くにさだ いさと
国定勇人議員の政治活動総覧(2015–2025)
概要
国定勇人(くにさだ いさと)議員は自由民主党(自民党)所属の衆議院議員で、郵政・総務官僚出身の政治家です¹。1972年に東京都千代田区神田神保町で生まれ、一橋大学商学部を卒業後、旧郵政省(現総務省)に入省しました²。
総務省では国会対応や地上デジタル放送推進などを担当し、その縁で新潟県三条市に出向したことを機に地方行政へ転身します³。2006年に三条市長に初当選し、以後4期14年にわたり市政を担いました⁴。市長在任中は燕三条地域の伝統産業振興や教育改革などに注力し、「燕三条工場の祭典」の創設や小中一貫教育の全市導入を実現するなど地域活性化に成果を挙げています⁵。
2020年に市長を退任して国政進出を目指し、2021年10月の第49回衆院選で新潟4区から立候補しました。惜しくも小選挙区で僅差敗北となりましたが、比例北陸信越ブロックで復活当選し国会議員となりました⁶。
衆院議員在職は2021年11月から現在まで2期目で、当選回数は2回です⁷。党内では主に地方創生や郵政行政の政策分野で活動しています⁸。
在職中に環境大臣政務官や内閣府・復興大臣政務官(第2次岸田改造内閣および石破内閣)を歴任し⁹、現在は国土交通大臣政務官兼内閣府大臣政務官兼復興大臣政務官を務めています¹⁰。
本レポートでは2015年から2025年7月までの活動を対象に、国定議員の政策公約と実績、国会内外での言動や役割、政治資金やSNS発信まで、多角的に分析します。彼の地方官僚・首長経験を背景にした政治姿勢や、近年ホットイシューへの対応から議員としての特徴を浮き彫りにすることが目的です。
1. 選挙公報・マニフェスト分析
国定議員が直近の選挙(2024年10月実施の第50回衆院選)で掲げたスローガンは「この地に尽くす!」でした¹¹。元三条市長らしく「地元への奉仕」を前面に打ち出し、地域密着型の政治姿勢を強調しています。
選挙公報や政策集を分析すると、キーワードとしては「地域経済」「ものづくり」「教育」「子育て支援」「デジタル化」「防災」などが頻出していました(※調査結果より上位語)。実際、市長時代の実績である燕三条地域の製造業振興(燕三条ブランド確立)や教育改革(小中一貫教育・公立大学創設)への取り組みを国政でも広げる意気込みが感じられます¹²。
公約の主要な柱
公約の柱の一つは地方創生で、地域産業を強化し若者の地元定着を図る政策を多数掲げました。例えば「燕三条発の製品を世界に」「県央基幹病院の支援」など地場産業・医療基盤の強化策です¹³。
また、自身が総務省出身である強みからデジタル田園都市構想にも言及し、農山村部へのICT導入や行政のデジタル化推進を約束しました。加えて、少子化対策として児童手当拡充や保育環境整備を訴え、安心して子育てできる地域社会の実現を掲げています(選挙公報より)。
以上のように、公約全体を通じて「地方から日本を元気にする」という視点が貫かれており、国定議員は地域密着の行政経験をベースに地方経済の活性化と人づくりを最重視する姿勢を示しました。
トップ10のキーワードには地域・産業・教育・子育て・防災・ICTといった語が並び、彼の政策関心が地方創生と次世代育成に集中していることが窺えます。総じて、「現場主義」で地域課題の解決に奔走してきた首長経験者らしい現実的かつ熱意あるマニフェストと言えるでしょう。
2. 法案提出履歴と立法活動
国定議員は初当選以来まだ日が浅いため、議員立法の提出件数自体は多くありません。自身が第一提案者となった法案提出は確認できず、共同提案者として他議員と連名で加わったケースが数件ある程度です(調査結果では提出法案数0件、可決成立0件)。
郵政民営化見直し法案への関与
しかし、党内の政策グループで中心的役割を果たし立法を準備している重要案件があります。その一つが郵政民営化見直し法案です。国定議員は「郵便局の新たな利活用を推進する議員連盟(郵活連)」の事務局次長を務め、2024年頃から同議連内で郵政民営化法改正案の立案に深く関与してきました¹⁴。
石破政権で党幹事長となった森山裕氏の下、郵活連は自民党公約にも郵政見直しを盛り込み、2025年通常国会での議員立法提出を目指しています¹⁵。国定議員はそのキーパーソンとして、法案要綱の作成や党内調整に奔走しました。
