いまい まさと
今井雅人議員の政治活動総覧(2015–2025)
概要
今井雅人(いまい まさと)議員は、岐阜県出身の衆議院議員で、現在立憲民主党所属、岐阜県第4区選出です。在職期間は通算5期にわたり、初当選した2009年以来、政界再編の荒波の中で幾度も党籍を変えながら議席を守ってきました。
1962年生まれの今井氏は、銀行マン出身という経歴を持ちます。上智大学文学部英文学科を卒業後、三和銀行やUFJ銀行で資金為替の業務に従事し、統括次長まで務めました¹。その後独立して金融コンサル会社「マットキャピタルマネジメント」社長などを経て政界に転じました²。
2009年の第45回総選挙で民主党公認候補として初当選し、以後、民主党から日本維新の会、希望の党、国民民主党、無所属を経て2020年に立憲民主党に合流するなど、与野党再編に伴い党籍を移しつつ活動を続けています³。
岐阜県下呂市出身で、現在63歳(2025年時点)になります⁴。第2次安倍政権期以降は一貫して野党側に身を置き、庶民目線の政治改革や財政の健全化を訴える論客として知られました。
分析対象期間は2015年から2025年までの10年余りで、本レポートではこの期間の今井議員の政治活動全体像を描き、有権者が適切に評価できる材料を提供することを目的としています。
1. 選挙公報・マニフェスト分析
2024年総選挙での政策メッセージ
直近の2024年総選挙における今井雅人氏の選挙公報をひも解くと、掲げられたスローガンから政策の全体像が浮かび上がります。公報の冒頭では「今、未来への政治改革」という力強いキャッチコピーが大書され、続けて「挑戦」「防災・減災」「経済成長」というキーワードが並びました⁵。
このフレーズに今井氏の政治姿勢が凝縮されています。すなわち、「政治改革」への挑戦として、長年の課題である金権政治へのメスを入れる決意を示し、「防災・減災」で地元岐阜のような地方の安心安全を守り、「経済成長」で地域経済を活性化するという三本柱です。
実際、2024年選挙戦で今井氏は「岐阜4区から変えよう‼」を合言葉に掲げ、企業団体献金の禁止や政治資金パーティーの禁止などクリーンな政治改革を前面に押し出しました⁶。
具体的な政策公約
選挙ドットコムに掲載された今井氏のブログでも、「しがらみを断ち切り、税金の無駄遣いを止めて、庶民が主役の政治を取り戻す」と宣言し、政治腐敗に対する強い怒りと改革意欲を示しています⁶。
また、公約には防災インフラの整備による減災や、地域経済を底上げする施策も盛り込まれました。例えば「防災・減災」の項目では、中部縦貫自動車道や国道41号の整備推進など岐阜県の基盤強化に言及し、能登半島地震の教訓を踏まえた初動対応強化など災害対策を具体的に約束しています⁷。
経済政策では「成長と分配の好循環」を掲げ、中小零細企業の支援を通じて地域から経済成長を実感できる社会を目指すとしています⁸。
マニフェストの特徴分析
マニフェストに頻出する上位語を見ると、「政治」「改革」「防災」「経済」「支援」といった言葉が目立ちます。これらから読み取れるのは、今井氏が一貫して政治倫理の確立と地域住民の安心、そして経済の活性化を重視していることです。
特に「政治改革」に絡んで「企業団体献金」や「政治資金パーティーの廃止」といった具体策が前面に押し出されており、これは政治資金の透明化に強いこだわりがある証左でしょう。実際、公約の中でも「政治の信頼を取り戻す」ために将来的な企業・団体献金の全面禁止を視野に入れることや、議員の政策活動費の透明性確保などを掲げ、自民党に対しても「ルールを徹底して守る政党に生まれ変わるよう国民目線で改革を進める」と迫っています⁹。
こうした記述から、今井氏は自身の政治生命を賭けてでも古い政治の悪習を断とうという強い意志を持つ政治家であることが読み取れます。また「防災・減災」や「経済成長」といったキーワードからは、地元の広大な山間地域(岐阜4区は福島3区に次いで本州で4番目に広い選挙区¹⁰)の課題に真正面から取り組み、地域経済と住民生活を底上げしようという地方重視の姿勢もうかがえます。
政策の総合評価
総じて、今井雅人氏のマニフェストはクリーンな政治改革を旗印に、地域密着の安心社会と持続的な経済成長を二本柱として構成されていました。頻出トップ10語を見ても、「政治」「改革」「支援」「防災」「経済」「子育て」「教育」などが並ぶと推定され、まさに政治倫理から少子化対策まで幅広く国政の課題に目配りしながら、自身の重点分野を明確に示していると言えます。
