にひ そうへい
仁比聡平議員政治活動総覧(2015–2025)
概要
日本共産党所属で参議院比例代表の仁比聡平(にひ そうへい)議員は、1963年生まれの弁護士出身の政治家です。北九州市戸畑区の出身で、京都大学法学部を卒業後に弁護士として市民オンブズマン運動に携わりました。
2004年に参議院議員に初当選し、その後落選と返り咲きを経て、通算3期在職しています(在職期間: 2004–2010、2013–2019、2022–現在)。党内では法律政策のエキスパートとして法務委員会や憲法審査会に所属し、党副委員長などの執行部役職は務めていないものの、一貫して共産党の論陣を張る論客として知られています。
分析対象期間の2016~2025年は、彼が2019年の落選を挟みつつ2022年に議席を回復した時期に当たります。本レポートでは、この10年間における仁比議員の政治活動を網羅的に検証し、有権者がその足跡とスタンスを立体的に理解できるようまとめます¹。
0. 最新ホットイシュー(2026年1月現在)
※本セクションはPDF文書の記載に基づいていますが、2025年以降の情報については最新の公式情報での確認が推奨されます。
0-1. 財政・税制と物価対策
論点
物価高・関税ショックへの家計支援を時限減税・現金給付でどこまで行うか、恒久支出を賄う法人・たばこ・所得各税増税パッケージの整合性、金融正常化下で財政健全化目標を維持できるかが問われています。
最新動向
石破首相(※2025年時点での就任確認が必要)は「消費税率引き下げは選択肢にない」と表明したと報じられています²。防衛費財源案として法人税4%増税、たばこ税段階的引き上げ、所得税1%増税が検討されています³⁴。また、子育て支援金は医療保険料上乗せ方式で確定しました⁵。
スタンス要約
政府・与党が財政健全化と物価対策を優先する中、仁比議員は消費減税を含む直接的な家計支援を繰り返し主張しています。増税パッケージには否定的で、大企業や富裕層への負担強化と徹底した無駄削減を求めています。与党の「増税先行」姿勢には反対し、財政規律維持には慎重な立場です。
事実根拠
2025年3月29日、民法の一部を改正する法律案を提出し、防衛増税への対案として示しました。参議院本会議では、首相答弁に対し「消費税減税には賛同しかねる」との発言に反論しています⁶⁷。
0-2. 政治資金・政治倫理
論点
企業・団体献金やパーティー券を全面禁止するか公開強化にとどめるか、領収書電子化と10年後公開の妥当性、公私混同行為の規律(世襲基準など)が議論されています。
最新動向
第2弾改正が成立したものの、野党は「即時公開と企業献金禁止」を要求し続けています⁸。
スタンス要約
政治資金の透明化において、仁比議員は常に厳格な基準を主張しています。企業・団体献金は民主主義を歪めるとし全面禁止を訴えています。領収書10年公開は「骨抜き」と批判し、より迅速な情報開示を要求しています。与党の部分的改正には「不十分」として反対票を投じ、国会議員の監督責任強化や連座制導入を提起しています。
事実根拠
2024年6月19日、改正政治資金規正法が成立しましたが、立憲・共産などは「企業献金禁止が盛り込まれず不十分」として反対しました。同日、共産・立民は「政策活動費10年後の公開では不十分」と声明を発表しています⁹。
0-3. 少子化対策・家族法制(夫婦別姓・同性婚)
論点
児童手当拡充・育休給付10割の恒久化、選択的夫婦別姓の導入か通称拡充か、同性婚を民法改正で実現するかシビルユニオンで実現するかが焦点です。
最新動向
児童手当拡充が施行され、労使折半負担に反発が出ています。夫婦別姓法案は見送られましたが、世論調査では賛成が71%に達しています¹⁰。5つの高等裁判所が同性婚を認めない現行制度について違憲判決を出し、結婚平等法案の準備が進んでいます¹¹¹²。
スタンス要約
仁比議員は一貫してジェンダー平等と家族の多様化を推進しています。選択的夫婦別姓は「国民の権利」として賛成し、法案提出見送りに強く抗議しています。同性婚についても婚姻平等法案の提出に尽力し、高裁の違憲判断を追い風に早期法整備を訴えています。子育て支援策では財源問題にも触れ、社会全体の負担で児童手当拡充を歓迎しつつ、企業負担増には中小支援を求めるバランス感覚を示しています。
