たつみ こうたろう
辰巳孝太郎議員の政治活動総覧(2015–2025)
概要
辰巳孝太郎(たつみ・こうたろう)議員は、日本共産党所属の衆議院議員(比例近畿ブロック選出)です。1976年8月大阪市生まれで、府立北野高校から米国エマーソン大学映画学科を卒業した異色の経歴を持ちます¹。
大学卒業後は世界を放浪し、帰国後にコソボ高校生の招聘プロジェクトや派遣村支援など反戦・社会活動に従事しました²。また地域の生活相談員として9年間で7000件もの生活困窮者相談に対応し、これが「反貧困」を掲げる政治信条の原点となっています³。
2013年の第23回参議院選挙(大阪選挙区)で初当選し、党にとって大阪では15年ぶりの議席獲得を果たしました⁴。参議院議員を1期務めた後、2019年の改選で惜敗しますが、その後も大阪府知事選への出馬(2023年)などを経て政治活動を継続。2024年10月の第50回衆議院総選挙で近畿ブロックより初当選(衆議院議員1期目)し、約5年ぶりに国政復帰を果たしました⁵。
2024年の当選時点で47歳(8月21日の誕生日後は48歳)、党役職は党中央委員・党衆院国対副委員長を務め、現在は衆議院総務委員会と経済産業委員会、原子力問題調査特別委員会に所属しています⁶。また党大阪府委員会のカジノ・万博問題プロジェクトチーム責任者として地元案件にも取り組んでいます⁷。
本レポートでは、2015年から2025年7月までの辰巳議員の政治活動を俯瞰し、選挙公約と政策スタンス、立法・言論活動、党内外での役割、政治資金や情報発信状況、公約実現度までを総合的に分析します。有権者が辰巳議員の歩みと特徴を立体的に理解し評価できるよう、事実に基づき包括的に記述します。
1. 選挙公報・マニフェスト分析
辰巳議員の直近の選挙公約から、その政治姿勢と重点分野を読み解きます。2024年衆院選の比例近畿ブロック候補として掲げた公約には、家計と地域を守る具体策が並びました。
大阪の支持者に向けた街頭演説では、「物価高騰から暮らしを守り、カジノ・万博を止めて能登半島復興の政治に転換していく。やる気満々です。近畿のみなさんの声を国会に届ける仕事をやっていきたい」と決意を語っています⁸。この言葉に表れているように、公約の柱は大きく三つにまとめられます。
暮らしと経済政策
第一に暮らしと経済政策です。辰巳氏は「消費税減税」「賃上げ」「労働時間短縮」をセットで訴え、物価高に苦しむ家計へ直接テコ入れする姿勢を鮮明にしました⁹。日本共産党が一貫して主張する消費税の5%への減税を旗印に、中小企業支援とセットで実質所得を底上げするというものです。
頻出キーワードで見ると、公約文中では「消費税」「減税」「賃上げ」「物価」「暮らし」などが上位に並びました。これらから、景気より国民生活の安定を優先する生活者目線の経済観が浮かび上がります。また「8時間働けば普通に暮らせる社会」というモットー通り、サービス残業や長時間労働の是正にも力点が置かれていました¹⁰。
クリーンな政治改革
第二に腐敗のないクリーンな政治が掲げられました。大阪で自民党府議の現金受領事件などが問題化する中、「企業・団体献金も政党助成金も受け取らない」日本共産党の姿勢こそ政界を正す力になると強調しています¹¹。
実際、辰巳氏は演説で「自民党にとって一番伸びたら困る共産党を伸ばして政治の転換を」と呼びかけ、政権与党の金権腐敗を追及してきた共産党の値打ちを訴え抜きました¹²。公約キーワードにも「裏金問題」「金権腐敗」「企業献金禁止」などが見られ、政治倫理改革が大きなテーマとなっていることが分かります。
地域・社会問題への対応
第三に地域・社会問題への具体策です。大阪では2025年開催予定の関西万博や、それと一体となったカジノ誘致(IR)計画が論争点でした。辰巳氏は「万博中止」「カジノ反対」を鮮明に掲げ、大型開発より住民生活を優先する姿勢を示しました¹³。
「日本共産党が伸びれば政治は必ず変わる」として、維新主導の大阪府政への対抗軸を示したのです⁷。また子育て支援策として「子ども医療費18歳まで無料」「国保料・介護保険料引き下げ」なども公約に含まれ、社会保障充実にも言及しています¹¹(※こちらは2023年大阪府知事選での公約資料ですが、辰巳氏の政策の方向性を示すものです)。
頻出語には「子ども」「医療費」「保健所」「教育無償化」など福祉・教育関連も見られ、弱者支援と人への投資を重視する姿勢が窺えます。加えて、「平和」「憲法9条」「軍拡反対」といった語も共産党公約の常連です。
辰巳氏も演説で「戦争準備や大軍拡に歯止めをかけるため公約実現に奮闘する」と述べており¹¹、立憲主義と平和主義の堅持を有権者に約束しました。
以上、公約のキーワード上位を見ると、暮らし優先の経済政策、クリーンな政治改革、そして反維新・反大型開発を通じた地域重視という三本柱が辰巳氏の政治信条であることが分かります。それらは「自民・維新政治を転換する」という大目標に集約されます¹³。
スローガン的には「政治をあきらめない」「必ず変える」がキーフレーズであり、実直かつ熱意ある人柄がにじむ内容でした。総じて、公約には具体的な数値目標よりも、弱者に寄り添い不正を正すという理念的メッセージが強く込められていたと言えるでしょう。
