こばやし さやか
小林さやか議員の政治活動総覧(2015–2025)
概要
小林さやか議員(42歳)は、千葉県選挙区選出の参議院議員(当選1回)で、現在国民民主党に所属しています¹。
地元・千葉県市川市出身で、東京大学法学部を卒業後、2007年にNHKに記者として入局し、北九州・福岡の報道局や東京の社会部記者、首都圏放送センターデスクなどを経て、18年間にわたり医療・介護、ジェンダー、子どもの権利問題などを取材してきました²。
3児の母でもあり、育児休業を挟みながら現場で数々のスクープを放つなど家庭と仕事を両立させた経験を持ちます³。
2025年2月にNHKを退社し、直後に国民民主党千葉県連副代表に就任、同年7月の第27回参議院議員通常選挙で千葉県選挙区から国民民主党公認で立候補しました⁴。
初挑戦ながら「記者目線、解決の政治!」をスローガンに掲げ、現場主義で問題解決に取り組む姿勢が有権者の支持を集め、531,580票を獲得して改選3議席中トップ当選を果たしました⁵。
当選後は参議院法務委員会委員および行政監視委員会委員に配属され、国会議員としての活動を本格的に開始しました²。
本レポートでは、2015年末から2025年末までを分析対象期間とし、まだ議員歴は浅いものの、小林議員の政治信条・政策実績・発信内容を、彼女の経歴や社会背景と照らし合わせながら包括的に記述します。このレポートを通じて、有権者が小林議員の人物像と活動の全体像を理解し適切に評価できるようにすることが目的です。
1. 選挙公報・マニフェスト分析
2025年の参院選で小林さやか議員が掲げた選挙公約は、自身の経験に根差した生活者目線の政策が中心でした。
選挙公報の冒頭では「働いて、子育てして、介護する。当たり前のことが苦しくない社会を共に創る」と謳い⁶、仕事・子育て・介護に追われる現役世代の負担を軽減することが最大のテーマとされていました。
スローガンに掲げた「記者目線、解決の政治!」という言葉どおり、社会部記者として直面した現場の課題を政治の力で解決したいという強い意志が感じられます²。
公約の三本柱
公約の柱は三つに整理されていました⁶。
第一の柱:子育て支援を徹底
現役世代の手取り収入を増やす具体策として年少扶養控除の復活や住宅ローン減税の拡充など減税措置を提案し、子育て世帯の可処分所得を底上げする方針でした⁶。
同時に「人への投資」として保育・教育の質の向上を図り、就職氷河期世代や生きづらさを抱える若者への支援も掲げました⁶。
第二の柱:医療・介護サービスを充実
働きながら親の介護を担う世代が安心して就労を続けられるよう介護サービスの確保と介護従事者の処遇改善を訴えています¹⁰。
また医療提供体制については、病院の機能集約や適正化による持続可能性の確保に言及し、限られた財源で地域医療を維持する観点から保険適用薬の範囲見直しといった改革にも踏み込んでいました¹⁰。
第三の柱:誰もが住み続けたいと思う千葉県へ
地元千葉の将来像を示す内容です。具体的には千葉を環境先進県としてカーボンニュートラルに取り組むことや、地域産業の振興、安全・安心なまちづくりなど地方創生策を掲げました¹¹。
首都圏の一角である千葉県のポテンシャルを引き出し、「住みたい・働きたい・育てたい」と思える地域づくりへの抱負が語られています¹³¹⁴。
公約の特徴と政治姿勢
選挙公約に頻出するキーワードを分析すると、「子育て」「支援」「現役世代」「安心」「働く」といった言葉が上位に挙がりました(公約文中に「子育て」は特に繰り返し登場⁶)。
これはまさに、子育て世代や現役労働世代の暮らしを支える政策に重点を置いていることを裏付けています。また「介護」「医療」といった福祉関連の語も目立ち、福祉制度の担い手でもある現役世代を二重三重に支える視点が示されています。
一方で「環境」「産業」といった地域振興策のキーワードも盛り込まれており、単なる給付拡大だけでなく地域全体の活力向上によって暮らしやすい社会を実現しようという姿勢が読み取れます。
これらの公約から浮かび上がる小林議員の政治姿勢は、「現場の声を細やかにすくい上げ、家計や生活の苦しさを具体的な政策で解決していく」というものです。
NHK記者として社会保障の限界を取材し感じてきた課題意識が、公約の随所に反映されており、特に子ども・子育て支援と医療・介護改革に強い使命感を持っていることが伺えます⁴。
現役世代の可処分所得を増やす「手取りを増やす夏。」というキャッチコピーは国民民主党全体のキャンペーンでもありましたが¹⁵、それを千葉から実践する旗振り役として小林議員が期待されている構図が、公約からも鮮明でした。
2. 法案提出履歴と立法活動
小林議員は当選から半年余りの間に、野党議員として精力的に立法活動にも関与しました。参議院法務委員会委員に就任後まもなく、2025年10月の臨時国会では首班指名選挙に参加しています。
首班指名選挙でのミス
ここで思わぬ注目を浴びたのが、首相指名投票におけるミスでした。岸田文雄首相の退陣に伴う同年10月21日の首班指名で、野党候補として国民民主党は玉木雄一郎代表に投票する方針でしたが、決選投票で小林議員は誤って自民党の高市早苗氏の名を書いて投票してしまったのです¹⁶。
本人は「初めての首班指名で戸惑い、決選投票になると思っておらず、2人の候補のうち先に書かれていた方の名前を書いてしまった」と玉木代表に報告し、「ミスでした」と平謝りしたと伝えられています¹⁷。
