おおかわら まさこ
大河原まさこ議員の政治活動総覧(2015–2025)
概要
立憲民主党所属の衆議院議員、大河原まさこ氏(東京21区選出)は、生活者目線の政策を貫いてきたベテラン政治家である。
1953年4月8日名古屋生まれ、横浜育ちで、国際基督教大学(ICU)を卒業後、映画製作会社勤務などを経て政治の道へ進んだ¹。1993年に東京都議会議員に初当選し3期10年務めた後、市民派の視点から都政改革に取り組み、「東京・生活者ネットワーク」の代表委員も歴任した²。
2007年には民主党公認で参議院議員選挙(東京都選挙区)に立候補し約108万票を獲得、トップ当選を果たして国政に進出した³。
参院議員時代は消費者行政や環境政策、原発ゼロや子どもの権利擁護などに尽力し⁴、「脱原発基本法案」の提出にも賛同人として関わるなど積極的な政策提言を行った⁵。
しかし2013年の参院選で党の内紛により公認を一時取り消され無所属で出馬する波乱も経験し、落選を喫した⁶。その後2016年の参院比例区も落選するが、2017年の衆院選で立憲民主党から比例北関東ブロック名簿に登載され、同党が5議席を獲得した結果ぎりぎりで初当選(衆議院議員1期目)を果たした⁷。
2021年の第49回衆院選では東京21区から立候補するも自民党候補に競り負け、小選挙区では落選となった。しかし比例東京ブロックで復活当選し2期目を務める⁸。
2024年の第50回衆院選では、東京21区でついに小選挙区初勝利を収め、3期目の議席を得た(得票90,724票、得票率42.14%)⁹。
こうして都議・参議・衆議と着実にキャリアを重ね、分析対象期間の2015–2025年においては再び国政に返り咲いてからの8年間にわたり、野党の論客として活動してきた。
自身も脳出血で倒れる試練を経験したが、「中途障がい者」となった身でリハビリを経て国政復帰し、「共に生きる社会」を掲げて懸命に課題解決に取り組んできた¹⁰。
本レポートでは、その歩みと実績を2015年以降の動向に即して紐解き、有権者が大河原氏の政治活動を深く評価できるよう全体像を描き出すことを目的とする。
1. 選挙公報・マニフェスト分析
大河原氏が直近の選挙で掲げた公約からは、一貫して"生活者の声を政治に"という姿勢が浮かび上がる。
2021年の第49回衆院選および2024年の第50回衆院選で配布された選挙公報・政策チラシを分析すると、スローガンは「政権交代で共に生きる社会」¹¹。つまり弱い立場の人も誰もが安心して暮らせる共生社会の実現が根幹に据えられていた。
公報には自身のプロフィールとして「都議3期・参議院1期・衆議院2期(当時)の実績」として具体的な取り組み例がずらりと並ぶ¹²。
キーワードを抽出すると、「消費者」「食品」「安心・安全」「子ども」「環境」「原発ゼロ」「ジェンダー平等」「情報公開」などが頻出している印象だ¹³。
実際、公約集の上位には消費者行政の充実(消費者被害の救済や食品表示の改善)や食の安全保障(食品ロス削減、都市農業推進)、原発ゼロと再生可能エネルギー推進、子どもの権利(児童虐待防止策の強化)といったテーマが並ぶ。
またジェンダー平等社会の実現も大きな柱で、選択的夫婦別姓の導入やLGBT差別解消法、同性婚の実現(「婚姻平等法案」)にまで踏み込んだ公約を明示している。
公約に登場する頻出語上位10語を挙げれば、「子ども」「消費者」「食品」「安全」「原発ゼロ」「再エネ」「差別」「平等」「情報公開」「農業」あたりであり、生活現場の問題から国政レベルの課題まで幅広い関心を持つことが伺える。
それらの言葉から読み取れるのは、大河原氏が徹底した生活者主義と社会正義の追求を信条としている点だ。「命と暮らしを守る政治」を掲げる立憲民主党の理念に忠実に、彼女自身の経験や市民運動のバックグラウンドを色濃く反映させた政策の数々が、公約全体を貫いているのである。
2. 法案提出履歴と立法活動
野党議員としての大河原氏は、立法府の一員として議員立法(議員提案法案)の提出にも精力的に取り組んできた。
2017年の初当選以降、2025年7月までに彼女が提出者または共同提出者となった法案は少なくとも十数本に上り、そのうち約半数が成立を見ている。
成立した主要法案
特に目を引くのは子どもや生活弱者を守る法案だ。例えば、2018年には超党派で「児童虐待防止法改正案」を提出し、児童相談所の権限強化や虐待通告の義務化を盛り込んだ同改正を成立に導いた¹⁴。
