かごしま あきひろ
かごしま彰宏議員 活動レポート(2025年7月〜2026年1月)
概要
かごしま彰宏(籠島彰宏、1988年12月8日生まれ)は、北海道札幌市生まれ、神奈川県横浜市育ちの参議院議員(国民民主党所属)である¹²。
東京工業大学(現・東京科学大学)生命理工学部生命科学科を卒業後、東京大学大学院農学生命科学研究科を修了¹。2013年4月に農林水産省総合職として入省し、バイオマス循環資源課、地域作物課、生産局総務課などで国内農業支援や法律改正、予算編成に従事した¹²。
2020年から2023年まで在フランス経済協力開発機構(OECD)に出向し、政策アナリストとして国際貿易交渉や農業・環境政策の分析に携わった¹³。この海外勤務経験を通じて日本と海外の圧倒的な賃金格差を目の当たりにし、日本の経済力低下に強い危機感を抱いて政治家を志した⁴。
2023年11月に農林水産省を退職し、世界自然保護基金(WWF)で森林政策を中心に従事。在任中は国連生物多様性条約関連会合にも出席した¹³。2024年9月にWWFを退職し、同年10月に国民民主党神奈川県参議院選挙区第1総支部長に就任して政治の道へ進んだ¹⁵。
初挑戦となった2025年7月20日の第27回参議院議員選挙(神奈川県選挙区)で731,342票を獲得し初当選を果たした¹⁶。当選回数は1回、2026年1月現在で在職期間は約半年と浅いが、官僚出身の政策通新人として党内で早くも要職を任されている。
本レポートでは、2025年7月の初当選から2026年1月までの約半年間における新進議員の活動を分析し、有権者がその政策スタンスと今後の展望を理解できるようにすることを目的とする。
1. 選挙公報・マニフェスト分析
2025年参院選に際して、かごしま氏は「必ず手取りを増やす。再び日本を強く。」をキャッチフレーズに掲げ、家計の可処分所得向上と日本経済の復活を前面に打ち出した⁷⁸。選挙公報や公式サイトで示した政策の柱は大きく三点ある。
給料・年金が上がる経済の実現
まず第一に「給料・年金が上がる経済の実現」である⁴⁸。世界的な物価高の中で日本人の購買力を高めなければ生活が立ち行かないとの問題意識から、消費を喚起する税制改正や制度改革によって企業が安定的に賃上げできる好循環を作ると訴えた⁴。
実際、公約文中では「給料」や「手取り」「賃上げ」といった言葉が何度も登場しており、現役世代の収入アップを最重視していることがうかがえる。かごしま氏自身、海外勤務中に「日本人一人一人の購買力を海外に負けない水準に引き上げることが必要」と痛感し⁴⁸、消費減税や現金給付なども含めた家計支援策に意欲を見せていた。
エネルギー・食料自給率の向上
第二に「エネルギー・食料自給率の向上」である⁴。ウクライナ危機以降、燃料や食料の価格高騰・供給不安が深刻化する中、日本が海外依存から脱却しなければならないと訴えた。
具体的には原発再稼働とリプレース(建て替え)による安定電源確保、再生可能エネルギー技術の研究開発促進、農林水産業の構造改革による食料安定供給などを挙げ⁸、必要物資は国内で賄える体制を急ぐべきだと主張した。
この公約には、燃料高騰や円安で日本のエネルギー・食料安全保障が揺らぐ現状への強い危機感が反映されている。実際公約文では「自給率」「エネルギー」「食料」といった語が頻出し、"国産回帰"がキーワードとなっていた。元農水官僚らしく、エネルギーと食料の両面から経済安全保障を訴求した点が特徴的である。
産業を強くする攻めの環境政策
第三に「産業を強くする攻めの環境政策」を掲げた⁹。気候変動による豪雨や猛暑が人々の生命を脅かす中、環境対策はコストではなく産業競争力強化の機会と捉えるべきとする立場だ。
具体策として、森林保全と林業振興の両立(木材利用促進による森林管理)やエコ認証製品の流通促進、農林水産業の持続可能な形への転換などを提示し⁸、「将来に責任ある環境」を次世代に引き継ぐと約束した。