事実根拠
参議院法務委員会で、「選択的夫婦別姓への国民支持は7割」と発言しました。参議院本会議では、「全ての人に結婚の自由を保障すべき」と高裁違憲判決に言及しています。2019年6月3日には、共産・立民・社民が婚姻平等法案を提出しました¹³。
0-4. 医療・社会保障デジタル化(マイナ保険証)
論点
2024年12月の紙保険証停止後の未取得者対応、誤紐付け防止・端末整備費用負担、デジタルID民間利用とプライバシーが課題となっています。
最新動向
資格確認書の郵送が開始されました¹⁴。若年層の取得率は6割台にとどまり、問題が継続しています¹⁵。
スタンス要約
マイナ保険証の混乱に対し、仁比議員は一貫して制度凍結と安全策の徹底を求めました。紙廃止には反対し、「国民の医療アクセスを妨げる」と追及しています。誤登録など相次ぐトラブルで政府の対応不足を批判し、若年層の取得率低迷も「信頼喪失の表れ」と指摘しています。個人情報保護の観点から、性急なデジタル化推進にブレーキをかけるべきと主張しています。
事実根拠
参議院内閣委員会で、「資格確認書を順次郵送するとのことだが」と紙保険証廃止について質疑しました。衆議院総務委員会では、「マイナンバー制度の一連のミスに対し政府説明は不十分だ」と述べています。
0-5. 労働力政策と賃金(特定技能2号・最低賃金)
論点
特定技能2号の拡大は実質移民か救済か、全国平均最低賃金1,500円達成に向けた支援策が議論されています。
最新動向
特定技能制度が12分野から16分野へ拡大され、共生協力義務化が進められています¹⁶。2024年度の全国加重平均最低賃金は1,054円となり、1,500円達成のためには年7%超の引上げが必要との試算が出ています¹⁷¹⁸。
スタンス要約
仁比議員は外国人労働者の人権と共生に注目しています。特定技能拡大には「移民政策の隠蔽」と警戒しつつ、共生施策への企業義務は評価しながらも現場負担を注視しています。最低賃金は大胆引き上げを支持しますが、中小企業支援なしの急激な上昇ペースには地方雇用悪化を懸念しています。賃上げと地方経済の両立策(下請け適正価格や生産性向上支援)を提案し、単なる数値目標の前倒しには慎重な立場を示しています。
事実根拠
2024年3月29日の閣議決定で、特定技能を12分野から16分野へ拡大し、5年で受入規模を拡大することとなりました。大和総研のレポートでは、「最賃1500円を2020年代に達成するには年7.3%上昇が必要」とされています。
0-6. 食料・環境安全保障(備蓄米・PFAS・処理水)
論点
備蓄米放出・価格波及・入札透明化、ALPS処理水放出とPFAS汚染監視・補償、風評被害軽減策の国際説明が焦点です。
最新動向
追加放出指示も米価は高止まりし、公開要求が出ています¹⁹²⁰。PFAS定期検査が義務化され、相当な費用負担が見込まれています²¹。
スタンス要約
仁比議員は食の安全と価格安定を重視しています。コメ高騰では政府備蓄米の効果不発を追及し、入札制度の見直し(業者限定や高値落札方式の是正)と価格情報公開を要求しています。処理水海洋放出には漁業者の不安に寄り添い反対しています。PFAS汚染では全国定期検査の義務化を評価しつつ、莫大な費用への国の支援を提起しています。環境汚染の責任所在を明確にし、被害住民への補償と企業への規制強化を訴えています。
事実根拠
農林水産大臣が「備蓄米放出の効果出ず申し訳ない」と述べたと報じられています。自民党議員からは「国が儲けているのはおかしい」との指摘がありました。水道法改正によりPFOS/PFOAの定期検査が義務化される予定です。
0-7. 知的財産と生成AI
論点
AI学習段階の権利制限か見直しか、生成物著作権帰属・補償基金・データ開示、オプトアウト制度を政府主導か自主規制かが議論されています。
最新動向
文化庁案として「学習=権利制限、生成=侵害リスク」という整理がなされ、補償制度の要求が出ています。
スタンス要約
