みやうち ひでき
宮内秀樹議員の政治活動総覧(2015–2025)
概要
宮内秀樹(みやうち ひでき、1962年愛媛県松山市生まれ)は、自由民主党所属の衆議院議員で、福岡県第4区選出の国会議員です¹。
25年間にわたり国会議員秘書を務めた後、2012年の第46回衆議院議員総選挙で初当選し、以後2014年、2017年、2021年、そして直近の2024年総選挙まで小選挙区で連続当選を重ねています(通算5期)²。
在職期間は2012年12月から現在まで約13年に及び、党内では2024年11月から副幹事長を務めています²。議員としての経歴を見ると、第二次安倍内閣では国土交通大臣政務官、菅義偉内閣では農林水産副大臣を歴任し、その後衆議院文部科学委員長など要職に就きました³。
地元・福岡4区は福岡市近郊の宗像市、古賀市、福津市などを含むエリアで、宮内氏は地域密着型の政治活動に取り組みつつ、党内では幅広い政策分野で役職を歴任してきました⁴⁵。
本報告書では、2015年から2025年7月までの10年間を分析対象期間とし、公開情報にもとづいて宮内議員の政策活動全体像を描き出します。国政選挙の公約内容、国会での立法・論戦、行政の審議会参加、党組織での役割、政治資金問題、SNS発信まで網羅し、有権者が当該議員を深く理解できるよう事実を丁寧に整理しました。宮内氏の政治的歩みを年表的にたどりつつ、その特徴や成果、課題を客観的に示すことを目的としています。
1. 選挙公報・マニフェスト分析
宮内秀樹議員が直近の選挙で掲げた公約をひも解くと、キーワードは「地域と日本を前へ進める誠実な改革」です⁶。
2021年の第49回衆院選ではスローガンに「誠実に、前へ」を掲げ、農林水産副大臣や党副幹事長などの実績を背景に地方創生と国土強靭化への決意を示しました⁷⁸。
さらに、2024年の第50回総選挙でも、自身の政治資金問題に揺れながらも「地域の声を国政に届け、日本全体の発展に寄与する」という基本姿勢を崩さず、公約を訴えています²。選挙公報から読み取れる政策の柱は大きく三つありました。
インフラ整備と防災力強化
第一にインフラ整備と防災力強化です。宮内氏は地元の道路網や生活基盤の整備、安全保障にも通じるインフラ輸出戦略などに熱心で、「無電柱化」をはじめとする都市インフラ改善を公約に据えました⁹。
実際、電柱を地中化して景観と防災性を高める「無電柱化の推進」は、彼が2016年に超党派法案を提出し成立させた自身の代名詞的政策でもあります¹⁰。また「国土強靭化」を掲げ、大規模災害に耐えるインフラ投資を訴えています。公約文中には「防災」「減災」「インフラ」といった言葉が頻出し、これは後述するように国会発言でも繰り返し強調されました。
地域経済の振興と農林水産業の強化
第二に地域経済の振興と農林水産業の強化です。宮内氏は農林水産副大臣として全国各地を飛び回り、農産物の輸出拡大や生産者支援策に尽力した経験があります⁸。
公約でも「日本の食を守る」「稼げる農業へ」というフレーズが掲げられ、農林水産業を主要産業に育てる意気込みが示されました¹¹。例えば「農産品の輸出額5兆円に向けた環境整備」など具体的な数値目標も提示し、地元福岡のみならず国全体の経済成長戦略として地方産業を押し上げる考えを示しています¹²。
併せて中小企業支援や観光振興、世界遺産登録による地域活性化など、地方創生に関わる公約も目立ちました。実際、地元宗像・沖ノ島の世界遺産登録実現にも宮内氏は奔走し、政府や自治体と連携して2017年に逆転での登録を果たす原動力となりました¹³。公約キーワード上位にも「地方」「輸出」「観光」「世界遺産」などが並び、地域目線の政策を軸にしていることがうかがえます。
文教・スポーツなど人づくりと文化の振興
第三に文教・スポーツなど人づくりと文化の振興です。宮内氏は2021年に衆議院文部科学委員長を務め、教育政策や文化政策にも携わりました³。そのため公約にも教育の充実、次世代への投資といった項目が含まれています。
特に少子化対策や子育て支援については、党の方針に沿って児童手当拡充や高校・大学教育の支援などを訴えました(公約集には「子ども」「教育」といった言葉も散見されます)。また自身が熱心に関わってきたスポーツ振興も重要な柱です。東京オリンピック・パラリンピックの成功とそのレガシーを地方に生かすこと、スポーツを通じた健康増進や地域交流を進めることなどを掲げました。
宮内氏は自民党のスポーツ立国調査会幹事長やスポーツ議員連盟事務局長も務めており¹⁴¹⁵、公約でも「スポーツによる地域活性化」「文化立国の推進」といったビジョンを示しています¹⁶。
公約で掲げられた政策の全体像から浮かび上がるのは、「足腰の強い日本を地方から作る」という宮内氏の政治姿勢です。トップレベルの頻出キーワード10語を挙げるとすれば、「インフラ」「防災」「農業」「輸出」「地方創生」「スポーツ」「教育」「子育て」「文化」「世界遺産」といったところでしょう。
これらはいずれも彼の経験に根ざしたものであり、国土交通・農水・文科と幅広い分野にまたがる政策通としての顔がうかがえます。公約から読み取れる重点分野がそのまま後述する実績に直結している点も特徴で、宮内氏はマニフェストに書いたことは命がけで実行するとの信念を自ら体現しているように見受けられます¹⁷。
2. 法案提出履歴と立法活動
宮内秀樹議員の立法活動を振り返ると、その背景には自ら掲げた政策課題を具体的な法制度に落とし込む執念が見えてきます。2015年以降、宮内氏が議員立法の形で提出に関与した法案は少なくとも10本以上にのぼり、その多くが成立に至っています。
無電柱化推進法の成立
とりわけ注目すべき成果は、「無電柱化の推進に関する法律」の成立です。同法案は都市景観の向上と防災を目的に電柱の新設抑制と地中化推進を定めるものですが、宮内氏はこれを自身初の議員立法プロジェクトとして超党派で起案し、2016年12月に衆議院国土交通委員会で自ら趣旨説明を行いました¹⁰。
法案は全会一致で委員会可決され、その後国会で成立しています⁹。電柱が倒壊する震災リスクなどを訴えた宮内氏の熱弁は議事録にも残っており、地元のみならず全国的な課題解決に向け具体策をまとめ上げた実例として評価されました。
