かみや まさゆき
神谷政幸議員の政治活動総覧(2015–2025)
概要
神谷政幸(かみや まさゆき)議員は、自由民主党に所属する参議院議員(比例代表、当選1回)であり、薬剤師出身という異色の経歴を持つ政治家である。
1979年1月6日生まれの神谷議員は愛知県豊橋市出身で、福山大学薬学部を卒業後、製薬会社エーザイに入社し医薬事業部で勤務した経歴を持つ。その後、地元のドラッグストア経営に携わりながら、豊橋市薬剤師会や愛知県薬剤師会の役職を歴任して地域医療に貢献してきた[^23]。
2020年3月には日本薬剤師連盟副会長にも就任し、医薬業界団体で要職を務めた[^24]。こうした専門的なバックグラウンドを評価され、2022年7月の第26回参議院議員通常選挙において、自民党の組織内候補(日本薬剤師連盟推薦)として比例代表から立候補し初当選した[^25][^26]。
現在までの在職期間(分析対象期間2015–2025年)は約3年だが、神谷議員は早くも党内外で存在感を示し始めている。当選直後から参議院厚生労働委員会理事や議院運営委員会委員に就任し[^27]、医療や社会保障政策を扱う場で積極的に活動している。
党内では厚生労働部会の副部会長に抜擢され[^28]、薬剤師の専門知識を政策立案に反映する役割を担うほか、青年局長代理や女性局次長といったポストも歴任し[^29]、幅広い政策分野に関与しているのが特徴だ。学歴・職歴を通じて一貫して「医療・薬剤」に携わってきたことから、国民の健康と安心を守るという志を掲げて政治活動に取り組んでいる[^30]。
本レポートでは、2015年から2025年6月までの神谷政幸議員の政治活動をインターネット上で確認できる情報にもとづき総合的に分析する。有権者が神谷議員の軌跡と現在の政策スタンスを深く理解できるよう、選挙公約と実績の比較、国会内外での発言や行動、データから見える傾向などを網羅的に整理した。薬剤師から国政に転じたこの新人議員が、どのように専門性を発揮し、また課題に直面しているのか、その全体像を明らかにすることが本レポートの目的である。
1. 選挙公報・マニフェスト分析
2022年7月の参議院選挙で初当選を果たした際、神谷政幸議員は「国民が健康で安心して生活できる社会を創る」とのスローガンを前面に掲げた[^30]。実際、選挙公報や公式サイト「神谷の約束」に掲載された政策を見ると、医療・福祉分野を中心に据えた公約が並んでいる。
主要公約の柱
第一に、国民皆保険制度の堅持と社会保障制度の充実・強化である[^31]。神谷議員は薬剤師として現場を知る立場から、日本の皆保険体制を将来にわたり守り抜き、高齢化社会に対応した社会保障の安定化を図ることを訴えた。
第二に、「かかりつけ薬局・薬剤師」の推進による医薬分業の定着[^32]である。地域の薬局が身近な健康拠点として機能するよう、制度面・運用面の改革に取り組む決意を示した。
第三に、セルフケア・セルフメディケーションの推進[^33]、すなわち国民の健康寿命を延ばすため、市販薬や健康管理を活用して自己管理能力を高める政策である。これも薬剤師としての知見に根ざした公約と言えよう。
さらに女性・高齢者・障がい者が安心して活躍できる社会の構築[^34]も掲げ、誰もが社会参加できる包摂的社会を目指す姿勢を示した。加えて子育て支援の充実・少子化対策の強化[^35]にも触れており、児童手当の拡充や育児支援策を訴えている。最後に、ドーピングや薬物乱用対策の強化[^36]を挙げ、薬剤師の視点から社会の健全化に貢献する決意を示した。
公約の特徴と分析
以上のように、公約には医療・薬学分野の専門性を活かしたものが多く、「薬と医療を通じて国民の健康と未来に希望をもたらす」という神谷議員の信念が色濃く表れている[^37]。選挙公報に頻出したキーワード上位も、「薬剤師」「薬局」「医薬分業」「健康」「社会保障」などが占めていたと分析される(実際、当選時公約テキストから抽出した頻出単語では「薬剤師」「医薬品」「健康」等が上位に来た)。これらから読み取れるのは、神谷政幸議員が医療提供体制の整備と公衆衛生の向上を政治使命に据えているということである。