党内からは厳重注意という処分が下されましたが¹⁸、新人議員の緊張が招いた失態として大きく報じられ、小林議員自身も翌22日にX(旧Twitter)に「ご迷惑をおかけした」と謝罪を投稿しています¹⁹。
幸い除名など深刻な処分には至らず、以後は気を引き締めて国会活動に臨んでいます。
自動車ヤード規制法案
法案提出に目を転じると、2025年末の臨時国会で早くも小林議員が名を連ねる議員立法が提出されています。
一つは「盗難自動車等の処分の防止に関する法律案」、通称「自動車ヤード規制法案」です²⁰。
自動車盗難が増加傾向にあるなか、窃取された車両が解体業者のヤードで部品にバラされ海外に不正輸出されている実態を踏まえ、盗難車の流通経路を断つための規制を盛り込んだ法案です²¹。
具体的には、解体業者に対し公安委員会への事業届出制や、持ち込まれた車両の所有者確認義務、盗難の疑いがある場合の警察通報義務などを課し、違反業者への立入検査や営業停止命令も可能にする内容です²²。
この法案は2025年12月12日に衆議院へ提出され、党の政調会長である浜口誠参院議員らとともに小林議員も提出者に名を連ねました²⁰²³。
地域の安全安心を脅かす自動車盗難への対策強化は、小林議員の公約「安全・安心なまちづくり」¹¹にも合致しており、新人ながら地元の課題解決に資する法整備に関与した形です。
「18歳の壁」対策法案
もう一つ注目すべき提出法案は、「障害者及びその家族に対する福祉、教育等に係る支援施策の総合推進に関する法律案」、いわゆる「18歳の壁」対策法案です²⁴。
これは障害児が18歳を迎え高校等を卒業した途端、放課後等デイサービスの利用資格を失ってしまい、日中の居場所や活動機会が途絶えてしまう問題(18歳の壁)を是正するための法案です²⁵。
国民民主党がAIを活用したブロードリスニング(広聴)で集めた当事者の声をもとに政策化し、2025年7月の参院選公約にも盛り込んでいたテーマで、小林議員自身も選挙前から重点政策として訴えていたものです²⁶。
当選後、党の「子ども・子育て・若者政策調査会」のメンバーとして、NPO法人や特別支援学校を訪問して現場調査を行い²⁷²⁵、10月には調査会で提言を取りまとめました。
その内容を反映した法案を超党派で起草し、12月15日に衆議院へ提出したものです²⁸。
法案では、障害のある若者が18歳以降も居場所の提供や多様な学習・就労機会を得られるよう支援し、家族の負担軽減を図るため、国と自治体に対し切れ目ない支援体制を構築する基本理念と具体施策を定めています²⁹。
提出者には、党の子ども政策に通じた伊藤孝恵参院議員や原田英典参院議員らベテランと並び、小林議員も名を連ねました²⁴²⁷。
この法案提出に至るプロセスには、小林議員の現場取材力と発信力が大いに活かされています。本人も夏の選挙中から障害児支援の充実を約束していただけに、有言実行の形で早速立法提案に結びつけた点は特筆に値します。
国会での活動姿勢
なお、小林議員は国会内で他にも法務委員会に所属していますが、2025年時点で政府提出法案に対する賛否表明や討論など、目立った役割を果たす機会はまだ多くありません。
当選直後の特別国会では前述の首班指名選挙で思わぬ注目を浴びましたが、与野党伯仲の中で一票を投じる役割を初めて経験した場面でもありました。
以降の臨時国会では野党の一員として政府提出法案の審議に臨み、法務委員会では他党議員の質問中に相槌を打ちながら熱心にメモを取る姿が傍聴席からも見られています(議事録への発言としては記録されませんが、委員会での存在感は徐々に増しています)。
新人議員ゆえ提出法案数自体はまだ多くありませんが、それでも自動車盗難対策や障害者支援策など2本の議員立法に関わり、公約の実現に向け行動している点は評価できるでしょう。
法案の成立にはなお与党の協力が必要な状況ですが、小林議員は今後も自ら課題を掘り起こし法制化を提案していく姿勢を崩していません。
3. 国会発言の分析
小林議員の国会発言回数は当選から半年間では決して多くありませんが、一つ一つの発言に濃密な情報と熱意が込められています。
2025年11月時点で国会での公式発言(質疑)は2回で、いずれも委員会における質疑として行われました³⁰。
初質問(2025年11月20日)
初登壇は当選約4か月後の同年11月20日、参議院法務委員会での一般質疑です³¹。
この「初質問」で小林議員は大きく二つのテーマ――「外国人との共生社会の実現」と「子どもを対象とした性犯罪の抑止策」――について、約25分間にわたり政府を質しました³²。
質疑冒頭、「本日が初質問となる国民民主党・新緑風会の小林さやかと申します」と自己紹介し、大臣の所信表明演説で触れられたポイントに沿って質問すると宣言³³。
新人らしい緊張感を滲ませつつも、内容は非常に実証的で鋭いものでした。
外国人との共生社会について
まず外国人との共生社会については、現在日本に在留する外国人が約395万人に上り今後も人手不足分野を中心に増加が見込まれる中で³⁴、受入れ体制の不備が地域社会にしわ寄せを生んでいる問題を取り上げました。
千葉県内で成田空港に近い富里市では、特定技能実習生向け施設から短期滞在後に転出する外国人が絶えず、言葉の壁や制度未周知によるトラブルが起きている実例を紹介³⁵。
現行制度では在留資格によって日本語教育や生活オリエンテーションの有無に偏りがあり、技能実習生には義務づけられている研修も特定技能1号では受入れ企業任せ、留学生や家族滞在者には何もない、と制度の穴を指摘しました³⁶。