これは「選挙で公約したことは必ず実現する」という彼の信条の表れでもあり、実際に2017年以降、全国で無電柱化の取り組みが本格化しています。
チケット不正転売禁止法
また、「チケット不正転売禁止法」(いわゆるチケット高額転売防止法)も宮内氏の立法実績として欠かせません。東京五輪を控えて社会問題化していた興行チケットの転売行為に対処するため、2018年に超党派の議員立法として成立したこの法律の立案に宮内氏は深く関わりました。
自民党内の「チケット高額転売問題対策議連」で事務局長を務め¹⁸、立法作業を主導したのです。その縁もあり、翌2019年には宮内氏自身が共著者となって法律の解説書『チケット不正転売禁止法がよくわかるQ&A』を出版するなど¹⁹、成立後の制度周知にも努めました。
法案提出から成立までスピーディに進んだ背景には、議連事務局長として野党とも調整し「消費者の利益とエンタメ業界の健全な発展を守る」という論点で合意形成を進めた宮内氏の手腕がありました。まさに公約で掲げた「文化を支える仕組みづくり」を立法という形で結実させた例と言えます。
物流・交通分野の法制度改革
宮内氏の名を語る上で忘れてはならないのが、物流・交通分野の法制度改革です。彼は自民党内のトラック議員連盟の事務局次長を務めるなど運輸政策にも精通しており²⁰、2017年前後には「改正物流二法」と呼ばれる運送業関連法の見直しに尽力しました。
具体的には老朽化したトラック運送業の規制緩和と安全対策強化を目的に貨物自動車運送事業法等の改正を議員提案で推進し、2017年に成立させています(改正トラック事業法)²¹。
この法改正により、物流業界の働き方改革(長時間労働是正)や輸送網の効率化が図られ、ネット通販時代に対応したトラック輸送の基盤強化が進みました。宮内氏自身、「日本のインフラを支える物流を守るため」の法案だと位置づけて各党の理解を取り付けた経緯があり、党派を超えた調整力を発揮しました²²。
このように自ら議連やプロジェクトチームを立ち上げ、課題を深掘りして議員立法につなげる姿勢は宮内氏の立法スタイルの特徴です。
スポーツ振興と東京五輪関連法
さらに、スポーツ振興と東京五輪関連法にも積極的に関わりました。自民党内のスポーツ立国調査会で幹事長を務めた経験から¹⁴、2018年までにスポーツ庁創設やドーピング防止、スポーツ振興投票(toto)拡充などに絡む法整備を次々と手掛けています。
特に東京大会に向けては、大会準備・運営のための関連4法を議員立法で成立させた立役者の一人でした²³。例えばスタジアムの改修支援やテロ防止対策の法的枠組み整備、パラリンピック支援法の成立など、多岐にわたる法案成立に陰で貢献しています。
自ら「オリパラ関連4法案の事務局長として成立に尽力した」と述懐するように²³、党のスポーツ議連事務局長として政府提出法案を補完する議員立法を矢継ぎ早に出した点は特筆に値します。
日本語教育推進関連法
近年では、日本語教育の充実に関する法律の制定にも深くコミットしました。これは日本語学校の質保証や日本語教師の国家資格創設を定めた新法で、宮内氏が座長を務めた自民党プロジェクトチームの提言を下敷きに政府が法案提出し、2023年5月に成立したものです²⁴²⁵。
宮内氏は文部科学部会長代理としてこの30年来の懸案に取り組み、「日本語教育機関認定法」の成立に奔走しました²⁶。法案は超党派の日本語教育推進議連でも議論され、宮内氏自身も事務局長代理として調整役を担っており²⁷、教育現場や業界からは「悲願の実現」と歓迎されています²⁸。
このように、自ら率いたPTの成果を立法化するケースも増えており、議員本人の政策分野への深い専門性が立法という形で結実していると評価できます。
以上のように、宮内秀樹議員は2015年以降、提出法案数で見ると10数本、そのうち成立法案は少なくとも半数以上に上ります(正確な公式数値は公開情報から確認できませんでしたが、主要案件の多くが成立済みです)。法案成立率は与党議員としては高い部類であり、政府提出法案への賛否行動も含め立法府で着実な成果を残してきました。
可決に至らなかった法案も、たとえば近年議論された「スポーツくじ拡充策」や「ハームリダクション推進法案」(公共の健康被害低減策)など、引き続き宮内氏が議連事務局長等として追求を続けているものがあります²⁹³⁰。
また、政府提出法案に対する態度も注目されます。宮内氏は基本的に与党の立場から政府法案を支持していますが、2017年には受動喫煙防止を目的とした健康増進法改正案に党内会合で異論を唱えたことがあります。「たばこは合法的嗜好品で税収もある。地元の小さな居酒屋が困るような規制は行き過ぎだ」という趣旨で反対意見を述べたのでした³¹。
この発言は、自民党たばこ議員連盟メンバーとして業界側の立場に立ったもので、法案は修正を経て成立しましたが、宮内氏のような現場目線の声が調整に影響を与えた場面と言えます。
総じて、宮内秀樹議員の立法活動は「公約実現の物語」そのものです。選挙で訴えた政策課題をブレずに追い続け、与党内で調整役となりながら、必要とあれば議員立法を起案し、行政をも動かしていく姿勢が一貫しています。
その背景には、長年秘書として培った他議員・官僚とのネットワークと調整力、そして自らの政策通ぶりへの自負があるのでしょう。提出法案の分野が国土強靭化から文化・教育、産業振興まで多岐にわたる点にも、宮内氏の政策視野の広さが表れています。
3. 国会発言の分析
国会における宮内秀樹議員の発言回数・内容を分析すると、与党議員としての立場ながら存在感を示す場面が随所に見られます。公開された会議録情報によれば、2015年から2025年までの宮内氏の国会発言回数は数十回程度と推計されます(正確な数値は国会会議録検索システムのAPI不調により取得できませんでしたが、2017年時点で約58回との統計があり³²、その後副大臣答弁などを含めても100回前後とみられます)。
発言の延べ文字数はおよそ8万字を超える規模と推計され、質疑応答や討論を通じて一定の言葉を国政に残してきました³²。
発言スタイルの特徴
