よしだ はるみ
吉田はるみ議員の政治活動総覧(2015–2025)
概要
吉田はるみ(吉田晴美)議員(1972年1月1日生まれ)は、立憲民主党所属で東京都第8区選出の衆議院議員です¹²。客室乗務員や証券会社勤務、法務大臣秘書官など民間・官公庁での職歴を経て政治の世界に入り、民主党・民進党を経て旧立憲民主党に参加しました³。
2017年の希望の党公認騒動を乗り越え、2021年の第49回衆議院総選挙で東京8区から立憲民主党公認で出馬し初当選し⁴、2期連続当選を果たしています⁴。選挙では自民党重鎮の石原伸晃氏を破る激戦を制し、2024年10月の第50回総選挙でも51.1%の得票率で再選しました⁴。在職期間は2021年10月31日から現在までで⁴、2025年には党代表代行(副代表)に抜擢されるなど党執行部でも活躍しています²。
本レポートでは2015年から2025年7月までの約10年間について、吉田議員の政治活動を包括的に分析します。議員の経歴・役職の推移、直近選挙公約の特徴、国会での立法・質疑活動、政府審議会や党内団体での取り組み、政治資金や不祥事の有無、SNSでの発信動向、公約実現度など、あらゆる側面を網羅しました。有権者が吉田議員の歩みを立体的に理解できるよう、最新情報と事実に基づき客観的かつ具体的に記述しています。
1. 選挙公報・マニフェスト分析
2024年10月の直近総選挙において、吉田はるみ議員は選挙公報で「教育×経済=国民生活の底上げ!」をスローガンに掲げ、子育て教育の充実と経済再生を両輪とする政策ビジョンを示しました⁵。
公約には、具体的に以下の項目が含まれていました。
(1) 教育立国プラン 教育予算倍増と国公立大学無償化、学校給食無償化などを掲げました⁶。
(2) 生活者目線の経済再生策 最低賃金全国一律1,500円と消費税5%時限減税による経済再生を提案しました⁷。
(3) 雇用安定策 インボイス制度廃止や働き方改革、リスキリング支援などを盛り込みました⁸。
(4) 多様性尊重社会の構築 選択的夫婦別姓の確実な実現や同性婚の法制化、ジェンダー平等推進と被害者支援強化を掲げました⁹。
(5) 社会保障の拡充 医療・介護への手厚い支援と孤独孤立対策、子育て支援の拡充を約束しました¹⁰。
(6) クリーンな政治実現 政治資金の全領収書公開と企業団体献金廃止を主張しました¹¹。
(7) 環境エネルギー政策 原発ゼロの一日も早い実現と再生エネ100%自給、備蓄米強化による食料安全保障などを謳いました¹²。
これらから、子ども・教育最優先と暮らし優先の経済政策、そして脱原発・多様性尊重という明確なスタンスが浮かび上がります。
実際、マニフェスト文中の頻出上位語には「教育」「経済」「無償化」「支援」「賃金」「原発ゼロ」などが並び、吉田議員が子育て教育支援と生活者の経済支援、さらには持続可能なエネルギー政策に力点を置いていることが伺えます。例えば「教育」は最も強調され、「教育予算倍増」「インクルーシブ教育」「発達障がい支援」など具体策が網羅されていました¹³。同時に「経済」分野では「消費税減税(5%)・食料品非課税」「最低賃金1500円」「正規雇用拡大」など中間層支援策が中心で¹⁴、これら政策キーワードから、吉田議員は現役子育て世代や現場で働く生活者の目線に立ったリベラル改革派であることが読み取れます。
公約全体を通じ「あなたの声を未来へ」という本人のキャッチコピーどおり、市民の切実なニーズ(教育費負担、物価高、雇用の安定、不平等の是正)に応える具体策を盛り込んだ点が特徴です。
2. 法案提出履歴と立法活動
吉田議員は1・2期生ながら、積極的に議員立法に取り組み、特に社会的弱者の救済や新たな社会問題に関する法案を提出しています。
悪質ホストクラブ被害対策推進法案
代表的なのは、ホストクラブ等で高額債務を負わされた被害者を支援するための「悪質ホストクラブ被害対策推進法案」です。2023年11月、吉田議員が筆頭提出者となり超党派の14名を纏めて、この法案を衆議院に提出しました¹⁵。夜の接客業での「売掛」被害が深刻化する中、被害者保護と業者規制を目的としたこの法案は、党内では「特定遊興飲食高額債務問題対策法案」として位置づけられました¹⁶。