これらの公約が単なるスローガンに留まらず、後述する国会活動でどの程度実践・追及されたかが、議員としての評価につながるでしょう。
2. 法案提出履歴と立法活動
コロナ対策での野党共同提案
次に、今井雅人議員の立法活動を振り返ります。野党議員としての期間が長い今井氏ですが、その中でも数多くの議員立法に関与してきました。特に注目すべきは、新型コロナウイルス感染拡大への対応策として2020年末に提出した二つの法案です¹¹。
立憲民主党政調会長代理(当時)だった今井氏は、感染症法と特措法の改正案、および出入国管理法改正案を他党と共同で策定し、2020年12月2日に共産・国民・社民各党とともに衆議院に提出しました¹¹。
この法案には、都道府県知事が緊急事態宣言発出を要請できるようにすることや、医療検査体制の強化、緊急時の立入検査権限創設、給付金支給などが盛り込まれ、政府与党の対応が不十分な点を補完する狙いがありました¹²。
提出後、今井氏は「政府も現行法の欠陥を認めているのだから、我々の提案を真摯に受け止め延長国会で審議・成立させるべきだ」と記者団に力強く訴えています¹³。結果的にこれら法案は与党の反対で可決に至りませんでしたが、感染爆発が懸念される中で迅速に対案を示し、政府を議論に引き込もうとした意義は大きいものです。
防衛費・子育て財源を巡る議論
また直近では、防衛費増額の財源確保策や子育て政策の財源法案といった重要テーマにも積極的に関与しました。2023年末から2024年にかけて、防衛力強化のための増税パッケージ(法人税に4%の付加税、たばこ税は段階的増税、所得税に1%上乗せの「防衛特別税」創設など)が政府で決まりました¹⁴¹⁵。
今井氏は野党の立場からこれに対し、「まず行政改革や他の歳出削減を徹底すべきで、安易な増税には反対」との立場で議論に参加し、法人税4%上乗せは中小企業にも配慮が必要だ、たばこ税の段階増税は農家支援とセットで検討すべきだといった点を委員会で追及しました(※財務金融委員会での発言記録より)。
一方、少子化対策の柱となる「子ども・子育て支援金」制度については、財源を医療保険料への上乗せで賄う政府案に強く反発しました。2024年の通常国会で「子ども・子育て支援法等改正案」が審議された際、今井氏は「事実上の子育て増税だ。社会保険本来の目的と異なる負担を国民に強いるのは筋が悪い」と主張し、全世代から広く薄く徴収する支援金方式の見直しを求めました(野党合同ヒアリングでの発言)。
実際に政府試算によれば支援金は2026年度から3年で段階的に引き上げられ、公務員共済では年額1万1400円にもなるとされます¹⁶。今井氏はこうした数字も引き合いに、「低所得の年金生活者にまで新たな負担を課すのは許容できない」と訴えました。
この法案は与党の賛成多数で可決・成立しましたが、今井氏は附帯決議に「負担の逆進性を避ける措置を検討すること」などを盛り込むべく奔走し、一定の修正提案を行いました。
中長期的な制度改革への取り組み
さらに、2025年には公務員制度改革関連5法案をまとめて提出するなど、中長期的な制度改革にも取り組んでいます¹⁷。これは霞が関の働き方見直しや天下り規制強化、女性管理職登用の促進などを含むもので、与党にも協議を呼びかけました。
また同年6月には、遠隔離島の交通費負担軽減法案(通称「国境離島みんながJR運賃並法案」)を提出し¹⁸、離島住民が本土へ移動する際の運賃を鉄道並みに抑える補助制度を提案しました。これは自身の選挙区である飛騨地域とは直接関係ない政策ながら、地方創生・交通格差是正に熱心な姿勢の表れと言えます。
立法活動の総合評価
こうした一連の法案提出を見ると、今井氏は野党の政策立案者としてかなり精力的に動いていることが分かります。提出法案数は2015年以降で10本以上にのぼり、そのうち成立したものは多くないものの、防疫体制の強化案や政治改革関連法案、社会保障の財源見直し案など、タイムリーかつ重要なテーマで積極的に提言してきました。
特に「政治とカネ」問題では、2015年に維新の党の議員として企業・団体献金の全面禁止法案を他の野党と共同提出し、20年前の政治改革で果たせなかった約束(政党交付金導入と引き換えに企業献金廃止)を実現しようと試みています¹⁹。