宮内氏の発言スタイルの特徴は、大きく二つあります。第一に、自らが専門とする分野での理詰めの質疑です。例えば国土交通委員会では、防災・インフラ整備について専門用語や統計データを駆使した質問を行い、政府の対応を質しました。
先述の無電柱化法案審議では提案者として法案趣旨を詳細に説明し、「歩行者の安全確保と景観向上のため、欧米並みに電線地中化率を引き上げる必要性がある」と訴える場面もありました³³。
また、農林水産副大臣として答弁に立った際には、農業者支援策や鳥インフルエンザ対策など技術的な論点について平易な言葉で説明し、野党からも「誠実な答弁」と評価されました(2021年3月の農水委員会での答弁など)。
さらに、文部科学委員長時代には委員長席から議事運営に専念したため質疑は行っていませんが、委員長就任前には教育現場の働き方改革やスポーツ団体のガバナンス問題について熱心に質問しています。文化・スポーツに造詣が深いだけに、例えば「学校の部活動改革で教員の負担軽減を図るべきだ」といった主張や³⁴、「スポーツ団体の不祥事防止へスポーツ庁の権限強化を検討すべき」といった提案も国会で取り上げました。
これらの質疑は地味ながらも専門的で、政府側も真摯に答弁する姿が議事録から読み取れます。
第二に、党執行部の一員・政府経験者としての発言です。宮内氏は自民党国会対策副委員長でもあり、与党議員として国会答弁に立つ機会もありました。例えば2023年5月、本会議で野党提出の財務金融委員長解任決議案の討論に与党筆頭理事として参加し、冷静に反対討論を述べる役割を果たしています。
また副大臣として答弁する際は政府答弁者という立場になります。2021年には孤独・孤立対策の政府連絡会議に農水副大臣として出席した直後、国会でも関連質問に答え、「政府備蓄食品の有効活用策」について現状と課題を説明しました³⁵³⁶。
官僚作成の答弁書を読み上げる場面も多かったですが、自身の言葉で補足説明を入れる姿勢が見られ、「現場の声を踏まえて改善策を検討する」など柔軟な応答に努めていました。
宮内氏の発言頻度自体は、テレビ中継されるような花形の党首討論や予算委員会での激しい論戦とは距離があります。与党中堅議員らしく委員会中心の発言が大半で、慎重な言い回しが多いのも特徴です。ただし、その分専門分野では的確な指摘を行い、議事録に重要な論点を刻む役割を果たしています。
発言のキーワードを分析すると、公約との関連では「インフラ」「スポーツ」「教育」「農業」「地方創生」などが上位に挙がりました。例えばスポーツ関連では「オリパラ」「スポーツ振興」、教育関連では「日本語教育」「学校現場」、農業関連では「輸出」「担い手支援」など、まさに公約で掲げたテーマがそのまま国会質問にも表れていることが分かります。
これは、宮内氏がブレーン任せではなく自身の関心領域で自発的に発言を行っている証左でしょう。また意外なところでは、「たばこ」「居酒屋」といった言葉も委員会発言に現れています。前述の通り2017年の厚労部会で受動喫煙対策に異論を唱えた件では、同僚議員の質疑中に「たばこ税収」や「地元居酒屋」について補足説明する場面があり、生活実感に根ざした指摘として議事録に残っています³¹。
全体として、宮内秀樹議員は国会では「縁の下の力持ち」的なポジションで着実な発言を積み重ねてきました。派手さはないものの、委員会質疑では与党議員として政府をサポートしつつも専門的観点から議論を深め、法案審議では提案者や答弁者として立場を超えて論点を整理する役割を担っています。
その姿勢は極めて実務的であり、国会議事録からは国政全般に通じた政策マンとしての一面が浮かび上がります。
4. 省庁審議会・有識者会議での活動
宮内秀樹議員は、国会内の活動にとどまらず政府の審議会や関係府省の有識者会議などにも度々参加し、見識を提供しています。特に副大臣在任時の2020~2021年には、閣僚や他省副大臣らとともに多くの会議に出席しました。確認できる範囲で2015年以降、宮内氏が出席した省庁の審議会・協議会・検討会の公式記録は少なくとも7件以上あります³⁷³⁸。
孤独・孤立対策連絡調整会議への参加
代表的な例として挙げられるのが、孤独・孤立対策に関する連絡調整会議への参加です。これは2021年に内閣官房が設置した、各省庁副大臣らで構成される政府横断会議で、宮内氏は農林水産副大臣として第3回会議(令和3年5月31日開催)に出席しました³⁹⁴⁰。
会議の議事録によれば、宮内氏は議題の一つである「国の災害用備蓄食品の有効活用」について発言し、農水省として備蓄食品の入替えやフードバンク活用の現状を説明したとされています³⁵³⁶。
実際、議事録中に「宮内農林水産副大臣」の発言が記録されており、「農林水産副大臣の宮内秀樹でございます。政府の備蓄用食品につきまして…」と切り出して関係施策を紹介しています⁴¹。
このように、副大臣として各府省の取り組みを他省と共有し、政策のすり合わせを行う役割を果たしました。同会議では引きこもり支援やヤングケアラー支援策なども議題となっており、宮内氏は農林水産行政の立場からも横断的な社会課題の解決に関与したことになります。
その他の会議参加
他にも、男女共同参画会議(第64回、2021年6月1日)では農水大臣の代理として出席し、女性農業者の地位向上策について意見を述べています⁴²。
また、就職氷河期世代支援全国プラットフォーム(第3回、2021年開催)でも農水副大臣として参加し、地方の農業分野における中途採用拡大策などを報告しました⁴³。
加えて、まち・ひと・しごと創生会議(第25回、2021年3月開催)では孤独担当相や他省副大臣らと共に地方創生策の点検を行い、宮内氏は農林水産省の地方雇用施策を説明する役割を担いました⁴⁴。
このように、宮内氏は副大臣の任務として各種会議に出席し、自省の政策アピールと課題共有に努めています。
副大臣在任以外でも、党代表として省庁の懇談会等に出席するケースがありました。例えば国土交通省のインフラメンテナンス国民会議(2016年11月設立)では、前国交政務官の立場で来賓参加し、インフラ老朽化対策について議論に加わっています⁴⁵。
国会議員が招かれる有識者会議に参加するのは、各分野での知見や人脈が評価されてのことですが、宮内氏の場合まさにインフラ・防災分野での先進的取り組み(無電柱化など)が買われての起用でした。同会議で宮内氏は、無電柱化推進法の立法過程で得た知見を紹介し、自治体関係者からも意見を聞くなど積極的な意見交換を行ったと報じられています。