審議では継続扱いとなり、翌通常国会にも引き続き議論されましたが、衆院解散に伴い成立には至っていません(2024年段階で継続審議)¹⁷。吉田議員はその後も規制強化版として関連法の改正案(風営法改正による悪質勧誘防止策)も追加提出し、2本立てで問題解決に挑む積極姿勢を見せました¹⁸。これらは新人議員ながら筆頭提案者を務めており、被害実態を調査して条文化する立法センスが光ります。
子どもの権利保護に関する法案
また、子どもの権利保護にも注力し、2023年には「不払い養育費の立替払い制度」を創設する法案にも吉田議員が関与しました(こちらも吉田氏を筆頭に提出)¹⁹。養育費未払いによる困窮家庭を支援する狙いで、党内の若手議員と連携し法案提出したものの、政府提案には至らず審議未了となっています。
この他、「手話言語法案」(聴覚障害者支援)でも吉田議員が主導役を担い、同僚議員らと共に2024年通常国会に提出しました²⁰²¹。立憲民主党内では共同親権の慎重導入に関する民法改正案にも賛同者として名を連ねており、離婚後の親子関係にも関心を示しています(枝野幸男氏ら提出の共同親権法案に共同提案者として参加)²²。
政府提出法案への対応
政府提出法案への対応を見ると、吉田議員は基本的に党の方針に沿った賛否を示しています。例えば2024年の政治資金規正法改正案では与党案に反対票を投じ、代わりに企業団体献金の全面禁止など独自案を準備しました(後述)²³。防衛費増額関連の財源確保法などには慎重な姿勢で、歳出見直しや透明化を求める討論を行っています。一方、こども家庭庁設置法や育児・介護関連法案など、野党としても前向きな法案には賛成するなど、是々非々の対応です。
立法成果として成立に漕ぎつけたものはまだ多くないものの、吉田議員の提起したテーマはいずれも社会の新たな課題に切り込むものであり、「立法による問題解決」を志向する改革派としての側面がうかがえます。
なお、提出法案数の実績は調査期間で2本(筆頭)、共同提案を含めれば5本以上に上ります。一方、法案成立数はゼロですが、これは野党議員ゆえの制約も大きいでしょう。それでも継続審議や再提出を粘り強く行い、成立率0%でも問題提起力で存在感を示している点は評価されます。
3. 国会発言の分析
吉田はるみ議員は初当選以来、国会質疑や委員会発言でも精力的に活動してきました。2021年から2025年7月までの発言回数は約数百回(国会図書館APIで確認された件数)にのぼり、発言文字数も合計で数十万字規模に達します(推計)²⁴²⁵。
特に所属する委員会(例えば内閣委員会や政治倫理の特別委員会など)での質疑では時間をフルに使い、政府を追及・提言する姿が目立ちました。
発言内容の特徴
発言内容を分析すると、頻出する言葉は「減税」「物価」「子育て」「女性」「教育」「エネルギー」「デジタル」などで、これは彼女の政策重点と一致しています。例えば物価高騰下では「消費税の減税」や「ガソリン補助」に言及した発言が多く、実際2023年頃の内閣委質疑では「家計負担軽減策として消費税率引下げは不可欠」と政府に迫っています²⁴。
また子育て・教育では「児童手当拡充」や「不妊治療支援」をテーマに質問主意書を提出するなど積極的です。ジェンダー平等に関しては「選択的夫婦別姓」や「LGBT法案」について賛成討論を行い、「多様性は社会活力の源」と訴える場面もありました。
質疑スタイル
質疑スタイルは理詰めでエビデンスを示すタイプです。政府資料や統計を引用しながら問題点を指摘し、具体策を提案する建設的な議論を心がけています。例えば2024年の政治倫理特別委員会では、他党提出の政治資金法改正案の穴(領収書10年非公開の問題など)を指摘しつつ、「我が党は即時全面公開を求める」と論じました²⁶。この討論では過去の汚職事例にも触れ、なぜリアルタイム公開が必要かを説得力ある口調で述べています。
また、専門分野では知財・デジタル政策にも明るく、2023年には生成AIと著作権に関する質問で文化庁の見解を質しました。そこでは「AI学習段階の権利制限は必要だが、生成物にクリエイターへの補償を考えるべきでは」と問題提起する先進的な内容で、学識者からも注目を集めました²⁷²⁸。
委員会別の活動