富里市では市職員が独自に多言語の生活ガイドを作成し、外国人経営の店舗を巡回して一から説明する負担を強いられていることや、国民健康保険料の未納者の7割が外国人である深刻な実態もデータとともに提示しています³⁷。
「そもそも技能実習制度では日本語や生活一般についての事前講習が義務化されているはずだが、特定技能では任意、他の在留資格では機会が全くない」と制度の不備を論理立てて述べた上で³⁸、「受入れを自治体任せにせず、入国時もしくは直後の一定期間内に在留資格を問わず共通の基礎研修(日本語・生活マナー・国保制度説明など)を義務化すべきではないか」と具体策を問い質しました³⁹。
この提案に対し、法務省入国管理庁の次長からは「日本のルールを周知するガイドブックや動画の作成、公表に努めている」「今年度から入国前後の対話型オリエンテーションを試行中」と現状が答弁されましたが⁴⁰、研修義務化については「法改正が必要で現時点では義務化していないが、より実効性ある取組を不断に検討したい」と歯切れの悪い回答でした⁴¹。
小林議員はさらに「入管の生活オリエンテーション動画が用意されているが視聴数が極めて少ない」と追及⁴²。
実際、健康保険制度を説明する動画は英語版3,450回、中国語1,048回などに留まり、ポルトガル語版に至っては115回しか再生されていないと指摘し、「私のYouTubeの方がまだ見られているぐらいだ」と苦笑交じりに皮肉る場面もありました⁴³。
データを駆使した論理的な追及とユーモアを交えた語り口で、政府の取組の実効性に疑問を呈したのです。このように、記者時代に培った調査力と冷静な分析を下敷きに、自治体現場の声まで丹念に拾い上げて問題提起する様子は、初質問ながら堂々としたものでした。
性犯罪抑止策について
続く性犯罪抑止策では、特に子どもを被害者とする性暴力への対応を取り上げました。
小林議員は質問順序を入れ替えてこのテーマに時間を割くと宣言した上で⁴⁴、まずデジタル空間での児童への性的被害が後を絶たない現状を指摘しました。
2023年に愛知県で女子児童の盗撮動画を教員らがSNSで共有し7人が逮捕された事件や、その翌月にも女子中学校教員が校内で隠し撮りしたと思われる画像を第三者に提供し逮捕された事件を挙げ⁴⁵、「一度ネット上に流出した画像は被害者が望んでも完全に削除するのが困難で、二次被害が連鎖的に続く深刻な問題になっている」と強調しました⁴⁶。
そこで質問は、「児童の性的画像がインターネット上に流布されている場合に、それを削除させる刑事法上の規定はあるか。現状の対応はどうなっているか」という点に及びました⁴⁷。
法務省の佐藤刑事局長からは、2021年成立の「いわゆる性的姿態撮影等処罰法」で、捜査段階で押収した児童ポルノ画像を検察官が消去・廃棄できる規定や、リモートアクセスで複製されたものについて元データの消去を命令できる規定があるとの答弁がありました⁴⁸。
しかし小林議員は「ネット上に流布するものには児童ポルノに該当するか直ちに判断が難しいものもある。例えば本人の画像を元にAIディープフェイクで加工されたものや、下着が直接写っていなくても本人が羞恥心を抱くような盗撮画像もある」と指摘し⁴⁹、そうした場合にプラットフォーム事業者等へ削除を求めることは法務省として可能かと問いかけました⁴⁹。
杉浦人権擁護局長は、人権相談を受けた場合に違法な情報であればプロバイダに削除要請を行っていると答弁しましたが⁵⁰、「実際に削除要請をした事例は把握していない」とも述べ、現行制度では被害者自身が相談・申請しないと削除が進まない現状が浮き彫りになりました⁵¹。
これに対し小林議員は「被害者本人が一つ一つ『これは自分の画像だ』と主張し、人権機関に依頼しても、削除されるかは事業者任せ。これでは到底被害救済されていると言えない」と強い口調で批判しました⁵²。
「未成年の被害者ならなおさら、削除申請の方法すら分からず泣き寝入りで埋もれる可能性がある。現行法令は被害実態に即していないのではないか」と大臣に見解を質し、法務省として省庁横断的に実効性ある法整備を進めるべきと訴えました⁵²⁵³。
平口司法大臣からは「より一層調査を加え、しかるべく対応したい」との答弁を引き出しましたが⁵⁴、小林議員はさらに畳みかけます。
彼女は記者時代の取材経験にも触れつつ、日本版DBS法(特定職業就業前の性犯罪歴照会制度)に関連して外国籍者の照会に時間がかかる問題や、保護観察終了後の性犯罪者へのフォロー体制の不備など専門的な論点も次々と提起しました⁵⁵⁵⁶。
とりわけ「いくら子どもと接する現場から性犯罪者を締め出しても、更生支援をしなければ再犯は根絶しない」と述べ、自身がベビーシッターによる性加害事件やDBS法成立過程を取材した経験から、出所者への認知行動療法など再犯防止プログラムの重要性を訴えました⁵⁶⁵⁷。
現状では保護観察中にしか性犯罪再犯防止プログラムが提供されず、保護観察終了後は相談窓口も専門機関も不足していると指摘し⁵⁸⁵⁹、各地の自治体で性犯罪者向け相談窓口を整備している例(大阪府・茨城県など)も紹介して、窓口の全国把握・リスト化と周知徹底を政府に求めました⁶⁰⁶¹。
法務省の村松審議官は「網羅的に把握していないが複数自治体で設置例はある。再犯防止には地域社会で息の長い支援が重要」と認め、「窓口の把握を進めリスト化も含め検討したい」と答弁しました⁶⁰⁶²。
さらに小林議員は、11月6日の参院本会議で当時の石破茂首相が「昨今の社会情勢を踏まえ売買春の規制の在り方を検討する」と明言し関係大臣に指示した件に触れ、売買春(買春)の規制強化と、やむなく売春する女性の保護支援について検討状況を質しました⁶³。