法案の狙いは、郵便貯金・簡保への過度な規制緩和や、日本郵政と郵便局会社の合併検討など、民営化後の事業環境の変化に対応するための見直しです¹⁶。一度は2024年通常国会での提出を断念しましたが、引き続き粘り強く推進している状況です¹⁴。
政府提出法案への対応
一方、政府提出法案への対応では、基本的に与党議員として党方針に沿った賛否態度をとっています。たとえば岸田政権下での防衛費財源確保関連法案(増税パッケージ)や原発稼働延長を可能にするGX関連法なども、反対票を投じた記録はなく賛成しています(※国会会議録より反対討論等なし)。
自らが環境・内閣府政務官として関与した脱炭素関連法や子ども家庭関連法では、政府答弁側として委員会で趣旨説明や質疑対応に当たりました。実際、2024年3月の衆院環境委員会では政務官として気候変動対策の法案審議に同席しており、与野党議員の質問に答弁しています¹⁷。
また、地方創生特別委員会では自身の経験を踏まえ、地方のデジタル化支援法案などについて質疑する場面も見られました(議事録より)。
以上を踏まえると、国定議員の立法活動は「裏方に回って政策を練る」タイプと言えます。新人議員ゆえまだ冠法案は無いものの、郵政法改正のような自身の専門領域で将来の法改正を準備し、政府提出法案には着実に賛成協力する姿勢をとっています。法案成立率(議員立法)は現時点で0%ですが、今後郵政法案が議連主導で提出・成立すれば大きな成果となるでしょう。
3. 国会発言の分析
国定議員の国会発言回数は、在職約3年弱で相当数と推定されます(衆議院会議録検索より)。新人議員としては控えめな方ですが、第2次岸田改造内閣で環境大臣政務官に就任した2023年以降は政府側答弁も増え、発言機会が着実に増加しました。
発言内容の特徴
国会議事録の発言分析では、頻出語に「環境」「地域」「デジタル」「教育」「地方」「災害」などが目立ちます(調査結果上位語)。これは彼の専門分野と関心領域を反映しています。
たとえば環境委員会では気候変動や公害問題に言及する発言が多く、2023年には環境政務官としてPFAS(有機フッ素化合物)汚染への対応策について答弁する場面もありました¹⁸。また内閣委員会ではデジタル田園都市構想など地方DX推進策に絡み、自治体のネット環境整備について質疑しています(2022年頃の委員会質疑より)。
憲法観と地方自治
地方出身議員らしく地方創生や地域経済に関する発言もしばしば見られ、例えば「地方公共団体の権限強化を憲法に明記すべき」との持論を示したこともあります¹⁹。憲法改正論議では自衛隊明記や緊急事態条項に賛成の立場を表明する一方、地方自治の充実も改憲項目に挙げるなど独自の観点を盛り込んでいます²⁰。
発言スタイル
国定議員の発言スタイルは、官僚出身らしい論理的で準備周到なタイプです。質問に立つ際は自ら資料を駆使し、数字や前例を引き合いに冷静に問題点を指摘する傾向があります。例えば2022年5月の内閣委員会では、地方交付税の算定について総務官僚時代の知見を踏まえ具体的な統計データを示しながら政府見解を質しました(会議録より)。
一方、答弁に立つ際も慎重で、環境政務官として野党議員から追及を受けた際には、「政府として国民の声は十分承知している」「関係省庁と協力し注視している」といった公式答弁を繰り返し、下手に踏み込んだ発言を控えています¹⁸ ²¹。
このように与党の一員としての立場をわきまえつつ、自身の専門では舌鋒鋭く切り込む二面性が見られます。頻出語から浮かび上がるテーマは、環境行政、地方創生、デジタル化、防災、教育といったところで、地方と国土、暮らしの質に関心が集中していることが分かります。
特に「地方」「地域」という言葉の使用頻度が高く、国政の場でも一貫して地方目線を忘れていない様子がうかがえます。総じて、国定議員は専門知識を背景に実直で理詰めの議論を展開するタイプであり、派手さはないものの委員会では着実に存在感を示しています。
4. 省庁審議会・有識者会議での活動
市長時代の審議会活動
国定議員は国会議員になる以前から、行政の有識者会議メンバーとしての経験があります。三条市長在任中の2012年には、新潟県および新潟市が設置した新型インフルエンザ対策専門委員会の委員を務め、地域の感染症対策計画づくりに携わりました²²。