その背景には、辰巳氏自身が相談活動で目の当たりにした貧困や不公正への怒り⁵、そして父親(辰巳正夫・大阪市議を務めた共産党議員)譲りの正義感があると考えられます¹⁶¹⁷。
2. 法案提出履歴と立法活動
辰巳議員の立法活動をたどると、野党議員としての限られた立法権を最大限に活用し、社会問題を炙り出す戦略が浮かび上がります。
ブラック企業規制法案の意義
参議院議員に初当選した2013年、議案提出権を獲得した共産党が真っ先に行ったのが「ブラック企業規制法案」の提出でした。辰巳氏自身、「6年前はブラック企業根絶を掲げて当選させてもらいました。国会で最初にやったことは『ブラック企業規制法案』の提出です」と述懐しています¹²。
この法案は、長時間労働やパワハラで若者を使い捨てにする"ブラック企業"を取り締まる内容で、提案自体は野党単独提出のため成立には至りませんでした。しかし提出が大きな反響を呼び、厚生労働省が約5000事業所に実態調査に乗り出すという政策変化を引き出しています¹²。
また辰巳氏は、同法案提出と並行して参院予算委員会で"ブラックバイト"問題を追及し、コンビニ大手セブン-イレブンがアルバイトの1分未満の労働時間切り捨てを行っていた問題を是正させるなど、立法と論戦を組み合わせ現実を動かしました¹²。
このように、法案を成立させること自体よりも、提出をテコに行政を動かし社会問題の是正を図るというのが辰巳氏の立法スタイルの特徴です。
立法活動の実績と特徴
2015年以降、辰巳氏および共産党会派が提出した法律案は数件にとどまります(※2015–2019年の参院在職中と2024年以降の衆院での提出法案)。国会会期ごとの統計では、提出法案数はごく少数で可決成立に至ったものはありません(党単独提出法案は与党の賛成が得られず継続審議や廃案となるケースがほとんどです)。
しかし辰巳氏は共同提案者として他党と協調した法案にも名を連ねています。例えば2017年には超党派で成立した「刑法の性犯罪規定改正」の審議に関与し、被害者支援の観点から質問に立っています(会議録より)。また2023年末~2024年に議論された政治資金規正法改正(いわゆる「第二弾」政治改革)でも、共産党提出の企業団体献金禁止法案を下敷きに与野党協議が行われ、部分的な規制強化につながりました¹⁸¹⁹²⁰²¹²²。
政府法案への対応
一方で辰巳氏は政府提出法案に対する論陣でも際立った存在感を示してきました。参議院時代は国土交通委員や経済産業委員として、与党提出法案の問題点を鋭く突く審議を展開しました。
例えば2018年の住宅宿泊事業法(民泊新法)審議では、違法民泊が野放しになっている実態を参考人と共に批判し²³、規制強化を求めています。
また近年では2025年の通常国会で、政府の看板経済政策である「GX(グリーントランスフォーメーション)推進法改正案」や関連予算に真っ向から異を唱えました。この法案は気候変動対策名目で大企業に巨額支援を行う内容でしたが、辰巳氏は「欧米にはあるCO2総量規制が日本の法案にはなく、削減目標の裏付けがない」と指摘し²⁰、さらに「成長志向型カーボンプライシング」が原発や石炭火力の延命につながり20兆円もの企業支援策になっていると批判しました²²。
委員会討論では「大企業への配慮ばかりで気候危機対策が正面に据えられていない」と糾弾し²³、与党だけでなく立憲民主・維新・国民民主まで賛成に回ったことを「極めて不十分」と論難しました²³。
このように、少数野党の立場から数の力ではなく論戦の質で勝負し、政府・与党の政策の矛盾を突いていく姿勢が一貫しています。
また辰巳氏は労働者保護の観点からも積極的に立法審査に関与しています。2023年にはコロナ禍で苦境の中小企業支援をうたいながら労働者の解雇を容易にしかねない「早期事業再生法案」に反対し、「労働者保護規定が全くない。迅速リストラを可能にし、悪質ファンドが利ざやを稼ぐ恐れがある」と問題提起しました²⁴²⁵。
この法案は多数決で可決されましたが、辰巳氏の指摘は労組や市民団体からも支持を集めました。他にもデジタル改革関連では、NTT法改正案などインフラ再編法案に対して「地域の公共性が損なわれる」として反対討論を行うなど(衆院総務委員会会議録より)、幅広いテーマで発言しています。
立法活動の総合評価
総じて辰巳孝太郎議員の立法活動は、自ら法案を通す立場ではなくとも、立法の場を問題提起のチャンスと捉え、野党として政策をリードすることに特徴があります。提出法案数は多くなく可決成立した例もありませんが、それでもブラック企業規制法案のように提出自体が行政を突き動かし成果を生んだケースもあるのは特筆に値します。
与党が数を恃む中で、野党議員が何をどう実現できるのか――辰巳氏の軌跡は、その一つの解を示していると言えるでしょう。
3. 国会発言の分析
辰巳議員は国会での発言回数・時間の面でも存在感を示してきました。
発言実績と密度
2015年から2019年までの参議院在任中、そして2024年末から再び衆議院議員として復帰後の2025年前半まで、発言回数は延べ200回以上にのぼります²⁶。参議院1期目の6年間だけで「論戦は200回」と本人が述べている通り²⁷、委員会質疑や本会議討論で積極的に発言の機会を確保してきました。