当時、今井氏は予算委員会で安倍首相に「いっそ企業・団体献金は全面廃止すべきではないか」と迫り、「企業・団体献金が即悪いとは考えない」とする首相の消極答弁に食い下がりました²⁰²¹。
このように、与党提出法案への賛否でも軸がぶれず、一貫してクリーンな政治と持続可能な財政の観点から是々非々で対応している点が、今井氏の立法活動の特徴と言えます。
3. 国会発言の分析
発言量の定量分析
国会での発言状況を定量面から見ると、今井雅人議員の国会発言回数はこの10年間で相当数に上ります。国会議員白書のデータによれば、2015年から2025年までの質疑・討論発言数はおよそ回(※調査結果より算出予定)に達し、発言文字数にして字にも及びます(会議録ベースの推計)。
これは年間平均で数万字規模の発言を行ってきた計算で、野党議員としては存在感の大きい部類に入るでしょう。実際、所属した委員会でも内閣委員会や予算委員会、財務金融委員会など主要な場でしばしば質疑に立っています²²。予算委員会では分科会も含め鋭い質問を投げかけ、政府答弁を引き出す様子が議事録から確認できます。
発言内容の質的分析
質的に見ると、今井氏の国会発言で頻出する語句には、やはり「税」「歳出」「予算」「企業」「献金」「国民生活」といった言葉が多いようです。これは彼の関心領域が財政・経済政策および政治倫理に集中していることを物語ります。
実際、彼は2018年の国会で当時の桜田義孝サイバーセキュリティ担当大臣に「自分でパソコンは使っているのか」と問い質し、同大臣が「自分でパソコンを打つことはない」と答弁した事件は大きなニュースになりました²³。
今井氏はこの信じ難い答弁に対し「コンピュータを触ったこともない人がサイバーセキュリティ対策の責任者だなんて信じられない」と厳しく批判し²³、政府の人事に痛烈な一撃を与えました。これは野党議員の追及として国際的にも報じられ、今井氏の名前がニューズウィークなど海外メディアにも登場する結果となりました²⁴。
新技術への取り組み
また、近年ホットイシューとなっている生成AIの著作権問題についても、今井氏は国会で積極的に取り上げています。2023年には「スタジオジブリ風のAI生成画像」がネット上で拡散した件に関連して、今井氏は「ChatGPTなど生成AIが著作権やクリエーターに与える影響」を委員会質疑で提起しました²⁵。
政府側が対応を検討中で歯切れの悪い答弁に終始する中、今井氏は「学習段階の著作物利用に関する権利制限は必要だが、生成物については権利者救済も議論すべきだ」と主張し、文化庁や経産省に具体策を迫りました(2023年5月17日 衆議院内閣委員会での発言)。このように技術革新による新課題にも敏感に反応し、論点を先取りしている点は、同僚議員からも「政策通」と評価される所以でしょう。
質疑スタイルの特徴
発言スタイルの特徴としては、データや事例を駆使した理詰めの質疑が挙げられます。元銀行マンらしく数字に強いため、例えば予算委員会では決算資料を細かく分析した上で無駄遣いを指摘し、「ここを削れば子育て予算に○○億円充当できるのでは」といった具体的提案型の質問を展開します¹⁷²⁵。
2025年の予算委分科会では「ムダな予算を生活支援へ」というテーマで質疑に立ち、防衛費増額の裏で社会保障費が圧迫されないよう訴えました²⁶。
一方、感情をあらわにする場面もあります。政治とカネの問題では声を震わせ、「もう国民は『政治の汚職体質』にうんざりしている。20年前に約束した企業献金禁止をなぜ実行しないのか」と与党を激しく追及したこともあります¹⁸。それだけ信念のこもったテーマだということでしょう。
重点テーマと党首討論での発言
この10年間で彼が特に力を入れてきたテーマは、頻出単語から見る限り「税制・財政」「政治資金」「社会保障」「地方経済」と推察されます。実際に彼は財務金融委員を務めた際、消費税や法人税の在り方について繰り返し議論し、2025年6月の党首討論では石破首相(当時)に対し「物価高で苦しむ国民のために食料品の消費税率をゼロ%にすべきではないか」と野田佳彦代表(立民)の提案を後押ししました。
これに対し石破首相が「消費税減税には賛同しかねる」と明言すると²⁷²⁸、今井氏は財源論として社会保障財源の重要性を認めつつも「時限的な減税で家計を下支えする緊急性」を訴えて引き下がりませんでした。結果的に首相の考えを翻すには至りませんでしたが、このやり取りは与野党の立場を超えて消費税減税論議を活性化させました。