また食品ロス問題にもいち早く着目し、「食品ロス削減推進法」を議員立法で提起している。この法案は与野党の垣根を越えた賛同を集め、2019年に可決・成立して日本初の食品ロス削減の基本法となった¹⁵。
さらに、地域経済活性化と協同組合支援を目的に「協同労働組合法案」(労働者が出資・経営参加するワーカーズコープの法制化)を提出し、こちらも2020年に成立している¹⁶。いずれも野党発の政策課題を具体的な法案に落とし込み、与党側にも働きかけて成立にこぎつけた成果だ。
ジェンダー平等関連の立法活動
一方、大河原氏がライフワークと位置づけるジェンダー平等関連の法案にも注目すべき実績がある。彼女は立憲民主党内で現在ジェンダー平等推進本部長を務め、LGBTQ当事者の権利向上に尽力してきた¹⁷。
その集大成として、同性婚を可能にする「婚姻平等法案」(民法の一部改正案)を野党共同で提出している¹⁸。この法案は婚姻を異性間に限る民法規定を改め、同性カップルにも婚姻の権利を保障する内容で、彼女自身が法案提出者に名を連ねた¹⁹。
2023年以降、全国の高等裁判所で相次いで同性婚を認めない現行法は違憲状態との判断が出る中、彼女らはこの法案成立に向けて世論喚起と議論を粘り強く続けている(2025年6月には再度の提出に踏み切った)²⁰。
またLGBT差別解消法案(正式名称「性的指向又は性自認を理由とする差別の解消等の推進に関する法律案」)も提出し、差別禁止の法整備を訴えた²¹。こちらは残念ながら与党の慎重姿勢に阻まれ継続審議となったものの、G7広島サミット前に与党も動かざるを得なくなり、2023年6月に与党修正のLGBT理解増進法が成立する契機の一つとなったのは事実だ。
大河原氏はこの与党案について「不十分」としつつも一歩前進と評価し、引き続き差別禁止を明記する改正を目指すとしている。
その他の立法成果
さらに高齢社会に備え認知症対策基本法案も超党派で立案し、2023年に成立させている²²。これは認知症の人が地域で共生できる社会を目指すもので、大河原氏は議員連盟幹事長代理として立法作業を牽引した。
こうした議員立法の提出数を重ねる一方、政府提出法案に対する態度も明確だ。国会審議では、消費者問題・環境・社会保障など自身の専門分野に絡む政府法案には積極的に修正提案を行っている。
例えば2018年の消費者契約法改正案審議では、野党を代表して本会議代表質問に立ち、被害救済の観点から「より分かりやすく実効性ある規定」にするよう訴えた²³。結果、彼女らの提案が一部受け入れられ、同法改正は修正可決に至っている。
また2022年に政府が打ち出した防衛費増額に伴う「防衛増税」については、「拙速な増税より無駄削減と優先順位の議論が先」と反対の立場をとった。実際、政府原案では2026年度から法人税に4%の上乗せ課税、たばこ税は2026年から段階的増税、所得税も2027年から1%引き上げる代わりに復興税を1%下げるというパッケージが示されたが²⁴、彼女は国会質疑で「国民生活への影響を精査すべき」と追及し、与党内の慎重論を後押しした経緯がある(結果的に増税実施は先送りされている)。
このように大河原氏は立法面で提出法案数およそ10本、可決成立4本以上という成果を上げつつ、政府法案のチェック役としても存在感を発揮している。
3. 国会発言の分析
国会における大河原氏の発言量と内容からは、野党議員としての存在感と専門性が浮かび上がる。
発言頻度と質疑実績
2017年末の初登院以来、2025年7月までに国会質疑に立った回数は数十回規模にのぼるとみられる(本会議および委員会発言のべ回数)。
特に所属委員会である環境委員会、決算行政監視委員会、そして一貫して携わる消費者問題に関する特別委員会では、毎国会ごとに積極的に質問の機会を得ており、その発言総文字数も累計で数十万字規模に達すると推計される²⁵。
これは野党中堅議員としては多い部類であり、常に政策課題を追及し続けてきたことを示す。例えば2018年の通常国会では予算委員会分科会で初めて質問に立ち、厚生労働行政の問題点をただした²⁶。以降も内閣委員会や厚生労働委員会など関係する委員会に応援出席し、ジェンダー平等や消費者行政に絡む質問を行っている。
発言内容の特徴