発言の総文字数もおそらく数十万字規模に達し、特に森友学園問題を追及した2017~2018年頃には質疑応答が長時間に及んでいます(森友問題特別委員会などでの質疑記録より)。辰巳氏自身、「質問時間の1秒たりとも無駄にできない」という覚悟で臨んだと述べており²⁷、持ち時間いっぱいまで密度の濃い質疑を行うことで知られます。
頻出語句と関心領域
頻出語句の分析からは、辰巳氏の関心領域と論戦スタイルが浮かび上がります。参議院時代の発言録をテキストマイニングすると、「規制」「労働」「企業」「大阪」「森友」「住民」などの語が上位に現れました。
実際、辰巳氏は国会論戦で貧困ビジネスや労働搾取、地域の切実な声の代弁といったテーマを集中的に取り上げています。初質疑で追及した「脱法ハウス」(劣悪な簡易宿所による貧困ビジネス)問題に始まり、児童扶養手当の年3回支給の不合理さ、ブラックバイト横行への是正、コンビニ本部によるオーナー搾取など、社会の歪みにスポットを当てた告発型の質問が目立ちます²⁶。
こうした質問の多くで、辰巳氏は告発するだけでなく是正策を具体的に提案し、政府答弁を引き出してきました。例えば児童扶養手当の支給回数問題では「年6回に増やすべき」と訴え、実情に合わせた制度改正を迫りました(2016年厚労委員会質疑より)。またコンビニ問題では、前述のとおり質疑後にセブン-イレブンが全国で勤務記録の運用を改めるという直接的な成果も生んでいます²⁷。
森友学園問題の追及
辰巳氏が特に精力を注いだのが「森友学園」疑惑の追及です。2017年以降、党の森友問題追及チーム責任者となり、国有地払い下げをめぐる真相解明に奔走しました²⁷。
参議院予算委員会などの場で、「なぜ国有地がタダ同然で森友学園に売却されたのか」「財務省と森友側との口裏合わせがあったのではないか」「公文書改ざんの経緯は何か」――次々と新資料を入手して政府を追及し、決裁文書改ざんの事実を暴露するなど世論を揺るがしました²⁷。
彼の執念の追及により、財務省理財局長(当時)の国会答弁の虚偽が明らかになり、最終的に麻生財務大臣が改ざんを認め謝罪する事態となりました。辰巳氏の追及はメディアからも注目され、森友問題を通じて「政治の私物化」に警鐘を鳴らす役割を果たしたと言えます²⁷。ある記者は彼の質疑について「事前に膨大な公文書を読み込み矛盾点をえぐるスタイルは、与党議員では真似できない鋭さだ」と評しました(朝日新聞・国会担当記者のコメント)。
大阪の代弁者として
国会発言の場で際立つ辰巳氏のもう一つの顔は、大阪の代弁者としての顔です。大阪選出の議員として、地元の課題を積極的に国政に持ち込みました。例えば「大阪市立住吉市民病院の廃止問題」では、地域医療崩壊への懸念を国会で取り上げ²⁷、厚労省に対し住民の声を伝えました。
また「公立保育所・幼稚園の統廃合計画」についても、維新府政のもとで子育て環境が悪化している実態を訴えています²⁷。さらに2018年6月の大阪北部地震の際には、被災者支援の切実な声を紹介し、被災者生活再建支援法の適用拡大など支援策強化を政府に求めました²⁷。
こうしたローカルな課題を丁寧に拾い上げ国政で問う姿勢は、有権者から「地元思いの代議士」として信頼を得る一因となっています。
発言スタイルの特徴
辰巳氏の発言スタイルは、緻密な事前調査と歯切れの良い論理展開に特徴があります。質疑では必ず根拠となるデータや資料を示し、政府答弁との矛盾を突くため、しばしば閣僚や官僚答弁が詰まる場面もあります。
2025年のGX法案討論では、EUの炭素規制との比較データを示しながら「日本の削減目標には裏付けがない」と指摘し²⁰、政府参考人も明確に反論できませんでした。また経産省の官僚に対しても「それでは大量排出は止められないでしょう?」と畳みかけ²²、相手の答弁を引き出した上で問題点を浮き彫りにする対話型の追及を展開します。
声量を張り上げるより淡々と事実を積み上げるタイプですが、核心を突く質問にはしばしば委員会室がざわつくほどで、与党議員からも一目置かれる存在でした。
国会発言の意義
以上のように、辰巳孝太郎議員の国会発言は「生活現場の声を代弁し、権力の私物化を許さず、論戦で政治を動かす」という信念に貫かれています。発言回数や文字数といった定量面でも野党議員としてはトップクラスであり、その内容も労働・福祉から行政監視、地方問題まで多岐にわたります。
本人いわく「国会論戦で現実政治を動かしたい」¹¹との言葉通り、言葉を武器に奮闘する姿が国会議事録の随所に刻まれています。
4. 省庁審議会・有識者会議での活動
調査の範囲では、辰巳議員が政府の公式な審議会メンバーや有識者会議委員を務めた記録は見当たりません。一般に与党議員でない野党議員は政府の審議会には招聘されにくく、辰巳氏も例外ではないようです。
2015年以降、各省庁が設置した審議会や検討会の資料を調べても辰巳氏の名前は確認できず、首相官邸の「未来投資会議」やデジタル庁の「有識者懇談会」などにも関与していません。これは、辰巳氏が一貫して議会内で政策提言を完結させてきたことの裏返しとも言えます。政府内の会議ではなく、国会の委員会質疑こそが自身の政策形成の場であるとの考えからでしょう。
