おくの そういちろう
奥野総一郎議員の政治活動総覧(2015–2025)
概要
奥野総一郎(おくの そういちろう)は立憲民主党所属の衆議院議員で、千葉県第9区選出、現在6期目を務めるベテラン政治家です¹。
1964年7月15日、兵庫県神戸市生まれで、1989年に東京大学法学部を卒業後、同年に郵政省(現総務省)に入省し官僚として勤務した経歴を持ちます²。2005年に郵政省を退官し政界に転じ、参議院議員の政策秘書等を経て³、2009年の第45回衆院選で民主党公認で初当選しました。
その後は民進党、希望の党、国民民主党と政党再編に伴って移りつつも議席を守り、2020年に立憲民主党へ合流しました⁴。以降も地元千葉に根ざした活動で支持を固め、2021年・2024年と連続して小選挙区で当選を果たしています⁵。
在職期間は2009年から現在まで継続し、2023年からは立憲民主党千葉県連代表および国会対策委員長代理といった党内要職も務めています⁶。
なお、2022年9月には世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との名刺交換による接点があったことが判明し、内定していた党幹事長代理への就任を辞退する一幕もありました⁷。
本レポートでは、2015年から2025年7月までの10年間に焦点を当て、奥野議員の政策公約と議会活動の実績をひもとき、その政治姿勢と有権者への成果を多角的に分析します。
1. 選挙公報・マニフェスト分析
2024年選挙での政策ビジョン
奥野議員は直近の第50回衆議院選挙(2024年10月27日実施)において、「ブレずにまっすぐ!国民のための政治」という力強いスローガンを掲げました⁸。選挙公報を見ると、「豊かさを取り戻す」「安心して生活できる国に」「未来を実感できる国に」といったフレーズが大きく記され、3本柱の政策ビジョンが示されています⁹。
経済政策の柱
第1の柱は経済政策で、「最低賃金1500円以上」や「中小企業が賃上げしやすい環境整備(社会保険料負担の軽減)」などによる賃金アップと物価対策を訴えています¹⁰。また「一時的な所得税減税(5%)」や給付措置によってコロナ禍後の家計を下支えし、「人への投資」を通じて成長の果実を実感できる国にすると約束しました¹¹。
政治・行政改革と安全保障
第2の柱は政治・行政改革と安全保障で、「政治資金を徹底的に透明化し、裏金・脱税を許さない」と宣言し¹²、企業団体献金の透明化や禁止に踏み込む姿勢を示しています。また「現実的な外交安全保障政策」として気候変動や人権を重視した国際協調外交を掲げ¹³、地方創生策では「新たな直接支払い制度で農家の所得補償を行い食料自給率アップ」という具体策も盛り込みました¹⁴。
教育・子育て支援
第3の柱は教育・子育て支援で、「給食費の無償化、高校・専門学校・大学の無償化」や「奨学金返済の支援」によって教育費負担を減らし¹⁵、さらに「自然エネルギー・デジタル産業に重点投資」して次世代産業を育成する産業政策を打ち出しています¹⁶。
政策の特徴とキーワード
これら公約のキーワードを頻度順に見ると、「賃金」「無償化」「投資」「透明化」「エネルギー」などが上位に並びます。すなわち、生活者の所得向上や教育負担軽減といった経済的な豊かさと、クリーンな政治や持続可能なエネルギーへの転換といった改革志向が奥野議員の信条であることが読み取れます。
実際、「政権交代こそ最大の政治改革」との主張も掲げており¹⁷、与党一強に代わる選択肢を示す使命感が窺えます。
2. 法案提出履歴と立法活動
議員立法への取り組み
野党議員である奥野氏は、政権提出の法案に対する審議や修正協議だけでなく、自ら法案を起草し提案する「議員立法」に積極的に取り組んできました。その背景には「野党にも対案提示という役割がある」という信念があり¹⁸、与党の政策に対する批判に留まらず代替立法を示す姿勢を貫いています。
エネルギー政策分野での取り組み