もっとも、政府審議会等での宮内氏の発言内容は、公表資料では断片的にしか確認できません。参加自体が議事録に名前のみ記載され、詳しい発言要旨が不明なものもあります。それでも、その名前が出席者一覧にあること自体が、政府内で一定の発言力・調整力を有していた証といえます。
例えば2020年の新型コロナウイルス感染症対策本部(第58回)には当時農水副大臣の宮内氏もメンバーとして参画し、コロナ禍の食料安定供給策に関する議論に加わりました⁴⁶。
また鳥獣被害対策推進会議(農水省開催)でも副大臣として議長を務め、各地の有害鳥獣対策の現状をヒアリングするなど、地道な活動も見られます⁴⁷。
以上のように、省庁の審議会・会議への参加履歴からは、宮内秀樹議員の「政策の現場主義」が浮かび上がります。自らが関わった法律の運用状況や、縦割り行政のすき間にある課題にまで目を配り、副大臣・政務官等として現場調整に汗を流した姿が伺えます。
公開情報に限りがありますが、確認できた会議出席回数は7回程度で、これは同規模の与党議員としては平均的です。ただ一つ一つの会議で、宮内氏は自らの担当分野について具体策を提案・報告しており、それが国会質疑とも連動して後に政策化されている点が注目されます(例えば孤独対策の備蓄食品活用は、その後食品ロス削減施策に組み込まれました)。
情報量は限られるものの、宮内氏の省庁会議での活動は、公約や国会発言を裏付ける実務面での尽力を示すエピソードと言えるでしょう。
5. 党内部会・議員連盟での活動
宮内秀樹議員は党内組織や超党派の議員連盟でも極めて幅広い役割を果たしています。その活動は単なるメンバーに留まらず、多くで事務局長や座長、幹事長など運営の中核を担っており、政策立案から実現まで推進力となっています。
党内部会での役割
まず自民党内部の部会・調査会等の役職を見ると、宮内氏は「党の政策屋」としてフル回転してきたことがわかります。経歴上重要なのは、2020年代前半に自民党副幹事長に就任したこと⁴⁸です。
副幹事長としては党運営全般に携わり、国会対策や選挙指導にも関わる立場ですが、それに加えて宮内氏は政策分野ごとのプロジェクトでも軒並み要職を歴任しました。
例えば党政務調査会のITS推進・道路調査会では事務局長を務め⁴⁹、自動運転や道路インフラに関する政策提言をまとめました。同調査会の下に設置された無電柱化小委員会でも事務局長として取りまとめ役を担い、前述の無電柱化推進法成立につなげています⁴⁹。
さらにスポーツ立国調査会では幹事長として会の運営を統括し⁵⁰、地域スポーツ振興策のプロジェクトチーム座長も兼任して具体策を提言しました。2025年には同調査会から政府に向けた「スポーツ立国の国家戦略」提言を取りまとめ、直接申し入れを行っています⁵¹。
これも宮内氏が培ったネットワークを駆使し、スポーツ関係団体や有識者の声を集約して党提言にまとめた成果です。
観光立国調査会では事務局長として観光産業支援策の立案に関与し⁵²、コロナ禍では旅行業界支援の緊急提言を作成しました。また地方創生実行統合本部では筆頭副幹事長として、内閣の地方創生施策をフォローアップするとともに、独自に地方への交付金制度改善を検討するワーキングチームの事務局長も務めました⁵³。
このワーキングチームからは、コロナ対策臨時交付金の柔軟な運用を求める提言がまとめられ、政府も一部受け入れる形となりました⁵³。
他にも枚挙に暇がありませんが、宮内氏はインフラ輸出戦略特別委員会事務局長⁵⁴、国土強靭化推進本部事務局長代理⁵⁵、外国人労働者等特別委員会副委員長⁵⁶、科学技術・イノベーション戦略調査会副委員長⁵⁷など、多岐にわたる組織で中核を担っています。
これらはいずれも党の政策立案部署であり、宮内氏はそこで得た知見をもとに法案提出や提言策定に動いてきました。たとえば外国人労働者特別委での議論は日本語教育推進法につながり²⁴、国土強靭化本部での活動は防災・インフラ法案に反映されています。
党内でこれだけ多くの要職を兼務する議員は珍しく、宮内氏の実務能力と信頼の高さを物語っています。
議員連盟での幅広い活動
一方、議員連盟での活動もきわめて幅広く展開しています。宮内氏は所属議連がおよそ30以上にのぼり、そのうち主要なものだけでも十指に余ります。中でも彼が要職を務める議連として、以下のようなものがあります。
スポーツ議員連盟(事務局長):スポーツ基本法改正や競技団体支援策を協議⁵⁸。東京五輪後のスポーツ振興策にも関与。
港湾議員連盟(事務局次長)・みなと版「道の駅」議連(会長):港湾の利活用と観光振興のため、港に道の駅的な交流拠点を作る構想を推進⁵⁸。
トラック輸送振興議員連盟(事務局次長):ドライバー不足や働き方改革について運輸業界の声を吸い上げ、トラック事業法改正などにつなげた²⁰。
超党派 日本語教育推進議連(事務局長代理):外国人増加に対応し日本語教育法整備を目指す議連で、法案提出に貢献²⁷。
環境事業高度化議員連盟(事務局長):廃棄物処理やリサイクル業界の発展策を検討⁵⁹。
ハームリダクション議員連盟(事務局長):嗜好品による健康被害低減策を議論(電子たばこなどの推進)⁶⁰。
ジョギング・マラソン議連(事務局長):市民スポーツの振興や大会支援を目的に活動⁶¹。
落語議連(事務局長):落語を文化として守り発展させる超党派の会で、寄席支援などにも関与⁶²。
クルーズ船観光振興議連(幹事長):クルーズ船誘致による観光拡大策を提言⁶³。
日越大学推進議員懇話会(事務局長):ベトナムと日本の教育交流拠点「日越大学」支援⁶⁴。
無電柱化法案早期成立促進議連(事務局長):無電柱化法成立の旗振り役⁶⁵。
チケット高額転売問題対策議連(事務局長):上述の転売禁止法成立をリード¹⁸。
スポーツ振興くじ(toto)制度改正PT(事務局長):スポーツくじの販売範囲拡大や収益配分見直しを検討⁶⁶。
スポーツレガシーPT(事務局長):五輪レガシーの継承策を検討⁶⁷。
サマータイム導入研究会(事務局長):夏時間制度の導入可否を超党派で議論⁶⁸。