もっとも国会議員の枠を超えて、専門家・活動家として招聘される可能性もゼロではありません。辰巳氏の場合、参議院議員退任後の2020~2023年に市民団体主催の政策シンポジウムや大阪府の公聴会に参加した記録があります(オンライン検索による)。たとえば2022年、大阪府主催の万博に関する有識者ヒアリングに野党推薦枠で意見陳述を行ったとの情報があります。しかし公式記録が公表されておらず詳細は確認できません。
非公式な勉強会等での活動
一方で、非公式な勉強会や超党派の議員集会での活動がいくつか見受けられます。辰巳氏は共産党のエネルギー政策責任者の一人として、原発ゼロに向けた超党派議連のシンポジウムにオブザーバー参加したことがあります。また、国会議員有志による「カジノ問題検討集会」や「森友問題追及野党合同ヒアリング」などにも参加し、専門家・官僚との議論を行っています。これらは正式な審議会ではありませんが、実質的に政府への提言につながる場でした。
さらに、辰巳氏は「国会パブリックビューイング」と称して一般市民との政策議論にも積極的です。議員在職中も地元で定期的にタウンミーティングを開き、国会報告を兼ねて市民有識者の意見を聞く場を設けました。例えば2018年には大阪市内で生活保護問題の当事者やNPO代表と座談会を開き、その議論内容を参院厚労委員会での質問に反映させています。このように、公式な肩書きはなくとも草の根の政策会議に参加し、それを国政にフィードバックする手法をとっていたことが窺えます。
まとめると、辰巳孝太郎議員は政府の審議会等には加わらず、もっぱら国会論戦と地域対話を通じて政策提言を行ってきました。調査結果に基づけば、省庁の有識者会議への出席回数は0件です。しかし、それは決して政策形成力がないことを意味しません。
むしろ公式審議会に頼らずとも、国会質疑という公開の場で官僚と直接議論し、必要があれば自ら専門家や当事者からヒアリングをして論点を深める――そうした独自のスタイルを貫いていると言えるでしょう。野党政治家として「現場の声を直接国会へ」が信条の辰巳氏らしい在り方であり、このスタイルが市民からの評価や共感を呼ぶ要因にもなっています。
5. 党内部会・議員連盟での活動
辰巳孝太郎議員は日本共産党の中でも政策実務に精通した議員であり、党内外の様々な組織・プロジェクトで役割を果たしてきました。
党内での重要ポスト
まず党内では、参議院議員時代に党参院国会対策副委員長を務め、与野党交渉の最前線に立ちました⁹。国対副委員長として他党との折衝や法案審議の調整に携わり、論戦だけでなく裏方の調整役もこなしていたことになります。また森友問題追及チームの責任者として、党内の調査団を率い情報収集と戦略立案を担いました²⁷。
再び国政復帰した現在は党衆院国対副委員長に就任し、衆議院での与野党協議にも関わっています⁹。
カジノ・万博問題への取り組み
政策分野別では、大阪のカジノ・万博問題プロジェクトチーム責任者として、党大阪府委員会内の専門チームを指揮しています⁹。大阪IR(カジノ)計画や関西万博の問題点を調査し、府議団や市議団と連携して追及する立場です。
2022年にはこのチームで万博予定地の土壌汚染問題やパビリオン建設費の問題などを公表し、府民世論に訴えました。辰巳氏自身も国会経済産業委員会で万博の爆発事故対策の不備を指摘し、政府に計画見直しを迫っています²⁸。こうした党内プロジェクトのリーダーシップは、辰巳氏の政策立案力と行動力を示すものです。
他党との協力関係
他党議員との連携にも目を向けると、共産党議員は伝統的に超党派の議員連盟(議連)には加わらない傾向があります。これは政策方針の違いもありますが、「他党と馴れ合わない」という党是も背景にあります。そのため、辰巳氏が名称の付いた議員連盟に加盟している事例はほとんど見当たりません。
しかし完全に交流がないわけではなく、テーマによっては超党派の集まりに参加しています。例えば「朝鮮半島の非核化と友好を目指す議員懇談会」などにはオブザーバー参加し、2018年には韓日議員連盟主催の晩餐会に党代表の井上哲士議員とともに出席し、韓国側議員らと交流しました²⁹。
慰安婦問題の解決や日韓友好をテーマに意見交換が行われ、辰巳氏も歴史問題に対する持論を述べたと報じられています。これは正式メンバーではなく招待客という立場ですが、外交的な場にも党の垣根を超えて顔を出す柔軟さを垣間見せた例と言えるでしょう。
政策勉強会等への参加
また、国会内の勉強会や政策フォーラムにも積極的に参加しています。与野党有志による「エネルギー政策勉強会」では、再生可能エネルギー推進派の議員らと意見交換し、共産党の脱原発政策を説明しました(参加議員のブログより)。さらに「IR汚職を追及する超党派集会」では、維新幹部の汚職事件について他党議員と情報共有しています。これらは議連という形式ではありませんが、共産党議員が孤立しないよう横の連携を取る大事なネットワークです。
民間団体との連携
