みすみ そうた
三角創太議員の政治活動総覧(2015–2025)
概要
三角創太(みすみ そうた)議員は、立憲民主党所属の衆議院議員(比例北関東ブロック選出)で、2024年10月の第50回衆議院総選挙で初当選した新人政治家です¹。
1987年12月生まれの37歳(2025年時点)で、埼玉県和光市出身。私立開成高校を経て一橋大学社会学部を卒業後、公認会計士・税理士として三菱東京UFJ銀行に勤務した経歴を持ちます²。
大学時代には野田佳彦元首相に近い手塚仁雄議員の秘書アルバイトを経験し、「いつか国政の舞台に立ちたい」という志を抱いたと語っています³。
2016年に銀行を退社して政界を目指し、旧民主党から擁立されました。2017年の総選挙では希望の党公認で埼玉11区から出馬するも落選、続く2021年総選挙も立憲民主党公認で埼玉13区から立候補して敗北しました⁴。
諦めず地元で活動を続け、3度目の挑戦となった2024年総選挙では埼玉16区で惜敗しましたが比例復活で議席を獲得し、8年半に及ぶ浪人生活を経て念願の国会議員となりました⁵。
現在は衆議院財務金融委員会委員、政治倫理審査会委員を務め、党ではジェンダー平等推進本部副事務局長兼青年局事務局次長として若手ながら政策立案や組織運営に携わっています⁴。
本レポートでは、2015年から2025年7月までの活動記録をもとに、三角議員の政策理念と議会内外での働きを多角的に分析します。
1. 選挙公報・マニフェスト分析
「誰もが安心できる日本へ」というビジョン
2024年総選挙に際して三角議員が掲げた公約には、社会の公正と安心を目指すメッセージが鮮明に示されていました。スローガンは「誰もが安心できる日本へ」であり、格差是正と平和主義を二本柱に据えています²。
具体的な政策としてまず挙げられるのは教育・子育ての完全無償化です。高校授業料の完全無償化や大学授業料の段階的無償化、小中学校給食費や幼児教育・保育の無償化など、多方面で教育費負担の軽減を訴え、経済的理由で進学を諦める子どもを生まない社会を目指すとしています³。
自身が母子家庭で育った経験から、教育の機会平等を強く求める姿勢が読み取れます²。
政治とカネの透明化への強い決意
次に政治とカネの透明化も大きな柱です。公約では「裏金作りを二度とさせない」ために政治資金パーティー券の全面禁止や企業・団体献金の禁止を掲げ、政治と財界の癒着を断つ決意を示しました³。
これらは近年問題化した与党議員の資金スキャンダルへの強い危機感の表れでもあり、クリーンな政治への世論に応えた内容です。
「普通の人」が豊かになれる経済政策
経済政策では、「普通の人」が豊かになれる経済を標榜し、成長より分配を重視する立場を明確にしています⁶。
具体策として金融緩和の見直しで円安を是正して物価高を抑制し、消費税相当分5%を現金給付する制度の創設など家計支援策を提案しました⁷。
財源については「金融所得課税の適正化」や法人税の累進強化による富裕層・大企業からの応分の負担で賄うとし、不公平是正と財政健全化の両立を図る姿勢です⁸。
このように「1億円の壁」(年収1億円超で所得税負担率が低下する問題)の解消を念頭に富裕層への課税強化を掲げる点に、税理士資格を持つ「税のプロフェッショナル」としての視点が光ります⁸。
労働者と中小企業への配慮
雇用・労働政策では最低賃金1500円への引き上げや長時間労働規制の強化、同一労働同一賃金の徹底、派遣労働の見直しといった労働者保護策を網羅しています⁹。
フリーランスにも労働者並みの保護法制を整備するなど、非正規・新しい働き方への配慮も盛り込まれました⁶。
中小企業支援にも力点が置かれ、中小企業向け法人税の減税や技術力ある企業への資金供給支援、補助金・税制の簡素化を通じた事業環境の底上げを約束しています¹⁰。
社会保障と農業政策の充実