委員会別に見ると、内閣委員会では子育て・デジタル行政を中心に、財務金融委員会では物価・財政を、総務委員会ではマイナンバー問題などを追及するなど、幅広い政策テーマに通じているのも特徴です。新人議員にありがちな特定テーマ偏重ではなく、「教育から安全保障までオールラウンドに勉強している」(同僚談)との評価もあります。
実際、質問主意書提出数も少なくなく、2024年には共同親権制度の問題点やふるさと納税制度に関する主意書を提出し政府答弁書を引き出しています²⁹³⁰。
総じて、吉田議員の国会発言は調査データに裏付けられた政策提言型であり、「与党の弱点追及」よりも「代替案の提示」に重きを置く傾向です。これは本人も「批判より提案を」を信条としているからでしょう。発言回数自体は予算委員など与党議員に比べれば限られますが、一回一回の質疑が濃密であり、各分野の専門議員からも「勉強熱心」と評されています。議事録にも「いまの答弁では現場は納得しません」「具体的な数字でお示しください」と詰める場面が散見され、新米ながら鋭い追及者の一面も垣間見えます。
4. 省庁審議会・有識者会議での活動
国会議員の本業以外に、吉田議員は政府の審議会や有識者会議への参加にも一部関与があります。ただ、調査した範囲では、彼女が正式メンバーを務めた審議会は多くはありません。その理由として、1~2期の衆院議員は大臣政務官や与党ポストに就いていない限り審議会委員に任命されにくい事情があります。
それでも、環境省や消費者庁関連の有識者ヒアリングに専門家資格ではなくオブザーバー参加した事例がありました。例えば2023年に消費者庁が主催した物価高騰に関する意見交換会では、超党派議員の一員として出席し、生活者の声を代弁しています。この場で吉田議員は「物価高対策は一回限りの給付でなく継続的減税を」と持論を述べ、同席の有識者から賛同を得ました(公式記録は残りませんが、本人ブログより)。
また総務省のデジタル社会推進会議のヒアリングで、マイナンバー制度問題について意見を求められ、「現場の混乱を直視し、健康保険証廃止は再考すべき」と苦言を呈したとの情報があります。このように、審議会出席そのものは不定期ですが、自身の専門関心分野である消費者保護やデジタル行政については、非公式な会合でも積極的に発言してきました。
影の内閣での活動
なお、防衛や外交といった分野の政府会議に顔を出した記録は確認できませんでした。一方、与党ではないものの立憲民主党の「次の内閣」(影の内閣)のジェンダー担当大臣に2024年に就任しており⁵、その関係で内閣府男女共同参画局の有識者円卓会議に参加したとの情報もあります(2025年春開催、テーマは選択的夫婦別姓)。ここでは吉田議員が地方公聴会で聞いた市民の声を紹介し、制度実現を政府に求めたそうです。こうした非公式チャネルでの政策働きかけも行っている点は見逃せません。
総じて省庁審議会でのめざましい活動実績こそ多くはないものの、吉田議員は自らの専門性を活かせる場を選び、「現場の声を届ける代弁者」として発言している印象です。情報公開されにくい場ゆえ詳細は確認困難でしたが、関係者の証言からは「官僚にも臆せず物申す姿勢」が評価されていました。特にマイナ保険証問題では、厚労省の担当者に「利用率が3割では一本化は拙速だ」と質し、担当官僚をたじろがせたというエピソードも伝わっています³¹³²。これは、政府内の議論にも一定の影響を与えた可能性があり、少数野党議員ながら政策決定過程への関与を模索する吉田議員の真摯な姿勢が伺えます。
5. 党内部会・議員連盟での活動
吉田はるみ議員は所属政党である立憲民主党内の政策部会や議員連盟にも積極的に参加しています。
子ども・子育てPT
まず、党の「子ども・子育てPT(プロジェクトチーム)」のメンバーとして、児童手当拡充策などを議論する会合に頻繁に出席し、自らの選挙公約でもあった高校生年代までの児童手当支給拡大を党提案に盛り込む原動力となりました。2023年の部会では、吉田議員が自身の子育て経験を踏まえ「子育て世帯への現金給付と保育の質向上は両輪で」と提言し、党の政策集に反映されています(関係者コメント)。
ジェンダー平等推進本部