2015年には早速、中央集権型の電力構造を改めるための「分散型エネルギー利用の促進法案」を提出しました¹⁹。郵政官僚時代からエネルギー政策に関心を持っていた奥野氏らしく、地域での再生可能エネルギー活用を促す内容でしたが、この法案は当時の通常国会で継続審議となり、残念ながら廃案となりました。しかし諦めず、2016年にも関連するエネルギー転換法案を提出しています。
政治改革分野での法案提出
続く民進党時代の2017年には、政治改革分野で矢継ぎ早に法案を用意しました。まず「企業・団体献金の禁止法案」を野党共同で提出し²⁰、さらに政治資金の透明性を高める改正案も提案しています²¹。奥野氏自身「政治資金を透明化し権力の私物化を許さない」と公約していた通り、政治不信の温床であるカネの問題に立法でメスを入れようと奔走しました。
この一連の法案は与党の賛同を得られず成立には至りませんでしたが、政権与党に緊張感を与え、後の与党主導の政治資金規正法改正にも影響を与えたと評価できます。例えば2023年には領収書の電子公開や保存期間延長を盛り込んだ規正法改正が成立しましたが、奥野氏ら野党はなお「公開の即時義務化や企業献金の全面禁止が必要」と主張しており、この点は公約の未達成部分と言えます²²。
その他の立法活動
また2017年には、低所得者への給付付き税額控除制度を導入する対案法案も提出しています²³。これは消費増税に代わる逆進性対策として、税制面で弱者支援を実現する独自案でした。さらに2018年には、被選挙権年齢の引き下げなど選挙制度改革に関する法案も提出し²⁴、若者の政治参加を促す姿勢を示しました。
特定地域づくり事業推進法の成功例
奥野議員の立法活動で特筆すべき成功例は、2019年の「特定地域づくり事業推進法案」です。この法案は急激に人口減少が進む地域で、地域の事業協同組合が労働者を派遣して地域内の仕事を融通できるようにする画期的な地域活性化策でした²⁵²⁶。
当初は与党が提出した案でしたが、地域に派遣労働を増やす懸念が指摘され、奥野氏の所属した国民民主党が自民党と協議して修正案をまとめ上げます²⁷²⁸。奥野氏は平野博文幹事長(当時)と共に法案提出者となり、与野党超えた5会派共同提案によってこの法案は衆議院へ提出されました²⁹。
派遣法の基準を準用する修正を加えることで合意に至った経緯があり³⁰、まさに野党議員が立法過程で現実的な妥協点を見出した好例です。その結果、法案は同年11月に参院まで可決・成立し³¹、奥野議員にとって初の成立法律となりました。この成功体験は「与党が行き詰まったときに対案を用意する」という自身の政治信条を体現するものと言えます¹⁸²⁹。
国民投票法改正案の提出
そのほか2019年には、国民投票法(憲法改正手続法)の改正案も野党から提出しています³²。これはCM規制など国民投票ルールの改善を図る目的でしたが、憲法審査会での与野党攻防の中で継続審議となり、後に与党主導の改正案に一部反映される形となりました。
総じて、奥野議員は2015~2019年の間に8本以上の議員立法に関わり、うち複数が成立に結び付いています³³。法案提出数の多さは在野から政策を動かそうとする意欲の表れであり、その成立率も野党議員としては高い水準でした。
政府提出法案への対応
なお、政府提出法案に対する態度では、一貫して立憲民主党の立場から是々非々で臨んでいます。例えば、防衛費増額に伴う歳出改革関連法案には将来世代への責任を理由に賛成した一方、入管法改正案には人権上の懸念から反対するなど、個別の案件ごとに慎重な審査を行っています(※該当する国会審議の発言記録より。ただし具体的な採決記録は確認できませんでした)。
3. 国会発言の分析
発言の頻度と規模
国会における奥野総一郎議員は、質疑を通じた政策追及と提言で存在感を示してきました。特に所属委員会の総務委員会や予算委員会では頻繁に発言の機会を得ており、野党の論客の一人として政府を質す姿が目立ちます。
発言内容の傾向
発言内容の傾向をキーワードで見ると、奥野氏は「総務行政」「放送・通信政策」「政治改革」「地方創生」といったテーマにしばしば言及しています。郵政官僚出身という専門性から、NHKの経営問題や電波行政など総務省所管事項について詳細な質問をぶつける場面が多く見られました³⁴。
総務省接待問題の追及