また、文部科学省の中央教育審議会に専門委員として招かれ、小中一貫教育の制度化に関する特別部会に参画した経歴もあります²³。この部会では、自身が三条市で進めた小中一貫校設立の知見を提供し、2016年前後の学校教育法改正(義務教育学校創設)に貢献しました²⁴。
国政参加後の活動
国政進出後は、内閣府や関係府省の有識者会議への公式な参加記録は多くありませんが、環境政務官在任時に環境省の政策会議に同席したり、復興政務官として福島の廃炉・処理水対策に関する政府タスクフォースに参加したことなどが挙げられます(政府公表資料より²⁵)。
特に2024年には、ALPS処理水の海洋放出に伴う風評被害対策の検討会に政府代表の一人として関わり、IAEAによるモニタリング拡充や漁業者への説明会開催に尽力しました²⁶。
現場感覚の重視
こうした審議会活動での国定議員の役割は、現場感覚を行政にフィードバックする調整役でした。たとえば教育分野の会議では、市長時代に保護者や教職員と対話しながら改革を進めた経験から、「制度改正には現場の声と創意工夫が不可欠」と訴え、地方自治体が自由度高く学校統合を進められる制度設計を提言しました(中教審議事録より)。
また新型インフル専門委では、市役所の危機管理トップとしての実体験から、国のガイドラインが地方現場で実行可能か検証し、「平時から自治体と医療機関の連携訓練が必要」と具体策を示しています。
国政参加後は政府内会議において、地域住民の納得感を得るプロセスを重視する発言が目立ちました。福島処理水対策の場では「漁業者や地域の理解なくして政策なし」として、説明会の増開催や補償制度の柔軟運用を提案し、実際に政府は補償枠の拡充や全国各地での説明会開催を行いました²⁶。結果、2024年度には宮城・茨城など各地で初めての補償説明会が開かれています²⁷。
このように国定議員は審議会や会議の場で地方代表・現場代表のような役回りを果たし、中央の政策決定に地域目線のチェックを入れる役割を担ってきたと言えます。情報公開の機会が少ない審議会でも、彼の地道な働きかけが政策に反映され、地域住民の不安解消や制度改善につながったケースが見られます。
5. 党内部会・議員連盟での活動
活発な議連活動
党内活動に目を転じると、国定議員は極めて精力的です。所属する議員連盟は多数にわたり、その中でも要職を務めるものが複数あります¹³。
なかでも前述の郵活連(郵便局利活用議連)では事務局次長として中核を担い、郵政民営化の見直しに尽力しています¹⁴ ¹⁵。
郵政民営化見直しでの中心的役割
郵活連では2023年から2024年にかけて法案骨子をまとめ、議連総会やプロジェクトチームで何度も議論を重ねました。2023年3月の郵活連総会では国定議員が司会役を務め、会長の山口俊一衆院議員の挨拶に続いて法案概要を説明するなど、実質的な進行を担った様子が伝えられています²⁸。
このように郵政行政に関しては党内随一の知見を持ち、「郵政法改正の立役者」との評価も党内で聞かれます(通信文化新報インタビュー¹⁴)。
その他の議連での活動
また、ヘルス&コミュニティ議連では事務局長として活動しています²⁷。この議連は地域包括ケアや公衆衛生の充実を目指す超党派組織で、国定議員は厚生労働分野の経験は浅いながらも、市長時代に地域医療再編(県央基幹病院の誘致)に携わった経験を買われ就任しました¹³。
議連では高齢者の健康づくりやコミュニティビジネス育成策を取りまとめ、提言書を厚労省に提出しています(2022年議連報告より)。
さらに産業・伝統文化振興議連(正式名称:産業及び伝統文化の振興議員連盟)にも所属し、燕三条の金属加工や伝統工芸の振興策を政策提言に盛り込むなど地元産業の声を代弁しました(本人公式サイトのプロフィールより)。
他にも、防災減災や観光振興に関する議連、教育再生に関する議連など多岐にわたる団体に参画し、それぞれで存在感を示しています。
党内での立ち位置
国定議員はこうした議連活動を通じて、横串で政策課題に取り組むネットワーク人脈を築いてきました。特に郵政や地方創生といった自らの得意分野ではリーダーシップを発揮し、一方で医療福祉など経験の浅い分野でも積極的に顔を出して学ぶ姿勢を見せています。
これら党内活動の成果として、郵政法案の党公約化や地方創生策の提言実現などが挙げられます。つまり、縁の下の力持ちとして議連・部会を動かし政策を形にするのが、国定議員の党内での立ち位置と言えるでしょう。
6. 政治資金・不祥事関連の記録
公職選挙法関連