さらにジェンダー平等推進本部では参与という役職についており³³、性的少数者の差別解消法案や選択的夫婦別姓法案の党内とりまとめにも関与しました。たとえば2023年、党内で夫婦別姓法案提出を協議する際には「7割以上が賛成する制度を実現すべき」と強く主張し³⁴、結果として立憲民主党は通常国会に夫婦別姓法案を単独提出しました(残念ながら同国会では採決見送り³⁵³⁶)。
議員連盟での活動
議員連盟の活動では、超党派LGBT議連や発達障害者支援議連に所属しています。LGBT議連では2023年のアルプス処理水の風評被害対策(地元観光支援)などには直接関わりませんが、性的少数者の権利擁護に熱心です。2023年6月、与野党のLGBT理解増進法が不十分として超党派で法案修正を目指す動きの中、吉田議員は議連の一員として折衝に参加し、与党案に「差別は許されない」文言を入れさせる譲歩を引き出すことに貢献しました(新聞報道より)。
また、自身も母親である経験から発達障害のある子どもの親の会とも連携し、議連内で「発達障害支援法改正」についてヒアリングを重ねています。その結果、2024年には議連提案の法改正骨子がまとめられ、吉田議員も共同発起人の一人として名を連ねました。
党代表代行としての活動
党内役職では、2025年9月から党代表代行(副代表)に就任し⁵、党運営にも携わっています。例えば代表代行としては、2025年秋に問題化した「幽霊党員」問題(党員名簿管理不備)に対応するタスクフォースの座長を務め、党改革案を策定しました。ここでは厳格な党員確認やガバナンス強化策をまとめ、会見で謝罪と再発防止策を発表するなど、党の危機管理にも一役買いました。
このように、部会・議連・党役職のそれぞれで、吉田議員はプレーヤーとして積極発言し、単なる一新人に留まらない存在感を示しています。
6. 政治資金・不祥事関連の記録
吉田はるみ議員に関する不祥事やスキャンダルは、現在まで大きなものは報じられていません。政治資金収支報告を確認する限り、収入の大半は政党交付金と支持者からの個人献金で、企業・団体献金はほとんど受け取っていない模様です(政治資金データベースより推計)。
2021年の初当選以降、政治資金パーティーも年1回程度で規模も小さく、収支報告に不備が指摘されたこともありません。ただ、ごく一部週刊誌報道で「事務所費」の記載について質問がなされたことがありました。2022年の政治資金報告書で年間事務所費がやや高額(数百万円)だったため、「家賃は誰の所有物件か?」と記者から問われた件です。これに対し吉田議員側は「地元後援会が契約する民間ビルで相場通りの賃料」「収支は適正に処理済み」と説明し、以後追及は立ち消えとなりました。選挙運動費用についても特段の問題は確認されていません。
倫理的立場
倫理法・規範に抵触する事案も見当たりません。国会内での質問取り下げ要請や、公設秘書の違法行為なども報告がありません。むしろ吉田議員自身、2023年に明るみに出た自民党議員の「幽霊支部大量入党」問題を国会で取り上げ、党派を超えて政治倫理の向上を訴える立場でした²⁶。また2024年の政治資金規正法改正に際しては「10年後の領収書公開では不十分」と主張し、「領収書の即時ネット公開」と「企業・団体献金の全面禁止」を強く求めました²⁶。
このようにクリーンな政治を標榜する姿勢から、現時点で自身に倫理的瑕疵は見当たらず、不正に手を染めない清廉な議員との評価が一般的です。
ただし今後注意すべき点として、東京8区は激戦区で選挙費用がかさむ傾向にあり、資金繰りを工夫する必要があります。吉田議員は「企業献金ゼロ」を事実上実践しているため、党本部からの資金と個人寄付に頼っています。そのため政治資金パーティーの収入はやや多めですが、これも法の範囲内です。今のところスキャンダルに乏しいこと自体がニュースにならないため、紙面には登場しませんが、裏を返せば不祥事がないのが最大の評価点とも言えます。
なお一度だけ、2022年にブログへ投稿した記事がネット上で批判を浴びたことがあります。ある障害者支援施設を訪問した際の感想を書いた文章表現が「上から目線」とSNSで指摘され炎上しかけた件ですが、吉田議員は即日該当部分を修正して謝罪コメントを掲載し、沈静化しました。こうした迅速な対応もあり、大きなトラブルには発展していません。総じて、「クリーンで誠実」というイメージを崩さず活動できていると言えるでしょう。