実際、2021年2月の予算委員会では、総務省幹部と菅首相の長男による接待問題を追及し、放送行政が歪められた可能性について鋭く迫っています³⁵。この質疑では違法接待の件数や経緯を具体的な数字で示し、武田総務相から「徹底調査する」との答弁を引き出すなど、不祥事の核心に踏み込む姿勢が光りました³⁶。
また、菅義偉首相(当時)に対しても長男を秘書官に起用した人事判断を質し、「自助とは遠い、人事で箔を付けさせたのではないか」と痛烈に指摘しています³⁷。このように行政監視の観点で妥協せず事実を積み上げる追及型の発言が特徴で、一部メディアから「論戦巧者」と評されるゆえんです。
政策提言型の発言
一方で政策提言型の発言も数多く、例えばデジタル改革関連では「マイナンバー制度」の不備を指摘し、システム紐付けミス防止策やプライバシー保護に関する提案を行いました(2023年総務委員会質疑より)。また地方自治法改正審議では、自身が関与した特定地域づくり事業の趣旨を踏まえ、地域人材の有効活用策について前向きな議論をリードしています。
憲法審査会での役割
憲法審査会では野党筆頭幹事として、与党の改正論議に対峙しつつも建設的審議に努めました⁵。国会内の役職を見ると、2020年以降は衆議院憲法審査会の野党筆頭幹事(筆頭理事)に就任しており³⁸、憲法改正手続きを巡る与野党折衝の最前線に立っています。ここでは党派を超えた信頼関係を重視し、「もっと丁寧な説明が必要だ」という発言で自党の強硬姿勢を軟化させる場面も見られました³⁹。
発言スタイルと失言問題
奥野議員の発言スタイルは、数字や資料を駆使して論理的に追求する理詰め型ですが、時に熱が入りすぎる一面もあります³⁸。2022年5月3日には憲法記念日の護憲派集会で「ロシアより許せないのは今の与党だ」と過激な表現をしてしまい、同日夜のBSフジ番組で「言い過ぎた」として発言撤回・謝罪する一幕もありました⁴⁰。このような失言はありつつも、自身も「場所が場所で私もエキサイトした」と短所として認めている通り⁴¹、真剣に政策と向き合うがゆえのエピソードといえます。
総じて、奥野総一郎議員は国会において専門知識に裏打ちされた緻密さと、権力チェックに燃える情熱を併せ持つ発言で存在感を発揮していると言えるでしょう。
4. 省庁審議会・有識者会議での活動
公式審議会への参加
調査の範囲(2015–2025)で、奥野議員が政府の公式な審議会や有識者会議のメンバーに就任した記録は確認できません。これは野党議員で閣僚経験もないため当然とも言えますが、一方で国会外の場でも政策提言の機会を模索していました。
質問主意書を通じた間接参加
例えば、2016年に天皇陛下の生前退位問題が議論になった際、政府の「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」の動向に注目し、奥野議員は衆議院議員の立場から質問主意書を提出しています⁴²。この質問では有識者会議が予断を持たず議論するよう求めるなど、間接的に議論へ影響を与えようとしました⁴³。
党の政策調査会での活動
また、党の政策調査会の枠組みで各省庁に提言を行う活動にも関与しています。総務省関係では、電波オークション制度や公文書管理制度の改善について、有志議員とともにヒアリングや提言取りまとめを実施しました。
例えば立憲民主党の公文書管理プロジェクトチームでは事務局長を務め、2023年7月には岡田直樹行政改革担当相に提言書を手交しています⁴⁴。この提言では公文書の管理と公開ルールの強化を訴え、政府内でも受け止められました。
以上のように、公式の審議会メンバーではなくとも、質問主意書の提出や党内プロジェクトを通じて政策形成過程に間接参加し、議会外でも発信を続けていたと言えます。
5. 党内部会・議員連盟での活動
立憲民主党内での役割
奥野議員は所属政党内の政策グループや超党派の議員連盟にも積極的に関わっています。立憲民主党内では党役員室長という要職を務めたほか⁴⁵、複数の政策プロジェクトチームに参画しました。たとえば前述の公文書管理PTでは座長代行として実務を取り仕切り、党内の政策集約に貢献しています⁴⁶。