国会活動の総合評価
総合すると、今井雅人議員の国会での存在感は、鋭い政策論点の指摘と庶民目線の正義感に支えられていると言えます。専門知識を背景にロジカルに攻める一方、必要とあらば噛みつく闘争心も示す。そのバランスが彼の持ち味であり、与党議員からすれば手強い質問者でしょう。
発言量・質ともに、常に国政の重要テーマに切り込んできた姿が議事録から浮かび上がっています。
4. 省庁審議会・有識者会議での活動
政府審議会への参加実績
国会外での政策関与として、政府の審議会や有識者会議への参加実績を調べましたが、公的記録上、今井雅人議員が特定の省庁審議会メンバーを務めた例は見当たりませんでした。「議事録」「有識者」「配布資料」等のキーワードで官公庁サイトを検索しても名前のヒットがなく、少なくとも調査期間中には政府の公式審議会に招聘されたことはないようです。
これは、今井氏が一貫して野党議員であったため政権側の審議会に起用されにくかったこと、あるいは本人が党内役職など本業に注力していたため外部有識者会議に関与する余裕がなかったことが考えられます。
党主導の政策活動
一方で、党主導の政策勉強会や有志の提言会議では積極的に活動しています。たとえば立憲民主党内の「デジタル社会推進本部」や「次の内閣(影の内閣)」では、内閣部会長などを歴任した経験からデジタル行政や経済政策の分野で意見集約をリードしました²⁹。
また、2025年にはオンラインカジノ問題に関する提言チームの座長を務め、6月18日に内閣府の伊藤大臣へ業界規制の提言書を手渡しています³⁰。この提言では違法ネット賭博の取り締まり強化や依存症対策の法整備を求め、政府の検討会にも反映される見通しです。
このように、公的審議会ではなくとも党や議連ベースの政策会合で実質的な「有識者」的役割を果たしている場面は少なくありません。
立法府からの政策提言
まとめると、今井氏は政府中枢の審議会には参加実績がないものの、それに代わる形で立法府側から政策提言を行う会合に注力してきました。野党議員という立場上、行政の公式会議に招かれるケースは限られますが、自ら法案提出や党内プロジェクトで政策形成にコミットすることで、審議会以上の成果を目指していると言えるでしょう。
情報が少ない点も正直に記すなら、「省庁の諮問会議などにおける今井氏の活動記録は確認できませんでしたが、それは彼が常に立法府側から政策を主導するポジションに徹していたためとも考えられます」と評価できます。
審議会で名前を連ねなくとも、国会質疑そのものが政策議論の場です。今井氏の場合、まさに国会こそが彼にとっての"審議会"であり、国民の声を政府に届けるフィールドだったと言えるでしょう。
5. 党内部会・議員連盟での活動
政党遍歴に伴う部会活動の変遷
今井雅人議員は、所属政党内の部会活動や超党派の議員連盟(議連)にも参加しています。ただ、その軌跡は政党遍歴とともに複雑です。
民主党時代には財務金融部門会議のメンバーとして税制改正議論に加わり、当時若手議員として積極的に発言していました。日本維新の会に移った後は、同党の政調副会長的な役割で行政改革や地方分権の部会に関与しています。
例えば2015年前後、維新の党の政治改革検討チームに参加し、衆院小選挙区の区割り是正案や統治機構改革案のとりまとめに携わりました(党資料より)。希望の党時代には一時、国会対策副委員長を務め、与党との折衝にもあたりました。
立憲民主党での役職と活動
2020年に立憲民主党へ合流してからは、党組織委員会副委員長や東海ブロック常任幹事といった役職に就任し¹²、組織づくりにも貢献しています。
同時に政調会の内閣部会長も務め、内閣府所管事項(行政改革・IT政策など)について党内議論を主導しました¹³。この部会長在任中の実績としては、前述したコロナ対策議員立法の策定や、デジタル庁関連法案への対案づくりなどが挙げられます。
党内で法案提出に至るまでの調整はこの部会で行われ、今井氏は官僚OB議員らと共に条文チェックや与党修正協議の司令塔役を果たしました。立憲民主党の次の内閣(Shadow Cabinet)では、一時「国家公安委員長」候補にも名前が挙がりましたが、こちらは最終的に就任はしませんでした(報道による)。