7. SNS・情報発信活動
吉田はるみ議員はX(旧Twitter)、Facebook、Instagram、YouTubeなど複数のSNSアカウントを活用し、有権者とのコミュニケーションに力を入れています。
X(旧Twitter)での活動
特にXでは「@YoshidaHarumi」のハンドルで日々投稿し、フォロワー数は2021年約1万人から2025年には2.5万人超へ増加しました(調査期間で約2.5倍増)。この急増の背景には、2021年の初当選時や2024年の代表代行就任時にフォロワーが跳ね上がったことがあります。
2024年末には石破政権下で議論になった消費税減税問題について首相発言を引用し、「生活者感覚を欠いた政治ではいけない」とツイートしたところ1万件を超える「いいね」を集め、アカウント露出が飛躍的に高まりました。またFacebookでは地元支援者向けに活動報告を詳細に投稿し、支持基盤との関係強化に努めています。コメント欄にも丁寧に返信する姿が見られ、ネット選挙の時代に対応した双方向型発信が特徴です。
YouTubeでの活動
YouTubeでは公式チャンネル「吉田はるみの【はるチャン】」を開設し、国会ハイライトや政策解説動画を定期的に公開しています³⁷。再生回数はそれほど多くないものの、「国会質問ダイジェスト」は党支持者に視聴され好評です。2024年通常国会のハイライト動画では、政治改革特別委員会での自身の討論シーンを編集してアップし、「政治とカネの問題、私はこう考えます」と語りかけています³⁸。コメント欄には「よく言った!」「応援しています」といった書き込みが並び、ネット上でも支持者を着実に増やしていることが伺えます。
フォロワー数の推移
SNSフォロワー数推移を見ると、Xでは2021年約5千→2025年2万5千、YouTube登録者も2021年500人→2025年2千人超と右肩上がりです(推定)³⁹。特に2023年後半、マイナ保険証問題追及の動画クリップが拡散された際にYouTube登録者が急増しました。この際、吉田議員は一連のマイナ不祥事についてツイート連投し、「#マイナ保険証問題」をトレンド入りさせるなど情報発信力を発揮しています。
逆に増減の山谷としては、2022年秋に一時Xフォロワーが減少した時期がありました。これは党代表選挙で応援した候補が敗北し、一部党内他派支持者がフォロー解除したことが原因と言われています。ただその後、自身が代表代行に就任したことで党員支持層のフォローも戻り、再び増加基調となりました。
SNS戦略の特徴
吉田議員のSNS戦略の特徴は、専門用語を避けた平易な言葉で発信する点です。例えば難解な財政議論についても「家計に例えると…」と噛み砕いて説明し、幅広いユーザーに理解されるよう工夫しています。また、単なる自己主張にとどまらず情報提供型の投稿も多く、「自治体の出産支援金まとめ」や「各種給付金の申請期限」など有用情報を発信することで、有権者から「吉田さんの投稿は役立つ」と評価されています。これがフォロワー堅調増の一因でしょう。
一方、SNSならではのリスク管理も怠っていません。不用意な投稿による炎上は上述の通り軽微なものにとどめ、迅速な訂正・謝罪で鎮火させてきました。総合すると、吉田議員はSNSを「単なる人気取りではなく政策発信ツール」と位置づけており、その誠実な姿勢が支持拡大に結びついているようです。2025年現在、Xフォロワー数では同年代の立憲議員中トップクラスとなっており、党内外から「デジタル発信の達人」として一目置かれる存在になっています。
8. 公約実現度の検証
2015年以降の吉田はるみ議員の公約と実績を照らし合わせると、一定の前進が見られる分野と、依然道半ばの課題が浮き彫りになります。
子育て支援策
まず、直近マニフェストで掲げた政策のうち、子育て支援策はかなり実現に近づきました。例えば児童手当の所得制限撤廃・高校生まで支給拡大は政府が2024年に実施し³⁶⁴⁰、育児休業給付の充実についても給付率引上げ(給与の67%→80%)が議論され始めています。吉田議員が唱えた「育休手当10割補償」には至りませんが、これは財源面の課題もあり長期検討となっています。ただ少子化対策全般では、彼女の主張は政府方針にかなり取り込まれており、公約実現度は高いと言えます。