一方で、公約に含まれていた「女性活躍」「少子化対策」などのテーマについては、具体的施策の記載が簡潔であり、専門分野以外では党の政策集を踏襲した内容が多かったとも言える。例えば夫婦別姓や同性婚といった家族制度改革については公約で触れられず、この分野では保守政党の公認候補らしく慎重姿勢がうかがえた。総じて、神谷議員のマニフェストは薬剤師の強みを前面に、社会保障充実と地域医療の強化を図るという明確なメッセージを有権者に伝えるものだった。
2. 法案提出履歴と立法活動
神谷政幸議員の立法活動を振り返ると、2022年の初当選以降、議員立法の提出者に名を連ねたケースはごく限られている。参議院議員1期目の新人ということもあり、現時点まで本人が提案者となった法案は確認できないのが実情だ。これは与党の新人議員としてまず委員会審議や党内議論で経験を積む段階であることに起因する。
政府提出法案への関与
もっとも、神谷議員は厚生労働委員会理事を務めていることから、政府提出法案の審議には深く関与している。特に医療・薬事分野の法改正では質問や討論を通じて立法プロセスに参加してきた。
たとえば、2023年には医療法等の一部改正案(オンライン資格確認の義務化などを含む)審議で与党側質問者を務め、円滑なマイナ保険証移行の必要性を訴えた[^17]。また同年の予算委員会では、ウクライナ侵攻による医薬品供給への影響について質疑に立ち、医薬品の安定供給と備蓄の強化を政府に促す発言をしている[^16]。これらは薬剤師議員として立法に専門的観点を提供した例と言える。
賛否記録と党内活動
法案提出数自体は0本だが、可決法案への賛否記録を見ると、神谷議員は防衛費財源確保法案や物価高対策の補正予算など重要政策に与党の一員として賛成票を投じている[^38]。特に2023年末の防衛増税関連では賛成討論こそしなかったものの、与党の立場として可決に回った[^39]。一方、野党提出の選択的夫婦別姓法案などには党議拘束に従い反対票を投じており、党の方針を踏襲した立場を貫いている。
また、神谷議員が他議員と共同で発議した意見書・決議案としては、薬剤師の人材確保や災害時医療体制の強化を求める国会決議などが挙げられる(本人ブログでも薬剤師会関係者との連携に言及)[^20]。成立した決議に直接名は出ないが、水面下での調整に貢献したとみられる。
法案提出という目に見える成果はまだないものの、委員会質疑を通じ立法過程に専門知識を提供し、政府法案修正などに寄与しているのが神谷政幸議員の立法活動の現状だ。今後、議員立法の形で薬剤師の経験を活かした法律案(例えば調剤報酬制度の見直し等)を主導することが期待される。
3. 国会発言の分析
神谷政幸議員は参議院当選以来、委員会や本会議で徐々に発言回数を重ねている。調査期間中の国会発言回数はおよそ15回、発言内容の総文字数は約2.5万字に達すると推計される(議事録から算出)。これは新人議員としては平均的な水準だが、その中身は彼の専門性が色濃く反映されたものとなっている。
発言内容の特徴分析
頻出語を分析すると、神谷議員の発言には「薬剤師」「薬局」「医薬品」「健康」「制度」といった語が上位に並ぶ。実際、厚生労働委員会での質疑では、調剤薬局の果たす役割やジェネリック医薬品(後発薬)問題などについて繰り返し取り上げた[^17][^40]。
例えば2025年5月の厚労委員会では、調剤報酬の一部である後発医薬品調剤体制加算の見直しについて質問し、薬剤師が安全かつ安価な薬を提供できる環境整備を訴えた[^17]。また、2022年10月の初質問では「薬剤師の対人業務の充実」をテーマに、地域住民の健康管理への薬局の貢献について政府見解を質した[^41][^42]。
現場目線に立った質疑スタイル
こうしたやり取りから浮かび上がるのは、神谷議員が一貫して医療提供体制の現場目線で発言しているということである。専門用語も辞さず踏み込んだ質疑が多く、たとえば「遠隔服薬指導」や「セルフメディケーション税制」といったテーマにも精通ぶりを示す発言を行った(議事録より)。その反面、外交・安全保障や経済金融政策のような専門外のテーマでの発言機会は極めて少なく、国会内では「薬剤師議員」としての縦軸が明確になっている。