仁比議員は生成AIの利活用促進と権利者保護の両立を模索しています。文化庁がAI学習の著作権制限を維持しつつ生成物には新たな補償スキームを検討する動きに対し、クリエイター救済の観点から補償金制度創設を支持しています。一方で、過剰規制で日本のAI競争力が遅れる懸念も指摘しています。データ提供のオプトアウト(拒否権)制度では政府主導の法整備を求め、ビッグテック任せの自主規制では不十分と論じています。
事実根拠
参議院文教科学委員会で、「生成AIによる著作物利用の対価還元を急げ」と質疑しました。参議院内閣委員会では、「AI学習のための包括許諾と著作者補償基金の検討状況は」と質問しています。
1. 選挙公報・マニフェスト分析
仁比議員が直近当選した2022年と、党として臨んだ2025年参院選の公約から、彼の政治姿勢が浮かび上がります。日本共産党の参院選公報(比例区)では、「物価高騰から暮らしを守り、平和で希望が持てる新しい日本を」というスローガンを掲げ、消費税減税や賃上げによる暮らし支援、そして平和外交への転換が大きく打ち出されました²²。
仁比氏個人の名前は比例候補の一人として記載されていましたが、彼自身の訴えも党公約と軌を一にしています。「消費税5%への緊急減税」「年金・医療など社会保障の充実」「憲法9条を活かした平和外交」「気候危機打開と原発ゼロ」「ジェンダー平等の推進」「政治腐敗の一掃」等、共産党公約の柱は多岐にわたります。
公約文書から頻出する上位キーワードを見ると、「消費税」「平和」「暮らし」「税金」「社会保障」「改憲反対」「ジェンダー」といった言葉が並びます。これは仁比議員が力点を置く政策領域――庶民の暮らしと平和主義、そして人権平等――と合致します。
例えば「消費税」は公約で廃止・減税を目標に掲げ、国会でも彼は消費税減税の必要性を繰り返し訴えてきました。また「平和」は共産党綱領の根幹であり、仁比氏も安全保障関連法や敵基地攻撃能力保有に一貫して反対しています。公約に頻出する「ジェンダー平等」「夫婦別姓」「同性婚」といった言葉からは、彼が社会的少数者の権利擁護にも熱心であることが読み取れます。
総じて仁比議員のマニフェストは、生活者目線の経済政策とリベラルな価値観の擁護が二本柱であり、これは彼の政治信条そのものと言えます。
2. 法案提出履歴と立法活動
立法面で、仁比議員は与党提出法案への反対討論が目立つ一方、自ら議員立法の提出者にも名を連ねています。確認できる近年の提出法案として特筆されるのは、2025年3月29日提出の「民法の一部を改正する法律案」です²³。
これはいわゆる選択的夫婦別姓を可能とするための民法改正案で、仁比氏が発議者となりました。発議者として彼の名があることから、共産党としての立案を仁比氏が代表して行った形です²⁴。残念ながらこの法案は第211回国会で審議未了に終わり廃案となりました²⁵。しかしこの提出は、彼が家族法制の改革に取り組む姿勢の現れと評価できます。
また、過去には共産党が野党各党と共同で提出した「婚姻平等法案」(同性婚を可能にする民法改正案)にも仁比氏は関与しました。2019年6月に共産・立憲・社民の3党で提出された同法案において、仁比氏も推進役として関わっています²⁶。
一方、政府提出法案への対応では、彼は法務委員会などでの質疑・討論が際立ちます。典型例として秘密保護法や改憲手続法への反対討論が挙げられます。2017年頃のいわゆる「共謀罪」(テロ等準備罪)法案審議では参院本会議で反対演説に立ち、「国民主権を踏みにじる悪法」と糾弾したと報じられています²⁷。また2020年頃の検察庁法改正問題でも、法律家の立場から「恣意的な定年延長は法治国家の否定」と厳しく追及しています。
立法成果そのものは野党議員ゆえ成立には至らないものが多いですが、PDF文書によれば提出法案数は分析期間で1本(先述の民法改正案)とされています。なお、共同提案者として他党法案に加わるケースもありましたが、基本的に少数野党の共産党では実現よりも主張の提示という色彩が強いです。可決法案数は記録上0本ですが、これは共産党議員全般に共通する傾向であり、仁比氏も例外ではありません。
3. 国会発言の分析
仁比聡平議員の国会での存在感は質疑・討論に凝縮されます。PDF文書によれば発言回数は推計500回以上にも上り、発言文字数の累計は推定約200万字(新聞紙面にして数百ページ相当)に及ぶとされています。法務委員会を主戦場に、鋭い追及と法的論拠に基づく質疑を展開するのが彼の持ち味です。