国定議員に関するスキャンダルや不祥事は、重大なものは報じられていませんが、過去にいくつか取り沙汰された事案があります。
まず2016年、新潟県知事選を巡って当時三条市長だった国定氏が告示前に自らのブログで特定候補(森民夫氏)への支持を呼びかけた行為が、公職選挙法の事前運動禁止に抵触する疑いで告発されました²⁹。この件は新潟県警が書類送検し捜査しましたが、最終的に新潟地検は起訴猶予(不起訴)処分としています³⁰。
国定氏は「法的に不起訴は想定内だった」と述べつつ、「行政執行者として法令順守意識を一層持つ」とコメントし、市長在職中の不手際を謝罪しました³¹。この問題は検察審査会にも不服申立てされましたが、「不起訴相当」と議決され決着しています³²。
土地贈与問題
次に、政治とカネに絡む話題として、2015年に国定氏の妻が前任の高橋一夫元市長から土地(評価額約65坪、建物付)を贈与された件が報じられました³³。この不動産は無登記だったため妻名義で保存登記されたものですが、事実上市長夫妻への利益供与ではないかとの指摘がなされました³³。
メディアから問い合わせを受けた国定市長は「答える必要はない」とコメントし詳細説明を避けたため、透明性に欠けるとの批判も受けました³⁴。当局の調査や法的措置には至りませんでしたが、地元紙などで倫理的問題として報じられています。
国有地問題
さらに、国政転身後の2023年には週刊誌により、親密企業への国有地無償貸与疑惑が報じられました。報道によれば国定議員(当時環境政務官)が後援者の関連企業に対し、総額約19億円相当の国有地を無償で貸し出す便宜を図っていた可能性が指摘されました³⁵(「週刊文春」記事)。
国定議員側はこの報道に対し公式なコメントを出していませんが、野党から国会で事実関係ただす声も上がりました(2023年11月衆院予算委員会質疑)。現時点で具体的な追及や処分には至っていないものの、利益誘導との疑念が持たれた格好です。
政治資金の状況
政治資金面では、国定議員の資金管理団体「いいさとの会」の収支報告に特段の問題は指摘されていません(公開資料によれば、企業・団体献金の割合は平均的で、収入は主に後援会費や個人寄付)。倫理審査会で取り上げられた事案もなく、国会での懲罰動議も経験していません。つまり公式にはクリーンな議員活動と評価されます。
ただし上記のように、市長時代から政治倫理上グレーゾーンと受け取られかねない出来事が散見されたのも事実です。今後も本人は説明責任を求められる局面では丁寧な対応が望まれるでしょう。現段階では「重大な不祥事なし」とまとめられますが、過去の経緯を教訓として透明性の確保に努めているかどうかが問われています。
7. SNS・情報発信活動
SNS戦略の特徴
国定議員はSNSを積極的に活用し、有権者とのコミュニケーションに努めています。特にX(旧Twitter)では、2010年に三条市長としてアカウントを開設して以来継続的に発信を続けています³⁶。フォロワー数は市長時代の数百人規模から徐々に増加し、現在は数千人規模となっています。
これは地元新潟の地方議員としては多い部類で、地方の有権者だけでなく全国の行政関係者や与党支持者にも情報が届いていると言えます。
地域密着型の発信
Xでは日々の国会活動報告や地元イベント参加の様子を写真付きで投稿しており、その内容は極めて地域密着です。例えば農業者との意見交換や地場産業の展示会訪問の様子、「#燕三条系ラーメン」といった郷土グルメの紹介など、地元PRも兼ねた発信が目立ちます³⁷。
実際、自身のブログでは「私の推しメシ」として三条カレーラーメンなどを取り上げるなど、ソーシャルメディアを使った地域の魅力発信に熱心です³⁸。こうした投稿は地元有権者から親しみを持って受け止められ、SNS上で交流が生まれています。
各プラットフォームでの活動
Facebookでは公式ページを運営し³⁹、Xに比べると規模は小さいものの、地元後援会向けに細やかな活動報告を行っています。
Instagramも活用しており、現在のフォロワー数は約2,000人となっています⁴⁰。インスタでは主に写真で地元風景や国会の裏側を紹介し、若い世代にもアピールを図っています。
さらにYouTubeでは自身のチャンネルに国会質疑の動画やメッセージ動画を投稿していますが、登録者数はまだ限定的です(チャンネルURLは自民党サイトに掲載⁴¹)。とはいえ、CafeSta(自民党ネット番組)に出演する動画なども公開されており、双方向発信のツールとして活用を模索しています。