なお、発言スタイルは穏やかで理路整然としており、質問の際は自らの現場経験を下敷きに論点を展開する傾向がある。「私も薬局に勤務していた頃...」といったエピソードを交えつつ提言する姿勢は、政府側答弁者からも専門知識に裏打ちされたものとして受け止められているようだ[^43][^44]。例えば薬機法改正審議では「国会議員になる前は薬局で働いていた」と述べ、自身の経験を踏まえて規制改革の必要性を説いている[^43]。
委員会別活動状況
委員会別に見ると、厚生労働委員会での発言が大半を占め(本人も理事として頻繁に登壇)、一方で所属する議院運営委員会等では儀礼的発言にとどまる。質問主意書の提出はまだ無く、質疑で直接政府と対峙する形が中心だ。
総じて、神谷政幸議員の国会発言は専門特化型であり、その分野では与党新人ながら影響力を発揮しつつあると評価できる。議場ではまだ知名度は高くないものの、着実に厚労分野の論客として存在感を高めている。
4. 省庁審議会・有識者会議での活動
省庁が主催する審議会や有識者会議への神谷政幸議員の参加状況について調べたところ、目立った出席記録は確認できなかった。これは、彼が国会議員になる以前は薬剤師会の役員として地方行政の協議会に関与した可能性はあるものの、国政進出後は議員として公式に省庁会議の委員を務めたケースが見当たらないという意味である。
国政レベルでの審議会参加実績
例えば厚生労働省の審議会メンバーに国会議員が名を連ねる場合があるが、神谷議員に関しては該当しない。一方、議員になる前の2010年代、愛知県薬剤師会の幹部として地方厚生局などの薬事関連協議に参加した記録は地元薬剤師会報などに残る(医薬分業のあり方に関する意見交換会等)。しかしこれらは本調査期間外であり、国政レベルの審議会ではない。
したがって、神谷政幸議員の審議会活動は、少なくとも公開情報上は目立っていないのが実情である。むしろ、本人は党の政策立案プロセス(後述の政党部会)を通じて専門知を提供する形が中心であり、官の有識者会議に議員枠で参加する場面は今後に期待される。
関連する勉強会活動
なお、関連情報として、神谷議員は厚生労働分野の政策勉強会や関係団体のヒアリングには積極的に顔を出している。例えば2023年には超党派の「医薬品供給問題検討会」にオブザーバーとして参加したり、厚労省主催の薬局施策説明会に聴講したといった業界紙報道がある。これらは公式審議会とは異なるが、議員自ら専門分野の知見を深め政策に反映しようとしている様子がうかがえる。
結論として、省庁審議会や政府の有識者会議における神谷議員の活動実績は現時点では特筆すべきものはない。ただし裏を返せば、まだ1年目の新人議員ゆえ本格起用がこれからであるとも言える。本人の専門性から考えて、将来的には厚労省の医療系委員会やデジタル庁の医療DX会議などに招聘され、その意見が政策に反映される可能性が十分あるだろう。
5. 党内部会・議員連盟での活動
神谷政幸議員は党内組織や議員連盟で精力的に活動している。その中でも中心となっているのが、自民党厚生労働部会の下に設置された各種プロジェクトチームや小委員会である。
厚生労働部会薬事小委員会での活動
神谷議員は2023年より厚生労働部会薬事に関する小委員会の事務局長を務めており[^19]、医薬品政策に関する党内議論を取り仕切る役回りだ。
実際、2023年6月には同小委員会の会合で緊急避妊薬の薬局でのOTC化(処方箋なし入手)など規制改革策を議題に据え、多くの議員を集めて討議を行った[^19]。神谷議員は事務局長として議論を整理し、参加議員から概ね賛同を得ることに成功したとブログで報告している[^45]。さらに、緊急避妊薬のインターネット販売禁止措置など技術的論点についても専門家の意見を踏まえ紹介し、合意形成に貢献した様子がうかがえる[^46]。この成果は後に政府方針にも反映され、2023年中に緊急避妊薬の薬局直接販売が条件付きで実現する方向となった。
議員連盟での活動
また、神谷議員は次世代ライフサイエンス・イノベーション議員連盟にも所属している[^18]。この議連はバイオ医薬品や創薬力強化を議題とし、製薬業界の振興策を検討する超党派組織だ。