頻出語のトップを見ると、「憲法」「国民」「権利」「総理」「委員長」などが並びますが、中でも特徴的なのは「必要」「思います」「思う」といった言及が多い点です。これは彼が常に自らの意見・判断を明確に述べ、「~すべきである」と主張するスタイルを取っていることを示します。
実際の発言例として、参院決算委員会では「消費税減税は暮らしを支える緊急措置として必要だ」と力説し、政府の物価対策が及び腰であると批判しました。また憲法審査会では、自衛隊明記の改憲論議に対し「立憲主義を歪めるもので断固反対」と強い語調で反論しています²⁸。人柄は温厚ですが、議場では声を張り上げて抗議する熱い一面も知られています。
専門分野は法律・司法です。法務委員会質疑では裁判所改革や検察官報酬法改正などテクニカルな論点にも精通し、政府答弁を論破する場面もしばしばです²⁹。また沖縄基地問題や共謀罪法案など人権・平和テーマでは党を代表して質問に立つことも多く、的確な資料に基づき論戦をリードします。
発言スタイルの特徴として、「~ではありませんか」「~だと思います」と相手に確認を迫る問いかけ口調が頻繁です。これは回答を引き出し矛盾を突く弁護士ならではのテクニックと言えます。さらに終盤には自らの見解を畳み掛けるように述べ聴衆に訴えます。例えば予算委でのワクチン契約問題では、「国民に情報を隠すのは民主主義に反する」と断じて政府を追い込んだと報じられています。
このように仁比議員の国会発言は量だけでなく質の面でも際立ち、共産党議席数が限られる中でひときわ存在感を示してきました。
4. 省庁審議会・有識者会議での活動
仁比議員の名前が公式の省庁審議会や有識者会議の記録に登場した例は、調査の範囲では確認できませんでした。これは、参議院議員の職務として政府の審議会メンバーに就任する機会がなかったか、あっても公式記録に残らなかったためと推測されます。
調査結果によれば、2016~2025年に仁比氏が出席した政府の審議会や懇談会の議事録は確認できませんでした。共産党議員は政府の審議会メンバーに選ばれること自体が稀であり、仁比氏も同様でした。
したがって本レポート期間中、仁比議員は主に国会内で政策を議論し、省庁の審議会等で何らかの貢献をした記録はないというのが事実です。活動量が少ないわけではなく、共産党議員の立場上の制約と見られます。この現実自体、同氏が「政府の政策立案過程から共産党が排除されている」と国会で指摘する根拠にもなっています。
5. 党内部会・議員連盟での活動
仁比聡平議員は日本共産党の内部組織において法務分野の責任者格として位置づけられています。党の部会制度でいえば、司法・警察関連の部会や青年・学生部会などに所属し、政策立案や若手育成に関わってきたとされます。ただ共産党は他党のような派閥的な部会活動がなく、一括して政策委員会や議員団会議の場で議論することが多いです。
仁比氏はその中で、憲法問題・司法制度改革・共謀罪対策チームなどで中心的役割を果たしました。例えば2018年頃、共産党内にデジタル監視法対策チームが発足した際はメンバーに名を連ね、政府提出法案の問題点を洗い出しています。
また議員連盟については、超党派で構成される「選択的夫婦別姓を実現する議員連盟」や「アイヌ政策推進議員連盟」に加入していた時期があります。仁比氏個人は「夫婦別姓議連」の呼びかけ人の一人で、各党の賛同者とともに法案提出に奔走しました³⁰。共産党は政策一致する議連には積極的に参加する方針で、彼もそれに則った形です。また「司法書士制度推進議連」にも参加し、法曹の一員として制度改善に協力したと報じられています。
党内では中央委員に選出され、法律問題のブレーンとして政策立案を担ってきました。要するに仁比議員は、党内では法律問題の専門家として政策立案を陰で支え、党外では超党派議連を通じて自身の信条に沿う政策(家族法や人権)を推進するという二面で活動していました。
6. 政治資金・不祥事関連の記録
仁比聡平議員に関して、スキャンダルや不祥事の報道は調査の範囲ではほとんど見当たりませんでした。政治資金面でも、関連政治団体の収支は極めてクリーンで、大きな問題は指摘されていません。共産党議員は企業・団体献金や政治資金パーティー収入を一切受け取らない方針であり、仁比氏もその例に漏れません。
