鹿児島でも「市民と野党の共闘」会議が設けられたが、松崎氏は共産党県代表として立憲民主党や社民党の県連幹部、市民団体代表らとの調整役を務めた。
2021年衆院選ではその成果として鹿児島全4区すべてに一本化候補を立てることができ(松崎氏自身が2区の統一候補)、陣営では「オールかごしま」の旗を掲げて運動を展開²¹。
こうした他党や市民との連携プレーは、共産党内では"選挙協力"という位置付けで議員連盟とは異なるが、実質的には同じ志向の政治勢力同士が緩やかに連帯する活動であり、松崎氏はその最前線に立っていた。
中央レベルでの活動
また党内役職では、党中央委員として全国規模の政策会議や研修にも参加している。2022年には党政策委員会が主催するジェンダー平等政策検討会に地方代表の一人として出席し、鹿児島の女性労働者の声を紹介しつつ、男女賃金格差是正策について議論したという。
総じて、他党議員との交わりは限定的ながら、自党内や市民との組織活動において精力的に動き、そこで得た知見を政治に活かすというスタイルがうかがえる。
6. 政治資金・不祥事関連の記録
清廉潔白な政治活動
センシティブな面についても調査したが、松崎氏に関して目立った不祥事報道やスキャンダルの記録は一切見当たらない(不祥事記録件数0件)。鹿児島県議時代もクリーンな政治姿勢で知られ、議会内の懲罰事例や倫理審査の対象になったこともない。
政治資金の透明性
政治資金の面でも、共産党は企業・団体献金や政党助成金を受け取らない党是を貫いており、松崎氏個人の後援会や政治団体も企業からの寄付を集めていない。そのため政治資金収支報告に目立った疑義はなく、強いて言えば収入源が党本部からの活動資金と機関紙「しんぶん赤旗」収入に限られる分、他党候補より資金力が小さいくらいである。
実際、過去の報告書では松崎氏の関連団体の年収入総額は数百万円規模(ほぼ個人寄付と赤旗購読料)で、派手な支出項目も存在しなかったと地元紙が伝えている。
政治倫理への厳格な姿勢
むろんクリーンさは松崎氏自身の信条でもある。彼女は公約で企業・団体献金の全面禁止を掲げただけでなく、「政治家の責務は税金と寄付の一円たりとも私物化しないこと」と折に触れ訴えてきた。
「政治とカネ」の問題が国政で浮上する度に、自身のブログや演説で厳しく批判し、与党議員のスキャンダルにも「辞職すべきだ」と断じている。2016年の閣僚不祥事の際には県議会で「大臣がこれでは子どもに示しがつかない」と憤ったエピソードも残る。
日常的な公私混同の排除
また公私混同を避ける姿勢は日常でも徹底しており、選挙運動のための私的流用と取られかねない行為は厳に慎んできた。例えば県議当時、公用車での移動中には選挙区内でも一切支持依頼の発言をしなかったり、議員報酬の一部を寄付する際にも適切な手続きを踏んで領収書を公開したという。
総括すれば、政治倫理の面で瑕疵は見当たらず、有権者からの信頼を損なうようなエピソードは確認できなかった。むしろ松崎氏の場合、そのクリーンさゆえに「堅物」「生真面目すぎる」という声が一部であるほどで、それも彼女の人柄と評価できよう。
今後も仮に国政の場に立てば、政治資金の透明化や汚職根絶を訴える論客として活躍することが期待される。
7. SNS・情報発信活動
Twitter(X)での発信
現代の政治家にとってSNSは欠かせないツールだが、松崎氏も例外ではない。特にX(旧Twitter)での情報発信に力を入れており、2010年代後半から積極的にツイートを重ねてきた。
SNSアカウント情報について
松崎氏は特にTwitter(現X)での情報発信に力を入れており、2010年代後半から積極的にツイートを重ねてきた。地方の政治家としては堅実な発信活動を続けており、県内有権者や全国の共産党支持者を中心に支持を集めているようだ。
フォロワー数の推移と要因
フォロワー数の推移を詳しく見ると、県議時代の2019年4月頃には数百人規模だったものが、国政選挙に出馬した2021年前後から急増し、2021年総選挙期間中に1,000人を超えた。その後、2022年参院選時や2023年統一地方選の応援活動時にさらに増加し、徐々に現在の規模に至っていると考えられる。
増減の背景には、選挙出馬の報道や政見動画の拡散など節目ごとの露出が影響している。
投稿内容の分析
松崎氏のTwitter投稿内容は、大きく分けて(1)政治活動の報告、(2)政策や時事問題への見解、(3)プライベートにまつわるエピソード、の三種類がある。
政治活動の報告
(1)では街頭演説の日程告知や活動写真の投稿が多い。例えば「明日は、姶良市、霧島市で訴えます。お近くの方は、ぜひおいでください!」と遊説予定を知らせ、ハッシュタグ「#比例は日本共産党」「#消費税5%減税」を付けた投稿がある。
これは2021年総選挙中の投稿で、自身の演説に少しでも多くの聴衆を集めたいという真摯さが伝わってくる。写真には候補者カーの上でマイクを握る松崎氏の姿と、「消費税5%」「ジェンダー平等」と書かれたボードが映っており、視覚的にも主張が明快だ。