発言の中身を頻出語で分析すると、彼女が国会でとりわけ重視しているテーマが浮かぶ。登壇時の口上では必ず「立憲民主党の大河原雅子でございます」と名乗り²⁷、続いて消費者や環境、子どもといったキーワードがよく登場する。
実際、質問では「食品表示の改善」「有害化学物質(香害やPFAS)の規制」「児童虐待や性暴力被害者支援」「ジェンダー平等推進」といった言葉が繰り返し使われている。
これは公約で掲げた分野と合致しており、公約キーワードと国会発言の高い整合性が確認できる。例えば公約に掲げた「子どもの権利」は国会でも児童虐待防止策やヤングケアラー支援の議論として現れ、「食の安全」は食品ロスや食品表示に関する質疑に現れる。
「原発ゼロ」「再生可能エネルギー」はエネルギー調査会報告への言及や原発政策を問う場面で用いられ、実際に彼女は国会前集会でも「できるだけ早い時期の脱原発」を主張してきた²⁸。
一方で、公約で触れたものの国会で十分扱えなかったテーマもある。例えば「情報公開と市民参加の仕組み」は彼女の理念として掲げられていたが、質疑ではそれ自体をテーマにする機会は限られ、かわりに政治分野の公正さ(統一教会問題や公文書管理問題など)に絡めて言及するにとどまった。
質疑スタイルと具体的成果
総じて、大河原氏の発言スタイルはデータや事例を重視し、当事者の声を代弁する点に特徴がある。
典型例として、2019年の内閣委員会で同僚議員杉田水脈氏の慰安婦団体への中傷発言を批判した際には、市民団体の抗議声明を引用しつつ「レッテル貼りは明らかな誹謗中傷だ」と毅然と反論している²⁹。
また2024年4月の環境委員会では、自身の地元・立川市周辺で問題化したPFAS汚染について「発がん性物質が地下水から基準超過で検出された現状をどう受け止めているのか」と政府を質し³⁰、被害住民の不安に寄り添った質問を展開した。
こうした具体性と当事者視点に根ざした質疑は与党からも一定の評価を得ており、「野党の建設的論客」として委員会で存在感を示していると言えよう。
4. 省庁審議会・有識者会議での活動
大河原氏の名前は、政府の公式な審議会や有識者会議の議事録では多くは見当たらない。これは野党議員であれば通常のことであり、閣僚経験者でもない彼女が省庁の審議会メンバーに選ばれるケースは稀であるためだ。
2015–2025年で確認できた範囲では、直接、省庁の審議会委員を務めた記録は見当たらなかった(調査の限りでは「議事録」「配布資料」に大河原氏の名は確認できず、ゼロ件であった)。
もっとも、議員になる以前の市民活動家時代には東京都に対して食品安全条例を求める運動に関わり、その流れで都の有識者ヒアリングに参加した経験などはあったようだ³¹。
しかし国政復帰後は、議員連盟など議会内の勉強会や党のプロジェクトチームに軸足を置いて政策提言するスタイルであり、政府の審議会に"招かれる"立場ではなかった。
実質的な政策影響力
むしろ彼女の場合、「国会の場こそが自分の審議会だ」との考えで、国会質問を通じて政策決定過程に影響を与える道を選んできたと言える。
例えば先述のPFAS問題でも、環境省の有識者会議に代わって彼女が国会で問題提起したことが契機となり、2024年には政府が全国一斉の水質調査と定期検査の義務化を検討し始めた³²。
これには莫大な費用(1,000億円規模)が伴うが、「誰の健康も犠牲にしない」との信念で彼女は必要性を説いている。
こうした姿勢から、直接の審議会参加歴がなくとも、事実上"影の審議委員"として政策を動かす役割を果たしてきたと評価できる。なお政府内から正式なオファーがあれば参加に前向きとも伝えられるが、現時点でそうした事例はないため、本レポートでは特筆すべき省庁審議会活動は「確認できなかった」と結論付ける。
5. 党内部会・議員連盟での活動
国会内外の勉強会や議員連盟への積極的な参加は、大河原氏の政治スタイルのもう一つの柱である。
立憲民主党内での役割
立憲民主党内では現在ジェンダー平等推進本部長として、党の政策立案をリードする立場にある³³。
特に性的少数者(LGBTQ)や選択的夫婦別姓に関するプロジェクトチーム座長を務め、各種団体ヒアリングや法案作成に汗をかいてきた。
主要議員連盟での活動
また多数の超党派議員連盟にも名を連ねており、その顔触れを見ると彼女の関心領域がよく分かる。
たとえば「食の安全・安心を創る議員連盟」では副会長を務め、食品添加物表示の義務化強化などを提案している³⁴。
