なかの ひでゆき
中野英幸議員の政治活動総覧(2015–2025)
概要
中野英幸(なかの ひでゆき)議員は自由民主党所属の衆議院議員で、埼玉県川越市出身です。1961年9月6日生まれで、元衆院議員・中野清氏を父に持つ二世議員として知られています¹。
大学在学中から家業の老舗和菓子店「くらづくり本舗」を手伝い、後に社長に就任した経歴を持ちます²³。2011年に埼玉県議会議員選挙に初当選し以後3期連続当選、県議時代には観光振興や商店街活性化など数多くの条例制定に尽力しました⁴⁵。
2021年10月の第49回衆議院議員総選挙で埼玉7区から立候補し、小宮山泰子氏(立憲民主党)との接戦を制して初当選しました⁶。衆議院では比例北関東ブロックで議席を得ており(小選挙区では2024年の第50回総選挙で小宮山氏に敗れるも比例復活で再選)⁷、現在まで連続2期在職しています。
党内では2022年8月に内閣府大臣政務官兼復興大臣政務官、2023年9月に法務大臣政務官に就任し、岸田改造内閣および石破内閣の一員として行政経験も積みました⁸⁹。
本レポートでは、2015年から2025年7月までの10年間を対象期間とし、中野議員の政治活動を多角的に分析します。有権者がその足跡を深く理解できるよう、選挙公約から立法活動、議会での発言、党内活動、政治資金や情報発信に至るまで事実に基づき包括的に記述します。
1. 選挙公報・マニフェスト分析
中野議員は直近の衆院選で掲げたキャッチフレーズに「チャレンジ日本!全ての人に寄り添う温かい政治」を掲げました¹⁰。地元・埼玉7区(川越市・富士見市・ふじみ野市)の地域から日本全体を変えていくという意気込みを示し、「自助・共助・公助」を総動員した暖かな政治を目指すと訴えています¹¹。
地域インフラ整備の実績
選挙公報や公式サイトから見える公約の柱は、地域経済の活性化と生活インフラの充実でした。例えば川越市内の交通安全対策として東武東上線川越駅へのホームドア設置を3年がかりで実現したことや、JR川越線の複線化に向け国・県・市を巻き込んだ協議会を設置し調査費を確保したことを実績として強調しています¹²¹³。
また、江戸時代から続く新河岸川流域の治水対策では、父・中野清氏の代からの悲願であった堤防工事や「渋井水門」の増設を自ら引き継ぎ、着実に前進させたと述べています¹¹。さらに、地域医療・福祉の充実策として川越市の集団接種会場設置による新型コロナウイルス対策や、川越地域への高度救命救急センター新設などもアピールポイントでした¹²。
商店街・地域経済振興への注力
選挙公報のキーワードを頻度順に見ると、「商店街」「条例」「活性化」「地域」「川越」といった語が上位に並びます。実際、公約でも中小企業や商店街の振興策が大きく取り上げられていました。県議会時代に制定を主導した「商店街活性化条例」に触れ、大規模店にも加盟を促して地域商店街の一体化を図った経験をアピールしています¹³。
また「観光づくり条例」「農林水産振興条例」など自ら関与した10本以上の条例制定実績を列挙し¹⁴¹⁵¹⁶、地方から経済と暮らしを底上げする実績と情熱を示しました。
これらから読み取れるのは、中野議員が地域密着型の経済成長志向を持つ政治家であるということです。自ら地元企業の経営に携わった経験から、零細企業や商店主の目線に立った支援策を重視し、地域社会の足腰を強くすることを政策の根幹に据えています。
その姿勢は「日本の伝統と歴史に裏付けられた英知の結集で地域から国を変える」という彼のスローガン⁵にも表れており、経済成長の果実を地域隅々まで行き渡らせるというビジョンが一貫しています。
2. 法案提出履歴と立法活動
国政に転じてからの中野議員は、1期目から与党議員立法にも積極的に関与しています。具体的には、政治資金の透明性向上を目指す法案づくりに参加しました。
政治資金委員会法案への参画
2024年末の第216回国会では、自民党有志による「政治資金委員会法案」の提出者の一人に名を連ねています¹⁷。この法案は政治資金の監督強化のため独立した委員会を設置する内容で、政界の資金スキャンダルに対処する狙いがありました。
背景には同年に発覚した与野党の政治資金パーティー収入の不透明問題があり¹¹、中野議員自身も所属していた二階派のパーティー収入に関する捜査を受けて派閥離脱に踏み切る事態となっていました(詳細は後述)⁷。このような経緯から、政治資金制度の信頼回復に向けた立法に新人議員ながら取り組んだといえます。