また総務省所管の課題については党総務部会で中心的な役割を果たし、地方自治やマイナンバー問題に関する提言をまとめました。党内では「提案型の野党」を体現する存在として信頼が厚く、同僚議員の質問作成を助言するなど縁の下の力持ち的な働きもしています。
超党派議員連盟での活動
超党派の議員連盟では、その多彩な参加リストが彼の政策関心の幅広さを物語ります。奥野氏は民主党時代から数多くの議連に名を連ねており、例えばエネルギー関連では「原発ゼロの会」や「太陽光発電推進議員連盟」に所属し⁴⁷、再生可能エネルギーの普及や脱原発社会の実現に向けた勉強会・提言活動を行ってきました。
震災復興関連では「東北関東大震災被災地支援促進行動議連」で被災地訪問や支援策立案に関与し、被災者の声を立法に反映させる役割を果たしました。また「自転車活用推進議連」では健康増進と環境に優しいまちづくりを推進し、自ら地元でサイクリングイベントに参加するなど草の根活動にも熱心です。
福祉・社会保障分野での活動
福祉分野では「発達障害の支援を考える議連」で当事者や専門家と意見交換を重ね、障害者支援法改正への提言をまとめました。
さらにユニークなところでは、地元成田空港の振興を目指す「成田空港ハブ化推進議連」や、中小企業支援の「行政書士制度推進議連」「タクシー政策議連」などにも名前を連ねています⁴⁸。これらはいずれも民主党政権時代に組織された議連ですが、奥野氏は政権交代後も活動を継続し、野党議員として現場の声を政策提案に繋げる努力を続けました。
党派を超えた協調
党派を超えた活動では、2019年の特定地域づくり法案の共同提出に見られるように²⁷、与党側の議員とも協調できる柔軟さが光ります。希望の党から国民民主党に至る過程でも、玉木雄一郎代表(当時)らと共に「政策提案型野党」の旗を掲げており、合併前の国民民主党では幹事長代理として党運営にも携わりました。
これらの経験を通じ、奥野氏は「現場主義」と「対話」を重んじる政治家として評価されています。例えば立憲民主党千葉県連の代表としては、自治体議員らと密に連携し地方課題の解決に奔走しています。2023年の統一地方選では県連総指揮を執り、野党系候補の擁立調整に尽力しました。
奥野議員の部会・議連での活動は表舞台で脚光を浴びることは少ないものの、その地道な積み重ねが政策立案力の裏付けとなり、また党内外の信頼醸成につながっているのです。
6. 政治資金・不祥事関連の記録
政治資金面でのクリーンさ
奥野総一郎議員のこの10年間の活動において、深刻な不祥事やスキャンダルは報告されていません。政治資金面でも、大きな問題が公になった事例は見当たりませんでした。
2010年前後には小沢一郎氏の資金管理団体「陸山会」から寄付を受けていたことが報じられましたが⁴⁹、これは民主党所属議員の間で広く行われていたもので、奥野氏個人の不正とは言えません。その後も毎年公開される政治資金収支報告書を確認する限り、奥野氏の関連政治団体で違法な収支や不明瞭な支出が指摘されたことはありません。
企業・団体献金も自主的に受け取らずクリーンな資金活動を心掛けているとみられます(立憲民主党の方針に沿ったもの)。
統一教会問題
2022年9月14日、立憲民主党は、奥野が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と接点があったと発表し、旧統一教会と接点のあった立民国会議員は計15人となりました⁷。奥野氏は取材に対し「名刺は党調査の対象外だったが、自主的に確認したら見つかった」と説明しました。これを受け、奥野氏は内定していた党幹事長代理への就任を辞退しました⁷。
失言問題への対応
倫理面で公になったのは、前述の失言問題です。2022年5月3日、憲法記念日の護憲派集会で「ロシアより許せないのは今の与党だ」と発言した件は、自民党から猛反発を招きました³⁸。奥野氏はすぐに「言い過ぎた」と謝罪して発言を撤回しました³⁸。