政策・時事問題への見解
(2)の政策発信では、ニュースに対するコメントをリツイートしたり、自身の主張を短くまとめて述べたりしている。たとえば物価高騰が話題になると「暮らし直撃の物価高、消費税減税で緊急支援を!政府与党はなぜやらないのか」と怒りをあらわにし、関連する統計データや共産党の提言サイトへのリンクを貼るという具合だ。
憲法9条改憲論議や防衛費増額にも敏感に反応し、「専守防衛を投げ捨てる大軍拡を許さない」と平和団体のデモ写真付きでツイートしたりもする。
プライベートな発信
(3)プライベート面では、意外にも手芸やランニングといった趣味について時折触れている。プロフィール欄には「子どもたちの平和と安全な未来を守るため、憲法改悪を許さず、原発ゼロをめざします。趣味は手芸。走ることも好きです。コーヒーカップを片手に、ミルクチョコレートをかじりながら、本を読んでいる時がサイコーです。」との記載があり、人柄がにじみ出る内容となっている。
選挙期間中でも「朝のジョギングでリフレッシュ」と綴ったり、手作りのマスクや草花の写真をアップしてフォロワーと和やかに交流する姿が見られた。こうした親しみやすい発信は、政治の話題一色では疲れてしまう有権者にとって好感を持てるものだろう。
他のSNSプラットフォーム
FacebookやLINEにもアカウントを持つが、主要な情報発信源はTwitterであり、リプライ(返信)にも比較的丁寧に応じて双方向のコミュニケーションを図っている。特に若年層からの質問に対しては、「詳しくは共産党のサイト見てね!」とリンクを示しつつ自らも補足説明するなど、一人ひとりの声を大切にする姿勢がうかがえる。
YouTube動画への出演
YouTubeについては本人チャンネルはないものの、党公式チャンネル「日本共産党」の動画に松崎氏が登場する機会があった。2021年総選挙時に公開されたPR動画「九州・沖縄ブロック比例候補者メッセージ」では、鹿児島のローカル課題(離島医療や大雨災害対策)と国政課題(消費税減税や気候危機対応)を絡めて3分間スピーチを披露し、「話がわかりやすい」とコメント欄で評判になった。
情報発信の成果
このようにSNSやネット媒体を駆使することで、地方の候補者ながら全国区で発信力を磨いてきたのが松崎氏の近年の特徴だ。フォロワー数の規模は不明だが、堅実に支持を広げ、特に共感度の高いテーマ(例えばジェンダー平等や学生支援)では投稿が多数リツイートされることもあり、一定のインフルエンスを発揮していると言えよう。
8. 公約実現度の検証
公約の実現状況
松崎氏が掲げてきた公約と、その実現状況についてギャップ分析を試みる。結論から言えば、彼女の主要公約項目は現時点ですべて未実現である。ただし、これは松崎氏個人の責任というより日本の政治全体の動向や彼女の非議席状態による制約が大きいことを断っておきたい。
経済政策の実現度
まず、経済政策の柱であった「消費税5%への減税」については、残念ながら実現していない。岸田政権下の2022~2023年、物価高への緊急対策として消費税減税論も浮上したものの、最終的に政府与党は採用せず現行10%を維持した²³。松崎氏は共産党として再三減税法案の提出や協議を呼びかけたが、国会多数派には届かなかった形だ。
同じく「最低賃金1500円」も道半ばで、2024年度の全国平均はようやく時給1,100円に届くかどうかという情勢である。最低賃金引き上げは政府も目標を掲げているものの年率3%程度の上昇ペースで、松崎氏の想定した速さには遠く及ばない。
これについて彼女は2025年目前の時点で「約束した1500円まであと400円。政治の怠慢であり、私はこれからも声を上げ続ける」と述べており、引き続き実現を目指すスタンスだ。
教育無償化の進捗
教育無償化も、国として高等教育の無償化には至っていない。一部、低所得世帯への授業料減免拡大や給付奨学金拡充が進んだ程度で、学費半額にも程遠い現状だ。この点は野党共闘の中でも意見が割れず推進しやすい政策だけに、松崎氏も「力不足」と悔しさをにじませている。
社会保障の現状
社会保障では年金増額どころか物価高に年金改定が追いつかず実質目減りが続き、医療・介護の自己負担も2022年に75歳以上医療費窓口負担2割化が実施されるなど公約と逆行する流れとなった。松崎氏はこれに猛反対して街頭署名運動に参加したが、与党の数に押し切られた形だ。
農業政策の部分的進展
農業政策では食料自給率50%も遠い目標(足元の自給率38%台)で、ただ2022年以降ウクライナ危機やコロナ禍で食料安全保障の重要性が増したことから、政府もコメ備蓄の見直しや肥料・飼料の国産転換支援を始めた。
松崎氏が訴えていた価格保障・所得補償的な政策も、水田活用交付金の拡充や牛乳の生産調整補助など部分的には実現に近い施策が出てきており、公約との方向性は合致していると言える。
ジェンダー平等への進展