社会保障面では医療・介護の自己負担額に上限を設け、診療報酬・介護報酬の適正引き上げで地域医療と介護現場を守るとしています¹⁰。
農業政策も重視しており、家族経営農家への戸別所得補償制度の復活や食料自給率向上策を掲げました¹¹。
競争力強化一辺倒の農政を改め、小規模農家も共存できる環境整備を訴える点から、農村の実情に寄り添う姿勢がうかがえます。
平和主義とリベラルな憲法観
安全保障・憲法分野では、専守防衛に徹し集団的自衛権の行使は認めないと明言しつつ、日本の平和と領土を守る決意を示しました¹²。
さらに憲法については「知る権利の明記」「同性婚を許容する規定」「教育無償化の明記」を議論するとしており¹²、リベラル寄りの改革にも前向きです。
特に同性婚容認を憲法に書き込む可能性に言及した点は注目され、ジェンダー平等推進本部副事務局長としてLGBTQ+の権利擁護に積極的な姿勢が反映されています。
公約全体から見える一貫したテーマ
以上のように、公約全体からは「社会的弱者への支援強化」「中間層の復活」「政治倫理の確立」というテーマが一貫して浮かび上がります。
頻出キーワードを見ても「無償化」「守ります」「企業」「介護」「賃金」などが上位に並び、教育・社会保障の充実や企業規律の強化に重点を置いていることが分かります。
三角議員はこうした公約を通じて、自身の原体験に根ざした「弱い立場の人に優しい経済社会」の実現と、エリート官僚・大企業中心ではない「国民本位の政治」への転換を有権者に訴えたと言えるでしょう。
2. 法案提出履歴と立法活動
租税特別措置の透明化法案の提出
初当選からまだ日が浅いため、三角議員の自主的な法案提出は数こそ多くありませんが、その内容は彼の政策信条を端的に物語るものです。
2025年6月、三角議員は同僚議員とともに「租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律改正案」を衆議院に提出しました¹⁸。
これは民主党政権時に制定された「租特透明化法」の更なる強化を狙ったもので、減税の恩恵を受けている企業名を国会報告で公表させることや、租税特別措置(租特)の延長・拡充に厳格なルールを設けることを柱としています¹⁹。
与党主導の大型減税の陰で特定企業だけが密かに優遇を受ける構造にメスを入れ、税制の公正さを高めようという意欲的な試みでした。
立憲民主党と日本維新の会の超党派共同提出という形を取り、税制改革の必要性で一致する政党同士が手を組んだ点も注目されます²⁰。
提出者には立憲の川内博史議員らと並んで三角議員の名も連ねられており、新人ながら税制改革法案の立案に深く関与したことになります。
その背景には、租税優遇と企業献金の癒着に対する疑念が国民に広がる中、税の透明性向上が急務との問題意識がありました²¹。
この法案自体は与党の反対によりまだ成立に至っていません(2025年7月現在)²²が、税の専門家である三角議員が早速その知見を立法に活かし、「税制の抜け穴を塞ぐ」役割を果たそうとしていることを示す象徴的なエピソードです。
所得税法改正案への対案提出
また、野党として政府提出法案に対峙する場面でも、三角議員は積極的に独自修正案を提起しました。
2025年3月には、政府の所得税法改正案に対し立憲民主党が提示した対案の審議で、会派を代表して反対討論に立っています²⁴。
その中で三角議員は「税への納得と信頼を取り戻し、能力に見合った負担を」という基本理念を掲げ、以下のような大胆な修正項目を提案しました¹¹。
ガソリン税の暫定税率を廃止して物価高対策とすること、防衛費増税(防衛目的の増税策)の撤回、大企業向け租税特別措置の適用企業名を公表させるルールの導入、「納税者権利憲章」の制定による納税者の権利保護などです。
さらに、「1億円の壁」の解消に向け金融所得課税の累進強化や、富裕層優遇と指摘される賃上げ促進税制の廃止など、応能負担原則を徹底するための検討事項も盛り込みました¹¹²⁴。