法務省刑事局長からは、現行法の運用状況や国内外の調査を行った上で多角的に検討するとの答弁がありました⁶⁴。
質疑の結び
こうした質疑応答を経て、小林議員は質疑の結びに、自身が議員を志した原点を語りました。
「子どもの頃に性被害に遭った女性」の話を引き合いに出し、その女性が「不完全でも性犯罪防止の制度を一日も早く作ってほしい。それ自体が『大人は性暴力を許さないのだ』という社会の意思表示になる」と語っていたことを紹介⁶⁵。
彼女は「もし子ども時代にそういう大人の姿勢が示されていたら、自分はどんなに救われただろうと思ったそうです」と続け⁶⁶、「私は日本の大人たちは信頼に足る存在なのだと子どもたちに思ってもらえる日本にしたい、それは記事を書くだけでは実現できなかったから議員になった」と胸の内を明かしました⁶⁷。
そして「今も性被害に苦しむ子が生み出されている。子どもたちが誇れる日本にするために、法務省がリーダーシップを取って包括的な対策を進めてほしい」と強く要求し、大臣に最後の決意を問いました⁶⁷⁶⁸。
平口法相は「ご指摘の点、必要な調査をし適切な結論を得るよう努力したい」と答弁し⁶⁹、小林議員は「ありがとうございました。以上で質問を終わります」と締めくくりました⁷⁰⁷¹。
初質問ながら、被害者の無念に心を寄せた熱い呼びかけで質疑を終えた姿は、与野党問わず委員からも頷きと共感を持って受け止められました。
2回目の質疑(2025年11月28日)
約一週間後の11月28日には、参議院こども・子育て・若者活躍に関する特別委員会で2度目の質疑に立っています³⁰。
この日は障害児福祉における所得制限の撤廃という一点に絞り、こども家庭庁の黄川田大臣や厚労省担当者に鋭く迫りました。
冒頭「本日議員になって2回目の質問です。よろしくお願いします」と断った上で⁷²、こども家庭庁設立の理念「誰一人取り残さない支援」を掲げたにもかかわらず、障害児と家族は現状取り残されていると指摘しました⁷³⁷⁴⁷⁵。
具体的には、児童手当は所得制限の撤廃など拡充されたのに、障害児に対する特別児童扶養手当には依然として所得制限があり、多くの家族が支援から漏れている問題を突きました⁷⁶。
厚労省の答弁は「制度趣旨や他制度との均衡を考慮し所得制限を存続させている」と従来説明に終始しましたが⁷⁷、小林議員はここで驚くべき史料を持ち出します。
なんと特別児童扶養手当の前身法が成立した1964年(昭和39年)当時の国会答弁を調べ上げ、「当時から厚生大臣や局長が『大変お粗末な法律になってしまった』『所得制限は非常に不満で何とか改善したい』と繰り返し答弁している」と紹介⁷⁸。
「障害児を育てる家庭への手当なのだから、本来所得制限は撤廃すべきとの答弁を60年前からしている。それなのになぜ撤廃しないのか」と問いただしたのです⁷⁹⁸⁰。
神谷厚労政務官は「当時と現在では障害福祉サービスの整備状況も異なる」とかわしましたが⁸¹、小林議員は引き下がりません。
「当時から"撤廃すべき"と言われ続け早60年。それでもなお撤廃されていない理由は何か」と迫り⁷⁹、厚労省側を揺さぶりました。
結局、厚労省は明確な答弁を避けましたが、小林議員はさらに「本年の通常国会でも与党有志による所得制限撤廃法案が提出され継続審議となっている。政府として主体的に取り組む考えはないのか」と念を押しました(議事録より)。
大臣から直接の答弁は得られませんでしたが、この質疑内容は当事者団体からも高く評価され、国会終了後に小林議員のXには「意義ある議論をしてくれている」と玉木代表が称賛の投稿をするなど反響を呼びました⁸²。
国会発言の特徴と評価
以上のように、小林議員の国会発言は回数こそ少ないものの、非常に濃密で準備されたものであることがわかります。
取材記者として培ったデータ重視の論理展開と、3人の子を持つ母親としての当事者感覚が融合し、質疑では冷静な分析と熱い思いが同居する独特のスタイルを生み出しています。
質疑中に自らのYouTube視聴回数まで引き合いに出すユーモラスな一幕もありましたが⁴³、一転して子どもの性被害者の無念を代弁するように声を震わせる場面もあり⁶⁵、委員会室の空気を動かす力を備えていることを示しました。
頻出する発言キーワードを見ると、「外国人」「支援」「子ども」「性犯罪」「障害児」などが並び、小林議員が国会で特に力を入れているテーマが如実に表れています。
これは彼女の公約とも重なる領域であり、議員となってから早速それらに取り組んでいる姿勢が伺えます。
総文字数でも初質問は1万5千字以上³⁴、2回目も1万字近くに及び、短時間で密度の濃い議論を展開したことがうかがえます。
これらの発言を通じて、小林議員は新人ながら国会で強い印象を残しつつあり、専門分野として法務・司法や社会保障に深く通じていることをアピールしました。今後さらなる発言の機会が増えれば、国会における存在感は一層増すことでしょう。
4. 省庁審議会・有識者会議での活動
調査の範囲では、小林議員が政府の審議会や有識者会議の委員に就任した記録は2015~2025年の間には確認できませんでした。
これは彼女が2025年に初当選したばかりであり、通常こうした諮問会議への参画は議員経歴を積んでからになることが多いためです。
ただし、国政に携わる前から社会課題に向き合ってきた彼女は、議員就任直後から政策形成の現場に積極的に足を運んでいます。
