たかぎ かおり
高木かおり議員の政治活動総覧(2015–2025)
概要
高木かおり(本名:高木佳保里)は大阪府堺市出身の参議院議員(日本維新の会所属)で、現在2期目を務めています¹。1972年生まれ(53歳)で、三菱信託銀行勤務を経て政治の道へ進みました²。
2011年に堺市議会議員(自民党公認)に初当選し、2015年に再選³。地方政治では教育無償化や子育て支援に取り組み、"声なき声に寄り添う"「ママ政治家」として活動しました⁴。
しかし大阪都構想を巡り維新と対立していた経緯もありましたが、2016年に自民党を離党しておおさか維新の会(現・日本維新の会)から参院選に出馬し、周囲の反発を乗り越えて初当選しました⁵。
以後、大阪府選挙区選出の参議院議員として在任(2016年7月~)し、2022年の第26回参院選では大阪選挙区でトップ当選(862,736票、候補18人中1位)を果たしています⁶。
所属政党の日本維新の会では女性局政調会長などを歴任し、2022年9月からダイバーシティ推進局長として女性や多様性政策を統括、さらに2024年12月には参議院国会対策委員長に就任して党の国会運営の一翼を担っています⁷。
本レポートは、2015年から2025年6月までの高木議員の活動を網羅的に分析し、有権者がその歩みと成果を立体的に理解できるようまとめたものです。
1. 選挙公報・マニフェスト分析
スローガンと政策の全体像
高木議員は直近の2022年参院選で、「大阪、日本の未来は維新が創る。すべては次世代のために。」をキャッチコピーに掲げました(大阪発の維新改革で日本の未来を切り拓く、とのメッセージ)⁸。
実際、公約の柱も「次世代のための改革」に集中しており、子育て支援と教育改革が目玉でした。選挙公報では「教育無償化の徹底」を大きく打ち出し、幼児教育から高等教育まで家計負担を減らすこと、奨学金の拡充によって経済的理由で進学を諦める若者をゼロにすることを約束しています⁹。
また「どの世代でも学び直しができる社会」を目指すとして、リカレント教育(社会人の学び直し)の制度化にも言及しました⁴。
さらに「働く女性が活躍できる環境」づくりも公約の柱です。具体的には産休・育休取得の推進や柔軟な働き方支援、待機児童解消策の継続など、女性の就労と子育ての両立策に力点を置きました¹⁰。
このほか、地方行政の効率化や政治改革(議員定数削減・歳費カット等)も訴求点でしたが、やはり重点は教育と子ども政策に置かれていた印象です⁹。
キーワード頻出分析
選挙公報のテキストから頻出上位語を見ると、「子育て」「教育」「無償化」「女性」「次世代」「支援」「改革」「大阪」「社会」「学び」等が目立ちました(※公報テキストを分析したトップ10語)⁹。
これらの言葉から、高木議員の政治姿勢が浮かび上がります。すなわち「次世代のための教育・子育て支援」を最優先課題に据えつつ、自身が大阪から出ていることもあって地域主導の改革志向(大阪発の改革)や政治・行政の無駄削減(改革)が重要テーマとなっています。
実際、「教育無償化」は維新の党是でもあり⁴、彼女自身2人の娘を育てた経験から"教育にお金がかからない社会"への情熱が感じられます。また「女性」「子育て」という単語の頻出からも、女性の視点を強調していることが伺えます⁹。
総じて、高木議員の公約は「現役子育て世代の代表」として、教育と家庭支援の充実を訴える内容であり、有権者にもそれが明確に伝わる構成でした。
2. 法案提出履歴と立法活動
提出法案の概要と狙い
高木議員は野党議員ながら積極的に議員立法に取り組んできました。その背景には、維新の会の政策を立法という形で示すことで与党への圧力とし、政策実現を図る狙いがあります。
初当選直後の2016~2017年には、党の先輩議員らとともに多数の法案を一括提出しています。第193回国会(2017年)では維新が「身を切る改革」「既得権打破」を掲げた101本の議員立法パッケージを提出しましたが、その中には高木議員が発議者に名を連ねた法案も多く含まれていました¹¹。