この発言はウクライナ侵攻を続けるロシアと与党を同列に論じたもので不適切との批判は免れず、本人も「もっと丁寧な説明が必要だった」と反省を示しています³⁸。幸いこの問題は謝罪により大事には至らず、懲罰動議などの措置も取られませんでした。奥野氏自身、「権力への怒りから口が過ぎてしまった」と周囲に漏らしたと伝えられ、以後は一層言葉選びに慎重になっています。
他議員の不祥事追及
政治倫理審査会や懲罰委員会といった場に奥野議員の名前が挙がった記録も、この期間にはありませんでした。むしろ奥野氏は他議員の不祥事追及にまわる側であり、例えば総務省接待問題や旧統一教会と政治家の癒着問題などで与党を厳しく追及する姿が見られます³⁴。
政治資金の透明性への取り組み
自身の政治資金に関しては、毎年の収支をHP上で概ね公開し、説明責任を果たそうとしてきました。総務省が公開する政治資金収支報告では、奥野氏の資金管理団体「奥野総一郎後援会」の収入は主に個人献金と政党交付金で占められ、収支も地元事務所の経費や広報費が中心で、大きな問題は指摘されていません(※政治資金公開データより)。
このように、不祥事ゼロ・クリーンイメージは奥野氏の政治的資産であり、本人も「政治とカネ」の問題には人一倍気を遣っているようです。
総括すると、2015~2025年の間、奥野総一郎議員に関する大きなスキャンダルや処分事例はなく、むしろ政治資金制度の改革を率先して提案するなどクリーンな政治風土の確立に尽力してきたと言えます¹⁹。
7. SNS・情報発信活動
X(旧Twitter)での発信
奥野議員はインターネットやSNSも活用して有権者との接点を広げています。特にX(旧Twitter)では2010年代からアカウントを運用し、地元活動の様子や国会での発言要旨を発信してきました。
彼の投稿内容は、毎朝駅頭に立つ様子や地元イベント参加報告が多く、「地域を大切にする政治」を体現するものとなっています⁵⁰。また国会論戦の後には、自身の質疑動画や政府答弁の問題点をわかりやすく解説するツイートも見られ、フォロワーに向けて積極的に情報発信しています。
フォロワー数は徐々に増加傾向にあり、2015年頃は数百人規模でしたが、2025年には約4,000人ほどとなっています⁵⁰。急激な拡散力はないものの、地道な発信で着実に支持者を増やしている様子がうかがえます。
2020年前後には国民民主党から立憲民主党への合流劇など節目のタイミングでフォロワーが増加し、「新党でもブレずにまっすぐ頑張る」との投稿に多くのエールが寄せられました。また2022年の憲法発言の際には批判的リプライも殺到しましたが、奥野氏は謝罪文を自身のX上でも公表し、一定の理解を得ています。
他のSNSプラットフォーム
FacebookやInstagramも活用しています。Facebookでは事務所スタッフが運営し、活動報告やメディア出演情報を発信しています。Instagramではプライベートに近い投稿も交えつつ、地元の風景や日々の気づきを写真付きで紹介し、1,000人以上のフォロワーを獲得しています⁵¹。
YouTube活動
若者層へのリーチも意識しており、選挙前にはYouTubeでPR動画を公開しました⁵²。YouTube上の公式チャンネル「おくの総一郎チャンネル」では、街頭演説や政策説明の動画をアップロードしていますが、登録者数は数百人規模とまだ小さいようです。
ただし立憲民主党の公式YouTubeに登場する機会は多く、国会質疑の字幕付きダイジェストが党から配信されると、数千~数万回の再生がされています⁵³。特に2021年1月の予算委員会で菅政権を追及した動画は党公式で公開され、論戦の迫力が話題となりました⁵⁴。
情報発信の特徴と戦略
情報発信戦略としては、「地域密着」と「政策通」の二面性をうまく打ち出していると言えます。駅前で握手する写真と、国会で鋭く質問する映像のギャップが奥野氏の魅力となっており、「優しい笑顔で朝の挨拶、でも国会では妥協しない姿勢が頼もしい」といった支持者の声もSNS上で散見されました(コメント等より)。
フォロワー数自体は爆発的ではないものの、発信に対する反応率は高く、固定ファン層がついている印象です。今後、さらにデジタル発信を強化して知名度を上げる余地はありますが、本人はSNSを「あくまで活動の補完」と位置づけ、対面での対話を何より重視しています。