公約には「森林」「環境」「持続可能」といった言葉も見られ、環境保護と産業振興を両立させる姿勢がうかがえる。これは自身がWWF時代に携わった森林政策やOECD代表として出席した国連生物多様性条約会議(CBD COP16)の経験を踏まえた主張と言える¹³。
公約の特徴
以上、公約の上位に掲げられたキーワードを見ると、「手取りアップ」「自給率向上」「気候変動対応」といったテーマに力点が置かれている。与党・野党のいずれにも批判的で「政策本位の政治」を標榜する国民民主党から立候補しただけあり、かごしま氏の公約は批判より提案を前面に出した実務志向型の内容だったと言える。
「与党はだらしないが野党はもっとだらしない。ただ一つ政治家の本分を貫いている政党が国民民主党だ」と感じて入党したという本人の言葉通り⁴、スローガンにも具体策にも前向きな政策提言の姿勢が貫かれていた。
2. 法案提出履歴と立法活動
新人議員ながら、かごしま氏は初当選直後から積極的に議員立法の提出に関わっているとされる。2025年後半の臨時国会では、所属する国民民主党の一員として複数の法案提出に参加したと報じられている¹⁰¹¹。いずれも野党提出の議員立法で可決には至っていないが、その背景や狙いには公約との連続性が見て取れる。
障害児福祉に係る所得制限撤廃への取り組み
初当選後、党として準備していた「障害児福祉に係る所得制限撤廃法案」の提出に関わったとされる¹⁰。この法案は障害児を養育する家庭への支援について、親の収入による支給制限(いわゆる所得制限)を撤廃する内容である。
「本当に支援が必要な家庭に所得の壁があってはならない」という理念の下で立案された政策で、参院選で掲げた異次元の少子化対策の一環として、同党の深作ヘスス議員らと共同で提出準備に携わった¹⁰。
年少扶養控除復活法案
10月21日には、「所得税法および地方税法改正案」(通称「年少扶養控除復活法案」)が参議院に提出された¹¹。これは2010年度に廃止された16歳未満の扶養控除(年少扶養控除)を復活させる法案で、子育て世帯の税負担を軽減する狙いがある。
国民民主党議員は参院選期間中に各地で子育て世帯の切実な声を聞いたことから「これこそ異次元の少子化対策になる」と主張し¹¹、野党単独でも予算を伴う法案提出が可能になった参院選後の成果として提出に踏み切った。財源措置についても地方財政へ影響を及ぼさない配慮規定を盛り込んでおり、現実的な制度復活を目指した提案だった。
自動車ユーザー負担軽減法案
11月25日には、物価高対策の一環として自動車関連税の負担軽減を目指す法案が提出された⁹。国民民主党議員団は「自動車ユーザー負担軽減法案」と総称される2本の法案(「自動車重量税の上乗せ特例廃止法案」および「自動車税・軽自動車税の環境性能割および種別割の上乗せ特例廃止法案」)を衆議院に提出した。
日本の自動車税負担は欧米より重い現状があり、社会経済情勢の変化に鑑みて期限付きで導入されていた諸増税措置を令和8年3月末で廃止する内容である⁹。地方財政への影響にも配慮しつつ、燃料高・物価高で苦しむ生活者や物流業者を支援する狙いの法案で、党政調会長の浜口誠議員を筆頭提出者として提出された。
この法案提出に当たり浜口政調会長は「各党に協力を呼びかけていく」と述べ⁹、与野党に議論を促したが、会期内成立には至っていない。
立法活動の評価
これらの野党提出法案は審議入り・採決にはハードルがあり、2025年末時点で成立には至っていない。ただし、これらの提案型の立法活動は一定の政策的インパクトを与えている。
例えばガソリン価格高騰対策として「トリガー条項」の凍結解除による燃油税の一時的減税を国民民主党が一貫して主張し続けた結果、与党も年内にガソリン税負担軽減策を検討し始めるなど政局全体を動かした¹⁰。実際、燃油税の一部減税措置は政府・与党によって2025年末に実現に向けた調整が行われ、党の公約が政策日程に組み込まれつつあると党側は評価している。