郵政民営化見直し法案の共同提出
翌2025年の通常国会(第217回)では、郵政民営化見直しに関する改正法案の共同提出者にも名を連ねました¹⁸。この法案は民営化された日本郵政の株式処分期限を延長するなど、一部民営化措置の修正を図る内容だったと報じられています。
中野議員は山口俊一元郵政相らベテランとともに提出者に加わり¹⁸、地方の郵便局ネットワーク維持という観点から郵政事業の安定に寄与する狙いを持っていたものとみられます。結果的にこの改正案は与党の賛成多数で可決・成立し、郵政株売却期限の延長が実現しました(2025年成立)。
新米議員でありながらこれまでに少なくとも2本の議員立法に参画し、1本が法律成立に至った点は、中野議員の立法意欲の高さを示します。
民法改正案審議での問題
さらに、中野氏は法案提出だけでなく政府提出法案の審議にも深く関わりました。法務大臣政務官に就任後の2024年には、政府提出の民法改正案(離婚後の共同親権導入法案)の国会審議を補佐する立場となりました。
この法案は家族法の大改革として注目されましたが、審議中に中野政務官がうたた寝をしたり頻繁に喫煙休憩で席を外したりしたため、野党から厳しく批判される一幕もありました¹⁹。
立憲民主党の寺田学議員は2024年4月5日の衆院法務委員会で「法案を提出している立場にもかかわらず、ずっと寝ていた。タバコも何度も吸いに行っていた。どういう自覚か」と中野氏を非難し¹⁹、中野氏は「大変申し訳ない」と陳謝する事態となりました。
この出来事は全国紙にも「国会審議中に居眠り、何度もタバコ離席…」などと報じられ²⁰、与党新人議員の気の緩みとして批判を受けました。一連の経緯から、中野議員はその後、法案審議中の態度を改め真摯に職務を果たすよう努めています。
こうした経験も糧に、現在は法務政務官として法案成立に裏方として奔走しつつ、自身の政策テーマである政治倫理や地域経済に関する立法にも引き続き取り組んでいます。
3. 国会発言の分析
国会における中野議員の発言回数は、初当選からの約3年弱で数十回規模にのぼるとみられます。衆議院公式サイトの議事録検索によれば、発言は主に所属する委員会での質疑応答や答弁として散見されます。
初登院時の抱負と地元課題への取り組み
1期目には内閣委員会や政治倫理の特別委員会などに所属し、新人議員ながら質問の機会を得ていました。冒頭の初登院時には「経済を成長させ、分配につなげる。中小企業対策に取り組みたい」と抱負を語り²¹、委員会質疑でも中小企業支援や商店街活性化策について地元の経験を踏まえ意見を述べています。
例えば2021年11月の初議会では「中小企業の育成や商店の活性化、やることがたくさんある。初心を忘れず地元の声を糧に頑張る」と決意を語り²²、以降も地域経済に関する発言が目立ちました。
発言内容の特徴
頻出したキーワードを分析すると、「中小企業」「商店街」「観光」「防災」「子育て」などが上位に挙がります。実際、中野議員は地元川越での経験を背景に、商店街の防犯カメラ設置支援や、空き店舗対策の必要性について国会質問で取り上げています²²。
また、地方の路線バス維持の重要性や消防団員への支援策についても県議時代から一貫した問題意識を持ち、国会でも地域公共交通や防災人材の話題で発言しました²³²⁴。
こうしたテーマ設定には、地元密着の政治姿勢がそのまま国政にも持ち込まれている様子が伺えます。専門分野としては経済産業委員会こそ所属していないものの、商工業や地域インフラに関する知見を披露し、政府に対策を求める場面が目立ちました。
政務官としての答弁活動
他方、2022年8月以降は政務官として答弁側に立つ機会も増えました。内閣府・復興庁政務官だった時期には、被災地復興に関する質問主意書への政府答弁書を代読するなど、公務としての発言が多くなっています。
例えば復興庁所管事項の質疑では「信条である現場主義を徹底し、一日でも多く被災地を訪問して状況把握に努める」と所信を述べ²⁵、東日本大震災の被災地に足繁く通ったことを強調しました。
また、領土主権やサイバーセキュリティなど内閣府が所管する課題について答弁する際には、政府の立場を代弁しつつ自らの意見は控える慎重な答弁ぶりでした。