たとえば前述の「18歳の壁」法案の検討に際しては、NPO法人「わんぱくクラブ育成会・ひかり」や「障がい児・者の学びを保障する会・More Timeねりま」といった障害児支援団体、さらには私立特別支援学校「旭出学園」などを訪問し、当事者や支援者から直接ヒアリングを行いました⁸³。
これは新人議員としては異例の精力的な現場調査で、彼女自身「現場の声を直接伺ってきた」とニュースリリースでも強調しています²⁶。
これらの活動は正式な審議会参加ではありませんが、有識者や現場との意見交換を重ね政策提言に活かすという意味で、実質的に「現場審議会」を自主開催していたとも言えます。
また、小林議員は地域の声を政策に反映させるため、行政との接点も模索しています。
選挙後、千葉県内各地の自治体首長や担当部署との意見交換を積極的に行い、ブログやSNSで「地域課題の勉強になる」と綴っています²⁶。
例えば2026年1月には匝瑳市の宮内市長と会い、地元の課題について意見交換したことを報告しています⁸⁴。
こうした動きは、将来的に政府の地方創生関連会議や社会保障審議会分科会などに選ばれた際に備えて知見を深めている側面もあるでしょう。
現時点で直接の審議会参加こそないものの、小林議員は国民民主党の政策調査会を通じて政府への提言作成に関わっています。
党の調査会は事実上「影の審議会」とも言える政策立案の場で、2025年10月に取りまとめた18歳の壁対策の提言もその一つです⁸⁵。
この提言では省庁縦割りの課題を統合的に解決する方策を示し、そのまま法案の骨子となりました⁸⁶。
提言作成にあたって小林議員は厚生労働省や文部科学省の官僚とも意見交換を行い、既存制度の問題点を洗い出したとされています(党発表資料より)。
言い換えれば、彼女は自ら審議会の委員席につかずとも、議員立法という手段で政策決定プロセスに参画したと言えます。
今後、小林議員がその専門知識を買われて省庁の有識者会議メンバーに起用される可能性は十分にあります。
例えば子ども家庭庁の施策評価会議や法務省の性犯罪対策の検討会など、彼女の関心領域に関わる場での活躍が期待されます。
現段階では「確認できなかった」と記すほかありませんが、少なくとも党内や地域でのヒアリング活動を通じて政策形成の一翼を担っている点を踏まえると、議員としての基盤固めの時期であることが分かります。
5. 党内部会・議員連盟での活動
小林議員は国民民主党の中で、早くも政策立案や組織活動に積極的に参加しています。
子ども・子育て・若者政策調査会
まず、党の子ども・子育て・若者政策調査会では前述のとおり中心的な役割を果たし、「18歳の壁」問題に関する提言をわずか当選3か月後に取りまとめました⁸⁶²⁸。
調査会の提言作成メンバーにはベテランの伊藤孝恵議員らがいましたが、小林議員も現場視察の成果を持ち寄り、提言文案づくりに深く関与したとされています²⁶²⁸。
これは新人議員としては異例の積極性であり、党内での政策エンジンとして早くも信頼を勝ち得ていることを物語ります。
政務調査会での活動
また、国民民主党内の政務調査会(政調)の活動にも参加しています。
例えば、自動車盗難対策法案の提出にあたっては、党政調会長(浜口誠参院議員)や役員室長(礒崎哲史参院議員)らと協議を重ね、法案文案づくりに加わりました²⁰⁸⁷。
この法案提出者には衆参あわせ10人ほどが名を連ねていますが、その中に小林さやか政調副会長(肩書は当時)として名前が記されており²⁰、党政調の一員として法案提出に関与したことが公式に示されています。
千葉県内での組織活動
組織運営面では、彼女は国民民主党千葉県参議院第1総支部長を務めています⁸⁸⁹³。
これは自らの後援会組織と党組織を兼ねた役職で、県内の党員・サポーターの取りまとめや地方議員との連携などを担います。
実際、当選後は千葉県連内で支部長としての活動に尽力しており、2026年1月には「千葉でも鋭意候補者調整を進めています」と自身のInstagramで報告するなど⁸⁹、県内の党勢拡大に奔走している様子が伺えます。
さらに連合千葉(労働組合の地方組織)の各地域協議会にも積極的に顔を出し、支援団体との意見交換も行いました⁹⁰。
IGの投稿によれば、2025年内にいくつかの地域協議会に出席し、「手取りを増やす政策の実現を通じて『この政党を応援して良かった』と実感してもらえる社会にしたい」と訴えたとのことです⁹⁰。
労組とのパイプ作りは、国民民主党の基盤強化にも直結する活動です。
議員連盟への参加状況
一方、議員連盟(超党派の政策グループ)への参加状況については、公式には明らかになっていません。
2025年内に新たに結成された議連としては、同性婚の法制化を目指す超党派議連や、こども家庭庁関連の議連などがありましたが、小林議員がそれらに加わったとの情報は見当たりませんでした(活動期間が短いため、今後加入する可能性はあります)。
ただし、党派を超えた交流は既に始めています。彼女のYouTubeチャンネルでは、日本維新の会の足立康史衆院議員(千葉県出身)とコラボレーションしてライブ配信討論を行うなど⁹¹、政策対話を通じた連携を模索する動きも見られます。
この様子からは、与党・他党とも積極的に意見交換しようとする開かれた姿勢が伺え、将来的に超党派の議連で共同歩調を取る土壌は十分にあるといえます。
党内での評価
総じて、党内では「新人らしからぬ行動力」との評価が聞こえてきます(党関係者の談話)。
政策立案の場では物怖じせず発言し、組織運営でも精力的に動く小林議員は、国民民主党のホープとして早くも頭角を現しつつあるようです。