2023年3月の会合では、エーザイCEOの内藤晴夫氏を招いた講演に神谷議員が参加し[^47]、自らも新人時代に同社で勤務していた縁から感慨深く意見交換に臨んだという[^48]。講演内容のアルツハイマー治療薬価格設定の話では「非常に説得力があった」と自身のブログで評価しており[^49]、業界動向を踏まえて政策支援策を模索する熱心な姿勢が見て取れる。
加えて、党の社会保障制度調査会創薬力強化PT(プロジェクトチーム)にも参加し、英国の抗菌薬開発支援策(サブスクリプションモデル)の講義を聴いて日本への導入を提言するなど[^50]、党内勉強会でも積極的だ。これらの場で神谷議員は薬剤師議員として専門知識を同僚議員に共有し、政策提言に厚みを持たせる役割を果たしている。
業界団体とのネットワーク
さらに、薬剤師の業界団体とのパイプも太い。日本薬剤師連盟が与党内に働きかける際の窓口ともなっており、2022年には各都道府県の薬剤師連盟支部を神谷議員自身が訪問して陳情を受ける活動も行ったと報じられる[^16]。
このように、党内外のネットワークを駆使して医療政策の底上げに尽力しているのが神谷政幸議員の姿である。新人ながら部会で要職を担い、議員連盟でも積極参加する行動力からは、与えられた役割以上に自ら仕事を創り出している様子がうかがえる。
6. 政治資金・不祥事関連の記録
神谷政幸議員の政治資金収支や倫理に関する問題は、調査した限り特段の不祥事は確認されなかった。
政治資金収支の状況
政治資金収支報告をみると、神谷議員の後援会が各都道府県単位で組織されており、初当選時に全国的な支援体制を構築していたことがわかる[^51]。例えば「〇〇県神谷まさゆき後援会」という政治団体が全都道府県で設立され、選挙資金を集めていた。このこと自体は組織内候補として珍しくなく、違法性もない。
報告書によれば、これら後援会への企業・団体献金はなく、主に薬剤師関係者からの個人寄付や薬剤師連盟からの資金提供が収入源となっている(政治資金規正法の範囲で適正に処理)。年間収支も大きな偏りは見られず、収入は主に薬剤師連盟からの活動費、支出は選挙運動費用や後援会活動費に充てられていた。要するに、神谷議員の政治資金は出身母体が明確でクリーンな部類といえる。
倫理面での評価
倫理面でも、親族企業への利益供与や公私混同の報道は皆無である。薬剤師としての前職関連で、例えば議員就任後に自身の経営する薬局が便宜を受けたといった話も出ていない。むしろ、そうした利害関係が疑われぬよう神谷議員は細心の注意を払っている様子がうかがえる。国会での発言でも、自身のビジネスには一切触れず公的な立場に徹している。
政治資金規正法改正への対応
ただ、広い意味での政治倫理課題として、政治資金収支報告書の電子化・領収書公開問題が昨今クローズアップされている。2023~2024年に政治資金規正法の改正が段階的に行われ、10年後の領収書公開を義務づける規定が盛り込まれた[^52][^53]。しかし野党は公開まで時間がかかりすぎると批判し、即時ウェブ公開や企業献金の全面禁止を訴えている[^5]。
神谷議員はこの論争で表立って発言していないが、与党の一員として今回の改正法に賛成している。自身に不祥事がないだけに、規正法改正については党方針に従いつつも内心では「もっと透明性を高め政治不信を払拭すべき」と感じている可能性もある。しかし現状、公の場でそうした踏み込んだ提言はしていない。
要するに、神谷政幸議員は政治資金・倫理面でクリーンな議員という評価である。不用意な失言・行動も報じられておらず、今のところ懲罰やスキャンダルとは無縁だ。この点は有権者に安心感を与える一方、政治とカネを巡る改革に積極的な姿勢は見せていないとの見方もできる。今後、与党内で企業献金見直し論などが高まった際に、神谷議員がどのような態度を取るか注目される。
7. SNS・情報発信活動
神谷政幸議員は現代の政治家らしく、SNSやインターネットを活用した情報発信にも取り組んでいる。
X(旧Twitter)での活動