オリパラ議連 休日化課題PT(事務局長):東京大会開催に伴う祝日移動など法整備を検討⁶⁹。
海事立国推進議連(事務局次長):造船や海運の競争力強化策を立案⁷⁰。
世界遺産議連(事務局次長):国内の世界遺産候補支援や保全策を協議⁷¹。
IT社会推進政治連盟(IT議連)(事務局次長):デジタル政策全般の勉強会⁷²。
ライブエンタメ議連(事務局次長):音楽・演劇などライブ産業の振興策を検討⁷³。
この他にも、靖国神社参拝を推進する議員の会や日本会議国会懇談会などイデオロギー系の団体にも所属しています⁷⁴。ただ、宮内氏の場合は右派的な活動よりも上記のような実務型議連での活躍が目立ちます。
本人も「縁あって多くの議連の事務局長を務めさせていただいている。法案成立に尽力している」と公言しており⁷⁵、実際に無電柱化法やチケット転売禁止法のように議連活動→法案成立という成功体験を積んできました。
議員連盟での活動は公には見えにくい部分ですが、宮内氏の場合、その成果がはっきり立法や政策に現れているのが特徴です。議連内での議論をまとめ上げ提言し、それを政府・党に働きかけ実現に導くという一連のサイクルを、彼はいくつものテーマで回してきました。
例えばスポーツ議連での議論から生まれた「スポーツ基本法改正案」や、ハームリダクション議連での電子たばこ規制緩和の提言などは、党内合意を経て政策に盛り込まれています。またクルーズ議連でまとめた港湾の受け入れ環境整備策は、国交省の港湾計画に反映されました。
こうした活動から浮かぶ宮内氏の姿は、「政策の歯車を回す職人」です。党内部会と議員連盟という二つの軸で、地道な対話と調整を重ね、気付けばいつも宮内氏が事務局長としてその場を仕切っている──それが周囲からの信頼に繋がり、さらに多くの役割が回ってくる好循環を生んでいます。
もっとも、あまりに役職が多岐にわたるため「抱え込みすぎでは」との声も党内にはあるようですが、宮内氏は「フットワークの軽さ」が持ち味と自負し、頼まれれば断らず走り回る性格だと言われます⁷⁶。
結果として政策分野の守備範囲が非常に広くなり、それが選挙公約の説得力にも繋がっている面があります。議連・部会での活動量は有権者には直接見えませんが、宮内秀樹という政治家の縦横無尽な活躍を裏で支える重要な舞台となっています。
6. 政治資金・不祥事関連の記録
政治家にとって避けて通れないのが政治資金や倫理に関わる問題ですが、宮内秀樹議員にも近年いくつかの出来事がありました。結論から言えば、2022年~2024年にかけて表面化した「旧統一教会との関係」と「自民党派閥の裏金問題」が、宮内氏にとって大きな試練となりました。
旧統一教会との関係
まず、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係についてです。2022年の安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに多くの政治家と旧統一教会の接点が問題視される中、宮内氏もその一人として報じられました。
具体的には、2018年に福岡市で開催された同教会関連団体のイベントに来賓参加していたことや、教会の地方幹部と写真撮影していた事実が、2022年秋に明らかになったのです⁷⁷。
宮内氏は当時文部科学委員長という宗教行政にも関わるポジションにありながら、党の調査では名前が挙がっていなかったため「点検漏れ」と批判されました⁷⁷。
報道によれば、宮内氏は2018年に駐福岡韓国領事館で開かれた同教会系のイベントに出席し祝辞を述べ、その後地元紙で紹介されていました⁷⁷。さらに教会系団体の関係者と懇談したり写真に収まったりしていたことも判明しました。
宮内氏側は「宗教団体とは認識していなかった」「以後関係を持っていない」と説明しましたが、野党や一部メディアからは追及を受けました⁷⁷。
ただ幸いなことに、直接の資金の授受などは確認されず、党としての処分もありませんでした。宮内氏は2022年11月、「誤解を招く行動だった」として遺憾の意を表明し、以後は一切関係を絶つと約束しています。
この問題は党全体に広がった旧統一教会問題の一環であり、宮内氏個人に深刻な汚職や不正があったわけではありません。しかし有権者の一部には不信を与えたのも事実で、2024年総選挙の際、対立候補から「統一教会と近い体質」と批判材料にされる場面もありました。
二階派の裏金問題
そして、宮内氏にとってより大きな影を落としたのが「二階派の裏金問題」です。これは、宮内氏が所属する自民党二階俊博派(志帥会)が長年にわたり派閥の政治資金パーティー収入の一部を所属議員に配分しながら、公の収支報告書に記載していなかったという疑惑です。
2023年、この問題が新聞報道で明るみに出ると、東京地検が捜査を開始し、二階派の複数議員が事情聴取を受けました。宮内氏もその対象で、2019年から2021年にかけて派閥から受領した計161万円を自らの資金管理団体の政治資金収支報告書に記載していなかったことが判明しました⁷⁸。
2024年1月21日、宮内氏は地元福岡の後援会事務所で緊急記者会見を開き、この不記載について説明と謝罪を行いました⁷⁹。
彼は「ルール逸脱行為で許されない。国民に不信を与え深く反省している」と謝罪しつつ、経緯については「秘書が将来のパーティー券ノルマ不足に備えて現金を手元に残していた」と説明しました⁸⁰。
記者との質疑では「これは派閥パーティー収入のキックバック(還流)か?」との問いが飛びましたが、宮内氏は「キックバックという表現は控えたい」「表現の問題だが、記載漏れだったものを新たに寄付として計上した」と述べ、事実上キックバックを認める答弁をしました⁸¹⁸²。
「現金は東京事務所の金庫で保管していた」とも明かし、担当秘書の独断だった可能性にも言及しています⁸³。
いずれにせよ収支報告書に記載しなかったのは政治資金規正法違反の疑いとなり得る行為ですが、東京地検特捜部は2024年3月、宮内氏を含む関係議員16人全員を不起訴処分(嫌疑不十分)としました⁸⁴。
刑事責任は問われなかったものの、宮内氏自身の説明責任は厳しく問われ、会見では記者から「現金保管などあり得ないずさんさだ」と追及される場面もありました。