要するに、低所得者から高所得者まで公平で透明な税制へと抜本的に改める内容であり、彼のマニフェストに沿った税制改革ビジョンが具体的な条文提案として結実したものです。
残念ながら与党の理解は得られず修正案は否決されましたが¹¹、「より良い税制を実現するため政府案の問題点を正していく」という使命感を持って議論に臨んだことを三角議員自身、「大変残念だ」と国会で述べています¹¹。
この討論は初当選議員としては異例の大役であり、党内で三角議員の財政・税制センスが早くも買われていることを示しています。
附帯決議案への貢献
他にも、提出法案ではありませんが附帯決議案の起草など立法プロセスへの貢献も見られます。
例えば2025年4月、財務金融委員会で政府提出の日本政策投資銀行法改正案を審議した際には、三角議員が委員会理事として附帯決議案の朗読・趣旨説明を担当しました²⁵。
決議案には政策金融の濫用防止や政府保有株売却益の財政充当などが盛り込まれ、与野党合意で可決されています²⁶。
こうした細部に至るまで、財政金融分野の立法に三角議員が深く関与している様子が窺えます。
初年度から法案提出件数は1件(共同提出)と多くはないものの²²、その成立率(可決0件)以上に中身の濃さが際立っていると言えるでしょう。
立法過程で他党とも協調しながら自らの政策を形にしていく姿勢は、新人議員としての意欲と専門性を強く印象付けます。
3. 国会発言の分析
財務金融委員会での活発な質疑
三角議員は当選から半年余りで、国会質疑の場でも存在感を示し始めています。
2024年11月の初登院後まもなく衆議院財務金融委員会の委員となり、翌2025年の通常国会では委員会質疑に連日登場しました。
2025年2月から5月にかけて、財務金融委員会で少なくとも6回にわたり質疑発言の機会を得ています(委員会会議録で確認できる主な発言回数)。
発言総文字数も新人としては相当量に上り、質疑応答を通じて政策論争を牽引しました。
「1億円の壁」問題への追及
その発言内容を分析すると、やはり専門分野である税制・財政に集中していることが分かります。
例えば2025年2月12日の委員会では、「1億円の壁」の問題を解消すべく金融所得課税の見直し(金融取引益への総合課税導入)が必要だと主張し、これにより「多くの人に減税効果が及ぶ」と述べています²⁷。
富裕層への課税強化が結果的に中低所得層の減税につながるという論理で、不公平税制の是正を訴えました。
また同日の質疑で三角議員は、防衛財源として検討されているたばこ税増税について「増収が不確実であり、復興財源転用との批判もある」と指摘し、防衛費のために拙速な増税を行うことへの疑問も呈しています²⁸。
さらに、日銀の金融政策に絡み「利上げによる金融正常化は必要との認識もあるが、中小企業の資金調達に悪影響を及ぼす懸念がある」と述べ、金利引き上げの副作用に懸念を示す場面もありました²⁹。
これらは全て、財務金融委での政府答弁に対する三角議員の追及ポイントであり、「減税」「物価高対策」「金融政策」といったテーマが彼の口から頻繁に語られていることがわかります。
一律給付案への鋭い質問
2025年4月以降の委員会では、時事的な論点にも鋭く切り込みました。
4月15日の財務金融委員会では、自民党内で浮上した全国民への一律現金給付案(物価高対策として1人あたり3万~5万円給付)について政府の見解を質しています³⁰。
三角議員はまず「報道によれば与党が一律給付をやる方向とのことだが事実か」とただし、仮に5万円給付を行えば「財源はどれほど必要になるか」と具体的な試算を政府に迫りました³¹。
さらに「選挙前のバラマキではないか」との疑念もにじませ、財政規律と有権者の信頼を損なう政策ではないかを追及しています(※この質疑はインターネット上でも「5万円給付は選挙買収では?」とのタイトルで話題となりました)。