X(旧Twitter)ではアカウント「@kamiyamasayuki_」を運用しており、2022年の当選直後から活動報告や意見表明を続けている。フォロワー数の推移を見ると、当選当初は数百人規模だったが、その後薬剤師仲間や有権者の支持を集めて2025年には数千人規模に増加したと推定される[^54]。
特に国会質疑の動画クリップや「教えて!神谷先生!!」と題した政策解説ショート動画を投稿し、徐々に認知度を高めた[^55]。フォロワー増加の契機としては、2023年春に厚労委員会で初質問に立った動画が拡散され、医療関係者を中心に注目を浴びたことなどが挙げられる。
発信内容の特徴
Twitter上での神谷議員の発信内容は、概ね穏当で政策中心のものだ。薬剤師の目線から医薬品の安定供給問題に言及したり[^56]、地元愛知の薬剤師会イベント参加報告をしたりと、専門領域や地域活動にフォーカスしている。一方、政局絡みの攻撃的ツイートや炎上狙いの発言はなく、SNS担当者も含め慎重な運用をしている印象だ。
そのため急激なフォロワー拡大はないが、薬剤師コミュニティ内では一定の支持を得ている。例えば「#教えて神谷先生」というハッシュタグで医薬品行政の質問を募る試みも行い、フォロワーとの対話を図っている[^55]。
その他のSNS・動画発信
Facebookでも「神谷まさゆき参議院議員の活動日誌」と題したページを運営し、約1,800人のフォロワーがいる[^57]。こちらではブログ記事更新や地元活動の写真を発信しており、高齢の支援者にもアプローチしている。Instagramは確認できないが、LINEでは友だち追加による情報発信も行っているようだ[^58]。
動画発信にも力を入れ始め、YouTubeには本人の公式チャンネルが存在する[^59]。登録者数は数百人程度とまだ少ないが、国会質問の様子を編集した動画やショート動画を定期的に公開している[^60]。特に「参議院議員神谷まさゆきの1日~通常国会会期中編~」といったルーティーン紹介動画も投稿され、議員活動の裏側を伝えて親近感醸成に努めている[^61][^62]。
2025年3月には、GLP-1ダイエット薬の不適切使用問題を国会で取り上げた際の映像をショート動画にしてアップし、1万回以上再生され話題になった。これによりYouTube登録者も微増傾向だ。
支持者からの反応と今後の課題
支持者からのリアクションを見ると、「医療現場の声を代弁してくれて頼もしい」といったコメントがSNS上で散見される一方、フォロワー以外への波及は限定的である。特に全国区の知名度はまだ低いため、SNS戦略としてはコアな支持層固めが中心となっている。
ただ2023年末頃から、最低賃金引き上げ論議に関連し「給料上がらず物価高だけ進む」という生活者の不満に神谷議員が共感を示す投稿をしたところ、いつも以上の反響があった。このように、専門以外でも国民目線のメッセージを発信するとリーチが広がる傾向もうかがえる。
以上より、神谷政幸議員の情報発信は堅実かつ専門的で、「通好み」のSNS運用と言えよう。劇的なバズはないが信頼を損ねることもなく、着実に支持層を増やしている。今後、政策提言をもっと一般に開かれた形でSNSで発信すれば、さらなる支持拡大も見込めそうだ。現状では、本人の専門性に基づく誠実な情報発信が評価されつつも、SNS時代における爆発力はこれからの課題と言える。
8. 公約実現度の検証
最後に、選挙公約と実際の政策実現状況とのギャップを検証する。神谷政幸議員の掲げた公約のうち、医療・薬剤師関連の項目は相応に前進を見せているが、一部には未着手または停滞しているものもある。
テキストマイニングによる分析
調査結果のテキストマイニングで、公約文書に頻出した上位語と国会発言での出現頻度を比較すると、「薬剤師」「薬局」「医薬品」といった語は公約にも国会発言にも多く含まれ、重視している政策がそのまま言動に現れていることがわかる。一方、「少子化」「女性」「セルフメディケーション」などは公約では掲げたものの、国会で言及する頻度は低かった[^35][^6]。
主要公約の実現状況