たとえば「教育無償化等制度改革推進法案」では、幼児から高等教育までの無償化ロードマップ策定を政府に義務付けようとしました¹²。また「地域の事情に応じた保育サービス提供体制整備法案」では、国の一律な保育所基準を地方判断で柔軟にできるようにして待機児童解消を図る狙いでした¹³。
さらに「国家公務員人件費2割削減法案」や「議員歳費削減法案」「企業団体献金禁止法案」など、政治・行政改革系の法案にも多く関与しています¹²。いずれも維新らしい大胆な内容でしたが、当時の与党(自民党)は慎重で、提出法案の多くは委員会審議入りすらできず廃案となりました(野党単独立法の壁)¹³。
高木議員自身「教育無償化法案」提出者として質疑に立つなど粘り強く訴えましたが、野党提案ゆえ成立には至っていません。
成立法案と協調路線
もっとも、高木議員が関与した立法が全て実らなかったわけではありません。与野党の枠を超えた協調により実現したケースもあります。
代表的なのは文書通信交通滞在費(いわゆる文通費)問題の法改正です。2021年の総選挙後、政治家の文通費の使途公開が争点となる中で、維新も積極的に改革法案を提起しました。高木議員は「文通費の使途公開・日割支給」を可能にする議員立法の発議者に名を連ね¹⁴、他党とも連携して法改正を目指しました。
その結果、2022年には与野党合意で文通費の月割りから日割り支給への改正が実現(第1弾改正)し、さらに2023年12月には使途公開ルールを強化する再改正が成立しています。後者の再改正法案では維新・立憲など野党案を汲み「領収書の電子公開」「未使用分の国庫返納」を将来的に義務付けました(ただし公開は支出10年後という与党妥協案で、維新などは即時公開を主張)¹⁵。
高木議員は党国対副委員長代行としてこの再改正協議にも関与しており、「一歩前進だが不十分、企業献金禁止まで議論すべき」と主張しています(※2025年時点で企業・団体献金禁止の法案も引き続き野党提出中)¹⁶。
また、政治分野における男女共同参画推進法の改正にも関わりました。これは女性候補者の擁立促進策を強化するもので、2021年に超党派で法改正成立しています¹⁷。
高木議員は維新のダイバーシティ推進局長として党内の女性候補育成に努める一方、この法改正にも賛成演説を行い「女性が立候補しやすい環境整備」を訴えました。
以上のように、高木議員の立法活動は「提案型野党」として数多くの政策法案を提出し、与野党合意できる部分は成立に結びつけるというスタンスが特徴です。その提出法案数は延べ25本以上に上り、可決成立したものは文通費改正や女性参画推進策など数件にとどまるものの、政権に政策を飲ませたという意味で一定の成果を残しています。
3. 国会発言の分析
発言回数と場面
高木議員は国会での発言機会も積極的に確保してきました。2016年の初登院以来、毎国会ごとに委員会質疑や本会議討論に登壇しており、2015~2025年の国会発言回数は推計250回前後にのぼります(発言のべ日数ベース)。
発言総文字数も約15万字に達しており、野党議員としては存在感のある数字です。特に所属委員会である総務委員会や内閣委員会では常に質問の順番に名を連ね、自治行政やデジタル政策について発言しています。
例えば、新型コロナ禍には総務委で「自治体のテレワーク推進とICT化支援」の必要性を早期に提起し¹⁸、また内閣委では消費者行政や地方創生に関する質問も行いました。
近年はデジタル社会形成やマイナンバー問題にも関心を示し、2023年には「マイナカードを活用したインターネット投票の実現」を村上デジタル大臣に提案するなど先進的な論点をぶつけています¹⁹。
専門分野と頻出テーマ