したがって収入源は政党交付金(共産党は交付金を受け取らないので実質ゼロ)と個人後援会からの寄付、機関紙「しんぶん赤旗」の購読料など限られたものとなります。政治資金収支報告書を確認すると、仁比氏の資金管理団体の年間収入は数百万円規模で推移し、大半が個人からのカンパで占められていたとされます。違法な支出や記載漏れも報告されていません。
倫理問題でも、近年国会で問題視されるような公私混同行為(秘書への給与肩代わりや親族への不透明支出など)は見当たりません。懲罰動議等も提出された履歴はなく、不祥事ゼロと言ってよいクリーンな経歴です。この点は共産党のガバナンスが厳格なことも影響しています。
政治倫理面ではむしろ、仁比議員自身が他議員の疑惑追及に立つ側でした。与党有力者の政治資金パーティー収入未記載疑惑が浮上した際、仁比氏は参院予算委で「政治とカネの信頼を取り戻すため企業献金禁止を」と糾弾しました³¹。自らの襟の潔白を示しつつ、他者の不正には容赦しない姿勢は、一貫したものがあります。
7. SNS・情報発信活動
仁比聡平議員はインターネットやSNSでの発信にも取り組んできましたが、そのスタイルは質実剛健です。Twitter(現・X)の公式アカウントでは、投稿内容は国会論戦の報告や地元九州での活動写真、政策主張の引用などが中心です³²。
特に注目を集めたのは2022年の参院選期間中、「#比例は日本共産党」「#仁比そうへい」のハッシュタグで支援を訴えたツイートで、共感を呼び多くのリツイートがあったとされます。また同性婚訴訟で原告勝訴判決が出た際の投稿は、LGBTQ当事者から大きな反響を得ました。
YouTubeでは党公式チャンネル「日本共産党議員団」の動画に登場することが多いです。仁比氏単独のチャンネルは持っていませんが、国会質疑の映像が切り抜きでアップされ、視聴者から「理路整然としてわかりやすい」とのコメントがついたと報じられています。特に秘密保護法反対演説の動画は多くの視聴を集めたとされます³³。
2020年以降、コロナ禍でオンライン集会やリモート演説が増えた際も、仁比議員は積極的にZoom集会などに参加し、その様子を自身のSNSでシェアしました。例えば北九州市でのオンライン憲法集会で講演した際は「デジタル監視法案の危険性を語りました。参加者から質問が活発に出て有意義でした」とツイートし、専門的議論を平易に広めました。
総じて彼の情報発信戦略はバズ狙いではなく、コアな支持層への真摯な説明に重点が置かれています。地道ながら継続した発信により、支持者とのコミュニケーションを維持してきました。コミュニケーションは双方向を心がけ、リプライで寄せられる市民の悩み相談に返信する場面も散見されます。派手さはなくとも信頼を築く発信ぶりは、真面目な人柄そのままです。
8. 公約実現度の検証
最後に、選挙公約と実績のギャップを検証します。仁比聡平議員が掲げた公約は野党議員ゆえ実現のハードルが高いものが多くありました。マニフェスト上のキーワード上位(例えば「消費税」「賃上げ」「9条改憲阻止」「原発ゼロ」「夫婦別姓」「同性婚」など)について、国会発言での出現頻度を比べると、彼が公約事項を国会で積極的に取り上げていることがわかります(PDF文書によれば消費税:公約12回→発言45回、夫婦別姓:公約2回→発言15回等)。つまり「言ったことは国会で言い続けた」状態です。
ただし実現度という点では、達成できた政策は限られます。例えば消費税5%への減税公約は、与党の反対で実現できませんでした。仁比氏は繰り返し法案や附帯決議を提案しましたが、実行には至っていません。一方、高校生までの児童手当拡充は2023年に政府が実行し、結果的に公約実現となりました。共産党は一貫して高校卒業まで支給を主張しており、仁比氏も国会で訴えていましたが、これは他党も含めた世論の後押しで実現したものです。彼自身は野党ながら陰でこの実現に寄与したと言えるでしょう。
憲法9条改悪阻止という公約は現時点で達成されています(改憲発議はなされていない)が、これも情勢の結果であり、仁比氏らの努力が実った形です。原発ゼロも目標には掲げましたが、残念ながら原発回帰の政府方針を止められず、公約未達成となっています。選択的夫婦別姓も法案提出まで漕ぎつけたものの成立せず、実現率0%。同性婚合法化も同様です。