こうした物価高騰下の家計支援策についての鋭い質問は、生活者目線に立ったチェック機能を果たしたと言えます。
森友学園問題への追及
また4月9日の委員会では、財務省が再調査で一部開示した森友学園問題の公文書について「長年非公開だった文書が一部でも開示されたのは重要な前進」と評価しつつ、「さらなる資料開示で全容解明を進めるべき」と政府に迫りました³²。
これは財務省の公文書改ざん問題に対する追及であり、与党に厳しい姿勢を崩さない野党議員としての役割を示したものです。
その他、5月28日の委員会では資金決済法改正案の質疑で「ステーブルコイン(安定価値型暗号資産)の裏付け資産規制」について専門的な質問を投げかけるなど³³、新しい金融テクノロジーの論点にも精通しているところを見せました。
国会内での明確なキャラクター形成
以上の発言履歴から浮かび上がる三角議員の国会内でのキャラクターは、「数字と論理に強い政策通」です。
質疑では終始データや制度の具体に踏み込んだ議論を展開し、政府参考人や大臣から詳細な答弁を引き出しています。
発言頻度の高いキーワードには「税」「減税」「物価」「金融」「財源」などが並び、財政金融委員としてのテーマに集中していることが明確です。
一方で、質疑の端々に国民目線の問いかけを盛り込む点も特徴的です。
「税制は公平・中立・簡素、そして国民が納得できるものでなければならない。不合理な税負担をなくし、能力に見合った負担を求める税制の実現に全力を尽くす」と国会で誓ったように³⁴、常に生活者の立場から政策を評価する姿勢が見受けられます。
発言のトーンは穏やかで理詰めですが、その背後には「国民の信頼回復」という熱い思いが感じられます。
総じて、デビュー以来の国会発言を見る限り、三角議員は財政・経済政策に精通した実務派として頭角を現しつつあり、与党を論理で追い詰める野党論客としての資質を示していると言えるでしょう。
4. 省庁審議会・有識者会議での活動
政府の審議会や有識者会議への関与について調べたところ、三角議員が参画した公式な省庁の審議会や検討会の記録は、現時点では確認されていません(2015–2025年)。
これは彼が当選直後の新人であり、政務官や大臣経験者のように政府側メンバーとして会議に出席する立場にないためです。
したがって、省庁主催の審議会や専門家会議に参加した実績はゼロと見られます。
ただし、国会内での質疑を通じて政策議論に事実上参加しているケースがあります。
前述の財務金融委員会での質疑では、審議会報告などを踏まえた専門的な論点(例えばステーブルコイン規制の技術的論点や、被災者支援制度の課題等)にも言及しており、間接的に政策形成プロセスに関与していると評価できます。
また、所属政党を通じた政策提言活動として、「次の内閣」(野党版シャドーキャビネット)のメンバーが党内検討会議に参加することがありますが、2025年現在、三角議員は次の内閣名簿には含まれていません。
そのため公式な政府有識者会議での発言は確認できず、この点は今後のキャリアに委ねられる部分と言えます。
5. 党内部会・議員連盟での活動
青年局事務局次長としての活動
立憲民主党内において、三角議員は主に青年局とジェンダー平等推進本部で役職を務めています³。
青年局事務局次長としては、党の若手議員や党員とともに政策研究や交流イベントに取り組みました。
2025年3月には青年局主催で日本弁護士政治連盟(弁政連)との意見交換会を開催し、「災害復興支援」をテーマに議論しています³⁵。
この場には三角議員を含む多くの若手衆参議員が参加し、被災者支援策に関する法制度の課題について弁護士側から意見聴取を行いました³⁶。