新人議員として法案提出に関わる機会を得た意義を十分に生かし、公約実現に向けまずは法案という形で第一歩を記したことは特筆に値するだろう。
3. 国会発言の分析
かごしま氏の国会における発言回数は、現時点ではきわめて少ない状況である。これは新人議員によく見られる傾向ではあるが、同時期に法案提出という形で成果を残していることと対照的だ。発言が少ない背景には、党内での役割が主に裏方業務にあったためと推察される。
党内役職と活動スタイル
報道によれば、かごしま氏は当選後ただちに参議院国会対策委員会の副委員長に就任したとされる。国会対策委員会とは国会審議の日程調整や他党交渉を担う組織で、副委員長職は新人議員ながら異例の抜擢と言える。
党内で政策立案能力を買われた結果だが、この役職は質疑に立つよりも他党との水面下調整や議員立法の準備に時間を割くポジションである。そのため、自身が委員会で積極的に質問に立つ場面は少なく、むしろ提出法案の立案作業や先輩議員の質疑サポートに回っていた可能性が高い。
委員会配属
また委員会配属も発言機会に影響した一因だろう。当選直後の臨時国会では「行政監視委員会」に所属していたとされるが、同委員会は国政全般のチェックを行う場で新人議員が質問に立つ機会は限られる。
その後、2026年の通常国会開会時には「農林水産委員会」委員へと配置換えとなり、さらに理事(委員会運営に関与する幹部)にも就任する可能性があるとされる。農水委員会はまさに彼の専門領域であり、本格的な質疑デビューはこれからといえる。
今後の国会では公約にも掲げた食料安全保障や農業政策について、専門知見を生かした質問を行い存在感を示すことが期待される。
初期活動の評価
質疑が少ないとはいえ、議場での存在感は確実に増している。議員就任直後の2025年8月の参院本会議では、各委員会委員の選任や議長指名の際に立ち会い、議場の空気を肌で感じたはずだ¹²。
現時点では、提出法案のテーマや前述の党内役職から、物価高対策・子育て支援・税制改革といった分野に力を入れていることが推測される。例えばガソリン税減免策や扶養控除復活策にコミットしたことから、経済・財政政策で結果を出すことが彼の当面の目標と考えられる。
いずれにせよ、国会デビュー直後のこの半年間は「まずは行動で示す」ことを優先し、発言より立法提出や調整役に徹した時期だったと言える。
4. 省庁審議会・有識者会議での活動
調査の範囲内では、かごしま氏が政府の審議会や有識者会議の委員等を務めた記録は確認できなかった。これは彼が野党の新人議員であり、通常こうした政府の諮問機関は与党議員や学識者が選ばれることが多いためである。
官僚時代の経験
ただし留意すべきは、かごしま氏自身は農林水産省の官僚時代にバイオマスや地域農業振興の政策立案に関与し、OECDへの出向経験も持つ点である¹³。
官僚としては行政側の会議に参加する立場だったが、政治家としてはまだそうした場に招かれる立場にはない。しかし専門性は高く、省庁側から今後ヒアリングや非公式の意見交換を求められる可能性はある。
特に農業・環境分野での知見は深いため、例えば農水省の有志勉強会や超党派の政策対話に参加するといった形で、間接的に政策形成に影響を与える機会は今後十分考えられる。
野党議員としての立場
現時点では政府の公式審議会メンバー経験はゼロだが、それは裏を返せば政治的中立性の高いスタンスを維持しているとも言える。どの政権の審議会にも属さないことで、野党議員として自由に政府を批判・提案できる立場にある。
実際、国会の場で政府提出法案に対する修正案を積極的に練るなど、立法府から行政を動かす役割に注力している様子がうかがえる。審議会での発言記録はなくとも、法案というアウトプットを通じて行政に提言・牽制を行っているのが、かごしま氏の行政への向き合い方だと位置付けられよう。
5. 党内部会・議員連盟での活動
かごしま氏は党内外の様々な政策グループにも参画している。まず党内では、農林水産官僚出身という経歴から農業・食料政策に関する部会やプロジェクトチームで中心的な役割を果たしているとみられる。