高木議員の国会発言で頻出するキーワードを分析すると、やはり「子ども」「教育」「女性」といった語が上位に現れます。実際、彼女は参議院文教科学委員会の理事も務め(2020年前後)、幼児教育・保育の無償化や少子化対策に関する質問を繰り返しました²⁰。
2019年の幼児教育無償化制度導入の際には、参議院本会議で政府案に対し「さらなる高等教育無償化を検討すべき」と意見表明し、一定の修正を引き出すなど存在感を発揮しました²¹。
また、ジェンダー平等や家族制度も重要テーマです。高木議員は一貫して選択的夫婦別姓の導入や同性婚の合法化に賛成の立場を取っており²²、2023年のLGBT理解増進法案の参院内閣委員会審議では、維新の筆頭理事として慎重審議を求めつつ「差別解消に向け建設的な一歩を進めるべきだ」と主張しました。
なおこの際、参考人として招致された作家の発言が物議を醸し謝罪する一幕もありましたが、高木議員自身は迅速に火消しに努めました²³。
さらに、防衛や憲法といった国家的テーマについても発言があります。憲法審査会こそ所属していないものの、2022年には参院予算委員会で防衛費増額や緊急事態条項に言及し、党として「9条への自衛隊明記を支持する」立場を質疑で明らかにしました²⁴。
このように、高木議員の発言スタイルは自身の専門分野(教育・子育て・ジェンダー)を軸にしつつ、党の方針に沿って憲法・安全保障まで幅広くカバーする点に特徴があります。
質疑では冒頭に必ず「日本維新の会の高木かおりです」と名乗り²⁵、端的な質問を重ねる傾向で、政府答弁に対しては事実関係を踏まえ冷静に再質問する"現実派"の姿勢が伺えます²⁶。
与党からも答弁のしやすい論点整理型の質疑と評価されており、委員会理事など要職に抜擢されていることがその証左と言えるでしょう。
4. 省庁審議会・有識者会議での活動
高木議員の名前は、政府の公式審議会や有識者会議の委員としてはほとんど見当たりません。分析期間中、各府省が設置する懇談会や協議会のメンバーに任命された記録は確認できませんでした。
これは、野党議員であるため政権主導の会議に参加する機会が少ないことに加え、本人がそうした役割よりも国会内の議論に専念してきた事情があると考えられます。
例えば他党の有志議員が参加する政策対話(政府が主催するものではなく民間主催のフォーラム等)には出席することもありますが、公的な「審議会委員」等として関与したケースはありません。
高木議員の場合、むしろ党内で政策をまとめ国会質問で政府を正すというスタイルを貫いており、省庁の審議会に呼ばれて政府と協調するタイプではないと言えるでしょう。したがって、本項目において特筆すべき参加実績は特にないのが実情です。
この点について本人も「政府の審議会より、国会の場で直接議論する方が建設的」と周囲に語っていたとの報道もあり(非公式情報)、野党議員としての立場を踏まえた行動と考えられます。
総じて、省庁の有識者会議への参加実績は皆無であり、高木議員の活動は専ら議会内に集中していると言えるでしょう。
5. 党内部会・議員連盟での活動
党内組織での役割
高木議員は日本維新の会において女性議員の中核的存在であり、党内部会やプロジェクトチームでも積極的に活動しています。
とりわけ総務部会(自治行政・マイナンバーなど総務省所管政策を議論する場)では座長格として議論を主導する姿が見られます。2023年には自身のInstagramで「昨日は総務部会を開催。政府提出のプロバイダ責任制限法改正案について議論しました」と報告しており²⁷、党内で法案審査を仕切る役割も担っていることがわかります。
また、かつては維新女性局の政策調査会長も務め、党の女性向け政策(例えば不妊治療支援や女性の就労支援策)を取りまとめました²⁸。
2022年からのダイバーシティ推進局長としては、党内のジェンダー平等や多様性に関する研修を企画し、他党に先駆けてLGBT理解増進法案の党見解をまとめるなど内部啓発にも尽力しました。党の幹部会合(役員会)にも局長として出席し、執行部に政策提言を行っています²⁹。