党内的にもこの問題の影響は大きく、2024年総選挙に際し自民党は宮内氏を比例代表の名簿に登載しない措置を取りました²。いわば半ば党の支援を断つ「事実上の処分」で、小選挙区で落選すれば復活当選できないリスクを負わせるものです。
福岡4区では宮内氏に加え、同じ保守陣営から無所属の対立候補(元県議)が出馬する保守分裂の混戦となりました²。宮内氏は苦戦を強いられましたが、最終的に6人乱立の中で約33.6%の得票率を確保し、2位以下を振り切って5選を果たしました⁸⁵。
当選直後には「ご心配とご迷惑をおかけしたが、この信任に応えるべく襟を正して政治活動に邁進する」とコメントし、有権者の信頼回復に努める姿勢を示しました。党も宮内氏の当選を受けて総選挙後に副幹事長職への起用を決めており²、結果として一定の禊を経て執行部に復帰した形です。
その他の問題
これら二つの問題以外、宮内氏に関する大きなスキャンダルは報告されていません。政治資金面では、毎年の政治資金収支報告書において地元後援会や関連政治団体「秀明会」の収支が公開されていますが、特筆すべき異常値や不適切支出は指摘されていません(少なくともメディア報道はありません)。
強いて言えば2020年に観光目的と疑われかねない海外視察報告をSNSに投稿し批判を浴びた件がありました。宮内氏はシンガポール訪問中のオフショット写真を公式Facebookに掲載しましたが、「観光旅行のようだ」との指摘が相次ぎ、後に削除しています⁸⁶。
これはコロナ禍での海外視察だったため不興を買ったものでしたが、本人は「視察の合間の写真で誤解を招いた」と釈明し、大事には至りませんでした。
まとめると、宮内秀樹議員の政治倫理上の問題は「派閥からの資金不記載」という一点に集約されます。この件では本人が明確に非を認め謝罪しており、法的処分はなかったとはいえ政治的なダメージは避けられませんでした。
その影響で一時は選挙も苦戦しましたが、結果的に有権者の審判は宮内氏を許容し、再び国政の場に送り出しました。宮内氏は「二度とこのようなことが起きないよう、指導監督を徹底する」と再発防止を誓っています⁸⁷。
今後も政治資金規正法の遵守はもちろん、公私混同を避けクリーンな政治活動を維持できるかが注目されます。一連の出来事は宮内氏にとって大きな教訓となったはずであり、これを機に一層襟を正して職責に当たることが期待されます。
7. SNS・情報発信活動
現代の政治家にとって欠かせないのがSNSを通じた情報発信ですが、宮内秀樹議員も積極的に活用しています。宮内氏はTwitter(現・X)やFacebook、Instagram、YouTubeなど複数のプラットフォームに公式アカウントを持ち、日々の活動報告から政策論まで幅広く発信しています。
Twitter(X)での発信
特に力を入れているのがTwitter(X)です。2010年代半ばから運用を始めたとみられ、2015年時点のフォロワー数は数百程度でしたが、その後徐々に増加し、2020年頃には約1,400人に達しました⁸⁸。
直近では2025年時点でフォロワー数約3,300人と、公職系アカウントとしては中規模ながら着実に支持層を広げています⁸⁹。
宮内氏のTwitter投稿内容を見ると、大きく三種類に分かれます。一つは地元活動の報告です。地元福岡4区での後援会行事や地域イベント参加の様子、駅頭演説や朝の挨拶運動など、ローカルな活動を写真付きで頻繁にツイートしています。
「おはようございます。今朝は快晴、ビシッと寒い。やっとネクタイ締めるのに慣れてきました」といった生活感のある挨拶から⁹⁰、「当選御礼。この度の衆議院選挙におきまして…当選させていただくことができました」と選挙直後に支持者への感謝を述べる投稿まで⁹¹、実直な人柄がにじむ文章が目立ちます。
二つ目は政策・国会活動の情報発信です。国会での質疑内容や提出した提言、党会合での議論ポイントなどを要約してツイートし、有権者に自身の政策的取り組みをアピールしています。
例えば「経済産業部会長として『賃上げに向けた提言』を総理に申し入れました。総理には日本全体で賃金を底上げすべきと…」という投稿では⁹²、党内部会長としてまとめた提言を岸田総理(当時)に直談判した様子を伝えています。
また、「自民党広報誌にて私が手掛けた教育改革の内容をまとめました。こちらからご覧ください【リンク】#部活動改革 #教員の働き方改革 #宮内ひでき」といった具合に³⁴、自分の政策提案が紹介された媒体を共有する工夫も見られます。
SNS上でハッシュタグもうまく活用し、自身の名前や政策テーマを拡散する戦略もうかがえます。
三つ目は個人的な趣味・横顔の発信です。宮内氏はプロフィールで「趣味:ジョギング、映画鑑賞、ラグビー観戦」⁹³と書くほどスポーツ好きで知られていますが、その片鱗がSNSにも表れています。
ラグビーワールドカップや地元スポーツチームの話題に触れたり、時には愛犬や家族との写真を載せたりと、人間味あふれる投稿もあります。もっとも、議員の公式アカウントだけに品位は保っており、攻撃的な言動や極端な政治思想の発信は見られません。
フォロワーからは「堅実な発信」「安心して読める」との声もあり、炎上とは無縁の堅調なSNS運用が評価されています。
YouTubeでの国政報告
宮内氏のSNS利用に関するエピソードとして興味深いのは、「月刊ヒデキ」と題したYouTubeでの国政報告です。彼は自身のYouTubeチャンネル(登録者数108人、動画本数59本)⁹⁴で、国会会期ごとに報告動画を投稿しています。
なかでも「WEBで国政報告会『月刊ヒデキ Vol.7』」という動画では、通常国会の振り返りやワクチン接種促進に奔走した現場の話などを約15分にわたり語っており、視聴者から「丁寧で分かりやすい」と好評でした⁹⁵。
再生回数は数百程度と決して多くはありませんが、コアな支持者に向けて詳細な説明をする場として機能しています。また、党のネット番組「CafeSta(カフェスタ)」にもゲスト出演し⁹⁶、同僚議員とともに国会の裏話や政策談義を繰り広げるなど、ネット動画での発信にも前向きです。
Facebook・Instagramでの発信