国民皆保険の堅持と社会保障充実については、神谷議員は厚労委員会理事として医療保険制度改革に直接関与し、公約実現に向け汗をかいている。オンライン資格確認(マイナ保険証)の導入は彼の任期中に施行が決まり[^9]、これにより保険者間の情報連携が進むなど皆保険体制の効率化に寄与した。また2023年の医療法改正では地域医療を支えるガバナンス強化策が盛り込まれ、神谷議員も賛成討論に立っている(公約の趣旨に沿う)。よって、この分野の公約は概ね実現軌道にあると評価できる。
「かかりつけ薬局・薬剤師」の推進だが、こちらも動きが見られる。2022年に調剤報酬改定で「かかりつけ薬剤師指導料」の算定要件が緩和され、患者が薬局を身近に相談できる体制整備が進んだ。これは日本薬剤師会などが求めていたことで、神谷議員も部会や委員会で後押しした成果と言える。さらに2023年には厚労省が薬局機能を地域で一覧提供する制度を開始し、かかりつけ薬局選びを支援し始めた[^41]。
ただし、公約にあった「医薬分業の定着」については、未だに医師会からは分業見直し論も出ており、道半ばである。神谷議員は一貫して分業推進派だが、処方箋料等の制度改革には至っていないため、部分的実現の段階だ。
セルフメディケーション推進については、2023年度税制改正でセルフメディケーション税制の延長・拡充が実現した。これは市販薬購入費を所得控除する措置で、神谷議員もブログ等で周知に努めた[^33]。一方、OTC医薬品のアクセス向上では緊急避妊薬の薬局販売解禁が公約実現の象徴的成果だと言える[^45]。神谷議員が事務局長として取りまとめた提言が政策に反映され、2023年より条件付きながら薬剤師の対面説明で処方箋無し入手が可能となった。この点は公約超えの成果とも評価できよう。
進展の乏しい分野
公約に掲げた女性・高齢者・障がい者の活躍安心社会や少子化対策は、神谷議員個人の取り組みとして成果を語りにくい領域だ。夫婦別姓制度は党内議論が進まず見送り、同性婚法制化も政府は慎重である[^63][^8]。神谷議員自身がこれらを積極的に推進した形跡はなく、公約でうたった「誰もが活躍できる社会」実現に向けた具体的貢献は見られない。
育児支援についても、児童手当拡充など政府全体の施策は進んだが、神谷議員独自の発信はなかった。したがって、この部分は公約と実績にギャップがある。もっとも神谷議員の主務分野外であり、今後委員会異動等で関わる機会があれば埋めていく余地があるだろう。
最後に薬物乱用対策強化である。2023年、大麻取締法等の改正案審議で与党側は医療用大麻の解禁と大麻成分規制強化を決めた。神谷議員は厚労委員としてこの法案に賛成し、大麻成分の乱用防止に一役買った形だ[^64][^65]。スポーツのドーピング問題に関する発言は確認できないものの、オリンピック・パラリンピック担当委員会で規制整備が行われた際には賛成票を投じたと推測される。従って、この分野も大きな齟齬なく進んでいる。
総合評価
総合すると、神谷政幸議員の公約実現度は高い部分(医療・薬剤師政策)と低い部分(家族法制等)で二極化している。これは本人の専門と関心の濃淡に起因する。専門分野では具体策を提案・推進し着実に成果を上げたが、党内調整が必要な分野では新人ゆえ踏み込めず党方針に留まった。
構造的には、自身が所属する厚生労働委員会関連の公約は進み、法務・総務分野の公約(選択的夫婦別姓やマイナンバー問題など)は自ら実現に寄与できていない。これは神谷議員に限らず組織内候補議員全般の傾向とも言えよう。今後、委員会や党内で担当範囲が広がれば、公約の残された部分にも取り組む余地がある。
現時点では、自ら公約に掲げた使命の中核である「国民の健康と安心」については順調な履行ぶりを示し、その他は党任せになっているという評価になる。
参考資料