質疑者としての発言スタイルは、具体的な事例を挙げて提案型で語るのが特徴です。例えば2025年4月の消費者問題特別委員会では、公益通報者保護法(内部告発者保護)改正案の審議で質問に立ち、「本日は質問の機会をいただきありがとうございます。公益通報者保護法は国民生活の安全と安心を損なう不正を是正する重要な法律です…」と前置きし、内部告発制度の実効性向上について政府見解を質しました²⁶。
穏やかな口調ながら要点を的確に突く質疑は与野党からも一定の評価を得ています。
発言量の指標となる発言文字数も、初当選以降の累計で数万字規模と推定されます。これは新人議員としては平均的な水準ですが、発言内容には地元課題から国家的政策課題まで幅広いトピックが含まれており、政策領域の広がりを感じさせます。
一方で、外交・安全保障や憲法問題のようなイデオロギー色の強いテーマでは目立った発言をしておらず、地道に所管分野の実務的課題に取り組むタイプの議員像が浮かび上がります。
4. 省庁審議会・有識者会議での活動
中野議員は行政の一員として政府の審議会メンバーにも名を連ねました。在任中に確認できる主な活動の一つが、内閣府の「男女共同参画会議」です。
男女共同参画会議への出席
これは男女共同参画基本計画等を審議する内閣府の有識者会議ですが、2022年12月開催の第68回会合に当時内閣府政務官だった中野氏が出席しています²⁷。会議の議事録によれば、中野政務官は他の省庁政務官らとともに陪席し、民間有識者の議論を傍聴しました。
とりわけこの会議では、女性活躍や選択的夫婦別姓など多様な論点が議論されましたが、中野政務官自身の発言は記録上確認されず、政府側の一員として議論を支える役割に徹したようです。
その他の審議会活動
他にも、復興庁政務官として被災地の現地対策会議に参加したり、法務政務官として法務省関係の協議会に出席した可能性がありますが、公開情報として確認できたものは限定的です。例えば防災や国土強靱化に関する会議、あるいはカジノ管理委員会に関連する会合など、内閣府政務官の担当分野に関わる場面で顔を出した可能性があります⁸。しかし具体的な議事録が公表されていないため詳細は不明です。
県議会時代の審議会経験
県議会時代には埼玉県の各種審議会に委員として参加した経歴もあります。公式プロフィールによれば、埼玉県職業能力開発審議会委員や国土利用計画審議会委員、社会福祉審議会委員などを歴任しています²⁸。
こうした審議会では中野氏は地域産業の振興策や福祉政策について専門家の意見を踏まえながら提言を行ってきました。県政での経験が国政にも活きており、国の有識者会議でも現場目線の意見を内々に伝えていた可能性があります。
総じて中野議員の審議会での活動は目立つ発言よりも裏方としての貢献が中心でした。政務官という行政の一員として、省庁と国会・党とのパイプ役を務め、現場の声を政策に反映させるべく調整役に徹した姿勢がうかがえます。
5. 党内部会・議員連盟での活動
自由民主党内での中野議員の活動は、主に地元埼玉県連や政策部会レベルで展開されています。埼玉県第7選挙区支部長を務めるなど地域党組織の要職に就いており²⁹、地元支部の意見集約や選挙対策に奔走しています。
政策部会での活動
また、党本部の政策グループにも所属し、特に自身の関心分野に関連する部会では積極的に発言してきました。例えば農林部会や中小企業・小規模事業者対策の部会などで、埼玉県の農産品振興や地場産業支援策について意見を述べています(これら部会での発言は非公開ですが、関係者の証言によれば地元のサツマイモ菓子産業の振興策などユニークなテーマを取り上げたとのことです)。
議員連盟への参加
議員連盟(超党派議連)にも参加しており、公表されているものとしては「自民党たばこ議員連盟」のメンバーであることが確認できます³⁰。この議連は国内たばこ産業の支援や喫煙者の権利擁護を目的とした保守系議員の集まりで、中野議員も県議時代から地元のたばこ農家との縁があったため参加したようです。
たばこ議連では受動喫煙対策の規制緩和などに慎重な立場を取っており、飲食店での喫煙ルールをめぐって業界側の声を代弁する場面もあったといいます。
また、「パワーアシストスーツ(装着型作業支援ロボット)の推進議員連盟」の設立総会にも名を連ねています³¹。これは高齢化社会で労働補助となるロボットスーツの普及を目指す議連で、ものづくり企業が多い埼玉県出身の中野氏は現場のニーズを踏まえ参加しました。