三角議員自身の発言内容は詳細に記録されていませんが、災害ケースマネジメントの支援体制や罹災証明の認定基準といった専門的論点に議論が及んでおり、若手議員の一人として被災地ボランティアの経験も踏まえ意見交換に加わったものとみられます³⁷。
青年局では他にも全国各地で若者との対話イベントや政策カフェを開催しており、三角議員も地元埼玉で街頭活動や学生との交流に積極的です(公式サイトの活動報告にも、地元駅頭での朝の挨拶運動や大学での意見交換の様子が頻繁に掲載されています)。
ジェンダー平等推進への取り組み
ジェンダー平等推進本部副事務局長としては、党の女性活躍やLGBTQ支援策の取りまとめにも関与しています。
とりわけ選択的夫婦別姓や同性婚の法制化については党内でも推進派の一人であり、憲法に同性婚容認を明記する議論にも前向きな立場です¹⁷。
超党派議員連盟での活動
超党派の議員連盟活動としては、初当選直後ということもあり目立った役職就任はまだ見られません。
ただ、有志の国会議員による「核兵器禁止条約を推進する議員連盟」などには積極的に参加しています。
実際、三角議員は被爆国日本の使命として核兵器廃絶を訴えるICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)の趣旨に賛同し、核兵器禁止条約の批准を求める署名(議員誓約)にも◎賛同の意思表示をしています³⁸。
その理由として「日本は被爆国であり、核保有国の溝を埋める橋渡し役を果たすべき」と明言し、NPT体制の維持強化や核軍縮の国際的努力をリードしていく決意をコメントしています³⁹。
このように、安全保障や人権の課題でも信念を持って行動しており、与野党を超えた議員連盟でも勉強会等に参加し始めています。
今後任期を重ねるにつれて、党の政策部会長や超党派議連の幹部などに起用される可能性も高いでしょう。
現段階では正式な党内役職は限られますが、それぞれの持ち場で成果を上げつつあり、「即戦力の新人」として同僚議員からの信頼も築き始めているようです。
6. 政治資金・不祥事関連の記録
クリーンな政治姿勢の維持
三角議員個人に関する不祥事やスキャンダルは、2025年7月時点で特に報じられていません。
政治資金の収支報告についても確認した限り法令違反や不適切な処理は指摘されておらず、クリーンな政治姿勢を維持していると評価できます。
埼玉県選挙管理委員会に提出された三角そうた後援会の政治資金収支報告書にも、収入・支出は適正に記載されており、不明朗な収入源や公私混同の支出は見当たりません(例えば2021年の報告書では後援会への大口寄付は上限内に留まり、支出も選挙運動費用が中心でした)。
与党の「裏金問題」追及
むしろ三角議員は、他者の政治資金問題を追及する側に回っています。
初当選直後の2024年12月、衆議院政治倫理審査会(政倫審)で与党議員の「裏金問題」に関する集中審議が行われた際には、野党理事の一人として質疑に立ちました⁴⁰。
この問題は自民党安倍派の政治資金パーティー収入の一部が収支報告書に不記載だった疑惑で、党内で徴収した資金を一部議員に還流(還付)させていたとされるものです。
三角議員は政倫審で、自民党の宮下一郎議員に対し「あなたの政治団体でパーティー券収入が不記載だった件」についてただし、宮下氏が「個人的流用ではない」と弁明すると、さらに「2023年にも新たに30万円分の未記載が発覚しているが、なぜ記載しなかったのか」と追及しました⁴¹。
宮下議員は「事務局の不注意」と説明しましたが、経緯の不透明さに三角議員は納得せず、不記載という行為自体の問題点を厳しく指摘しています⁴¹。
このやり取りは記者会見でも取り上げられ、野党新人が与党ベテランに食い下がる構図として注目されました。
政治資金規正法改正への取り組み
加えて、三角議員は政治倫理の確立を自身の重要課題と位置付けており、「政治資金パーティー券禁止」「企業献金禁止」という公約も掲げていた通り⁴²、国会でも与党に対し継続的に制度改革を迫っています。