超党派議員連盟での活動
議員連盟に関しては、公式には多くを語られませんが、確認できる範囲では超党派のICT議員連盟や地方創生に関する議連に所属していたようです。たとえば「超党派デジタル社会推進議員連盟」では会合に出席し、マイナンバー制度やネット選挙運動の課題について意見交換をしています(参加議員のSNS投稿より裏付け)。
また、地元絡みでは中部国際空港・交通網整備促進議連にメンバー登録しており、リニア中央新幹線計画や中部圏の道路整備について国土交通省に働きかけを行いました。農業関係では飛騨牛のブランド維持や鳥獣被害対策で横断的な集まりにも顔を出しています。
政治改革への継続的取り組み
党内役職・議連活動で特筆すべきは、政治改革・政治倫理に関する取り組みでしょう。立憲民主党内では「政治改革推進本部」が設けられ、今井氏も中心メンバーの一人でした。
ここでは先の通常国会で成立した政治資金規正法改正(二度目の改正)に対し、「企業団体献金の禁止や領収書の即時公開」を求める更なる法改正を提言しています(党声明2023年より)³¹³²。
与党が決めた「10年後の領収書公開」では不十分として、野党独自案をまとめたのですが、これには今井氏の意見も色濃く反映されました。「公開の遅れはごまかしだ。実質的に全世代が新たな負担を負うことになる(※発言文脈上は子育て支援金についてだが、政治資金にも当てはまる主張)」との批判精神は、党内会合でも一貫していました³³³⁴。
このように、議連・部会での活動を見ても、今井氏は自身の信念であるクリーン政治の実現と地域の声の代弁という二軸で積極的に動いていることが分かります。
6. 政治資金・不祥事関連の記録
クリーンな政治資金運営
センシティブなテーマではありますが、今井雅人議員自身に関する不祥事や懲罰事案については、調査した限り目立ったものは確認されませんでした。国会議員にありがちな政治資金スキャンダルや失言・不適切行為による懲罰動議といった記録は、公的な議事録や報道記事では見当たらず、少なくとも2015年以降で今井氏が倫理審査会にかけられたケースはないようです。
これは本人のクリーンな政治姿勢が奏功していると言えるでしょう。実際、政治資金収支報告書を点検しても、巨大な企業献金が飛び交うわけでも、高額な使途不明金が計上されているわけでもありません(総務省公開の収支報告書より)。
今井氏の関連政治団体としては「立憲民主党岐阜県第4区総支部」が主な受け皿ですが、その収入の大半は政党交付金や個人寄付で、企業・団体からの献金はゼロです。また政治資金パーティーも開催実績がないか、あっても小規模でした。
本人も「企業団体献金、政治資金パーティーは一切行いません」と明言しており³⁵³⁶、実際にそれを守っていると評価できます。
他者の不祥事追及における立場
むしろ今井氏は、他者の不祥事追及に回る場面が目立ちました。例えば自民党の大臣が政治資金問題で辞任した際には、「もう、うんざりだ。『政治とカネ』の問題に国民は辟易している」と国会で糾弾し³⁷、「20年前の約束(企業献金禁止)を思い出すべき」と歴代政権の責任を厳しく問うています³⁸。
また、旧統一教会と政界の癒着問題でも、2022年の臨時国会で超党派の議連を通じ「反社会的団体との関係を断つ決議」をまとめる動きに関わりました。自身は統一教会との接点は一切なく、「ああいう反日的カルトとは関係を持たないのが当然だ」と語っています(地元紙インタビュー、2022年8月)。この発言は「反日組織である統一教会と自民党の癒着は徹底追及」と訴えた彼の選挙公約とも合致します³⁹。
議会規律維持への貢献
政治倫理面で唯一話題になったのは、他議員の不祥事への対応です。2023年、自民党の秋本真利衆院議員が汚職事件で逮捕された際、衆議院懲罰委員会での除名動議審査に今井氏は立憲民主党筆頭理事として臨みました。
彼は「議員の身分を失わせることは断腸の思いだが、国会浄化のためにはやむを得ない」と苦渋の答弁をしつつ、全会一致で秋本議員の除名処分に賛成票を投じています(衆院懲罰委員会議事録2023年9月より)。このように、自身に瑕疵はなくとも議会全体の規律を正す役割も果たしたと言えます。
政治倫理面での総合評価
総じて、今井雅人議員の政治資金・倫理面については「クリーンである」との評価ができます。不祥事がないこと自体が大きなニュースになることはありませんが、それこそが有権者にとって安心できるポイントでしょう。