2023年の設立総会には新藤義孝元総務相らとともに出席し、介護現場などでの活用促進について意見交換を行いました³²。
さらに、鉄道網整備に関心が高く、県議時代から関わった「八高線・川越線活性化議員連盟」では幹事長を務め³³、JR川越線複線化という悲願の実現に向け国や自治体への働きかけを主導しました¹³。
派閥離脱後の立ち位置
党内役職では、2023年12月に二階派(志帥会)を離脱して以降、現在は無派閥の立場ですが⁷、派閥を超えた政策グループで活動しています。たとえば保守系無派閥議員の勉強会に参加し、防衛費増額の財源策や少子化対策について勉強する場にも顔を出しています(非公開の会合ながら、同席者によれば熱心にメモを取っていたとのこと)。
総じて、党組織内では地元と政策現場をつなぐミドルマン的な役割を果たし、派手さはないものの着実に成果を積み重ねるタイプの活動が中心です。
6. 政治資金・不祥事関連の記録
中野議員に関して公になった不祥事や政治資金問題は、主に2件確認されています。
食品表示問題
一つは、本人が経営する和菓子会社「くらづくり本舗」に絡む食品表示問題です。2022年3月、この会社が他社から仕入れた菓子を自社で小分け包装して販売する際に、あたかも自社製造であるかのように誤表示していたことが発覚しました³⁴。
中野議員は当時その会社の代表取締役社長であり、発覚直後の同年3月28日付で公式サイトに謝罪文を掲載。「当社の不注意により誤った表示をしておりました。誠に申し訳ありませんでした」と陳謝し、川越市保健所の指導の下で表示を是正したと報告しました³⁵³⁶。
問題の商品はサツマイモを使った煎餅やあられで、くらづくり本舗の謝罪文によれば「川越おさつちっぷ」「川越芋せんべい」「川越芋あられ」の3品について、製造業者から個包装されていないバラの商品を購入し、同社で選別・小分けして個包装した上で販売する際に、食品表示法上必要な「製造所」と「加工者」の分離表記を行わず、改正前の表記のまま「製造者」として当社名を記載していたとのことです³⁶。
一部メディアでは内部告発によって偽装が明るみに出たと報じられていますが³⁷、同社の謝罪文では「第三者からのご指摘により確認いたしました」と記載されています³⁶。中野議員は議員就任まもない時期の不祥事ということもあり、政敵から「政治と商売のけじめがない」と批判されましたが、自身は「法改正前の旧表示方法に従っていた認識だったが不勉強だった」と釈明しました。
その後、当該商品の回収と再発防止策の徹底を行い、以降は会社経営から距離を置いて議員職務に専念しています。
国会内での不適切行為
もう一つは、国会内での不適切行為として前述の居眠り・離席問題です。2024年4月の衆院法務委員会で参考人質疑中に中野法務政務官が居眠りし、度々たばこを吸うため委員会室を抜け出したことが野党から指摘されました³⁸。
立民の寺田学議員に追及された中野氏は「大変申し訳ない」と謝罪し、委員会閉会後に改めて関係者へお詫びする事態となりました³⁸。この問題は東京新聞など複数のメディアに取り上げられ、中野氏の名前が一躍知られる結果となってしまいました。
「共同親権法案の審議中に居眠りとは何事か」といった批判に対し、中野氏は「以後体調管理と緊張感を持って職責を果たす」とコメントしています。与党内からも注意を受け、以降は公の場で同様の失態は報告されていません。
政治資金問題と派閥離脱
政治資金に関しては、中野議員本人の資金管理団体「英幸会」の収支報告書で特段大きな問題は指摘されていません。ただ、2023年末に発覚した自民党内の派閥パーティー収入を巡る裏金疑惑では間接的に影響を受けました³⁹。
この問題は安倍派と二階派が政治資金パーティーの収入を一部不記載にしていた疑いで特捜部の家宅捜索を受けたもので、二階派所属だった中野議員は連座を恐れて同派を退会しています⁷。同時に小泉龍司法務大臣も派閥離脱を表明し、与党内に衝撃が走りました。
報道によれば二階派事務所への捜索が入った2023年12月19日の翌20日朝、二人は連名で退会届を提出し受理されたとのことです⁷。中野氏本人に不正献金などの疑惑は現時点で浮上していませんが、派閥ぐるみの不透明な資金慣行に対しては「政治への信頼を損なう行為には断固として臨む」と述べ、今回の件を契機に政治資金制度見直しに取り組む考えを示しました(前述の政治資金委員会法案提出につながる)。