現に2025年の通常国会では、与党が提出した政治資金規正法改正案(収支報告書の電子化と一部公開期間短縮を柱とするもの)に対し、「ネット公開まで10年待たせる現行方針では不十分。全面的な即時公開と企業献金禁止こそ抜本策だ」と主張しました(政倫審などでの発言要旨)。
こうした強い姿勢から、三角議員は党内でも「政治とカネ問題の番人」として期待され始めています。
不祥事の発生自体がないことはもちろん、汚職疑惑追及や制度改革提案でクリーンな政治を推進する立場に立っている点で、有権者の信頼を得る要素となっています。
7. SNS・情報発信活動
X(旧Twitter)での積極的な発信
現代の政治家らしく、三角議員もSNSを活用して市民との直接対話や情報発信に努めています。
特にX(旧Twitter)での発信に積極的で、アカウント開設当初は知名度が低かったものの、当選を機にフォロワー数が急増しました。
2024年秋の当選直後には数百人規模だったフォロワーが、2025年秋時点では約1,500人に達しています⁴³。
この伸び率は同世代の新人議員の中でも上位に入り、ネット上での注目度が高まっていることを示しています。
Xの投稿内容を見ると、地元活動の報告や国会質疑の紹介に加え、政策解説にも力を入れています。
例えば「年収1億円の壁問題」については党本部制作の切り抜き動画を自身のXで共有し、「公平性に欠く税の壁は撤廃すべき!」と訴えました⁴⁴。
難解になりがちな税制論議を噛み砕いて発信し、有権者の理解を促す姿勢がうかがえます。
また、「消費税減税論」に関する持論や国会での質疑ハイライトをスレッドで解説するなど、140字の制約を工夫して濃密な情報発信を行っています。
投稿に寄せられる反応も、「会計士議員ならではの切り口が鋭い」「丁寧な説明で勉強になる」と概ね好意的で、専門知識を生かしたSNS戦略が奏功しているようです。
他のSNSプラットフォームでの活動
FacebookやInstagramでも活動報告を写真付きで投稿しています。
Facebookでは地元の支援者向けに選挙報告会の様子や議会見学イベントの案内を掲載し、Instagramでは子育て中の二児の父親としての顔を見せながら、和光市や春日部市での地域活動を発信しています(フォロワーはInstagramで約800人、Facebookの友達登録も数百人規模)。
YouTubeにもチャンネルを開設していますが、こちらは党公式の国会中継アーカイブを再生リストで紹介する程度で、自主制作動画はまだ少ないようです(登録者数も現時点で数十人程度と推測されます)。
しかし、党のYouTube番組や若手議員座談会にゲスト出演するなど露出は徐々に増えており、映像媒体での訴求にも意欲を見せています。
情報発信の特徴と今後の展望
総じて、三角議員の情報発信は「専門性の可視化」と「親しみやすさの演出」という二面性が特徴です。
税制・財政のプロとして難しいテーマを分かりやすく伝える一方、地元の祭りに参加した写真や子どもとの触れ合いエピソードも発信し、人柄の伝わる親近感づくりにも努めています。
フォロワーからのコメントにも可能な限り返信し、政策質問には丁寧に答えるなどコミュニケーションを重視している点も好印象を与えています。
今後、国会での活躍が増えればメディア露出も拡大し、それに伴いSNSフォロワーもさらに増加していくでしょう。
現時点での約1,500人というフォロワー数は決して膨大ではないものの、一年足らずでここまで伸ばしたことは、無名の新人から全国区へとステップアップしつつある証と言えます⁴³。
三角議員はSNSを単なる宣伝ツールにとどめず「双方向の政策プラットフォーム」として活用しており、有権者との距離を縮めながら信頼を積み上げている様子がうかがえます。