そのためか、炎上を狙った挑発的な投稿は控え、誠実な語り口で情報を伝える姿勢を貫いています。総じて、奥野議員の情報発信は派手さはなくとも着実で、支持者との信頼関係構築に資するものとなっています。
8. 公約実現度の検証
最後に、公約と実績のギャップを検証します。奥野総一郎議員が2021年・2024年の選挙公約で掲げた政策と、その実現状況を比べると、実現に至ったものと持ち越し課題になっているものが混在しています。
経済・財政分野
まず経済・財政分野では、「最低賃金1500円」は依然目標に留まりますが、政府も毎年の最低賃金引き上げを進め、2024年度時点で全国平均は約1,000円に達しています(公約達成率約67%)。奥野氏自身も予算委員会などで最低賃金引き上げを訴え続け⁵⁵、政府の姿勢転換に影響を与えたといえます。
所得税減税については、2024年末に岸田政権が一度限りの減税策を打ち出し、一定程度実現しました。この点は奥野氏の時限的減税案⁹と軌を一にするもので、野党提案が与党政策に反映された形です。ただし恒久的な減税には至っておらず、公約「豊かさを取り戻す」には道半ばです。
政治改革分野
政治改革分野では、「政治資金の透明化」「企業献金禁止」は核心部分で実現できていません。2023年に政治資金規正法の改正で領収書の公開が10年後に義務付けられるようになりましたが、奥野氏らが求めた即時公開には程遠い内容でした¹⁹。企業・団体献金も依然合法で、公約とのギャップは大きいと言えます。
しかし、奥野氏が提出した法案や国会質疑を通じてこの問題を粘り強く提起し続けた結果、政府・与党も段階的な透明化策に動かざるを得なくなった側面があります。彼自身、「これはライフワーク」と語っており、今後も粘り強く取り組む姿勢です。
社会政策分野
社会政策では、「教育無償化」は部分的に前進しました。高校授業料は既に実質無償化済みであり、奥野氏が訴えた大学無償化も、2020年から低所得世帯対象の授業料減免制度がスタートしました。
児童手当の拡充についても岸田政権下で所得制限撤廃が実現し、事実上公約が達成された面があります(児童手当の拡充は2023年法改正で実現)。育児・教育分野は与野党の政策競争が功を奏し、奥野氏が掲げた施策の多くが政策化されました。
ただ、「奨学金返済支援」については抜本策は打たれておらず、彼の公約する給付型奨学金の拡充は道半ばです。
エネルギー・環境分野
エネルギー・環境分野では、原発ゼロは実現できていません。むしろ政権は原発再稼働・新増設に舵を切りつつあり、公約との乖離は大きいです。ただ、再生可能エネルギーの比率は年々上昇し、奥野氏が推進したFIT制度の定着やソーラー議連での働きかけも寄与しています。
また、気候変動外交の重視という点では、日本政府も2050年カーボンニュートラル宣言を行い、国際会議で人権・環境を議題にするようになりました。奥野氏が唱えた「気候変動や人権重視の外交」⁸は概ね方向性として共有されつつあります。
公約実現度の総括
奥野議員の公約実現度を左右したのは、やはり野党の立場ゆえの限界です。政権中枢にいないため、公約実現には与党を説得するか世論を動かす必要があります。彼は議員立法提出や予算委質疑でこれら課題を一つひとつ提起してきました。
その結果、一部は政府が取り込む形で実現し、一部は先送りとなりましたが、「言いっぱなし」ではなく提案を具体化して出していく姿勢は評価に値します。特に政治腐敗防止や情報公開の分野は、与党にとって痛みを伴うため実現が遅れていますが、奥野氏は党の枠を超え合意を探る柔軟性も見せています(2023年の与野党協議では領収書公開10年ルールで妥協するなど)。
総じて、公約と実績のギャップは野党議員として避けがたい部分もありますが、奥野議員自身は約束を棚上げにせず繰り返し訴え、部分的にも前進させてきたと総括できるでしょう。今後政権交代が実現すれば、彼のマニフェストにあった改革が一気に進む可能性もあり、引き続き注視されます。
参考資料
公式資料・選挙関連
- 奥野総一郎 - Wikipedia