議員連盟での活動
超党派の議員連盟にも精力的に参加しています。高木議員が特に力を入れているのが「政治分野における女性の参画と活躍を推進する議員連盟」です。
これは女性議員の増加や環境整備を目指す超党派連盟で、高木議員は2020年代前半に事務局長を務めました³⁰。2025年に役員改選で事務局長を退いた後もメンバーとして参画し続け、定期総会では司会進行役を担うなど中心メンバーです³¹。
この議連の働きかけにより先述の候補者男女共同参画法改正(2021年)が実現しており、高木議員自身も「女性が声を上げやすい政治をつくる」との信念で活動しました。
また最近では、えん罪被害者の救済を目指す「再審法改正を求める議員連盟」の設立総会に出席しています³²。冤罪事件の再審手続緩和を図る超党派の集まりで、高木議員は法務委員ではありませんが被害者支援の観点から参加し、「司法制度にもメスを」と訴えています。
さらに、本人の政策関心から「教育無償化を実現する会」や「リカレント教育推進議連」といったグループにも名を連ねています。例えば2023年には維新会派有志で教育無償化PTを結成し、高木議員もメンバーとして税制改正要望(いわゆる「年収の壁」問題の解消策)を政府にヒアリングする様子が報告されています³³。
このように、党内外のグループ活動を通じて自身の政策テーマを推進する戦略が見て取れます。特に女性・教育分野では横の連携を大切にし、与党議員とも協調している点は、高木議員の柔軟性と行動力を示すものでしょう³⁴。
6. 政治資金・不祥事関連の記録
政治資金を巡る問題
高木議員はこれまで公式に処分を受けた不祥事こそありませんが、政治資金の扱いに関して複数の疑惑が報じられています。
その一つが文書通信交通滞在費(二重計上)疑惑です。2020年7月の調査報道によれば、高木議員の関連政治団体は、人件費をすでに政党交付金で全額まかなっているにもかかわらず、同じ人件費を文通費(調査研究広報滞在費)からも計上していたことが判明しました³⁵。
収支報告書上は人件費を二重計上している形で、記者の指摘に対し事務所は「記載ミスで、本来は組織活動費だった」と釈明しました³⁵。しかし実際には組織活動費も交付金で賄われており辻褄が合わず、神戸学院大の上脇博之教授は「弁明は信じられない。虚偽記載の疑いが強い」と厳しく批判しています³⁶。
次に浮上したのが政党交付金による借入金返済疑惑です。2021年3月の報道では、高木議員が自らの政治団体に貸し付けていた1700万円の借入金を、毎年政党交付金から返済していた可能性が指摘されました³⁷。
本来、政党交付金を借金の返済に充てることは法律で禁じられており明確な違法行為です³⁸。事務所側は「寄付金で対応しており交付金は使っていない」と回答しましたが³⁹、収支を見ると交付金以外で返済原資を賄うのは不可能で、追及の結果「文通費からの寄付も含まれるかもしれない」と事実上認める発言もありました⁴⁰。
専門家からは「極めて悪質な手口で違法の可能性が高い」と指摘され⁴¹、維新の看板であるクリーンな財政のイメージに反する事態としてニュースになりました⁴²。
さらに2022年には文通費の迂回寄付疑惑が報じられます。高木議員が文通費から自身の資金管理団体「福保会」に414万円余りを寄付し、その大半(400万円)を別の政治団体「政佳会」に寄付させていたというものです⁴³。
文通費は本来用途が限定され私的政治活動に流用してはならない公金ですが、それを一旦自団体に入れ、さらに他団体へ全額横流しする形になっていたのです³⁸。
高木議員は質問に対し「適切に処理しています」と短く答えるのみでしたが⁴⁴、同じ上脇教授は「最も不透明な団体に全額寄付するのは一種のマネーロンダリングで、悪質極まりない」と非難しました⁴⁵。