FacebookやInstagramでは主に写真アルバム的な投稿が中心で、Facebookのフォロワーは2,000人弱、Instagramのフォロワーは1,100人程度となっています⁹⁷⁹⁸。
これらでは地元行事の様子をまとめて紹介したり、選挙期間中の奮闘ぶりをリアルタイムで伝えたりしています。特に2021年の選挙戦では毎日の遊説スケジュールや応援弁士の写真をSNSで共有し、支持者との双方向コミュニケーションも図っていました。
SNS上の失敗と対応
一方で、SNS上の失敗も皆無ではありません。前述のように、シンガポール視察中に投稿した写真が「遊びに見える」と批判され削除した件⁸⁶や、政治資金問題発覚直後に発信が一時滞ったこと(沈黙が却って憶測を呼びました)などがあります。
ただ、そうした場合も比較的素早く対処し、大炎上に至る前に沈静化させています。近年ではリスク管理のためか、投稿内容もより慎重になった印象があります。
SNS指標の推移を見ると、Twitterフォロワー数は2015年頃の数百人から2025年には約3,300人へ増加し⁸⁹、YouTube登録者数は0から108人へ増えています⁹⁹。
伸び幅として爆発的ではないにせよ、地道な発信で少しずつ支持者を増やしていることが読み取れます。特に2021年から2022年にかけてフォロワーが増えた背景には、文科委員長という肩書きで露出が増えたことや、旧統一教会問題報道で名前が出たことで逆に注目された側面もあるでしょう。
もっとも宮内氏自身は炎上商法的なやり方を嫌っており、フォロワー数よりも「伝えるべき人に確実に情報を届けること」を重視していると語っています。実際、彼のツイートには地元有権者と思われるアカウントからの返信が多く、地域密着のツールとして定着している様子です。
総じて、宮内秀樹議員の情報発信は「誠実さと実直さ」を前面に出したものです。奇をてらったパフォーマンスや政敵批判に終始することなく、自分の言葉で日々の活動と政策を訴え続ける姿勢は、SNSの玉石混交の中にあって一種の安心感を与えています。
有権者からすれば、宮内氏のSNSをフォローしておけば彼の動向が手に取るように分かり、政治家として何を目指しているのかが見えてくるでしょう。双方向性という点ではまだ弱く、リプライへの返信やオンライン対話企画などは限定的ですが、それでも発信内容に対するコメントには目を通しているとのことです。
今後さらにデジタル時代が進む中、宮内氏が培ってきた地に足の着いたSNS戦略は、有権者との新たな信頼関係構築に寄与し続けるものと思われます。
8. 公約実現度の検証
最後に、宮内秀樹議員の選挙公約と実績のギャップを検証します。結論から述べると、彼の公約実現度は総じて高く、公約に掲げた主要政策の多くを何らかの形で実現もしくは前進させています。これは前述してきた各分野の取り組みが、公約との対応関係を持っていることからも裏付けられます。
インフラ・防災分野での実現
まず、公約のキーワード上位にあったインフラ・防災分野では、「無電柱化」「国土強靭化」という約束を宮内氏は見事に果たしました。無電柱化推進法の成立¹⁰は、その象徴的な成果です。
公約で「電柱のない安全で美しい街づくり」を掲げていた宮内氏が、自ら法案を通すことで実現に踏み出したことは、有権者への最大のアピールとなりました。国土強靭化についても、党本部や議連で積み重ねた提言が政府の予算措置や関連法改正に反映され、防災インフラ投資は毎年拡充傾向にあります。
例えば彼が事務局長代理を務めた国土強靭化推進本部の提言が、直近の予算編成でハザードマップ整備予算増額などに繋がりました(実現までのタイムラグはありましたが、公約で掲げた「恒久的な防災対策」は着実に前進しています)。
地域経済・農林水産分野での成果
地域経済・農林水産分野も、宮内氏は公約を具体的成果に結びつけています。農林水産副大臣時代に掲げた農産品輸出5兆円目標はまだ道半ばですが、在任中に農産物輸出額は過去最高を更新し、関連法案6本を成立させるなど土台作りに成功しました⁸。
公約で約束した「農業を稼げる産業に」は、例えば輸出促進法改正や農地中間管理機構の拡充といった施策で具現化されつつあります。地元福岡で重視した観光振興では、宗像・沖ノ島の世界遺産登録が2017年に実現し¹³、宮内氏自身「地元の悲願を達成できた」と胸を張ります。
この件は公約にも「世界遺産登録実現」と書かれていた事項で、まさに有言実行の成果でした。他にも地元関係では北部九州豪雨の被災地復興支援、公約に掲げた地盤改良や河川整備が国直轄事業となるよう政府を動かすなど、公約実現に尽力した跡が見られます。
教育・文化・スポーツ分野での前進
教育・文化・スポーツ分野も実績は上々です。選択的夫婦別姓や同性婚といった家族法制問題などイデオロギー色の強いテーマは宮内氏の公約には目立ちませんでした(この点はスタンスが不明瞭とも言えます)が、それ以外の教育政策は概ね前進しました。
公約で「教育環境の充実」「日本語教育推進」を掲げていた点は、前述の日本語教育機関認定法成立で結実し²⁵、宮内氏自身も「30年来の悲願がやっとできた」と語っています²⁸。
また部活動の地域移行や教員の働き方改革といった公約事項も、文科委員長経験者として部会提言をまとめ政策化に貢献しました(実際、2023年に政府が発表した部活動の地域クラブ移行プランには、宮内氏らの提言内容が反映されています)。
スポーツ振興に関しては、「スポーツで活力ある社会を」と訴えた公約どおり、東京五輪関連の法整備やスポーツ基本計画への提言などを実行し、五輪後もスポーツ庁の施策強化に努めています¹⁰⁰。
スポーツくじの販売対象拡大(Jリーグ以外の競技にも対象拡大)は宮内氏らが取り組んだ公約案件でしたが、一部実現に至らず課題を残しました。ただこれも現在進行形で、2025年度以降に制度改正が予定される見通しです⁶⁶。
未達成・課題のある分野
もっとも、公約全てが順風満帆に実現しているわけではありません。政治改革や統治機構改革の分野では、宮内氏は公約で積極的に触れていなかったこともあり、目立った役割は果たしていません。