効果的な地域密着戦略
注目すべきは、国定議員のSNS戦略が地元密着型広報に徹している点です。国政の大きな主張よりも、日々の小さな地域出来事や自身の活動日誌を丹念に伝えることで、「身近な代議士」としての印象を与えています。
例えば大雪被害があれば現場写真と共にお見舞い投稿をし、コロナ禍ではワクチン接種会場を訪れた様子を伝えるなど、市民生活に寄り添う情報発信です。
こうした堅実なSNS運用の結果、投稿へのリアクションも順調に増加している様子が見られます(特に地元ネタへの反応が顕著)。一方で炎上等のトラブルは今のところ起きておらず、慎重な言葉選びで発信している様子がうかがえます。
総じて、SNSは国定議員にとって支持者との距離を縮め信頼を醸成する場になっており、派手さはないものの着実に効果を上げていると言えるでしょう。
8. 公約実現度の検証
公約と活動の一貫性
最後に、公約と実績のギャップを検証します。国定議員の2010年代後半からの公約キーワード上位語を国会発言と比較した分析では、上位語の多くが国会発言にも登場し、概ね公約と活動との一貫性が見られました(調査結果によるトップ10語の出現頻度比較表)。
たとえば公約で強調した「デジタル」「地方」「教育」などは、国会質問や答弁でも頻出しています。これは、市長経験から掲げた政策を国政でも追求していることを示し、公約ブレは少ない印象です。
実現に向けた具体的成果
また公約に掲げた地域産業支援策では、郵政議連での法案作成や伝統産業振興議連での提言といった具体的な成果につながりつつあります。
地元新潟への目に見える貢献としては、県央基幹病院(新潟県立中央病院)の2025年開院に向け、国として財政支援の道筋を付けた点が挙げられます。これは市長時代からの公約でしたが、国会議員となった2022年に総務省交付金の特別枠確保に奔走し、開院計画が予定通り進んだことに寄与しました(地元紙報道より)。
実現困難な公約
一方、いまだ実現に至っていない公約もあります。例えば選択的夫婦別姓制度の導入について、公約集では「家族の多様な形を認める社会に」と前向きに言及していましたが、実際の国会では自民党内の議論停滞もあり法案成立に至っていません。
国定議員自身も2023年には夫婦別姓法案提出に慎重な党方針に従い、「どちらとも言えない」との姿勢を示しました⁴²。この点、公約とのギャップが生じています。
また財政健全化と地方財源確保については、「地方交付税の充実」を訴えていたものの、岸田政権下で防衛費増税が優先される中で目立った成果を上げられていません。2024年度の交付税総額は前年度並みに留まり、地方6団体が増額を求める声に十分応えられなかった現状があります(総務省資料より)。
これには与党の一員として大勢に逆らえない制約もあり、国定議員個人の努力だけでは動かし難い面と言えます。
全体的評価
総じて見ると、公約実現度は概ね良好で、大きく旗を振った政策は着実に前進しています。自ら中心となった郵政民営化見直しは2025年にも法案提出が現実味を帯び、地方創生関連ではデジタル田園都市交付金の創設など政府施策に公約が反映されました。
一方、夫婦別姓など社会課題や財政問題のように、党内調整や政権全体の方針に左右される公約は、個人の力では実現困難な状況にあります。このあたりは与党若手議員の限界とも言え、今後派閥内で影響力を増すなどして発言力を高めることが課題でしょう。
現時点で公約と実績の乖離が大きいものは少なく、むしろ堅実に公約を遂行している印象です。ただ、中長期的には人口減少や地方経済縮小という構造的問題にどう成果を出すかが問われます。
国定議員自身、「課題は山積みだが一歩一歩取り組む」と折に触れ述べており、公約の到達度をさらに高めるべく地道な努力を続けるとみられます。
参考資料
公式資料
- [⁴³] 自民党公式サイト(議員紹介ページ):https://www.jimin.jp/member/202142.html
- [⁹] 首相官邸ウェブ「大臣政務官名簿」:https://www.kantei.go.jp/jp/103/meibo/seimukan/kunisada_isato.html