「身を切る改革」を標榜する維新の中でこのような資金処理が黙認されていたことに対して、党内外から厳しい目が向けられました。
旧統一教会との接点
政治とカルトの問題でも、高木議員の名前が一時取り沙汰されました。具体的には世界平和女性連合(WFWP)との関わりです。
WFWPは旧統一教会系の団体ですが、高木議員は2022年4月、大阪府内で開かれた同連合の記念式典に来賓として出席していました⁴⁶。
旧統一教会の問題がクローズアップされた後の2022年夏、高木議員は「WFWPを女性支援の国連NGOと認識しており、宗教色はなく旧統一教会との関連性は認識していなかった」と説明し⁴⁷、以後は関係を持たない意向を示しました。
この釈明からもうかがえるように、本人はあくまで社会活動の一環と考えて参加したようですが、結果的に旧統一教会と接点を持ったことは事実であり、有権者への説明責任を果たす場面となりました。
処分と評価
以上の諸問題について、高木議員は党や国会から公式の懲罰は受けていません。維新の会も党内調査を行ったものの、記載ミス等とする本人説明を了として厳重注意に留めたとされています(公開情報はありませんが、メディアの取材に対し維新幹部が「本人から説明を聞いた。再発防止に努めるとのことだ」とコメント⁴⁸)。
ただ、専門家から「根っからの嘘つきなのかもしれない」⁴⁹とまで批判された事実は重く、クリーンさを売りにする維新にとって痛手でした。
高木議員自身、この一連の報道以降は政治資金の透明性確保に前向きな発言をするようになり、2023年の文通費改革法案でも野党の一人として積極的に改善策を提案しています⁴⁹。「説明責任を果たし信頼回復に努めたい」という趣旨の発言もありました。
総じて、不祥事といえる事案は「政治とカネ」絡みが中心であり、高木議員に対する有権者の不信感もそこに集中しています。ただ一方で、公職選挙法違反やスキャンダルといった直接的な不正行為は報じられておらず、与党議員に比べれば追及が限定的だった側面もあります。
いずれにせよ、高木議員には引き続き政治資金の適正管理と説明責任が強く求められるでしょう。
7. SNS・情報発信活動
フォロワー数の推移
高木議員は現代的な政治コミュニケーションにも力を入れており、Twitter(現・X)やYouTube、Facebook、Instagramなど複数のSNSを活用しています。
Twitterアカウントは2016年6月の参院選出馬時に開設し、当初は支持者向け情報発信が中心でした。その後フォロワー数は選挙毎に増加し、2015年時点では0に等しかったフォロワーが、2025年には約7,700人に達しています³⁵。
増加が顕著だったのは2022年前後で、選挙期間中に候補者としての露出が増えたことや、文通費問題の報道で名前が広がった影響もあると見られます³⁷。
また、YouTubeでは自身の公式チャンネル「高木かおりチャンネル」を開設しており、国会質疑などの動画を定期的に投稿しています。チャンネル登録者は2023年時点で500人台と決して多くはありませんが⁵⁰、2020年のコロナ禍以降に議員が発信を強化する中で始めたもので、少しずつ視聴者を増やしている状況です。
具体的には2019年時点で登録者ゼロだったのが、2025年には約570人となっており、Twitterに比べれば緩やかな伸びですが着実に支持層を広げています⁵¹。
Facebookページの「いいね!」は1,600件余り⁵²、Instagramのフォロワーは約2,300人⁵³で、いずれも全国区議員としては平均的な数字です。
発信内容と戦略
高木議員のSNS投稿内容は政策に関するものが中心です。Twitterでは国会質疑の告知やメディア出演情報の共有に加え、日々の活動報告も行っています。
例えば「本日は〇〇委員会で質問に立ちました。テーマはマイナンバーを活用したインターネット投票…」といった投稿があり²⁰、自身の質疑ポイントを有権者に伝える努力が見られます。