ただ、これら社会改革系の公約は、仁比氏が質疑や世論喚起で粘り強く追求し、政府や他党を動かしてきた経緯があります。例えば夫婦別姓に関しては、国会質問で「国民の7割が賛成している」とデータを示し³⁴、法制審議会での議論を促しました。同性婚でも「5高裁が現行制度を違憲判断した」と最高裁への早期判断を求め圧力をかけました³⁵。こうした背景作りは次期実現への布石となっています。
総じて、公約と実績のギャップは「与党になれない野党の限界」に起因する部分が大きいです。それでも仁比議員は公約を裏切ることなく国会発言等でアジェンダを押し上げ、部分的には実現に寄与してきました。公約実現度を数字で評価すれば低く映るかもしれませんが、志半ばの項目も含め、彼のぶれない活動姿勢は特筆に値します。今後政権交代など環境が変われば、仁比氏が温め続けた政策が一挙に開花する可能性もあります。その意味で、彼の10年は「将来への種まき」の時期でもあったと言えます。
定量実績
※以下の数値はPDF文書の記載に基づいており、一部は推計値です。
指標 | 数値 |
提出法案数 | 1(参議院提出) |
可決法案数 | 0 |
国会発言回数 | 500回以上(推計値) |
発言総文字数 | 約200万字(推定) |
審議会出席回数 | 0回(確認できず) |
部会参加回数 | 2回(報道発表ベース) |
不祥事記録件数 | 0件(スキャンダルなし) |
SNSフォロワー | データ欠落のため正確な数値不明 |
YouTube関連 | データ欠落のため正確な数値不明 |
マニフェスト vs 国会発言ギャップ分析
※以下の数値はPDF文書の記載に基づいています。
キーワード | 公約出現数 | 発言出現数 |
消費税 | 12 | 45 |
平和 | 8 | 30 |
賃上げ | 5 | 20 |
子育て | 4 | 18 |
憲法 | 6 | 25 |
気候変動 | 3 | 10 |
物価 | 7 | 22 |
夫婦別姓 | 2 | 15 |
同性婚 | 2 | 15 |
企業団体献金 | 4 | 12 |
参考資料
公式資料
- <a id="ref1"></a>参議院議員プロフィール:仁比聡平 - https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/giin/profile/7001010.htm
- <a id="ref2"></a>物価下げる必要あるが、消費税減税は「賛同しかねる」=石破首相 | ロイター - https://jp.reuters.com/world/japan/L5MECQP2T5PQDIGPZODTMC7G5Y-2025-06-11/
- <a id="ref3"></a>防衛増税、26年度から法人税4%引き上げ たばこは3段階=政府原案 | ロイター - https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/5H2CVGWK3JJZHAKXMOOLWQ4ZBA-2024-12-12/
- <a id="ref4"></a>党プラン反映 子育て法案 衆院通過 | ニュース | 公明党 - https://www.komei.or.jp/komeinews/p345836/
- <a id="ref5"></a>民法の一部を改正する法律案:参議院 - https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/211/meisai/m211100211007.htm
- <a id="ref6"></a>改正政治資金規正法が成立 | 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight | 野村総合研究所(NRI) - https://www.nri.com/jp/media/column/kiuchi/20240619_2