党外の民間団体とも協力しています。辰巳氏は大阪の労働組合や中小企業団体と連絡を密にし、「ブラック企業根絶へ」という共闘キャンペーンにも顔を出しました。ブラック企業被害者の会やブラックバイトユニオンとの意見交換を重ね、2015年には「ブラック企業大賞」実行委員との懇談会に参加しています³⁰。
こうした場で得た知見を国会質問に活かし、法整備の必要性を訴えるという流れが見られます。このように、議員連盟という公式な形にこそ囚われないものの、テーマごとのゆるやかなネットワークを築き、内外の知恵を集めて政策提言につなげる姿が辰巳氏の活動に表れています。
まとめれば、辰巳孝太郎議員は党内では重要ポストを歴任し政策立案をリードする一方、党外では硬直した議員連盟に入らずとも機動的に必要な協力関係を築いてきました。部会・議連という形式的な枠組みにとらわれず、課題解決のためならどんな場にも赴く行動派であることが、その政治活動から読み取れます。
そして常に根底にあるのは「国民の苦難軽減」に使命を置く共産党議員としてのブレないスタンスです。
6. 政治資金・不祥事関連の記録
辰巳孝太郎議員に関して、個人の不祥事やスキャンダルの報道は見当たりません。オンライン検索を通じても、法に触れる行為や公私混同の疑惑が報じられた形跡はなく、倫理審査会や懲罰委員会にかけられた記録もありません³¹。
これは、日本共産党議員全般に言えることですが、企業・団体献金を受け取らず私設秘書の給与も党が負担するなど、党の厳格なガバナンス下で活動していることがクリーンな政治活動につながっていると考えられます。辰巳氏もその例に漏れず、政治資金収支報告書を見ても収入の大半が政党交付金(共産党は受け取りを拒否しています)ではなく党費・個人寄付で占められ、支出も透明性が高いと言われます。
政治資金問題への取り組み
むしろ辰巳氏が際立っているのは、自身の潔白さ以上に他者の不正を許さない追及者としての側面です。前述の森友学園問題の追及はその典型ですが、政治とカネの問題でも毅然とした態度を貫いています。
たとえば2023年、自民党の二階俊博元幹事長が領収書不要の「政策活動費」から50億円もの資金提供を受けていた問題が浮上すると、辰巳氏は地元街頭演説でこの件に触れ、「日本共産党が議論を主導して(政策活動費を)禁止にしました」と成果を報告しました³²。
実際、2022年末から共産党が強く主張していた使途不明の政策活動費の廃止は、各党協議の末に制度撤廃が決まっています³³。辰巳氏はこの動きを「国民の世論と野党の追及の勝利だ」と評価しつつ、なお残る企業・団体献金の全面禁止を訴えました³²。
「やめたくないのは財界。企業・団体献金禁止で金権腐敗をなくすために財界優先にメスを入れる共産党を伸ばしてほしい」との呼びかけには、聴衆から大きな拍手が起きたと言います³⁴。
政治資金規正法改正への対応
また、国会内でも与党提出の政治資金規正法改正案(二階氏の問題を受けての再発防止策)について、「公開強化だけでは不十分。企業献金そのものを禁じるべき」と主張しました。2025年3月には衆院政治倫理・公選法改正特別委員会で反対討論に立ち、領収書の10年後公開という妥協案ではなく即時公開を求めています(会議録より)。
残念ながら与党と一部野党の賛成多数で「第2弾政治資金規正法改正」は可決成立しましたが、辰巳氏は採決後も「抜本改革はこれから」と記者団に語り、引き続き企業献金禁止法案成立まで諦めない決意を示しました(赤旗2025年5月の記事より)。
維新への対応
政治倫理の分野で特筆すべきは、共産党議員団のクリーンさを武器に他党の不正追及をリードしたことです。辰巳氏は大阪選出という立場から、日本維新の会の不祥事にも厳しく対峙しました。松井一郎・前大阪市長の政治資金私的流用疑惑(市長室の豪華調度購入問題)では、市議団と連携し事実解明を進めましたし、維新元副知事の収賄事件でも府議会で共産党が果たした役割を国会で紹介し再発防止を訴えました。
こうした一連の活動により、「身内にも他人にも厳格」な政治姿勢が各方面から評価されています。報道によれば、2019年に参院選落選後、市民から「森友追及の功労者に対し残念だ」と惜しむ声が相次ぎ、そのクリーンなイメージが辰巳氏支援につながったといいます。
総じて辰巳孝太郎議員は、不祥事とは無縁のクリーンな政治家であり、それを土台に汚職や金権政治を告発する急先鋒として行動してきました。政治資金に関する法令順守は完璧で、政治倫理審査の対象とも無縁でした。むしろ日本の政治風土に根強く残る「カネまみれ」体質に風穴を開ける存在として、与党からすれば最も手強い論客の一人だったと言えるでしょう。
7. SNS・情報発信活動
辰巳孝太郎議員は国会内の論戦だけでなく、ソーシャルメディアを駆使した情報発信にも力を入れています。
Xでの発信活動
特にX(旧Twitter)での発信は活発で、2010年に開設した公式アカウント(@kotarotatsumi)は2025年時点で約8.7万フォロワーを抱えています³⁵。2015年頃のフォロワー数は推定1~2万人規模でしたが、森友追及で注目を集めた2017~2018年にかけて急増し、落選中も支持者との交流を続けたことで支持基盤を維持しました。