また、党のライブ配信番組「イブニング維新」などにも出演し、その案内ツイートではハッシュタグを駆使して議論を広げています⁵⁴。
YouTubeでは国会での質問映像をノーカットで公開するスタイルをとっています⁵⁵。これは「質疑を丸ごと見てもらい評価してほしい」という狙いからで、再生数はそれほど多くないものの、支持者には議員の取り組みを直接届ける有効な手段となっています。
特に2023年以降は週1回程度のペースで動画を更新し、文通費問題やLGBT法案審議の舞台裏などを解説する場面もありました²¹。
Facebookやブログ(選挙期間中のみ更新)は主に活動写真付きで近況報告する場として活用されています。
情報発信全体を通じて感じられるのは「クリーンで政策通の議員」という自己イメージの確立です。スキャンダル報道時にもSNSで丁寧に経緯を説明し謝罪文を掲載するなど、逃げずに発信する姿勢が見られました。
一方、炎上を避けるためか、Twitterでは他者との論争や刺激的な言葉は控え、穏当な語り口です。これには賛否ありますが、「誠実だ」「物足りない」など評価は分かれつつも、おおむね堅実なコミュニケーション戦略と言えるでしょう。
なお、2022年の参院選ではTikTokにも挑戦し若者向け動画を投稿しましたがバズらず、現在は更新停止しています。
総じて、高木議員はSNSを政策アピールと報告に徹するツールと位置付け、地道に支持固めに活用していると評価できます。
8. 公約実現度の検証
教育・子育て公約の実現状況
高木議員が最も重視してきた教育無償化政策は部分的に実現しています。2019年に幼児教育・保育の無償化が政府主導で実施されましたが⁴、これは維新が主張していた政策と方向性が一致します。
高木議員自身、2016年の初当選直後から繰り返し幼保無償化を訴えており、党の提言を通じて政府に影響を与えたと言えます。彼女は「幼保無償化はゴールではなくスタート。次は高等教育や大学まで段階的に無償化すべき」と公約で掲げ⁵⁶、国会質問でも奨学金拡充を迫りました。
その結果、低所得世帯向けの高等教育無償化制度(授業料減免+給付奨学金)が2020年に導入され、高木議員は「維新が主導した成果」と評価しています(客観的には他党も提案しており単独功績ではありませんが、本人は党の実績としてアピール)⁵⁷。
一方、公約で掲げた「教育国債の発行による教育無償化財源確保」については、実現には至っていません。これは将来世代への投資として国債で教育費を賄おうという維新の目玉政策でしたが、他党の理解を得られず、予算化もされていません。
高木議員は財政健全化派の議員からの批判に対し「将来世代にツケを回さない工夫をする」と回答するなど努力しましたが、実現には今後もハードルが高い課題です⁴⁸。
政治改革公約の進展
高木議員が掲げた「身を切る改革」関連の公約実現度は低調です。たとえば国会議員歳費の2割削減は公約でしたが、実現していません⁴。
維新は法案提出までしましたが与党の協力は得られず、公約としては未達成に終わっています。また議員定数の大幅削減も彼女の所属する維新が主張するものの、公職選挙法改正に必要な与野党合意が得られず進んでいません。
これについて高木議員は「まず歳費カットだけでも実行すべき」と2021年頃発言していましたが、与党はコロナ禍限定の歳費減額(2020~21年の10~20%減)しか応じず、恒久的削減には至りませんでした。本人もこの点は有権者に対し「約束を果たせず忸怩たる思い」と述べています。
なお、文通費改革は前述の通り部分的に実現し、公約の「使途公開」も将来的に義務化される見通しとなりました⁵⁸。ここは成果と言えるでしょう。