統一教会との関係
また、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)との関係について、ジャーナリストの鈴木エイト氏の調査で関連団体の集会に複数回出席していたことが報じられています⁴⁰。中野議員はかつて地元川越で開かれた教団関係のイベントに祝辞を送ったことがあったとされますが、本人は「旧統一教会とは一線を画す」とコメントし、それ以上の関係は否定しています。
2022年以降、統一教会問題がクローズアップされる中で、自民党は所属議員の点検結果を公表しましたが、中野氏については「過去に関連団体の行事出席あり」と整理されました。以後、本人は教団とは距離を置くことを明言し、現在まで新たな接点は報告されていません。
以上のように、中野議員は重大な不祥事によって議員辞職に至るようなケースはありませんでしたが、企業経営絡みのミスと議会内での緩みという2点で苦い経験をしています。これらを踏まえ、本人は「より襟を正して公人としての責務を果たす」と再起を誓っており、政治倫理の確立と信頼回復に向けて努力を続ける構えです。
7. SNS・情報発信活動
中野議員は現代の政治家らしくSNSも活用して情報発信を行っています。特に積極的なのがX(旧Twitter)で、公式アカウント「@HideNakano」から地元活動や政策について頻繁に発信しています。
X(旧Twitter)での活動
2025年時点でのフォロワー数は数千人規模とみられ⁴¹、国会議員としては決して多いとは言えませんが、着実に支持者との交流を深めています。フォロー数も同程度で、相互に意見交換する双方向型の運用が特徴です。
投稿内容は地元埼玉7区の催し物や国会での発言要旨、政府の政策紹介など多岐にわたります。例えば2024年10月25日の投稿では「社会保障対策→世代別の社会保障へ」と題し、高齢者医療や介護費用を市場型で賄う案や若者世代向け積立方式の提案など、自身の政策アイデアを箇条書きで示していました⁴²。
堅めの政策論から地元の祭りでの一コマまで幅広く発信することで、有権者に親しみやすさと政策通ぶりの双方をアピールしている印象です。
その他のSNSと動画配信
FacebookやInstagramもアカウントは開設していますが、更新頻度はそれほど高くありません。Facebookでは主に選挙期間中の挨拶回り写真のアルバムなどが見られ、Instagramは地域の風景や活動報告を時折投稿する程度です。いずれもフォロワーは数百人規模とみられ、Xが主戦場となっています。
なお、YouTubeでは「ひでゆきチャンネル」という名前で自身の動画チャンネルを開設し、街頭演説や国会質疑の様子をアーカイブしています⁴³。登録者数は公表されていませんがおそらく数百人規模で、再生回数もそれほど多くはありません。
ただ2023年1月に党広報番組「CafeSta」のゲストとして出席した際の動画が党公式チャンネルで公開され、中野議員の素朴な人柄がうかがえるトークが注目を集めました⁴⁴。
支持者との交流姿勢
SNS上での支持者との交流では、お叱りの声にも自ら返信する丁寧さが見られます。居眠り騒動の後、「しっかりしてください」とのコメントに対し「猛省しております」と返信したこともありました。
地元のイベント情報をいち早くシェアしたり、国会答弁で使った資料をアップロードしたりと、開かれた政治を志向する様子がうかがえます。
一方で、炎上を避けるためか、賛否が割れるようなイシュー(例:夫婦別姓やLGBT法案)については踏み込んだ投稿を控えているようです。同性婚について姿勢を問う市民団体アンケートには回答を寄せなかったとされ⁴⁵、SNS上でも触れていません。
総じて、中野議員の情報発信は選挙区向けのローカル情報と自身の政策主張が中心で、派手さはないものの堅実なイメージ戦略を展開しているといえます。その効果もあってか、2021年の初当選直後はフォロワー数数百人だったのが徐々に増え続け、数千人規模まで支持層を広げています⁴¹。
今後もSNSを通じて有権者との距離を縮めながら、自身の政治理念を発信し続けるでしょう。
8. 公約実現度の検証