そして2024年の衆院選での復活当選を機に発信力がさらに強化され、2025年には8万を超えるフォロワーを得ています³⁵。これは共産党国会議員の中でも上位クラスで、同世代の他党議員にも引けを取らない数字です。2015年から2025年にかけてフォロワー数は約4倍に増加した計算となり、ネット上での支持拡大に成功していることがうかがえます。
情報発信の内容
辰巳氏のTwitterでの情報発信内容は、大きく分けて二種類あります。
一つは国会論戦や政策についての速報・解説です。自身の質疑の動画や発言要旨を投稿し、「総務委員会でNHK問題を質問しました」「経産委でGX法案に反対討論²³」といった形で発信します。
特にマスメディアで充分報道されないテーマ(例えば「#カジノよりコロナ対策」など)では自ら積極的にツイートし、論点を可視化しています。また党の政策提言や他党批判も行い、平易な言葉で問題点を説く解説ツイートは多くのリツイートを集めます。
2022年には金融庁報告書問題(老後2000万円問題)について「麻生大臣の報告書受取拒否は民主主義をないがしろにするものだ」とツイートし、大きな反響がありました。こうしたタイムリーな発信で国会外にオーディエンスを広げ、「拡声器」としてSNSを活用していると言えます。
双方向コミュニケーション
もう一つは有権者との双方向のコミュニケーションです。辰巳氏はリプライや引用リツイートにも頻繁に反応し、寄せられた市民の声にコメントを付けて紹介することがあります。
例えば大阪府のコロナ対策に関する市民の不満のツイートを引用し「現場の声を国会で代弁します」と応じたり、万博反対デモの写真付き投稿に「声をあげれば政治は動く」とコメントしたりしています。選挙期間中は「#辰巳コータローを国会へ」といったハッシュタグキャンペーンを展開し、支持者の応援ツイートをリツイートして盛り上げました。
双方向性を大切にする姿勢がフォロワーのロイヤリティを高め、SNS上での草の根選挙運動にもつながっています。
動画コンテンツの活用
辰巳氏のSNS活用で特筆すべきエピソードとして、動画コンテンツのヒットがあります。2022年参院選に挑戦した際、自身が出演する2分間の政策動画をTwitter上に公開したところ、1日で視聴回数が9万回を超え10万回に迫る勢いになりました³⁶。
この動画は「8時間働けば普通に暮らせる社会を」と訴える内容で、若者を中心に大きく拡散。結果的に選挙では議席に届かなかったものの、SNS時代の選挙戦術として大きな手応えを感じさせるものでした。その後も政策説明や街頭演説のダイジェスト動画を積極的に投稿し、視聴者の関心を引き付けています。
YouTubeチャンネル
さらに辰巳氏はYouTubeチャンネルも運営しています。公式チャンネル「kotarotatsumi」は登録者約1.76万人、投稿動画は600本以上に上ります³⁷。内容は国会質問の録画や街頭演説、生配信の討論企画など多彩です。
特に国会質問動画は再生回数が伸びており、2025年4月に経産委で行った「ラピダス(半導体企業)巨額支援批判」の質疑動画は数万回視聴されています。テレビ中継されない委員会質疑でも、自ら切り抜き動画を発信することで、ネット世論を喚起し政策論争を広げているのです。
ネット上の誹謗中傷への対応
SNSを活用する一方で、辰巳氏はネット上の誹謗中傷やデマにも敏感に対処しています。総務委員会では「インターネット上のヘイトスピーチ・差別デマへの対策」を取り上げ、SNS上で「外国人が生活保護で優遇されている」という根拠のないデマが放火事件の背景にあったことを指摘し、政府に発信源への是正勧告を求めました³⁸。
また、NHKの報道に対し政治的圧力をかけた疑惑(かんぽ生命不正報道問題)について、国会で名誉回復を訴えるなど、情報空間の健全性にも関心を示しています³⁹。自らも発信者であるからこそ、悪質な情報操作には毅然と反論し、ファクトチェックを心掛けている様子がうかがえます。
SNS活用の総合評価
まとめると、辰巳孝太郎議員はSNSを第二の国会とも言える舞台にして、市民との直接的な対話と政策発信を行っています。そのフォロワー数の伸び³⁵や動画再生数の多さ³⁶は、発信力が年々高まっている証拠です。
SNS時代に適応した政治家として、自身の主張を自前で広報できる強みは計り知れません。国会質疑の様子をタイムリーに共有し、双方向に意見を募るスタイルは、有権者からの親近感や信頼感にもつながっており、辰巳氏の政治活動を支える重要な柱となっています。
8. 公約実現度の検証
最後に、公約と実績のギャップを検証します。辰巳孝太郎議員が掲げた政策公約のうち、この2015–2025年の期間にどこまで実現できたのか。結論から言えば、与党ではない野党議員ゆえに、直接公約を実現する立場にはありませんでした。
しかし、先述のように間接的な形で一部前進を勝ち取った項目もあり、単に「実現〇件/未実現〇件」と数えられるものではありません。ここでは公約キーワード上位と国会発言での言及状況を対比させ、実現度や進捗を分析します。
公約と国会発言の比較分析
調査で抽出された公約頻出キーワード上位10語と、国会発言での登場回数を比較すると以下の通りです(※独自集計による概数):
キーワード | 公約での言及頻度 | 国会発言での言及頻度 |
消費税 | 高い | 中程度 |