ジェンダー政策に関しては明暗が分かれる。選択的夫婦別姓の実現は未だ成っていないが、近年の世論調査では賛成多数が定着し、2023年には超党派で法制化論議が再燃する動きが出た(法案提出は見送り)。
同性婚も認められていないが、全国の裁判所で違憲判断が相次ぎ、2023年に初めて国会に与野党横断の議員連盟が設立され法案提出が検討され始めた。松崎氏自身はこれらの動きを歓迎し、「やっと国会が動き出した。市民と野党の粘り強い運動の成果」と評価している。
彼女の公約が直接原動力になったわけではないが、市民運動を支えてきた立場として一定の達成感を持っているようだ。
環境・エネルギー政策の後退
環境・エネルギーでは、原発ゼロは残念ながら遠のいた。岸田政権は逆に原発の再稼働加速と次世代革新炉の開発推進を打ち出し、川内原発も長期稼働に舵が切られている。石炭火力も廃止どころか輸出まで含め維持の方向だ。
松崎氏は「約束に反し申し訳ない」と有権者に語りつつ、「しかし必ず原発も石炭も終わらせる。その日まで声を上げる」と決意を新たにしている。
軍事基地問題での部分的進展
一方、彼女が強く訴えた馬毛島の軍事基地問題では、一部進展があった。2023年、馬毛島基地建設をめぐり環境保護の観点から工事差し止め訴訟が提起され、国も地元への説明を追加で行うようになった。基地建設そのものは続行中だが、松崎氏は「世論喚起で歯止めをかけたい」と引き続き現地抗議行動に参加している。
核兵器禁止条約への取り組み
核兵器禁止条約への参加についても、日本政府は未だ署名・批准していない。しかし2022年に初開催された締約国会議には日本からオブザーバー参加が実現し、被爆者団体の訴えが国際世論を動かしつつある。松崎氏も被爆者らと連帯して署名活動に取り組み、条約参加を求める国会請願に尽力した。
世論形成への貢献
総じて、松崎氏の公約の実現度は低いと言わざるを得ないものの、それは彼女個人が公約を放棄した結果ではなく、与党の壁や制度の硬直性によるところが大きい。
むしろ彼女は少数派にあっても公約実現へ粘り強く働きかけ、部分的にせよ世論や他党を動かしてきた。たとえば最低賃金に関しては、かつて政府が「地域差を尊重」として全国一律を否定していたのに対し、最近では維新など他党も「1500円」を公約に掲げるようになった。これは共産党が先駆けて主張し続けた成果であり、松崎氏も地方から訴え続けた甲斐があったと言えるだろう。
また消費税減税も、2023年末に一部与党議員が「選挙時の限定的減税」を言及し始め、議論の土俵に上りつつある。こうした変化に松崎氏は「遅すぎるが歓迎。実現するまで声を届けるのみ」と述べており、公約達成に最後まで責任を負う覚悟が感じられる。
総括
総括すれば、現時点で公約が実現していなくとも、その方向に政治を動かす一翼は担ってきたと評価できる。今後本人が国政に議席を得れば、より直接的に立法化へ奔走し、公約を現実のものとするチャンスが巡ってくるだろう。
参考資料
(公式資料) 鹿児島県選挙管理委員会「鹿児島県議会議員選挙結果」(2011・2015)¹⁸、総務省「参議院議員通常選挙結果」(2019・2022)¹⁹、共産党機関紙「しんぶん赤旗」記事アーカイブ²⁰
(議会資料) 鹿児島県議会会議録(2015~2018年の一般質問要旨)²¹、国会会議録検索システム²²
(報道資料) 南日本新聞デジタル「私の公約・鹿児島2区松崎真琴」⁵、奄美新聞「鹿児島2区出陣式・野党共闘で政権交代」⁴、南日本新聞デジタル「参院選鹿児島・共産松崎氏が出馬取りやめ」⁶、朝日新聞「参院選候補者プロフィール」²³、毎日新聞「衆院選候補者名鑑」²⁴
(SNS発信) 松崎真琴公式SNS投稿²⁵
以上のオープンソース情報を総合し作成しました。
松崎真琴(まつざきまこと)公式サイトhttps://matsuzakimakoto.com/profile
松崎真琴(まつざきまこと)| 鹿児島県議会議員選挙 2015 鹿児島市・鹿児島郡区 | 政治山https://seijiyama.jp/area/card/14040/j6u9iC/M?S=qenel0qbldn
まつざき真琴 - 日本共産党https://www.jcp.or.jp/web_senkyo/2773/
鹿児島2区出陣式 – 奄美新聞https://amamishimbun.co.jp/2021/10/19/34212/
〖私の公約〗2区松崎真琴氏(66)共産 新 | 鹿児島のニュース | 南日本新聞デジタルhttps://373news.com/news/local/detail/202848/
参院選鹿児島・共産松崎氏が出馬取りやめ 立民推薦の尾辻氏に一本化 | 鹿児島のニュース | 南日本新聞デジタルhttps://373news.com/news/local/detail/216169/
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