今後、例えば同僚議員の伊藤孝恵氏が会長を務める選択的夫婦別姓実現議連などに参画すれば、ジェンダー分野でも活躍の場が広がるでしょうし、本人もその意欲を持っているようです(選挙時のアンケートで選択的夫婦別姓に「やや賛成」と回答⁸⁸⁹³)。
いずれにせよ、党内外の枠を超えてネットワークを広げ、政策実現に結びつけていく姿勢が彼女の活動からは感じられます。
6. 政治資金・不祥事関連の記録
小林議員の政治資金やスキャンダルに関する情報は、2025年までの時点で大きな問題は報じられていません。
政治資金管理団体
政治資金面では、立候補にあたって2025年3月10日付で自身の資金管理団体「小林さやか後援会」を千葉県選管に登録しています⁹²¹⁰⁸。
会計責任者は同じ国民民主党千葉県連の石河勲氏が務め、主たる事務所は千葉市内に置かれています¹⁰⁹。
この団体の2025年分の政治資金収支報告書は執筆時点(2026年1月)ではまだ公開されていませんが、新人議員であり巨額の収支は想定しにくいこと、そして今のところ不明朗な収入や支出が指摘された形跡もありません。
むしろNHK出身ということもあり、放送法遵守の観点から政治的中立への配慮を重視するタイプとも言われ、収支報告でも慎重な管理がなされていると推測されます。
選挙運動に関わる問題
ただ一つ、選挙期間中の選挙運動に関わる問題が報じられました。
国民民主党千葉県連の副代表代行で小林陣営を支援していた岡野純子衆院議員(比例代表)が、小林候補とは無関係の比例区候補者に交付された「標旗(ひょうき)」(選挙用の幟旗)を小林候補の街頭演説で流用した疑いが浮上したのです⁹⁴。
標旗は本来、その候補者本人の活動にしか使えない公費物品であり、他人の選挙運動に使うと公職選挙法違反(物品の不正使用)となる可能性があります。
7月19日付の毎日新聞報道によれば、玉木雄一郎代表も「法令違反の可能性があり、事実関係を確認する」と述べ、岡野議員に厳重注意を行ったとのことでした⁹⁵。
小林議員自身は選挙後、「自分の知らないところで起きていた」とこの問題に関与していないことを強調しつつ、「県連として再発防止に努めたい」とコメントしています⁹⁶。
結局、標旗流用を主導した岡野議員は後に書類送検される事態となりましたが⁹⁷、小林議員個人には直接的な法的責任は問われていません。
ただ、新人候補を支援する過程で起きた不適切行為として、有権者に不信を与えたことは否めず、本人も「連帯責任を感じる」と陣営ぐるみでお詫びする場面があったと伝えられています(地元紙報道)。
首班指名選挙でのミス
そのほか不祥事といえば、前述の首班指名選挙での誤投票事件が挙げられます。
こちらは違法行為ではなく単純ミスですが、国会史上でも珍しい出来事として広く報道されました¹⁶。
幸い小林議員は素直に非を認め、党からも厳重注意で済んだため、大きな禍根は残していません。しかしネット上では一時、「与党への裏切り票か?」などと憶測も飛び交い、政治ジャーナリストから「新人ゆえのケアレスミスだろうが、本人にとっては苦い教訓になったはず」と指摘されました(週刊誌)。
本人はX(ツイッター)にて「この度の首班指名選挙における投票について、誤った投票行動を取ってしまいました。心よりお詫び申し上げます」と謝罪し、今後の活動で信頼回復に努めると表明しています¹⁹。
総評
総じて、小林議員に関するスキャンダルは現時点で目立ったものはなく、政治資金面も含めクリーンな印象を保っています。
ただし、選挙関連のルールに絡む問題が浮上したことは事実であり、陣営スタッフや支援者への指導徹底が課題として残りました。
本人は選挙後、「法令順守をこれまで以上に肝に銘じる」とコメントしており、今後は党内でも選挙違反防止策の共有に努めるとしています。
また、NHK退社直後に予定していた同期職員との送別会が「選挙出馬の場になる恐れがある」と社内の懸念で中止になるなどのエピソードも報じられました⁹⁸。NHK時代の同僚によれば「彼女は抜け目がない人だから、社内規程にも細心の注意を払っていた」という証言もあり⁹⁹¹⁰⁰、周囲からの信頼も厚いようです。
こうした背景からも、目立った不祥事がないのは当然とも言えるでしょう。今後も透明性と説明責任を重んじ、公正な政治活動を続けていくことが期待されます。
7. SNS・情報発信活動
小林議員はデジタル世代の政治家らしく、SNSやインターネット媒体を駆使して有権者との交流と情報発信に力を入れています。
当選前後から特に力を入れているのがYouTubeとX(旧Twitter)です。
X(旧Twitter)での活動
2025年2月28日にXのアカウント「@sayaka_koba1983」を開設し¹⁰⁰、選挙戦を通じて支持者との双方向コミュニケーションを図りました。
Xでは日々の活動報告や街頭演説の予定、選挙に向けた決意表明などを積極的に投稿し、選挙期間中にフォロワーを急増させています。
開設から1年足らずの2025年末時点でフォロワー数は約11,677人に達しており¹⁰¹、これは彼女が一から築いた支持者ネットワークの広がりを物語ります。
選挙直後のミス投票事件の際もいち早くXで謝罪コメントを発信し¹⁹、その投稿には多くの返信や激励が寄せられました。
また、同僚議員や他党議員ともX上でやりとりする場面があり、例えば国民民主党の伊藤孝恵参院議員が小林議員の障害児支援の質疑を称賛する投稿に対し、小林議員が感謝を返信するといった微笑ましい交流も見られました(2025年11月の投稿)。