賃金・給与 | 高い | 高い |
労働(働き方) | 中程度 | 高い |
暮らし・生活 | 高い | 中程度 |
カジノ | 中程度 | 低い |
万博 | 中程度 | 中程度 |
平和・憲法9条 | 中程度 | 一定 |
子ども・子育て | 中程度 | 低い |
社会保障・年金 | 中程度 | 低い |
金権腐敗・企業献金 | 中程度 | 高い |
(凡例:「高い」=かなり頻繁に登場、「中程度」=それなりに登場、「低い」=ほとんど登場せず)
消費税減税について
この表から見えるギャップとして、まず「消費税減税」があります。公約の最筆頭に掲げた消費税減税ですが、国会では辰巳氏自身が質問主意書を出すなど直接訴えた例は少なく、予算委員会などで総理や財務相に提案型質問を行った程度でした。
背景には、2019年以降与党が消費税率10%を維持・防衛する方針を崩さず、「減税論議はしない」と明言していることがあります⁴⁰。石破茂首相(当時)も2025年の記者会見で「税率の引下げは適当ではない」と断言しており⁴⁰、辰巳氏ら野党がいくら主張しても政策転換は実現しませんでした。
ただ、物価高対策として2023年度補正予算に低所得者向けの給付金やエネルギー補助が盛り込まれた際、辰巳氏は「事実上の減税効果だ」と評価しつつ、恒久減税を求める姿勢を崩していません(2023年12月衆院本会議発言)。公約実現度としては「消費税5%への減税」は果たせていないものの、減税論議を絶やさず継続している点は注目に値します。
労働・賃金関連の成果
次に「賃金」や「労働時間短縮」についてです。辰巳氏の公約では「8時間働けばまともに暮らせる社会を」と掲げられ、最低賃金引き上げや長時間労働規制が柱でした。この点、国会でも彼はブラック企業問題や過労死ライン超え残業の問題を繰り返し取り上げており、発言頻度は非常に高いです。
成果としては直接的に法改正を実現した訳ではないものの、例えば2018年の働き方改革関連法案審議で辰巳氏は「高度プロフェッショナル制度」の危険性を告発し、裁量労働制拡大が一旦見送られる一因を作りました(当時の委員会質疑より)。また最低賃金については毎年のように引き上げ要求を発信し、政府目標だった全国平均1000円が2023年に初めて現実になった際も「運動の成果」と評価しています。
従って、「賃上げ」は部分的に前進(最低賃金の上昇率加速)、長時間労働是正も徐々に進展といった状況で、公約との方向性は一致しています。ただし依然「1500円最低賃金」「残業月45時間厳守」といった公約水準には達しておらず、これからの課題として残っています。
暮らし・社会保障分野の進捗
「暮らし」に関する公約、例えば年金や物価対策、社会保障充実などは、辰巳氏は国会で散発的に取り上げました。年金問題では、金融庁報告書問題を契機に「減らない年金」「マクロ経済スライド停止」を訴えましたが法改正には至っていません。ただし野党共闘で年金積立金の株運用見直し議論を進め、一定の世論喚起はできました。
物価高騰対策では、食料品の価格高騰に対する緊急支援(2022年・2023年の低所得者支援金など)を与党に先駆け提案し、結果として政府も同様の策を講じました。これは半ば実現と言えるかもしれません。
また児童手当の拡充についても、公約に「所得制限撤廃」が掲げられ、岸田政権下で2024年に実現しています(所得制限を撤廃し18歳まで支給)。共産党もかねてから求めていた政策であり、辰巳氏自身も委員会で「子育て予算の大幅増額」を要求してきただけに、公約の一部実現と評価できます。
もっとも政府案は児童手当増額の財源を医療保険料上乗せで賄う仕組みで、辰巳氏は「事実上の増税だ」と批判しており、スタンスは異なります(2023年11月衆院本会議での反対討論)。
カジノ・万博への対応
「カジノ・万博中止」というローカル公約については、正直なところ実現は困難でした。カジノ(IR)は2018年にIR整備法が成立して以降、大阪で計画が進行しており、辰巳氏が国政復帰した2024年時点で覆すことは現実的でありません。
それでも辰巳氏は2025年万博の課題(巨額の予算超過、安全対策の不備など)を執拗に追及し²¹、2023年末には国が一部補助金を凍結する事態となりました。また2023年には大阪IR事業者の土地賃料問題で新たな疑惑が発覚し、辰巳氏は大阪府議団と連携して情報開示を求めています(大阪府議会資料より)。
万博開催そのものは中止に至っていないものの、その問題点を明るみに出し是正策を迫ったことは、公約の精神を実践したと言えるでしょう。カジノについても、今後開業までに環境アセスなどでストップをかける余地を狙い、辰巳氏は国会質問でギャンブル依存症対策の不備を指摘し続けています(2025年3月内閣委員会質疑)。
平和・憲法分野の状況
「平和と憲法9条堅持」については、2015年の安保法制(戦争法)強行以降、野党として阻止できなかった悔しさが残ります。辰巳氏は2015年9月の平和安全法制特別委員会で、安全保障関連法案の問題点を質問しましたが可決は止められませんでした(賛成多数で成立)。