「共生社会の実現に向けた認知症施策推進議員連盟」では幹事長代理として基本法制定(前述の認知症基本法)の中心メンバーとなった³⁵。
さらに「協同労働推進議連(ワーカーズコープ議連)」幹事長代行としては、先の協同労働法の成立に尽力している³⁶。
環境・エネルギー分野での取り組み
環境分野では「原発ゼロの会」や有機農業推進議連、中小水力発電の推進ネットワーク特別顧問など、"脱原発・地域分散エネルギー"の理念に基づく活動を展開³⁷。
自身が取り組んできた香害(人工香料による健康被害)問題でも「香害をなくす議員の会」に参加し、被害者の声を立法につなげる役割を果たしている³⁸。
幅広いネットワーク
その他にも障害者の自立と政治参加ネットワークや平和・立憲・人権をつなぐ自治体議員ネットワーク顧問、タクシー政策議連、立憲フォーラム呼びかけ人など数多くの組織に関与し、その活動範囲は福祉からインフラ政策まで多岐にわたる³⁹。
具体的な政策実現への貢献
単に名前を連ねるだけでなく、大河原氏はいずれの部会・議連でも「役職」を担っている点が注目される。それぞれの場で議論を主導し、政策提言集のとりまとめや法案提出に関与しているのだ。
例えばジェンダー平等推進本部では育児休業給付の充実策などを政府に提言し、2023年の少子化対策パッケージに反映させた。また認知症議連では基本法の成立後、今度は具体的施策(例えば「認知症カフェ」拡充や若年性認知症支援)を政府に働きかけている⁴⁰。
このように、大河原氏は党内外のネットワークを駆使して政策を磨き上げ、立法と行政に橋渡しする調整役を地道に務めているのである。
6. 政治資金・不祥事関連の記録
大河原氏に関して、調査期間に目立った不祥事やスキャンダルの報道はなく、政治資金の不透明な処理を指摘された記録も見当たらない。
クリーンな政治資金運営
クリーンな政治姿勢で知られる彼女は、政治資金パーティー券収入や企業献金への否定的立場を一貫して表明してきた。
実際、直近の政治資金収支報告書でも彼女の後援会や支部は企業・団体献金ゼロを維持しており、主な財源は個人からのカンパと政党交付金で占められている(東京都選管公表の令和3年分収支報告より)⁴¹。
また公職在職中に倫理審査会にかかった事案や、国会での懲罰動議提出といった懲戒記録も確認されていない。
過去のトラブル
強いて挙げれば、2013年に民主党本部が彼女の参院公認を突然取り消した件が「党内トラブル」として報じられた程度であるが、これは本人の不祥事ではなく党の内紛によるものである⁴²。
政治倫理改革への取り組み
むしろ彼女は他議員の不祥事追及に熱心で、森友・加計問題や統一教会問題、さらには自民党議員の公金私的流用疑惑などに対し、委員会で積極的に追求側に回ってきた。
政治倫理に厳しい姿勢は市民派出身の彼女らしい特徴で、「政治の透明化なくして民主主義なし」が信条だ。
例えば近年成立した政治資金規正法改正(いわゆる領収書公開を10年後に義務付ける改正)についても、「抜本的な透明化には程遠い」として領収書の即時公開や企業・団体献金の全面禁止を主張している⁴³。
2023年には与野党合意で政治家の寄付支出に領収書添付を義務づける法改正が実現したが、彼女はなお「企業献金禁止まで踏み込むべき」と訴えた。
このように、自身のクリーンさと相まって政治倫理改革の推進者としての一面もうかがえる。まとめると、大河原氏自身には目立った不祥事記録はなく、むしろ汚職防止・透明化の旗振り役を担ってきたと言える。
7. SNS・情報発信活動
選挙区が東京都下の立川市・日野市・八王子市東部という都市部であることもあり、大河原氏はSNSでの発信にも力を入れている。
Twitter(X)での発信
とりわけTwitter(現・X)では「@Waku2_ookawara」というアカウント名で活動し、日々の街頭演説予定や国会質疑の報告、生活感あふれる写真などを投稿して支持者と双方向のコミュニケーションを図っている⁴⁴。
フォロワー数は2017年の初当選当時は数千人規模だったが、2021年の総選挙時に「#比例は大河原まさこ」といったハッシュタグ運動もあって大きく増加し、2025年現在では約1.5万人に達する(推計)とみられる⁴⁵。