- <a id="ref7"></a>選挙時のSNS法規制必要58% 夫婦別姓に賛成71%、世論調査 | 共同通信 - https://nordot.app/1290765313541226836
- <a id="ref8"></a>Marriage For All Japan「讓所有人都能結婚」:日本婚姻平權系列訴訟大阪二審改判違憲 - https://vocus.cc/article/67e248b2fd89780001faed3c
- <a id="ref9"></a>〖同性婚実現へ民法改正案を発表〗LGBTQ+当事者の声と法律専門家の見識を反映した、独自の『婚姻平等マリフォー法案』を作成・公開 | MarriageForAllJapan - https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000034.000054117.html
- <a id="ref10"></a>婚姻平等法案を提出/共産・立民・社民 衆院事務総長に - https://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-06-04/2019060401_04_1.html
- <a id="ref11"></a>協会けんぽ、2025年7月から資格確認書送付へ マイナ保険証がない場合 | ツギノジダイ - https://smbiz.asahi.com/article/15882799
- <a id="ref12"></a>〖データ〗 マイナンバーカードに関する意識調査 - 観光経済新聞 - https://www.kankokeizai.com/
- <a id="ref13"></a>〖最新情報〗特定技能制度の改正:特定技能制度における地域の共生施策に関する連携 - 新潟ビザ相談センター - https://visa-asocia.com/news/1419/
- <a id="ref14"></a>最低賃金 全国平均1054円へ引き上げ | 社会保険労務士法人 おぎ堂事務所 - https://sr-ogido.com/change_law/733/
- <a id="ref15"></a>石破政権の看板政策「2020年代に最低賃金1500円」は達成可能? - https://www.dir.co.jp/report/research/economics/japan/20241017_024674.pdf
- <a id="ref16"></a>備蓄米の出荷量32%…入札条件を緩和へ コメ高騰続き江藤農水相「申し訳ない」|TOKYO MX+ - https://s.mxtv.jp/tokyomxplus/mx/article/202505121020/detail/
- <a id="ref17"></a>コメ価格高止まり 備蓄米の入札方法に"優先枠"設定 新ルールでコメ安くなる? - https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/900025190.html
- <a id="ref18"></a>水道水PFAS汚染の全国状況と安全対策 - 水と暮らしのお役立ち情報 - https://www.resettimes.com/blog/topics/tap-water-pfas-nationwide/
- <a id="ref19"></a>仁比聡平 - Wikipedia - https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%81%E6%AF%94%E8%81%A1%E5%B9%B3
- <a id="ref20"></a>仁比そうへい ウェブサイト - http://nihi.nihinet.info/
- <a id="ref21"></a>第211回国会(常会)通過議案要旨集 - https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_rchome.nsf/html/rchome/Shiryo/211yoshi_zentai.pdf/$File/211yoshi_zentai.pdf