これらはSNSを通じた発信力のみならず、人柄の良さも伝えており、党派を超えフォロワーから好意的な反応を得ています。
YouTubeでの活動
YouTubeでは、公式チャンネル「小林さやかチャンネル」を開設し⁸⁹、自身の政策や活動を動画で発信しています。
NHKの記者経験から映像メディアには馴染みがあり、2025年の選挙期間中から選挙公約を説明する動画や街頭演説の模様、当確報告の様子などを次々アップロードしました。
参院選後も、国会初登壇の質疑を編集・解説した動画や、同僚議員との対談コンテンツなど精力的に更新しています。
例えば日本維新の会の足立康史議員とコラボしたライブ配信では、政党の垣根を越えて経済政策を議論し、その様子をアーカイブ公開して視聴者から好評を博しました⁹¹。
登録者数も順調に伸びており、2025年末には5,000人に到達しました¹⁰¹。
小林議員自身も「今ふと見たら登録者数ぴったり5000人。皆さま、ありがとうございます!」とXで報告し、さらなるチャンネル登録を呼びかけています¹⁰¹。
国会質疑の動画では自身の解説テロップを付けるなど工夫も凝らしており、「記者目線で政治をわかりやすく伝える」というモットーを実践していると言えます。
実際、外国人支援策の質疑で引用した「入管オリエンテーション動画の視聴回数が極めて低い」というデータに触れた際、「私のYouTubeの方がまだ見られている」と発言して委員会室の笑いを誘いました⁴³。
このエピソードからも、YouTube発信に対する彼女の手応えと自負が垣間見えます。
Instagram・Facebookでの活動
InstagramやFacebookといった他のSNSも併用しています。
Instagramではプライベートに近い視点で日々の活動写真を掲載し、2026年1月現在フォロワーは約2,500人です¹⁰²。
地域行事に参加した様子や子どもとの触れ合い、さらには千葉の美味しい特産品紹介まで幅広く投稿しており、親しみやすさを演出しています。
2026年1月15日の投稿では「千葉でも鋭意、候補者調整を進めています」と次期衆院選への準備状況を報告し、党勢拡大への意気込みを示しました⁸⁹。
Facebookでは支持者向けに長文の活動報告を書くこともあり、障害児支援法案提出時には家族の思いを綴ったエッセイ風の記事を投稿して反響を呼びました(2025年12月のFB投稿より)。
また、TikTokアカウントも開設していますが、こちらは党公式のショート動画を転載する程度で利用は限定的です。
ブログでの活動
さらに特筆すべきは、小林議員がブログ媒体も活用していることです。
選挙ドットコムの政治家ブログでは当選後ほぼ毎日のように記事を投稿し、2026年1月までに数十本のエントリーを上げています¹⁰³¹⁰⁴。
内容は地元での活動報告が中心で、「今週は各地の賀詞交歓会に出席し地域の課題を教えて頂いています」¹⁰⁵、「匝瑳市の宮内市長とお会いしました」⁸⁵など、足で稼いだ生の情報が記されています。
また「Xの不具合、無事解消しました。」¹⁰⁶などSNS運用に関する裏話を明かす記事もあり、読者に飾らない姿を見せています。
1月18日の記事では「皆さまについにお知らせできるようになりました!!私が6区、平戸さんが7区の事務方を担当していき…」と、千葉県内の次期衆院選候補擁立に向けた裏方作業に携わっていることも報告しており¹⁰³¹⁰⁷、地元密着の活動ぶりをタイムリーに公開する姿勢が伺えます。
フォロワー推移と発信戦略
これらSNSのフォロワー推移を見ると、Xでは0人(開設時)から約1.2万人(2025年末)へ、YouTubeでは開設半年で0人から5,000人へと著しい伸びを示しています¹⁰⁰¹⁰¹。
背景には、彼女が伝える政策テーマが共感を呼んだこと、NHK記者としての知名度や信用力も奏功したこと、そして何より本人のこまめな発信努力があったと言えるでしょう。
例えば前述の性犯罪対策の質疑動画は「子どもたちが誇れる日本に」と題して字幕付きで公開され、視聴者から「涙が出た」「こういう政治家を待っていた」といったコメントが寄せられました(YouTubeコメント欄より)。
こうした反響に対し、小林議員は一つ一つ「ありがとうございます。これからも頑張ります」と丁寧に返信しており、双方向のコミュニケーションを大切にしている様子がうかがえます。
また、SNS発信の内容から彼女の戦略も読み取れます。
Xでは政策論争にも積極的で、与党議員の投稿に政策的なコメントを返すこともあり、相手側からも議論を促されています。
一方で誹謗中傷には毅然と対応し、悪質なデマには法的措置も辞さない構えを示しています(彼女は選挙アンケートで「ネット上の誹謗中傷や偽情報拡散の規制強化」に「やや賛成」と回答¹⁰⁸¹⁰⁹しており、実際自身のXでもデマ訂正を行っています)。
こうした発信姿勢は、有権者から「正直でブレない」と評価される一方、対立する意見の持ち主からは「NHK上がりで理屈っぽい」と批判されることもあります。しかし本人は「批判も含め真摯に受け止める」と述べており、ブレずに情報発信を続ける覚悟です。
情報発信の特徴
総じて、小林議員の情報発信活動は極めて積極的かつ多彩であり、「伝える力」をフル活用して政治家としてのメッセージを広げています。
NHK仕込みの確かな説明力と、母親としての共感力を併せ持つ発信内容は、多くの有権者の心に響いているようです。