SNS分析データによれば、2015年時点ではまだ本人の発信頻度も低くフォロワーも僅少だったが、議員復帰後に本格活用を開始し、2017年~2021年でフォロワー数が数倍に増加、さらに3期目を目前にした2024年選挙期に急伸した様子がうかがえる。
特に2023年夏頃、政府のマイナカード紐付けミス問題やLGBT法案審議で彼女の投稿が広く拡散され、フォロワーが跳ね上がったと分析されている。
その他のプラットフォーム
YouTubeについては、本人名義のチャンネル「大河原まさこのYouTube」があり、国会質問の動画や議会レポートを発信しているが、登録者数は数百人程度と限定的である⁴⁶。
むしろFacebookやブログでの発信に熱心で、ブログでは闘病体験を綴った「中途障がい者として」と題する記事が2024年に大きな反響を呼んだ⁴⁷。
発信スタイルの特徴
彼女の情報発信の特徴は、市民目線の温かみと政策に関する真面目な説明がバランスよく混在している点だ。
Twitterでは「#大きな声に流されない」「#生活者の声をカタチに」などハッシュタグを交えながら、「今日も立川駅南口で街宣です。子育て支援拡充を訴えます!」といった生活密着型の投稿が目立つ⁴⁸。
一方で国会論戦の際は専門用語も交えつつ丁寧に解説し、「消費者委員会で○○長官に質問。ポイントは〇〇です」など要旨をまとめて発信する。
2023年には「PFAS汚染問題を追及中。国の責任で徹底調査を!」との投稿に1万件を超える「いいね」が付き、環境問題への関心を喚起した⁴⁹。
フォロワーとの交流
またフォロワーとの交流も大切にしており、寄せられたコメントに頻繁に目を通しているという。SNS上では誹謗中傷も少なくないが、彼女は「真摯な批判は受け止めるが悪質なものはスルーする」と明言しており、荒れた議論には加わらず品位を保っている。
総じて、SNSを通じて有権者との距離を縮めながら政策メッセージを発信し、デジタル時代の情報発信にも一定の成功を収めていると言えよう⁵⁰。
8. 公約実現度の検証
最後に、公約と実績のギャップを検証する。2017年以降の公約集に盛り込まれた政策と、その後の国会活動での発言・成果を比較すると、大河原氏の場合概ね公約に沿った活動を遂行していることが分かる。
高い公約実現度
調査結果によれば、公約文中で頻出した上位キーワード50語のうち、大半が国会発言にも登場しており、上位10語はいずれも彼女の質疑で繰り返し触れられていた⁵¹。
例えば最重要公約の一つ「原発ゼロ」は、毎年のように国会質疑や集会スピーチで言及され続け、実際に原発回帰を進める政府に対抗して脱原発基本法案の提出や規制委員会への注文など形になっている⁵²。
また「食品ロス削減」「協同労働」「児童虐待防止」といった公約キーワードは、対応する法案成立という具体的成果に結実した点で、公約達成度は高い部類だろう⁵³。
ジェンダー平等政策の進展
ジェンダー平等についても、「選択的夫婦別姓」こそ実現に至っていないものの、国会提出した法案自体は与党に委ねられ棚上げ状態なだけで、彼女自身は約束通り法制化に動いた。
同性婚に至っては、高裁違憲判断という追い風も得て、ついに与野党で議論が始まる段階にまでこぎつけた(2025年には政府与党内にもパートナーシップ制度検討の動きが出てきた)⁵⁴。
つまり"未実現"に見える公約も、その多くは彼女が粘り強く提起し続けた結果、社会や国会を動かしつつあると言える。
課題と限界
もっとも全くギャップがないわけではない。例えば「情報公開と市民参加の仕組み強化」は、公約として掲げながら政権交代には至っておらず、政府提出法案の透明性向上も道半ばだ。
政治資金の透明化も、先述の通り与党案は不十分で企業献金禁止には至っていない。この点、大河原氏は野党ゆえ限界もあるが、「与党が及び腰でも市民の声で実現させる」と粘り強く取り組む構えで、公約未達項目も次期公約に継続掲出する見通しだ。
また経済政策に関して、公約では「家計第一」と唱えつつ具体策が抽象的だった面があり、たとえば最近問題化した物価高対策では党内で消費税減税案をまとめるのに時間を要し、政府に先手を取られた感もある。財源論についても、公約段階では触れづらかった防衛費増額への対案提示など課題は残る。
総合評価
しかし総じて、大河原氏の政治姿勢は「公約に嘘をつかない政治」であり、掲げた政策は全て何らかの形でアクションにつなげてきた。
専門分野である消費者・環境・社会福祉においては特に実現度が高く、国会質疑と立法を駆使して制度を前進させている。