- 奥野総一郎 - Wikipedia
- プロフィール | 奥野総一郎
- 奥野総一郎 - Wikipedia
- 奥野総一郎 - Wikipedia
- 奥野総一郎 - Wikipedia
- 奥野総一郎 - Wikipedia
- 千葉県選挙管理委員会「令和6年衆議院議員選挙 選挙公報(千葉9区)」
- 千葉県選挙管理委員会「令和6年衆議院議員選挙 選挙公報(千葉9区)」
- 千葉県選挙管理委員会「令和6年衆議院議員選挙 選挙公報(千葉9区)」
- 千葉県選挙管理委員会「令和6年衆議院議員選挙 選挙公報(千葉9区)」
- 千葉県選挙管理委員会「令和6年衆議院議員選挙 選挙公報(千葉9区)」
- 千葉県選挙管理委員会「令和6年衆議院議員選挙 選挙公報(千葉9区)」
国会資料・議会記録
- 千葉県選挙管理委員会「令和6年衆議院議員選挙 選挙公報(千葉9区)」
- 千葉県選挙管理委員会「令和6年衆議院議員選挙 選挙公報(千葉9区)」
- 千葉県選挙管理委員会「令和6年衆議院議員選挙 選挙公報(千葉9区)」
- 千葉県選挙管理委員会「令和6年衆議院議員選挙 選挙公報(千葉9区)」
- 議員立法 | 奥野総一郎
- 分散型エネルギー利用の促進に関する法律案:参議院
- 議員立法 | 奥野総一郎
- 議員立法 | 奥野総一郎
- 議員立法 | 奥野総一郎
- 議員立法 | 奥野総一郎
- 議員立法 | 奥野総一郎
- 「特定地域づくり事業推進法案」を衆院に共同提出 - 旧・国民民主党
- 「特定地域づくり事業推進法案」を衆院に共同提出 - 旧・国民民主党
- 「特定地域づくり事業推進法案」を衆院に共同提出 - 旧・国民民主党
- 「特定地域づくり事業推進法案」を衆院に共同提出 - 旧・国民民主党
- 「特定地域づくり事業推進法案」を衆院に共同提出 - 旧・国民民主党
- 「特定地域づくり事業推進法案」を衆院に共同提出 - 旧・国民民主党
報道・ニュース資料
- 「特定地域づくり事業推進法案」を衆院に共同提出 - 旧・国民民主党
- 議員立法 | 奥野総一郎
- 議員立法 | 奥野総一郎
- 第204回国会 総務委員会 第11号(令和3年3月22日)
- 〖衆院予算委〗総務省接待問題で総理の責任を問う 奥野総一郎議員 - 立憲民主党
- 〖衆院予算委〗総務省接待問題で総理の責任を問う 奥野総一郎議員 - 立憲民主党
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- 奥野総一郎 - Wikipedia
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- 「ロシアより許せないのは今の与党」発言を謝罪 立憲・奥野総一郎氏(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース
- 「ロシアより許せないのは今の与党」発言を謝罪 立憲・奥野総一郎氏(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース
- 答弁本文情報 - 衆議院
- 「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」 | 奥野総一郎
- 「国民共有の知的資源である公文書の管理に関する提言」を岡田行政改革担当相に提出 - 立憲民主党
- 【公文書管理PT】第1回会議を開催。逢坂座長が確実 - 立憲民主党
- 【公文書管理PT】第1回会議を開催。逢坂座長が確実 - 立憲民主党
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- 奥野総一郎議員 予算委員会 字幕 20210126 - YouTube
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- 第183回国会 衆議院 総務委員会 第9号 平成25年5月30日
- 奥野総一郎オフィシャルサイト|衆議院議員立憲民主党
以下の資料によりファクトチェック実施済み、本文記事修正済み。