たとえば憲法改正や衆院定数是正などは党是として掲げられていても、宮内氏個人の公約には明記がなく、その推進度は評価対象外と言えるでしょう。また少子化対策については、公約で「子育て支援充実」と書かれていましたが、具体的にどの政策を指すか曖昧で、宮内氏主導で何かが実現したわけではありません。
児童手当拡充などは政府全体の政策として進みましたが、宮内氏自身の寄与は間接的でした。この点は、公約の書きぶりが総花的であったため評価が難しい部分です。
政治姿勢・クリーンな政治も公約にはよく謳われますが、上述の資金問題が起きてしまったため、この点の公約履行度は残念ながら低い評価をせざるを得ません。宮内氏は「政治とカネの信頼回復に努める」と常々述べていましたが⁷⁸、二階派裏金問題で自ら不適切処理をしていた事実が判明したことで、説得力が損なわれました。
ただしこれについては本人が早期に認めて是正報告し、選挙でも支持を得られたことで、一応の決着を見ています。再発防止の観点で有権者にどう説明し信頼を取り戻すか、今後も公約実行の一環として問われるでしょう。
総合評価
全体として、宮内秀樹議員の公約実現度を10段階で評価すれば、おおむね8~9程度といったところでしょう。主要政策で未達成と言えるのは「地域スポーツ振興の財源確保(スポーツくじ拡充)」や「交通インフラの更なる高度化(自動運転推進法整備など未了案件)」など一部に限られます。
逆に言えば、彼の公約は実現性の高いテーマを選び、なおかつ自ら実現にコミットできる範囲のものに絞られていたとも分析できます。例えば外交・安全保障のような自分の影響力が及びにくい分野は敢えて深入りせず、地方創生や産業政策のように自ら議連・部会で動けるテーマに注力している印象です。
そのため、公約と実績の間に大きな齟齬はほとんど見られないのです。
これは有権者にとって喜ばしいことであり、宮内氏の真摯さを示すものでもあります。ただし、公約に盛り込まれなかった重要課題(例:気候変動対策や社会保障改革など)について宮内氏がどう取り組んだかが見えにくい点は今後の課題かもしれません。
気候変動についてはインフラ輸出戦略特委で再生可能エネルギー普及策に関わった程度で、公約でも触れていませんでした¹⁰¹。
社会保障改革についても彼の名前はあまり聞かれず、年金・医療制度改革などは党の他の議員に委ねている印象です。こうした分野は彼の専門外かもしれませんが、国民全体の関心事であるだけに、公約に入れて積極的に発信・行動する余地があったとも言えます。
総じて、宮内秀樹議員は「言ったことはやる」政治家として評価でき、公約実現に向けた努力を怠りませんでした。その背景には、党内で政策決定過程に深く関与できるポジションを数多く得ていたこと、本人のフットワークと調整力が卓越していたことが挙げられます。
もちろん全てが宮内氏一人の功績というわけではなく、多くは政府や党全体の取り組みの中で達成されたものです。しかし宮内氏はその歯車の一つひとつに関わり、公約の旗を降ろさず走り続けてきました。これまで公約から大きく後退・撤回したものは見当たらず、おおむね有権者との約束は守られていると言えるでしょう。
今後は、上述の未達成公約のフォローアップや、新たな社会課題への挑戦が問われます。たとえば超党派ハームリダクション議連で議論する薬物政策の見直し、公約にはなかった気候変動対策強化など、次の選挙に向けてどのようなビジョンを示すかが注目されます。
宮内秀樹議員には、これまで培った政策実現力をさらに発揮し、公約を超えたスケールの大きな改革にも挑んでもらいたいところです。その際、本報告書で整理した実績の蓄積が必ずや役立つはずであり、有権者としても引き続きその歩みを注視していきたいと思います¹⁰²¹⁰³¹⁰⁴¹⁰⁵¹⁰⁶¹⁰⁷¹⁰⁸。
参考資料
公式資料:
- ¹²³³¹⁷⁴⁷⁷⁸⁴⁸⁵¹⁰²¹⁰⁸ 衆議院議員名鑑(宮内秀樹) - Wikipedia, 宮内ひでき公式サイト
- ⁴ 首相官邸 副大臣名簿(菅内閣・宮内秀樹 農水副大臣) - 宮内ひでき公式サイト
- 福岡県選挙管理委員会『選挙の記録』
- 衆議院インターネット審議中継・会議録検索システム(宮内秀樹発言)
- 総務省 政治資金収支報告書(秀明会 他)
議会資料:
- ¹⁰³ 衆議院会議録「第201回国会 国土交通委員会 第16号」(無電柱化法案趣旨説明) - 国会議員情報
- ¹⁰⁴ 衆議院会議録「第211回国会 文部科学委員会 第4号」(委員長宮内秀樹 出席) - 国会会議録検索システム
- ¹⁰⁵¹⁰⁶ 参議院会議資料「日本語教育機関の認定制度と日本語教師の国家資格の創設」(第211回国会成立法概要) - 参議院
- ³⁹⁴⁰ 内閣府 孤独・孤立対策連絡調整会議 議事録(第3回、2021年5月31日) - 内閣府
- ⁴⁷ 農林水産省 鳥獣被害対策推進会議 資料 - 農林水産省
報道資料:
- ⁷⁸ 自由民主党公式サイト「衆院選2021候補者 宮内ひでき」 - RKB毎日放送, 文春オンライン
- ¹⁰⁷¹⁵ 自民党福岡県連サイト「宮内秀樹 プロフィール・実績」 - Wikipedia, Instagram
- 読売新聞「福岡4区で自民党の宮内秀樹氏が当選」(2024年10月28日)
- ⁷⁸⁸² RKB毎日放送「"キックバックという表現は控えたい" 地元で会見した不記載自民議員の説明」(2024年1月22日) - RKB毎日放送
- しんぶん赤旗「統一協会地区幹部と写真 宮内文科委員長が関与」(2022年10月31日)
- 朝日新聞「宮内文科委員長が教団系イベント参加 党点検に名前なし」(2022年11月9日)
- 産経新聞「国会議員名鑑:宮内秀樹」(2025年3月14日)
その他参考:
- ²⁴²⁶ NAGOMi政策インタビュー「宮内秀樹議員 日本語教育の仕組みづくり」(2022年) - NAGOMi
- ²⁵²⁸ IFSA 向学新聞「日本語教育機関認定法成立 『やっとできた』30年来の悲願」(2023年7月号) - IFSA
- ⁸⁸⁸⁹ note記事「衆議院議員のTwitterフォロワー増加数ランキング」(2023年) - note, X (Twitter)
- ⁸⁶ 週刊文春オンライン「宮内秀樹議員がSNSから削除した海外視察"観光"写真」(2022年8月) - 文春オンライン
以下の資料によりファクトチェック実施済み、本文記事修正済み。