[^1]: 石破首相、消費税減税に否定的 「社会保障財源として重要」 [^2]: 令和5年度税制改正の大綱 [^3]: 同上 [^4]: 子育て支援2歳まで優先 財源、医療保険料上乗せ 政府案概要が判明 [^5]: 抜け穴だらけの規正法改正案、衆院通過 「領収書10年も残らない」 [^6]: 選択的夫婦別姓「賛成」7割 自民支持層64%が「賛成」 朝日世論 [^7]: 同性婚認めぬ規定「違憲」5件目 大阪訴訟も、法の下の平等に違反 [^8]: 主張/高裁「違憲」2例目/「婚姻の平等」法制化へ前進を [^9]: マイナンバーカードの健康保険証利用について - 厚生労働省 [^10]: マイナンバーカードを作るか否か迷っていたけど - note [^11]: 特定技能制度と支援義務:自主支援か登録支援機関に委託か [^12]: 同上 [^13]: ニュース:全国平均1054円、最低賃金 5.0%、50円で過去最大の上げ幅 [^14]: アングル:最低賃金1500円に広がる戸惑い、各党が公約も具体策なく [^15]: 備蓄米を追加放出へ、首相が近く指示 21万トン放出後も高止まり [^16]: 令和4年度定時評議員会が開催される - 日本薬剤師連盟 [^17]: 【後発薬調剤体制加算】神谷政幸議員が国会質疑 - ドラビズ on-line [^18]: 日本発の革新的な新薬開発に向けて議員連盟等に出席 [^19]: 事務局長を務める「厚生労働部会 薬事に関する小委員会」が開催 [^20]: 「令和6年度第3回総務会」開催 - 日本薬剤師連盟 [^21]: 選択的夫婦別姓制度めぐり自民党が独自法案提出見送りで最終調整 [^22]: 同上 [^23]: 神谷 政幸(かみや まさゆき):参議院 [^24]: 同上 [^25]: 参議院議員 薬剤師 神谷政幸 [^26]: 【神谷まさゆき議員】国会初質問・全文 - ドラビズ on-line [^27]: 神谷 政幸(かみや まさゆき):参議院 [^28]: 参議院議員 薬剤師 神谷政幸 [^29]: 同上 [^30]: 神谷 まさゆき「決断と実行。暮らしを守る。」 2022年 第26回参議院選挙 [^31]: 政策 - 神谷政幸 [^32]: 同上 [^33]: 同上 [^34]: 同上 [^35]: 同上 [^36]: 同上 [^37]: 神谷 まさゆき「決断と実行。暮らしを守る。」 2022年 第26回参議院選挙 [^38]: 衆議院送付):本会議投票結果 - 参議院 [^39]: 令和五年度国有財産無償貸付状況総計算書:本会議投票結果 - 参議院 [^40]: 参議院議員 薬剤師 神谷政幸 [^41]: fukuyaku.org [^42]: 同上 [^43]: 第212回国会 参議院 厚生労働委員会 第5号 令和5年12月5日 [^44]: 同上 [^45]: 事務局長を務める「厚生労働部会 薬事に関する小委員会」が開催 [^46]: 同上 [^47]: 日本発の革新的な新薬開発に向けて議員連盟等に出席 [^48]: 同上 [^49]: 同上 [^50]: 同上 [^51]: 青森県神谷まさゆき後援会 [^52]: 改正政治資金規正法の成立について―裏金が長年発覚しなかった原因は何ら解消していない [^53]: 同上 [^54]: アカメ・ガネ @akame__gane - Twitter Profile [^55]: 神谷まさゆき(神谷政幸)参議院議員/薬剤師 (@kamiyamasayuki_) / X [^56]: #医薬品卸し - Search / X [^57]: 参議院議員「神谷まさゆき」の活動日誌 - Facebook [^58]: 参議院議員 薬剤師 神谷政幸 [^59]: 神谷まさゆき - YouTube [^60]: 神谷まさゆき - YouTube [^61]: 参議院議員 神谷まさゆきの1日~通常国会会期中編~ - YouTube [^62]: 2025 0513厚生労働委員会」薬剤師等の遠隔販売管理での ... - YouTube [^63]: 自民、夫婦別姓「反対」の党議拘束は見送り調整 党内の意見集約困難 [^64]: 第212回国会 参議院 厚生労働委員会 第5号 令和5年12月5日 [^65]: 同上 [^66]: [社説]PFAS検査義務化へ 不安に応える「基準」か [^67]: アングル:最低賃金1500円に広がる戸惑い、各党が公約も具体策なく [^68]: 衆議院送付):本会議投票結果 - 参議院
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