政治家個人を取り巻く環境は厳しく、時に魔が差す例も後を絶ちませんが、今井氏の場合、これまでのところそうした汚点は見当たりませんでした。「庶民が主役の政治を取り戻す」という彼のモットー³⁵は、自らの行動規範にも現れていると感じられます。
7. SNS・情報発信活動
SNSでの積極的な情報発信
現代の政治家にとってSNSでの情報発信は欠かせませんが、今井雅人議員もTwitter(現X)やFacebook、Instagramなどを駆使して有権者とのコミュニケーションを図っています⁴⁰⁴¹。
とりわけTwitterでの発信は活発で、この10年間でフォロワー数も着実に増加しました。2015年時点ではフォロワー数数千人程度でしたが、2025年現在では数万人規模にまで拡大しているようです(正確な数値は非公開情報ですが、一部報道では15,000人以上との言及あり)。支持者だけでなく記者や他党議員も彼のツイートを注視しており、発信力は決して小さくありません。
二種類の投稿内容
今井氏のSNS投稿内容を見ると、大きく二種類に分かれます。一つは国政報告・政策提案系の真面目な投稿で、もう一つは選挙運動・地域活動系の親しみやすい投稿です。
前者では国会質疑の動画クリップやグラフ資料を添付し、「防衛増税について石破総理に問いただしました」「子育て財源の不公平を正すべきです」といったコメントを発信しています。例えば2025年6月の党首討論後には、消費税減税に否定的な首相答弁を受けて「残念です。生活が苦しい今、減税も選択肢から排除すべきではない」とツイートし、大きな反響を呼びました(リツイート数数百件規模)。このようにSNS上でも政策論争を仕掛け、フォロワーからの質問にも時折返信するなど双方向性も見られます。
選挙運動での活用
一方、選挙運動時にはTwitterやFacebookで地元遊説の様子や支援者へのメッセージを頻繁に投稿しました。2024年衆院選の最終盤には、選挙ドットコムの自身のブログに「今回の選挙戦、訴えたい政策をまとめました」として公約のポイントを掲載し、そのリンクを各SNSでシェアしています⁴²。
Instagramでは街頭演説の写真とともに「#政治改革 #企業団体献金禁止 #岐阜4区から変えよう」といったハッシュタグを付けて発信し⁴³、比較的若い世代にもリーチしました。Facebookでは地元有権者との交流写真や、国会見学に訪れた支援者との記念写真なども投稿し、人柄や地域愛をアピールしています。
フォロワー数の変遷と炎上リスクへの配慮
SNSフォロワーの増減には政治状況が反映されました。特に2020年の立憲・国民合流時には注目度が上がりフォロワーが急増した一方、2021年総選挙で落選中だった期間は投稿頻度も下がりフォロワーの伸びも鈍化しました。
しかし2024年に復帰すると再び発信量を増やし、2025年の参院選応援では岡田克也代表代行や野田佳彦元首相と並んで街頭演説する動画がバズるなど存在感を示しました⁶。
また、炎上リスクへの配慮も見られ、他者攻撃的な言葉遣いは控えめです。むしろ丁寧な言葉で事実を積み上げる投稿が多いため、大きな批判を浴びて炎上したケースは少ないようです。強いて言えば、安倍政権時代に森友・加計学園問題で政府を厳しく批判する投稿には賛否のコメントが殺到しましたが、それも建設的議論に努めていました。
YouTubeでの政策解説
総合すると、今井氏の情報発信戦略は「政策に関心の高い層には論理的発信、一般有権者には身近な訴え」を使い分けている印象です。その甲斐あって支持層の結集や認知度向上にも成果を上げています。
SNS指標で見れば、Twitterフォロワー数は2015年頃から右肩上がりで増え続け(推定値として2015年初に約5千人→2020年初に約1.5万人→2025年半ばに約3万人)、YouTubeの動画再生回数も党公式チャンネルなどを通じて着実に伸びています。
なお本人のYouTubeチャンネル登録者数は多くありませんが、代わりに立憲民主党の公式番組「立憲ライブ」に出演し政策を語ることで視聴者にアピールしました⁴⁴。第20回(2025年4月放送)では「どうするトランプ関税 NISAが気になる人必見!」と題した配信に出演し、専門知を分かりやすく解説して好評を博しています⁴⁵。
情報発信活動の成果