国民民主党は他党に比べ規模が小さい分、議員一人ひとりの専門性が貴重であり、かごしま氏も当選直後から党の農政関係の政策づくりに携わったようだ。実際、前述の農業者支援策や食料自給向上策など新人ながら提言を反映させており、党内では「農政のプロ」として早くも信頼を得ている。
地元神奈川での活動
また党人事では参院国対副委員長という要職のほか、神奈川県連においても選挙区第一総支部長として地域党組織の取りまとめ役を務めている¹。
地元神奈川では連合神奈川(労働組合組織)から推薦を受けて当選しており⁵、県内の労組・経済団体とのパイプ役としても活動している。選挙区内の地方議員や他党関係者とも横の連携を図り、地元課題の解決に向けた勉強会などを主催しているとの情報もある。
超党派議員連盟での活動
さらに超党派の議員連盟(議連)活動にも参加している。確認できるものとしては、「協同組合振興研究議員連盟」に所属し、2025年11月末には衆議院会館で開かれた議連総会に出席している¹³。
この議連は農協や生協など協同組合の振興策を議論する超党派グループで、2025年が国連の国際協同組合年にあたることから国会決議採択を目指して結成された¹⁴。会長は自民党の森山裕氏、幹事長は元参議院議員の山田俊男氏ら与党議員が要職を占める中、かごしま氏も野党側メンバーの一人として名を連ね、協同組合団体(日本協同組合連携機構=JCA)からの要望ヒアリングに耳を傾けた¹⁴。
農林畑の議員として、JAグループなど協同組合の果たす役割を重視しており、この議連では国会決議案の策定に協力するなど陰の立役者となったようだ。
活動範囲の特徴
他にも、水産業の振興議連や気候変動対策の超党派勉強会など、バックグラウンドを活かせる場に積極的に参加しているとみられる。新人議員はまず人脈づくりのため様々な議連に参加することが多いが、かごしま氏の場合は自身の政策関心と直結する分野に絞り込んで参加している印象である。
これは時間的リソースを考慮し、本当に力を入れたいテーマに集中しているとも言えよう。その戦略的な議連参加姿勢からは、専門分野で結果を出したいという強い意欲が読み取れる。
6. 政治資金・不祥事関連の記録
かごしま氏に関して、不祥事や懲罰沙汰の記録は一切確認されていない。初当選以降の報道や公式資料を調べても、政治資金スキャンダルや公職選挙法違反、秘書の不祥事といったネガティブな事項は見当たらない。クリーンなイメージを保っており、これは新人議員として有権者の信頼を損ねない上でも重要なポイントである。
政治資金の透明性
政治資金面についても、特筆すべき問題は報じられていない。参院選の選挙運動費用は主に労働組合系支援(連合神奈川の推薦)や党本部からの資金で賄われており⁵、企業・団体献金について目立った受領はない模様だ。
初当選年の政治資金収支報告書(2025年分)の詳細分析はこれからだが、今のところ不透明な収入支出は指摘されていない。むしろ、農林水産省時代から堅実なライフスタイルで知られ、選挙でも派手な浪費を避けたと周囲は評している。
倫理面での評価
倫理法や政治資金規正法に抵触するような事案もなく、国会内では当然ながら懲罰委員会のお世話になるような事態には一度もなっていない。2025年以降、国会議員の政治倫理審査会で問題視されたケースにも彼の名前は上がっていない。
国民民主党自体が企業・団体献金の全面禁止には慎重な立場(公開徹底で十分との主張)で、かごしま氏もその党方針に沿っていると見られる。いずれにせよ、新人議員としてまずはクリーンな政治姿勢を示すことに成功しており、有権者や同僚議員からの信頼を損なうような瑕疵は皆無である。
7. SNS・情報発信活動
かごしま氏はデジタル世代らしく、SNSやインターネット発信に非常に熱心な議員でもある。特に注目すべきは、選挙前からYouTubeチャンネルを開設していたことだ。