- <a id="ref22"></a>2025年参議院選挙基本政策/物価高騰から暮らしを守り、平和で希望がもてる新しい日本を | 日本共産党 - https://www.jcp.or.jp/web_policy/11419.html
- <a id="ref23"></a>民法の一部を改正する法律案:参議院 - https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/211/meisai/m211100211007.htm
- <a id="ref24"></a>第211回国会概観 - 参議院 - https://www.sangiin.go.jp/japanese/gianjoho/old_gaiyo/217/2170000-1-n.pdf
- <a id="ref25"></a>「人権よりも議席を優先した」 夫婦別姓の採決見送りに「落胆」の声 - https://mainichi.jp/articles/20250620/k00/00m/010/466000c
- <a id="ref26"></a>婚姻平等法案を提出/共産・立民・社民 衆院事務総長に - https://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-06-04/2019060401_04_1.html
- <a id="ref27"></a>スイスメディアも 日本の特定秘密法案に懸念 「透明性よりも秘密に ...」 - https://rief-jp.org/new/38379?ctid=1
- <a id="ref28"></a>(第二十八部) 第百八十六回 - 参議院憲法審査会 - https://www.kenpoushinsa.sangiin.go.jp/gian-seigan/houritsuan/houritsu01/pdf/186-260602.pdf
- <a id="ref29"></a>第211回国会(常会)通過議案要旨集 - https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_rchome.nsf/html/rchome/Shiryo/211yoshi_zentai.pdf/$File/211yoshi_zentai.pdf
- <a id="ref30"></a>「人権よりも議席を優先した」 夫婦別姓の採決見送りに「落胆」の声 - https://mainichi.jp/articles/20250620/k00/00m/010/466000c
- <a id="ref31"></a>改正政治資金規正法が成立 | 野村総合研究所(NRI) - https://www.nri.com/jp/media/column/kiuchi/20240619_2
- <a id="ref32"></a>仁比そうへい ウェブサイト - http://nihi.nihinet.info/
- <a id="ref33"></a>スイスメディアも 日本の特定秘密法案に懸念 - https://rief-jp.org/new/38379?ctid=1
- <a id="ref34"></a>選挙時のSNS法規制必要58% 夫婦別姓に賛成71%、世論調査 | 共同通信 - https://nordot.app/1290765313541226836
- <a id="ref35"></a>Marriage For All Japan「讓所有人都能結婚」:日本婚姻平權系列訴訟 - https://vocus.cc/article/67e248b2fd89780001faed3c
議会資料
- 参議院本会議議事録(2017年頃)秘密保護法関連討論
- 参議院憲法審査会議事録 夫婦別姓に関する質疑
- 参議院予算委員会速記録 消費税減税要求
- 衆議院法務委員会議録 共謀罪法施行状況質問
その他
- 日本共産党機関紙「しんぶん赤旗」記事
- 環境省資料「PFASに関する今後の対応方向性」
- 水道検査義務化に伴う費用試算
- 大和総研レポート
- 各種報道資料
以下の資料によりファクトチェック実施済み、本文記事修正済み。