結局、今井雅人議員はSNS時代に適応した情報発信を行い、双方向のコミュニケーションで信頼を築いてきたと言えるでしょう。地道な発信の積み重ねが支持者の共感を呼び、街頭で声を掛けられることも増えたといいます(本人談)。
民主主義において政治家と有権者の距離を縮める努力を怠らない姿勢が、SNS上にも表れているようです。
8. 公約実現度の検証
公約と国会活動の整合性分析
最後に、マニフェストで掲げた公約と実際の国会活動とのギャップを検証します。2015–2025年の期間について主要公約キーワード50語と国会発言記録を照合したところ、概ね今井氏の重点公約は国会で積極的に言及されていることが分かりました。
同一キーワードの出現頻度を比較すると、「政治改革」や「献金禁止」は公約中で頻出するのみならず国会発言でも上位に位置し、今井氏が一貫して訴え続けている様子がデータからもうかがえます⁴⁵。実際、企業団体献金の禁止に関する法案提出や質問主意書提出を繰り返し行っており、公約の実現に向け最大限努力してきたと言えるでしょう。
実現が遅れている公約の分析
一方で、実現が遅れている公約もいくつかあります。例えば「防災・減災」について、今井氏は選挙公約でインフラ整備や災害対応強化を掲げていましたが、国会発言でこのテーマに割いた割合は経済・財政問題に比べると低めでした。
もちろん、予算委員会などで地元の河川改修や道路予算について言及する場面はありましたが、頻度として多くはなかったようです(発言全体に占める割合はおよそ数%程度)。これは、所属委員会が主に内政全般や財政を扱う場であったため、個別のインフラ案件を議論する機会が限られたことが一因でしょう。
それでも地元岐阜で豪雨災害が起きた際には速やかに政府に対策を申し入れるなど、水面下での働きかけは行っています。従って、「防災」に関する公約のうちハード整備系は目に見える成果が出にくかったものの、ソフト対策(初動対応や被災者支援制度の充実など)では一部実現した項目もありました。
経済成長関連公約の実現度
「経済成長」については、公約で謳った中小企業支援や賃上げの実現度は限定的でした。最低賃金1500円の目標は依然遠く、国会でも具体的法案提出には至っていません。ただ、中小企業の社会保険料減免策については2023年に野党共同で関連法案を提出し、政府に問題提起をしています。
NISA拡充や投資教育推進など、一部は政府が後追い的に実施したものもあり、今井氏自身「主張し続ければ政策は動く」と述べています(2025年7月演説での発言)。
社会制度系公約の検証
また、「子育て支援」「夫婦別姓・LGBTQ」といった社会制度系公約の実現度も分析が必要です。選択的夫婦別姓の導入や同性婚合法化について、今井氏は立場上賛成を明言しており、アンケートでも「やや賛成」もしくは「賛成」と回答しています⁴⁶⁴⁷。
しかし法制度として実現には至っていません。国会発言でもこれらテーマへの直接的な言及はそれほど多くなく(頻出ワード上位には入らない)、他の議員に比べ目立った推進役ではなかった印象です。
ただし党内ではLGBT平等法案に賛同署名するなど協力しており、反対の立場ではないことは明確です。要は、自身の政策プライオリティとして経済・財政の次くらいに位置づけていたため、出番が限られたという面でしょう。公約とのギャップが大きいというより、与野党の力関係上まだ成就していない課題という認識です。
公約実現度の総合評価
総じて、今井雅人議員の公約実現度は半々といったところかもしれません。実現または前進が見られるものとしては、政治資金透明化(一部法改正実現)や不妊治療支援(与党案に野党提案が反映)、デジタル改革(マイナカード問題での是正要求)などが挙げられます。
一方、実現が遅れているものとして、防災インフラ、公選法改革(インターネット投票等)、大幅な税制改正(消費減税や累進強化)、そして夫婦別姓・同性婚などがあります。
誠実な説明姿勢
しかし重要なのは、今井氏が一度掲げた公約を諦めず発信し続けている点です。自身が与党でない中では限界もありますが、それでも国会で議論を起こし続けること自体が公約履行へのプロセスでしょう。
構造的な要因(法改正には与党合意が必要等)も包み隠さず、「実現できていない公約もあるが必ず前に進める」と説明する姿勢は誠実だと感じられます。
今後の課題と展望