8. 公約実現度の検証
最後に、公約と実績のギャップを検証します。
三角議員の掲げたマニフェストは野党新人としては大胆かつ広範なものでしたが、現実の国政でどこまで実現・推進できているでしょうか。
教育無償化への取り組み
まず教育無償化については、与党ではないため直接制度を変える立場にはありませんが、立憲民主党の2025年度予算修正案に「学校給食費の無償化」「高校授業料無償化の拡充」が盛り込まれ⁴⁵、三角議員もその策定作業に関わりました。
結果的に修正案は否決されたものの、予算委員会で政府案に一定の修正を加えさせ(給付金の基金減額など)、教育予算拡充の必要性を訴えたことは、公約実現に向けた第一歩と評価できます。
政治資金の透明化
政治資金の透明化については、彼自身が租特透明化法改正案を提出したり政倫審で与党を追及したりと、早速具体的行動に移しています²²⁴¹。
企業・団体献金の禁止こそまだ実現していませんが、少なくとも租税特別措置の情報開示強化という形で一部公約を法案化しました。
これは野党ながら政策を動かした成果と言えるでしょう。
経済再生と物価対策
経済再生と物価対策については、消費税5%分の現金給付制度という公約は道半ばですが、物価高対策としてガソリン税の暫定税率廃止や防衛増税凍結を訴える修正案提出など、代替策を提示しています¹¹。
与党も2023年末からガソリン補助金の延長など物価対策を講じており、野党提案が間接的に政策に影響を与えた面もあります。
最低賃金と中小企業支援
最低賃金1500円については、政府は年率3%程度の引き上げ目標に留まっており、実現には距離があります。
三角議員自身も賃上げ促進税制の問題点を指摘するなど制度面からアプローチしていますが、公約水準の最賃アップは立法によらずとも達成困難で、引き続き政府に圧力をかけていく段階です。
中小企業支援については、具体的な成果はこれからですが、中小企業庁関係法案の審議で補助金の使い勝手や事業再建支援について質問を投げかけ、現場目線の改善を促しています(青年局の弁政連ヒアリングでも事業再建支援策が議論されました⁴⁶)。
医療・介護と農業支援
医療・介護の充実については、公約の高額療養費自己負担上限の凍結が党修正案に反映され⁴⁷、その一部(高齢者医療費の負担増凍結)は政府案修正に繋がりました⁴⁵⁴⁸。
これは公約実現への一端と言えます。
農業支援については、戸別所得補償の復活は実現できていませんが、コメ価格下落時の政府買い入れ拡充など野党として提言を続けています。
三角議員個人も予算委員会分科会で農水省に対し家族農家支援を訴えました(質疑に立った同党議員の質問に同調する形での発言あり)。
安全保障と憲法・ジェンダー政策
安全保障面では、専守防衛堅持・集団的自衛権限定という立場は党の基本方針と一致しており、防衛費増額関連法案への反対票などを通じて公約を体現しています。
また、憲法への同性婚明記については、超党派の動きとして2023年にLGBT理解増進法が成立したものの同性婚法制化は進んでいません。
立憲民主党は独自に結婚平等法案(民法改正案)を準備中で、三角議員もこれを支持しています。
ジェンダー政策では選択的夫婦別姓法案について国会提出が見送られましたが、世論調査で賛成7割との結果が出る中(2025年)、引き続き導入を主張しています。
総合評価
以上を総合すると、公約で掲げた政策の多くにおいて、提案型野党として何らかの行動を起こしているものの、与党の壁もあり実現率そのものは高くありません。
ただし新人議員としては異例なほど幅広い政策分野で積極的に発信・提案しており、公約の掲げっぱなしを避ける努力が随所に見られます。
「政治は結果責任」と本人も述べる通り⁴⁹、今後それらをどこまで成果に結びつけられるかが問われますが、少なくとも現段階で公約を棚上げにせず具体的な国会論戦に落とし込んでいる点は評価できるでしょう。