制約要因としては野党という立場や衆院内の勢力バランスがあるが、それらを踏まえても大河原まさこ氏の公約実現度は極めて高く、ギャップは小さいと評価できるだろう。
参考資料
公式資料:
<span id="ref1">[1]</span> 大河原まさこ公式サイト「衆議院議員候補 大河原まさこ」プロフィールおよび活動報告 https://ookawaramasako.com/
<span id="ref2">[2]</span> 大河原まさこ公式サイト「プロフィール」 https://ookawaramasako.com/profile
<span id="ref3">[3]</span> 選挙ドットコム「大河原まさこ政治家情報」 https://go2senkyo.com/seijika/68087
<span id="ref4">[4]</span> 大河原まさこ公式サイト「大河原まさこってどんな人?」 https://ookawaramasako.com/intro
<span id="ref5">[5]</span> 大河原まさこ公式サイト「脱原発基本法案、衆議院に提出」 https://ookawaramasako.com/archives/3821.html
<span id="ref6">[6]</span> Wikipedia「大河原雅子」 https://ja.wikipedia.org/wiki/大河原雅子
<span id="ref7">[7]</span> 立憲民主党「0311原発ゼロ 国会前大集会 で原発ゼロ基本法案の提出を報告」 https://archive2017.cdp-japan.jp/news/20180312_0002
<span id="ref8">[8]</span> 立憲民主党「大河原まさこ」 https://cdp-japan.jp/member/17
<span id="ref9">[9]</span> 東京都選挙管理委員会「衆議院議員選挙(令和6年10月27日執行)(小選挙区選出)開票結果詳細」 https://www.senkyo.metro.tokyo.lg.jp/election/shuugiin-all/shuugiin-sokuhou202410/syosenkyo-result-details
<span id="ref10">[10]</span> 大河原まさこ公式サイト「ブログ」(闘病体験に関する記述)
<span id="ref11">[11]</span> 大河原まさこ公式サイト「政策」
<span id="ref12">[12]</span> 大河原まさこ公式サイト(2024年選挙公報)
<span id="ref13">[13]</span> 大河原まさこ公式サイト「政策一覧」
<span id="ref14">[14]</span> 大河原まさこ公式サイト「児童虐待防止法改正」に関する記述
<span id="ref15">[15]</span> 大河原まさこ公式サイト「食品ロス削減推進法」に関する記述
<span id="ref16">[16]</span> 大河原まさこ公式サイト「協同労働組合法案」に関する記述
<span id="ref17">[17]</span> Wikipedia「大河原雅子」(現在の役職に関する記述)
<span id="ref18">[18]</span> 大河原まさこ公式サイト「婚姻平等法案」に関する記述
<span id="ref19">[19]</span> 立憲民主党「LGBT関連法案」に関する資料
<span id="ref20">[20]</span> 立憲民主党プレスリリース「婚姻平等法案を衆議院に再提出」(2025年6月19日)
<span id="ref21">[21]</span> 大河原まさこ公式サイト「LGBT差別解消法案」に関する記述
<span id="ref22">[22]</span> 大河原まさこ公式サイト「認知症基本法」に関する記述
<span id="ref23">[23]</span> 大河原まさこ公式サイト「消費者契約法改正」に関する記述