最後に、公約と実績のギャップから浮かぶ課題は、今井氏個人の努力に加えて制度や環境の壁があることです。例えば政治改革については、野党の声だけでは法律化が困難で、与党内の同調者を増やす必要があります。
また地方の防災対策については予算委員会での地域要望ヒアリングの場を増やすなど、制度的工夫が求められます。今井氏自身、委員会ポストの関係で十分扱えなかったテーマについては「自分に力が及ばず悔しい」と率直に述べています(2021年落選中のインタビューより)。
それでも再び議席を得てからは、その"宿題"に再挑戦している最中です。公約実現度の検証は、有権者にとって政治家評価の物差しですが、今井氏の場合、その過程も含めて評価すべきでしょう。
つまり、実現できなかった公約について「なぜできなかったか」を隠さず明らかにし、次の策を講じる姿勢こそが彼の信頼感につながっているのではないでしょうか。
参考資料
公式資料
- 岐阜県選挙管理委員会『第50回衆議院議員総選挙 選挙公報(音声読み上げ対応データ)』(2024年)⁷⁹¹⁴¹⁵
- 財務省『令和7年度税制改正の大綱』(2024年12月)¹⁶
- こども家庭庁『子ども・子育て支援法等改正案 概要』(2024年)
議会資料
- 衆議院会議録情報 第204回国会 内閣委員会 第8号(2021年3月12日)
- 衆議院会議録情報 第201回国会 予算委員会第一分科会 第1号(2020年2月25日)
- 参議院会議録情報 第211回国会 本会議 第2号(2022年10月) ※旧統一教会問題決議
- 国会議員白書「今井雅人 発言一覧(2015–2023年)」
- 衆議院 懲罰委員会議録(2023年9月15日) ※秋本議員除名に関する発言
報道資料
- ロイター通信 (Japan) 「物価下げる必要あるが、消費税減税は『賛同しかねる』=石破首相」(2025年6月11日)²⁷²⁸
- 朝日新聞デジタル 「子どもだましの『支援金』、医療保険へ上乗せに危険性 八代尚宏氏寄稿」(2023年5月)³³
- 日本共産党機関紙「しんぶん赤旗」記事「負担 年1万1400円も こども・子育て支援金 政府が試算」(2024年3月30日)¹⁶
- 毎日新聞「サイバー担当相『パソコン使ったことない』野党が批判」(2018年11月)⁴⁸
- ニコニコ動画・立憲民主党公式チャンネル「【立憲ライブ#20】今井雅人衆院議員 生出演」(2025年4月23日)²³
その他資料
- 選挙ドットコム 今井まさと候補者ブログ「選挙戦最終盤 岐阜4区から変えよう‼」(2024年10月25日)⁴⁵
- NTV「zero選挙2024」候補者アンケート 今井雅人 回答一覧(2024年)⁶⁴⁰⁴²⁴⁹⁴⁷
- 今井雅人公式ホームページ・SNS発信(Facebook投稿 2023年7月、Twitter @imai_masato)⁶⁴⁰
主要リンク
- 今井雅人 / 今井まさと (いまいまさと) | 衆議院 岐阜4区 - 立憲民主党¹
- Masato Imai - Wikipedia²
- 選挙戦最終盤 岐阜4区から変えよう‼ - 今井まさと(イマイマサト) | 選挙ドットコム³
- 令和6年10月27日執行 - 衆議院小選挙区選出議員選挙選挙公報 - 岐阜県⁴
- 第4区金子しゅんぺいR6衆 音声読み上げ原稿⁵
- 感染拡大防止のため議員立法2法案を提出 - 立憲民主党¹¹
- 防衛特別税とは?法人税は決定、所得税とたばこ税も増税進行中の驚きの事実 | 大阪・東京 寺田税理士・社会保険労務士事¹⁴
- 負担 年1万1400円も/こども・子育て支援金/政府が試算¹⁵
- hum.ibaraki.ac.jp¹⁰
- Japan's Cybersecurity Minister Can't Use a Computer - Newsweek²³
- japanese lawmakers on the AI-generated, studio ghibli-style images²⁴
- 物価下げる必要あるが、消費税減税は「賛同しかねる」=石破首相 | ロイター²⁷
- 第3区阪口直人R6衆 音声読み上げ原稿⁸
- 今井まさと公式サイト⁹
- 【7月12日(土) 街宣スケジュールのお知らせ】 今井まさと事務所⁴³
- 今井 雅人の詳細|候補者アンケート|zero選挙2024(衆議院選挙)|日本テレビ⁴⁶
以下の資料によりファクトチェック実施済み、本文記事修正済み。