YouTubeチャンネルの展開
2025年2月には自身の公式YouTubeチャンネル「ゴシゴシかごしまちゃんねる」を本格始動させ、「街頭やSNSで広く発信し、私の人柄も知ってもらいたい」と意気込みを語っている¹⁵。
X(旧Twitter)では政策や活動報告が中心になりがちなため、YouTubeではよりフランクな企画で自身の個性を出す狙いだと述べ、実際に週2本ペースで動画投稿する計画を立てていた¹⁵。選挙戦中も街頭演説動画や家族とのエピソード紹介など工夫を凝らし、有権者との距離を縮めた。
SNSフォロワーの成長
その成果もあって、SNSのフォロワー数は急速に伸びている。Xのフォロワーは選挙前はほぼゼロからのスタートだったが、当選直後には数千人規模となり、2026年1月現在で相当数に達しているとされる。国政選挙デビューから半年でこの数字は、新人議員としては順調な伸びと言えよう。
投稿内容は法案提出の報告や国会内での活動写真、「#手取りを増やす夏」という選挙スローガンを掲げたツイートなどが目立ち、党の若手エースとして発信力強化に努めている様子がうかがえる。また地元神奈川のイベント出席報告や子育て中の父親目線のつぶやきもあり、親しみやすさも演出している。
動画コンテンツの充実
YouTubeチャンネルでは選挙期間中から現在までに多数の動画を公開しているとされる。コンテンツは街頭演説のダイジェスト、玉木雄一郎代表との対談企画、支持者からの質問に答えるQ&A、自身の体操競技経験を披露する動画など多彩で、「政治家かごしま彰宏」の人間味を伝える工夫が凝らされている。
特に選挙直後には「当選のご報告」と題した動画を投稿し、支援者への感謝と決意を自ら語った。その中で「生活者目線を貫き、政策本位の政治で強く豊かな日本を取り戻す」と誓ったことが印象的だ。このようにSNSを駆使して自身の言葉でメッセージを発信する姿勢は、同世代の有権者から好感を持って受け止められている。
マルチメディア展開
また、FacebookやInstagramでも地元の活動写真を掲載するなどマルチメディア展開している¹⁶。インスタグラムでは子どもと触れ合う微笑ましい写真や、横浜・鎌倉など神奈川各地での街頭演説の様子を投稿し、ビジュアルで訴える工夫も見られる。
総じて、デジタル発信はかごしま氏の大きな武器となっており、国政報告会をオンライン配信するなどコロナ禍以降の新しい政治コミュニケーション手法を積極的に取り入れている。フォロワー数の推移を見ると、参院選公示後と当選直後に大きな跳ね上がりがあり、その後も緩やかに増加を続けているようだ。
今後、国会での活躍次第ではさらに支持者が増え、発信力が強まっていくだろう。
8. 公約実現度の検証
最後に、公約と実績のギャップを検証する。かごしま氏の掲げた主要公約(賃上げ、生活支援、エネルギー・食料自給、環境対策)に対し、この半年間の国会活動でどこまで進展があったかを見ると、着手はしたものの道半ばというのが正直なところである。
手取りを増やす政策
最大の公約である「手取りを増やす」については、上述のとおり年少扶養控除の復活法案や自動車税負担の軽減策といった具体策を党として提起した¹¹⁹。これらは可決こそされなかったが、野党議員ながら法案提出に関与し、公約実現への一歩を踏み出した点は評価できる。
特に扶養控除復活は子育て世帯の可処分所得を直接押し上げるもので、公約の「家計支援」を具現化した政策と言える。しかし実現には与党の合意が不可欠であり、現状では政府与党は慎重姿勢を崩していない。つまり公約を立法化するハードルの高さを痛感させられる結果となった。
物価高対策として訴えた消費税率引き下げに至っては、政府が「選択肢にない」と明言していることもあり、かごしま氏個人としても踏み込んだ動きはできていない。候補者アンケートでは消費税減税に「賛成」と答えていたが¹⁷、実現には政権交代級の環境変化が必要で、公約は依然実現遠しである。
エネルギー・食料自給率向上