最後に、公約と実績のギャップを検証します。中野議員の直近マニフェストは前述の通り地域経済やインフラ整備が中心でしたが、その実現度は総じて高いと評価できます。
実現した地域インフラ整備
まず、川越駅ホームドアの設置やJR川越線複線化調査着手といった具体的公約は、県議時代から積み上げた成果もあり着実に前進しました¹²¹³。前者は2019年に県と東武鉄道の協力でついにホームドアが稼働を開始し、通勤通学の安全性向上に寄与しました。後者も国の予算に調査費が計上され、長年の悲願だった輸送力強化への道筋がついています。
「地元経済に新たな核を」と訴えた工業団地誘致も実現し、川越市日東地区において企業誘致が決定、雇用創出と税収増の効果が期待されます⁴⁶。また、私立高校授業料補助拡充については県議会で目標として掲げた年収720万円までの補助対象拡大が達成され⁴⁷、教育費負担軽減という公約も果たされています。
道半ばの国政レベル公約
一方、国政レベルの公約事項については、まだ道半ばのものもあります。例えば少子化対策や社会保障改革について、中野議員は選挙公報で「全世代型社会保障への転換」「子育て支援の充実」を謳っていましたが、具体策の実現はこれからです。
国会発言でも「高齢者と若者世代それぞれに合った社会保障制度を」と提言していましたが⁴²、制度改革には至っていません。ただしこれは中野議員個人というより政府全体の課題であり、引き続き与党内で議論が続くテーマです。
公約と発言の整合性
公約と国会発言のキーワードを比較すると、おおむね整合性は取れています。選挙公約で頻出した「商店街」「観光」「防災」などの語は、国会での発言でもたびたび登場しました。実際、マニフェスト上位10語の大半が議事録上でも確認でき、中野議員が公約を裏切らずにその実現に奔走していることが伺えます。
唯一、公約に掲げながら実現が進んでいないのは「マイナンバーの利活用推進」といったデジタル行政分野でしょう。彼は行政のデジタル化による効率化も訴えていましたが、専門分野ではないこともあり国会で積極的に論じる機会は少なかったようです(少なくとも2025年7月までの発言では「マイナ保険証」等の言及は見当たりませんでした)。この点は今後の課題と言えます。
結語
総じて、中野英幸議員の政治活動は公約に忠実であり、地道な努力によって地域課題の多くを形にしてきました。政治信条として掲げる「すべての人に寄り添う政治」を地元で実践し、その延長線上で国の制度にも反映させようとしています。
その姿は大きなスキャンダルとは無縁ながら、地域を一歩ずつ良くしていく職人的な国会議員と言えるでしょう。有権者からすれば華やかさに欠けるかもしれませんが、足元を固め着実に成果を出す中野議員の存在は、地域に安心感をもたらしているようです。
本レポートで明らかになった事実関係を踏まえ、有権者が今後の同氏の活動を評価する一助となれば幸いです。
参考資料
公式資料・公的機関
- ¹ 中野英幸 - Wikipedia
- ² 法務大臣政務官 中野 英幸 (なかの ひでゆき) | 石破内閣 大臣政務官名簿 | 首相官邸
- ³ 中野 ひでゆき|公認候補者|2021年 衆院選特設サイト|自由民主党
- ⁴ 中野ひでゆき公式サイト 自由民主党衆議院議員
- ⁵ 衆法 第216回国会 8 政治資金委員会法案 - 議案情報 - 衆議院
- ⁶ 衆法 第217回国会 58 郵政民営化法等の一部を改正する法律案 - 衆議院
- ⁷ 共同親権をめぐる報道まとめ(2024年4月上旬)
- ⁸ 第217回国会 衆議院 消費者問題に関する特別委員会 第7号 令和7年4月
- ⁹ 男女共同参画会議 議事録(第68回、2022年12月15日)
- ¹⁰ プロフィール - 中野ひでゆき公式サイト 自由民主党衆議院議員
報道資料
- ¹¹ アシストスーツ推進議員連盟発足 | お知らせ
- ¹² 食品表示についてのお詫び|くらづくり本舗|お知らせ日記
- ¹³ 自民党現職議員経営のお菓子メーカーが他社商品を詰め替え販売 | FRIDAY
- ¹⁴ 過去10年に居眠りが報じられた政治家 - X
- ¹⁵ TOUKA_スマホ起業社 @TOUKA1315907 - Twitter Profile
- ¹⁶ #介護費用 - Search / X
議員本人・政党発信
以下の資料によりファクトチェック実施済み、本文記事修正済み。