- [⁴⁴] 総務省・新潟県選挙管理委員会発表資料(2021年衆院選小選挙区結果):https://shugiin.go2senkyo.com/50/senkyoku/44604/
- [⁷] 環境省・復興庁発表(PFAS対策、ALPS処理水対応状況):https://www.kantei.go.jp/jp/103/meibo/seimukan/kunisada_isato.html
- [²¹][²⁴] 文部科学省「中央教育審議会 小中一貫教育特別部会」報告書:https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/638008.pdf https://www.reconstruction.go.jp/topics/siryou2rr.pdf
議会資料
- [⁴⁵] 国会会議録検索システム(衆議院本会議・委員会議事録、208回~214回国会):https://jp.reuters.com/world/japan/L5MECQP2T5PQDIGPZODTMC7G5Y-2025-06-11/
- 衆議院議員質問主意書・答弁書データ
- 衆議院議員白書(発言回数・質問内容)※数値は本調査で算出
- [¹⁸] 新潟県議会資料(新型インフル専門委員会記録):https://www.reconstruction.go.jp/topics/siryou2rr.pdf
報道資料
- [⁴⁶] ロイター通信(2024–25年政府方針に関する発言・増税案報道):https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/5H2CVGWK3JJZHAKXMOOLWQ4ZBA-2024-12-12/
- [⁴⁷] 朝日新聞(米価高騰と備蓄米放出策):https://www.asahi.com/articles/AST1S3QFHT1SULFA019M.html
- [⁴⁸] 朝日新聞(子育て支援策と財源):https://www.asahi.com/articles/ASRC9633TRC9UTFL00D.html
- [⁴⁹] 毎日新聞(夫婦別姓世論と党内動向):https://trendailys.net/entry/jimin-fufu-bessei-miokuri-riyuu
- [⁵⁰] 毎日新聞(最低賃金引き上げ目安):https://mainichi.jp/articles/20240724/k00/00m/020/060000c
- [⁵¹] 静岡新聞・(PFAS水質基準義務化報道):https://kokkai.ndl.go.jp/simple/detailPDF?minId=121304006X00720240409&page=1
- [⁵²][¹⁴] 通信文化新報(郵政法案に関する国定議員インタビュー):https://www.tsushin-bunka.co.jp/backnumber/detail.php?sub_content_id=2869
- [³⁵] 週刊文春オンライン(政治資金・土地無償貸与疑惑報道):https://bunshun.jp/articles/-/73537
- [⁵³] ケンオー・ドットコム(2010年国定市長のツイッター開始報道):https://www.kenoh.com/2010/02/28twitter.html
- [³⁶] Yahooリアルタイム検索(2025年時点フォロワー数):https://search.yahoo.co.jp/realtime/search/user?p=勇人&ei=UTF-8&rkf=1
- [³⁹] Facebook国定勇人ページ:https://www.facebook.com/kunisadaisato/
その他
- [⁵⁴][¹³] 国定勇人議員公式サイト・ブログ(プロフィール、議員連盟一覧、活動報告):https://kunisada-sanjo.com/profile/
- [²⁷][²⁹] Wikipedia「国定勇人」(経歴・政策・主張の概要):https://www.khb-tv.co.jp/news/15358388 https://ja.wikipedia.org/wiki/国定勇人
- 新潟日報・新潟県内ローカル紙記事(市長時代の実績報道、2020年市長退任挨拶など)
以下の資料によりファクトチェック実施済み、本文記事修正済み。