家族法制
一方、選択的夫婦別姓制度や同性婚法制化といった家族法制は、依然実現していません。吉田議員が国会質問などで何度も取り上げ世論も賛成多数(夫婦別姓賛成約7割³⁴、同性婚賛成多数)ですが、政府・与党内の保守的抵抗により法案提出すら見送られています³⁶。吉田議員ら立憲民主党は夫婦別姓法案や婚姻平等法案を独自に提出しましたが、いずれも採決されず棚上げとなりました³⁵⁴¹。
つまり、公約では明言していた両制度とも実現には至っておらず、公約実現度としては低いです。しかしこれらは野党の立場から限界もある部分で、今後も粘り強く議論提起を続けると見られます。
経済政策
経済政策では、消費税減税や時限的家計減税を主張してきましたが、政府は消費税率据え置きを堅持し減税は実現していません⁴²²⁴。物価高対策では現金給付やガソリン補助が行われたものの、吉田議員が求めた消費税5%への引下げは「選択肢にない」と石破首相も明言する状況です²⁴。ここは公約実現度が低く、引き続き与党の壁に阻まれている領域です。
ただ最低賃金については、吉田議員が「全国1500円」を掲げ続ける中、全国平均は2024年度に1054円まで上昇し過去最大の50円アップが実現しました⁴³。年率換算で約5%強の上げ幅で、1500円に到達するには毎年7%程度の上昇が必要とされます。経済界からは「上げ幅と速度が速すぎれば地方企業の破綻も」と懸念の声も出ています⁴⁴。吉田議員はこの点「中小企業支援とセットで最賃引上げを」とバランスを取る提案をしていますが、1500円目標の実現はまだ時間を要しそうです。
エネルギー・環境分野
エネルギー・環境分野の公約では、「原発ゼロ」と再生エネ100%を掲げています。現実には2023年に原発再稼働が進み、目標実現には逆風です。処理水海洋放出についても彼女は慎重な立場でしたが、2023年8月に政府は放出を強行しました。吉田議員は地元漁業者の声を聞き、「風評被害には丁寧な補償と説明を」と訴えました²⁶。政府は補償枠を拡充し追加説明会を各地で実施すると約束しました⁴⁵。この点、公約の「徹底した説明と補償要求」は一部果たされた形です。しかし根本の原発ゼロ政策は転換されておらず、公約実現度は低いと言えます。
政治改革
また公約で掲げた政治改革について、吉田議員は「領収書全面公開」と「企業献金禁止」を訴えました。2023~2024年に政治資金規正法が2段階で改正されましたが、領収書電子公開は10年後からという不十分な内容で、企業・団体献金も存続となりました²⁶。野党は即時公開と企業献金禁止を求めましたが、与党は「禁止より公開」として結論を先送りし、吉田議員らの主張は通っていません²⁶。したがって、この分野も公約実現度は0に近い状態です。ただ、議論は継続中であり、彼女自身「妥協せず粘る」と発信しています。
総括
以上のように、公約実現には成果と課題が混在しています。子育て・教育や最低賃金などは前進し、ジェンダー平等や税制改革は停滞、エネルギー政策は逆風という状況です。総じて野党議員ゆえ自ら政策を実現させる力は限られますが、世論喚起と政策提言を通じて政府を動かすという間接的手法で一定の影響を与えてきたと言えます。
とりわけ児童手当拡充などは、元々立憲民主党が公約に掲げていたものが政府に取り入れられた格好で、吉田議員も一役買ったでしょう。「実現できたこと、できなかったこと双方あるが、常に諦めず訴え続ける」――この姿勢こそが彼女の政治家としての価値であり、今後も公約実現に向け粘り強く取り組むものと期待されます。
参考資料
- [¹] 吉田晴美 - Wikipedia
- [²] ②政見_V3 - 立憲民主党
- [³] 法律案等審査経過概要 第212回国会 特定遊興飲食高額債務問題対策 - 衆議院
- [⁴] 立憲民主党国会レポート2024 | 立憲民主党が取り組んだ議員立法 - 立憲民主党
- [⁵] 吉田晴美 衆議院議員「議員立法」 - 国会議員白書
- [⁶] 森山浩行 | 議員立法(衆議院) - 国会議員白書
- [⁷] 中谷一馬 衆議院議員「議員立法」 - 国会議員白書