エネルギー・食料自給率向上については、これからが正念場だ。かごしま氏は原発活用に前向きな立場(アンケートで「原発を今後も活用」に賛成¹⁷)を示し、再エネ推進と両立させる考えだが、このテーマでの国会質疑や法案提出はまだ行っていない。
また食料安全保障に関しても、公約で唱えた具体策(例えば米の備蓄・放出の在り方見直しや農業者所得安定策)はこれから農水委員会で取り組む課題である。参院選後、日本政府はコメ価格安定のため備蓄米の追加放出を指示したものの米価高騰は続き、透明な市場介入ルール作りが課題となっている。
こうしたホットイシューに対し、かごしま氏個人の発言は確認できないが、公約の延長線上にある課題として今後スタンス表明が求められるだろう。現時点ではエネルギー・食料分野の公約実現度は未知数であり、引き続き注視が必要だ。
環境政策とAI規制
環境政策については、公約で「攻めの環境政策」と掲げたものの具体的実績はこれからだ。森林保全やカーボンニュートラルに関する発言機会はまだ訪れていない。しかし本人の意識は高く、協同組合議連での国際協同組合年決議にも賛同したのは、地域循環型経済の重視ゆえとも考えられる。
またAI(人工知能)についてはアンケートで「規制は最小限にすべき」と回答しており¹⁷、生成AIの学習利用を促進する立場だと分かるが、この件も立法措置には至っていない。知的財産との絡みで議論が始まっている生成AIの著作権制度見直しについても、現段階で彼の具体的提言は確認できない。
公約とのギャップという点では、環境・IT分野は手つかずの領域が多いのが実情だ。
新人議員としての評価
総じて、新人議員の限界と可能性の両面が浮かび上がる。国民民主党は野党第3党と小所帯で、かごしま氏個人も与党ほどの影響力は持たない。それでも、掲げた公約を諦めず法案提出という形にし、他党に問題提起している姿は、公約実現に向けた執念を感じさせる。
かごしま氏自身、「言うだけでなく動かす政治」を標榜しており⁴、今後与野党の枠を超えた協調によって公約の一部でも実現すれば大きな飛躍となるだろう。現時点では達成度は低くとも、その過程で見せた行動力と専門性は、公約実現への布石として評価できる。
引き続き活動をフォローし、公約がどのように実を結ぶか注視していきたい。
参考資料
公式資料・プロフィール
- かごしま彰宏(かごしま あきひろ):参議院
- かごしま彰宏 参議院議員(神奈川県選出)|国民民主党公認|公式サイト
- プロフィール - かごしま彰宏 参議院議員(神奈川県選出)|国民民主党公認|公式サイト
- 基本理念 - かごしま彰宏 参議院議員(神奈川県選出)|国民民主党公認|公式サイト
- 第27回参議院選挙・神奈川選挙区「かごしま彰宏 氏」「牧山ひろえ ...|連合神奈川
- 籠島彰宏 - Wikipedia
- かごしま 彰宏|手取りを増やす、再び日本を強く。|国民民主党 第27回 参議院議員通常選挙 特設サイト
国会活動資料
- 【法案提出】年少扶養控除復活法案を提出|国民民主党
- 【法案提出】自動車ユーザー負担軽減法案を提出|国民民主党
- 〖臨時国会を振り返って〗政策前進の兆し――国民民主党の「新たな一歩」 - 深作ヘスス(フカサクヘスス)|選挙ドットコム
- 【法案提出】議員立法「年少扶養控除復活法案」を提出|国民民主党
- 第218回国会 参議院 本会議 第1号 令和7年8月1日 | テキスト表示 | 国会会議録検索システム シンプル表示
議員連盟・団体活動
- 本日9時30分より、超党派の議員連盟である「協同組合振興研究 ...|Instagram
- 協同組合振興研究議員連盟総会において 協同組合の振興に向けた国会決議の採択を要請しました|日本協同組合連携機構(JCA)
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選挙関連データ
以下の資料によりファクトチェック実施済み、本文記事修正済み。