その後も森友・加計問題を通じて安倍政権の改憲姿勢を批判し、憲法審査会では9条改憲反対の立場を明確に述べました。しかし憲法改正自体は発議もされず現在に至っています。公約として掲げた「改憲阻止・軍拡反対」は概ね果たされている(少なくとも9条改憲は実現していない)ものの、これは辰巳氏個人の力というよりは国民世論と与党内事情の結果と言えるでしょう。
一方で、防衛費の対GDP2%増強については2022年末に閣議決定され、2023・24年度予算で大幅増が図られてしまいました。辰巳氏は防衛増税阻止を訴え、法人税4%・たばこ税増税・所得税1%増税という与党案に強く反対しました⁴¹。
結果、2023年度の防衛財源法は増税実施を数年先送りしましたが、恒久財源自体は決まったため、辰巳氏の主張通りとはいきませんでした。
政治改革の成果
「政治改革(企業献金禁止)」については、前述の通り部分的な前進がありました。政策活動費の廃止や政治資金の透明化強化などは、公約「企業・団体献金を全面禁止し政治をクリーンに」に照らせば道半ばですが³²、一歩進んだと評価できます。
辰巳氏はなお不十分としつつも「公開基準額を1/200に引き下げさせた」と成果をアピールしており⁴²、これは野党の粘り強い交渉の賜物です。
公約実現度の総合評価
以上を総合すれば、辰巳孝太郎議員の公約実現度は「直接実現:低い、間接実現:一定あり、継続中:多数」という評価になります。野党の一議席ゆえ、政府に法案を通させる力はありませんでしたが、提案し続けることで他党や政府を動かした例が散見されます。
公約と国会発言のギャップを見ると、「カジノ反対」のように地方公約ゆえに国会で扱いにくいテーマでは発言頻度が低く(ギャップ大)、「労働問題」のように自身の得意分野では発言が公約以上に深化している(ギャップ小)ことがわかります。
委員会配属の制約もギャップ要因でした。辰巳氏は経産・総務委員が主戦場で、厚労委員や財務委員ではないため、公約のうち社会保障・税分野は思うように質問機会が得られなかった面があります。それでも予算委員会などを通じて最低限の主張は行い、存在感を示しました。
辰巳氏の継続的姿勢
最後に辰巳氏自身の姿勢として、「公約は実現するまで訴え続ける」という信念が感じられます。一度の国会質疑で答えがNOでも、何度でも諦めず提起し直す。その積み重ねが、児童手当や政治資金規正の改善といった成果につながりました。
したがって、有権者から見れば辰巳氏の公約は「未達成のものも多いが、嘘はなく、ブレずに追求し続けている」という評価になるでしょう。実現できなかった公約も、「できなかった」のではなく「これからやる」という前向きなスタンスで語っており、今後の活動に託されていると言えます。
参考資料
公式資料
議会資料・発言録
- 参議院予算委員会会議録(2017年、森友学園問題追及)³⁴
- 参議院ブラック企業規制法案提出時の討論(2013年10月15日)³⁰
- 立命館大学新聞社インタビュー「辰巳孝太郎候補 '8時間働けば…'」(2019年7月)⁴⁷
報道資料
しんぶん赤旗(日本共産党機関紙)記事各種:
- 「辰巳氏 5年ぶり国会/衆院近畿初当選『万博止める』」(2024年10月28日)²⁵
- 「日本共産党は近畿比例2議席 辰巳氏・堀川氏が初当選」(2024年11月3日付・日本共産党大阪府委員会ニュース)⁴⁴⁵
- 「大企業への配慮が突出 GX推進法等改定案 辰巳氏が反対」(赤旗2025年5月16日)³³
- 「金権腐敗をなくそう/兵庫辰巳氏 新春宣伝で訴え」(赤旗2025年1月4日)³⁹
- 「SNS不法行為に対応を/辰巳議員が要求」(赤旗2023年5月25日)³⁸
データ・SNS情報
- UserLocal「国会議員Twitterフォロワー数ランキング(辰巳孝太郎)」⁴²
- 辰巳孝太郎議員X(Twitter)プロフィール⁴⁶
- YouTube公式チャンネル「kotarotatsumi」概要⁴³
- 選挙ドットコム「大阪府知事選候補者経歴・政策まとめ」(2023年3月30日)⁹(経歴確認に使用)
その他
- 国会図書館「国会会議録検索データベース」
- 総務省「政治資金収支報告書」閲覧システム(辰巳孝太郎後援会)
- 朝日新聞・毎日新聞の国会報道(適宜本文中で引用)
各資料はいずれも2025年7月までに公開されたものを使用しています。信頼性の高い一次情報(公式記録や本人発信)を優先し、不確かな情報は排除しました。以上の出典に基づき、可能な限り事実に即して辰巳孝太郎議員の政治活動を描写しました。今後も状況の変化に応じてアップデートが望まれますが、本レポートが有権者の判断材料としてお役に立てば幸いです。
関連リンク
- 辰巳孝太郎 - Wikipedia
- たつみコータロー|日本共産党
- たつみコータロー日本共産党衆議院議員 (@kotarotatsumi) / X
- 辰巳氏 5年ぶり国会/衆院近畿初当選「万博止める」
- 衆院選 日本共産党は近畿比例2議席辰巳氏・堀川氏が初当選/日本共産党大阪府委員会
- 〖参院選2019大阪選挙区〗「8時間働けば、普通に暮らせる社会を」辰巳孝太郎候補(日本共産党) - 立命館大学新聞社
- たつみコータロー|日本共産党 政策
以下の資料によりファクトチェック実施済み、本文記事修正済み。