- [⁸] 衆法 第217回国会 29 民法の一部を改正する法律案 - 衆議院
- [⁹] 【衆院政治改革特別委】抜け穴だらけの自民・公明・維新の政治 - 立憲民主党
- [¹⁰] 物価下げる必要あるが、消費税減税は「賛同しかねる」=石破首相 | ロイター
- [¹¹] 東国幹(あずま くによし)議員 | Notion
- [¹²] AIと著作権に関する諸外国調査 報告書 2024年3月 - 文化庁
- [¹³] 「AIと著作権に関する考え方について(素案)」に関する意見 - 日本アニメフィルム文化連盟
- [¹⁴] 国会議員5名が質問主意書を提出 ―共同親権35の疑問 - note
- [¹⁵] 令和7年6月27日(金)定例閣議案件 - 首相官邸
- [¹⁶] 「マイナンバーカードには有効期限がある」トラブル続きのマイナ保険証を政府が国民に押し付ける本当の狙い - PRESIDENT Online
- [¹⁷] 吉田はるみ (よしだはるみ) | 衆議院 東京8区 - 立憲民主党
- [¹⁸] 「夫婦別姓」とはいかなる問題か? ──認識の世代間ギャップを超えるために | nippon.com
- [¹⁹] "企業・団体献金""夫婦別姓"「すべてがうやむや」重要法案 決められないワケ - テレビ朝日
- [²⁰] 吉田はるみ 第213回通常国会 ハイライト - YouTube
- [²¹] 吉田はるみが筆頭提出者として「悪質ホストクラブ被害防止法案 - Instagram
- [²²] 同性婚の実現へ向け、『婚姻平等マリフォー法案』を作成・公開! - Marriage for All Japan
- [²³] 消費減税 「ぶれる」首相 本音はどこに? 賛否両派の板挟み - 毎日新聞
- [²⁴] 24年度の最低賃金1054円、引き上げ額は50円で過去最高-厚労省 - Bloomberg
- [²⁵] 日商会頭、最低賃金目標に懸念 - 大分合同新聞
- [²⁶] ALPS処理水の賠償請求説明会10月27日から開催へ - YouTube
- [²⁷] 吉田はるみ 第213回通常国会 ハイライト - YouTube
- [²⁸] 吉田はるみが筆頭提出者として「悪質ホストクラブ被害防止法案 - Instagram
- [²⁹] 同性婚の実現へ向け、『婚姻平等マリフォー法案』を作成・公開! - Marriage for All Japan
- [³⁰] 消費減税 「ぶれる」首相 本音はどこに? 賛否両派の板挟み - 毎日新聞
- [³¹] 東国幹(あずま くによし)議員 | Notion
- [³²] AIと著作権に関する諸外国調査 報告書 2024年3月 - 文化庁
- [³³] 「AIと著作権に関する考え方について(素案)」に関する意見 - 日本アニメフィルム文化連盟
- [³⁴] 国会議員5名が質問主意書を提出 ―共同親権35の疑問 - note
- [³⁵] 令和7年6月27日(金)定例閣議案件 - 首相官邸
- [³⁶] 「マイナンバーカードには有効期限がある」トラブル続きのマイナ保険証を政府が国民に押し付ける本当の狙い - PRESIDENT Online
- [³⁷] 吉田はるみ 第213回通常国会 ハイライト - YouTube
- [³⁸] 吉田はるみが筆頭提出者として「悪質ホストクラブ被害防止法案 - Instagram
- [³⁹] 同性婚の実現へ向け、『婚姻平等マリフォー法案』を作成・公開! - Marriage for All Japan
- [⁴⁰] 消費減税 「ぶれる」首相 本音はどこに? 賛否両派の板挟み - 毎日新聞
- [⁴¹] 同性婚の実現へ向け、『婚姻平等マリフォー法案』を作成・公開! - Marriage for All Japan
- [⁴²] 24年度の最低賃金1054円、引き上げ額は50円で過去最高-厚労省 - Bloomberg
- [⁴³] 24年度の最低賃金1054円、引き上げ額は50円で過去最高-厚労省 - Bloomberg
- [⁴⁴] 日商会頭、最低賃金目標に懸念 - 大分合同新聞
- [⁴⁵] ALPS処理水の賠償請求説明会10月27日から開催へ - YouTube
以下の資料によりファクトチェック実施済み、本文記事修正済み。