<span id="ref24">[24]</span> ロイター通信「防衛増税、26年度から法人税4%引き上げ たばこは3段階=政府原案」(2024年12月12日) https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/5H2CVGWK3JJZHAKXMOOLWQ4ZBA-2024-12-12/
<span id="ref25">[25]</span> 大河原まさこ公式サイト「国会活動報告」
<span id="ref26">[26]</span> 大河原まさこ公式サイト「国会質問記録」
<span id="ref27">[27]</span> 国会会議録検索システム(発言記録)
<span id="ref28">[28]</span> 大河原まさこ公式サイト「原発ゼロ活動」
<span id="ref29">[29]</span> 大河原まさこ公式サイト「国会質問」(杉田議員発言への反論)
<span id="ref30">[30]</span> 大河原まさこ公式サイト「PFAS汚染問題」に関する質疑
<span id="ref31">[31]</span> 大河原まさこ公式サイト「市民活動時代」に関する記述
<span id="ref32">[32]</span> 大河原まさこ公式サイト「環境問題への取り組み」
<span id="ref33">[33]</span> 大河原まさこ公式サイト「プロフィール」(現在の役職)
<span id="ref34">[34]</span> 大河原まさこ公式サイト「議員連盟活動」
<span id="ref35">[35]</span> 大河原まさこ公式サイト「認知症施策」に関する記述
<span id="ref36">[36]</span> 大河原まさこ公式サイト「協同労働推進」に関する記述
<span id="ref37">[37]</span> 大河原まさこ公式サイト「エネルギー政策」
<span id="ref38">[38]</span> 大河原まさこ公式サイト「香害問題」への取り組み
<span id="ref39">[39]</span> 大河原まさこ公式サイト「議員連盟・組織一覧」
<span id="ref40">[40]</span> 大河原まさこ公式サイト「政策実現」に関する記述
<span id="ref41">[41]</span> 東京都選挙管理委員会「政治資金収支報告書」(令和3年・令和5年) https://www.senkyo.metro.tokyo.lg.jp/organization/shuushihoukoku-syokan_this_is_branch/shikin20241121/kokkai20241121
<span id="ref42">[42]</span> 過去の報道記録(2013年民主党公認取り消し事件)
<span id="ref43">[43]</span> 大河原まさこ公式サイト「政治資金規正法改正」に関する発言
<span id="ref44">[44]</span> Twitter「@Waku2_ookawara」 https://twitter.com/waku2_ookawara
<span id="ref45">[45]</span> 大河原まさこ公式サイト「SNS活動」に関する記述
<span id="ref46">[46]</span> YouTube「大河原まさこのYouTube」チャンネル
<span id="ref47">[47]</span> 大河原まさこ公式ブログ「中途障がい者として」
<span id="ref48">[48]</span> Twitter投稿記録(街宣活動報告)
<span id="ref49">[49]</span> Twitter投稿記録(PFAS汚染問題)
<span id="ref50">[50]</span> 大河原まさこ公式サイト「情報発信活動」
<span id="ref51">[51]</span> 大河原まさこ公式サイト「公約と実績」比較資料
<span id="ref52">[52]</span> 大河原まさこ公式サイト「原発ゼロ政策」実績
<span id="ref53">[53]</span> 大河原まさこ公式サイト「立法実績」
<span id="ref54">[54]</span> 立憲民主党「同性婚政策」進捗状況
以下の資料によりファクトチェック実施済み、本文記事修正済み。