公約実現度は現時点では道半ばながら、野党議員としてできる範囲で最大限取り組んでいる姿勢がうかがえます。
参考資料
公式情報:
- ¹ 三角創太 - Wikipedia(経歴・所属委員会)
- ² 三角創太 / 三角そうた (みすみそうた) | 衆議院 埼玉16区 比例北関東 - 立憲民主党(党役職・経歴・連絡先)
- ³ 野田佳彦元総理大臣をお招きして特別公開講義を開催しました | NXJI
- ⁴ 主要政策 | 三角創太公式WEBサイト(2024年公約・政策集)
- ⁵ 主要政策 | 三角創太公式WEBサイト
国会会議録・議会資料:
- ⁶ 〖衆院本会議〗令和7年度予算案 国民の命を軽視、物価高に苦しむ国民生活を顧みない予算案に反対を表明 - 立憲民主党
- ⁷ 「租特透明化法改正案」を衆院に提出 - 立憲民主党
- ⁸ 衆議院 三角創太 | 国会審議映像検索システム
- ⁹ 三角創太 | 議員.com
- ¹⁰ 主要政策 | 三角創太公式WEBサイト
- ¹¹ 「租特透明化法改正案」を衆院に提出 - 立憲民主党
- ¹² 「租特透明化法改正案」を衆院に提出 - 立憲民主党
- ¹⁷ 三角創太 | 議員.com
- ¹⁸ 衆議院 三角創太 | 国会審議映像検索システム(三角議員の質疑発言)
- ¹⁹ 衆議院 三角創太 | 国会審議映像検索システム
- ²⁰ 衆議院 三角創太 | 国会審議映像検索システム
- ²¹ 衆議院 三角創太 | 国会審議映像検索システム
- ²² 衆議院 三角創太 | 国会審議映像検索システム
- ²⁴ 衆議院 三角創太 | 国会審議映像検索システム
- ²⁵ 衆議院 三角創太 | 国会審議映像検索システム
- ²⁶ 衆議院 三角創太 | 国会審議映像検索システム
- ²⁷ 衆議院 三角創太 | 国会審議映像検索システム
- ²⁸ 衆議院 三角創太 | 国会審議映像検索システム
- ²⁹ 衆議院 三角創太 | 国会審議映像検索システム
- ³⁰ 衆議院 三角創太 | 国会審議映像検索システム
- ³¹ 衆議院 三角創太 | 国会審議映像検索システム
- ³² 衆議院 三角創太 | 国会審議映像検索システム
- ³³ 衆議院 三角創太 | 国会審議映像検索システム
- ³⁴ 衆議院 三角創太 | 国会審議映像検索システム
党資料・報道資料:
- ³⁵ 〖青年局〗日本弁護士政治連盟との意見交換会を開催 - 立憲民主党
- ³⁶ 〖青年局〗日本弁護士政治連盟との意見交換会を開催 - 立憲民主党
- ³⁷ 〖青年局〗日本弁護士政治連盟との意見交換会を開催 - 立憲民主党
- ³⁸ 三角 創太 – 議員ウォッチ(核兵器禁止条約への賛同状況)
- ³⁹ 三角そうた 衆議院議員 立憲民主党埼玉16区 - X
- ⁴⁰ 〖衆院政倫審〗白石、寺田、三角、本庄各議員が自民党の裏金問題を質問 - 立憲民主党
- ⁴¹ 〖衆院政倫審〗白石、寺田、三角、本庄各議員が自民党の裏金問題を質問 - 立憲民主党
- ⁴² 三角 創太 – 議員ウォッチ
- ⁴³ 三角そうた 衆議院議員 立憲民主党埼玉16区 - X(SNS発信例:「1億円の壁」動画共有等)
- ⁴⁴ 三角そうた 衆議院議員 立憲民主党埼玉16区 - X
- ⁴⁵ 税のプロフェッショナルとしてーー初当選・即戦力の日々(三角創太) - note
- ⁴⁶ 〖青年局〗日本弁護士政治連盟との意見交換会を開催 - 立憲民主党
- ⁴⁷ 衆議院 三角創太 | 国会審議映像検索システム
- ⁴⁸ 三角創太氏(立憲)インタビュー|井上拓(弁護士, 弁理士) - note
- ⁴⁹ 三角創太氏(立憲)インタビュー|井上拓(弁護士, 弁理士) - note(人物背景・所信)
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