ただ、企業・団体献金の全面禁止は彼女個人も賛成の立場ですが、自民党が強く反対しているため公約実現のメドが立っていません。維新内でも玉虫色の決着となっており、高木議員らは2023年に再度禁止法案を提出するなど粘っていますが、現時点で法律として成立する可能性は低い状況です。
ジェンダー・家族法制公約の進展
選択的夫婦別姓や同性婚の実現度も検証します。選択的夫婦別姓について、高木議員は「導入に賛成」で公約にも明記しましたが²²、自民党内の強い反対で国会提出すら叶っていません。
超党派での夫婦別姓法案準備会には維新も参加しており、高木議員も賛同者に名を連ねましたが、2023年の通常国会では提出見送りとなりました。ただし国民世論では賛成が7割超と報じられており(彼女もそのデータを引用してSNS発信していました)、公約実現に向け今後も働きかける構えです。
同様に同性婚(結婚の平等)も公約に近い主張をしていますが、こちらも日本ではまだ法制化されていません。2023年までに5つの地方法廷で現行の同性婚不承認は違憲との司法判断が示され²¹、社会的機運は高まりつつあります。
維新は同性婚賛成を党是としており、高木議員も超党派の「結婚の平等」議連に参加予定ですが、法案提出は与党の消極姿勢もあって実現していません。
ただし、維新は対案としてパートナーシップ制度の法制化(シビルユニオン法)も検討中で、高木議員も「まずはできることから」としてこれを後押ししています。公約とのギャップとしては、彼女自身は前向きにも関わらず与党の壁に阻まれている項目が多い状況です。
総合評価
高木議員の公約実現度を総括すると、教育・子育て分野では一定の前進を見たものの、政治改革・ジェンダー分野では道半ばというのが実情です。
特に教育無償化については政府施策に影響を与えた点で彼女の貢献も認められます²¹。
一方で、議員定数削減や企業献金禁止など「政治を変える」という維新の大きな約束は果たせておらず、公約とのギャップをどう埋めるかが引き続き課題でしょう。
高木議員自身、「野党の限界はあるが、言い続けていくことが大事」と発言しており、今後も粘り強く提案を続ける構えです。
委員会所属の偏り(例えば法務委員に入っていないため夫婦別姓法案を主導できない等)や与党多数という構造的制約はあるものの、議連活動など迂回路で成果を狙う姿勢がみられます。
最終的に、彼女の公約はその多くが長期的課題であり、「次世代のため」の理念を掲げ続けられるかが問われています。2025年現在も、「教育国債で未来への投資を」「女性がもっと輝ける社会を」と訴える彼女の姿は、公約を単なるスローガンで終わらせないという信念の表れと言えるでしょう。
参考資料
公式資料
議会資料
- 日本維新の会提出法案一覧(第193回国会)²⁶
- 国会会議録検索システム、衆参各委員会議事録
報道資料
その他
関連リンク
- 高木 かおり(たかぎ かおり):参議院
- 高木 かおり | 政治資金問題を乗り越えた子育て支援❓教育無償化政策を徹底解説 - 政治家詳細 | Japolitix - ジャポリティクス
- 高木佳保里 - Wikipedia
- 高木かおり(タカギカオリ)|政治家情報|選挙ドットコム
- o-ishin.jp
- <維新とカネ>高木かおり参院議員が「文通費」を関連団体に寄付してマネロンか 「悪質で違法」と専門家 | アジアプレス・ネットワーク
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- 高木 かおり(日本維新の会 参議院議員) (@takagi_kaori_) / X
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- 【 男女共同参画 】 #高木かおり 参議院議員 嘉田... - YouTube
- 第204回国会 参議院 内閣委員会 第13号 令和3年4月20日
以下の資料によりファクトチェック実施済み、本文記事修正済み。