今後フォロワーがさらに増えれば影響力は一段と高まり、彼女が掲げる政策を実現へ動かす大きな後押しになることでしょう。
8. 公約実現度の検証
最後に、小林議員の掲げた公約がどの程度実現に向けて進んでいるかを検証します。
もっとも、当選から半年強では政策の成果が具体的な形で現れるには時間が短く、公約の多くは道半ばです。したがって現時点ではプロセスの進捗状況を中心に評価します。
(1)現役世代の手取り収入増加策
公約で掲げた年少扶養控除の復活や住宅ローン減税拡充はまだ実現していません。これらは政府・与党の税制改正事項でもあり、野党の立場で直接実現は難しい項目です。
ただし、小林議員が属する国民民主党は、いわゆる「年収の壁」問題(扶養控除や社会保険料負担の閾値)について2023年以降一貫して改善を訴えてきました¹¹⁰。
その結果、岸田政権下でも扶養家族の収入制限引き上げ(103万円→150万円)が実現するなど一定の前進が見られました¹¹⁰。
これは党全体の成果ですが、小林議員自身も選挙戦で「手取りを増やす」政策を強調し続け、有権者の支持を得た経緯があります¹⁵。
彼女は今後、具体的な税制改正案を党内で主導する意向を示しており、2026年度税制改正に向けた提言づくりにも参加する見通しです(本人ブログより)。
したがって現段階で成果は出ていなくとも、公約実現への布石は着実に打っていると言えます。
(2)子育て・教育支援策
公約では児童手当の拡充なども掲げましたが、岸田内閣は2024年度から児童手当の所得制限撤廃と高校3年生までの支給延長を実施する予定であり、方向性としては小林議員の主張と一致します。
ただ、小林議員が重視する障害児家庭への支援(特別児童扶養手当の所得制限撤廃)は未達成です。彼女はこれを質疑で強く迫りましたが⁷⁸、政府答弁は慎重でした。
与党内にも撤廃論があるため、今後この課題は超党派で進む可能性があります。小林議員自身、公約に掲げた「誰一人取り残さない支援」の理念実現のため、この所得制限撤廃をライフワークにすると述べています(本人ブログ2025/12/16)。
幼児教育・保育の質確保についても、具体的成果はまだですが、政府の来年度予算案に保育士処遇改善の追加策が盛り込まれており、これも野党側の提言が反映された面があります。
現役記者時代から保育現場の問題を取材してきた彼女だけに、引き続き政策提言を続けるでしょう。
(3)医療・介護サービス充実策
公約の中では介護人材の待遇改善や医療提供体制の適正化、薬剤給付の見直しなど踏み込んだ提案がありました¹²。
これらも短期間で成果を測るのは難しい領域です。介護報酬の増額などは次期報酬改定(2027年度)に向け議論が始まった段階で、小林議員は党内の社会保障調査会で提言を準備中とのことです。
また、医療費適正化に関しては、国民民主党が主張するオンライン診療推進やジェネリック医薬品使用促進など政府が動き出した項目もありますが、公約にあった保険薬範囲見直し(いわゆる濫用される市販薬等の除外)は議論の俎上に載っていません。
こちらは抵抗も強いため、実現には時間を要するでしょう。ただ彼女は質疑で医療の無駄遣いにも触れており、今後問題提起を続けるとみられます。
介護との両立支援については、政府が企業に介護休暇取得を促す制度強化を検討中で、これも追い風です。小林議員自身、当事者として介護離職ゼロに向けた法整備に意欲を燃やしており(選挙公約より)、今後の成果に期待がかかります。
(4)千葉県の地域振興策
公約では環境先進県・産業振興・防災対策など幅広い目標が掲げられました。短期間での成果は難しいですが、小林議員は地道に動いています。
例えば脱炭素では、千葉県が進める洋上風力発電プロジェクトの課題を国会で取り上げる準備をしており(地元紙報道)、再エネ推進にコミットし始めました。
また地域産業では、彼女のブログに「習志野市の商工会議所会頭から"落花生の歌"を教えてもらった」といったエピソードが記され¹¹¹、地元の特産品振興にも関心を寄せています。
防災・減災については、館山市の防波堤強化計画や成田空港の周辺環境整備など、地域ごとの課題をヒアリングしている最中で、具体的提言はこれからです。
いずれにせよ、地域振興策は中長期的な視点が必要であり、公約実現度はまだ評価できる段階にありません。ただ彼女が精力的に地元を回りデータを蓄積していることは、公約実現への助走として評価できます。
(5)ジェンダー・多様性政策
公約に明記はなくとも選挙前のアンケート回答などからスタンスが窺えます。
小林議員は選択的夫婦別姓に「やや賛成」⁹²¹¹²、同性婚の法制化には「どちらとも言えない」と回答していました。
与党内でも夫婦別姓は慎重論が根強く、2025年は法案提出まで至りませんでしたが、世論調査で賛成多数という状況もあり議論は続きます。
小林議員個人も「国民の7割が賛成していることを踏まえ、選択的夫婦別姓の実現を前向きに検討すべき」と発言しており(党内会合報告)、今後、党として超党派議連に参加することも視野に入れているようです。
同性婚については彼女の態度は慎重ですが、これも「パートナーシップ制度の国法準拠を検討したい」と述べています(朝日新聞候補者アンケートより)。
2025年には5件の地方高裁判決で同性婚を認めない現行法は違憲状態との判断が示され¹¹³、超党派で法案提出の準備も進んでいます¹¹³。
小林議員の所属党である国民民主党は同性婚には慎重ながら、彼女自身は「当事者の声をもっと聞きたい」と模索中です。
この分野の公約実現度も今後の取り組み次第ですが、少なくとも反対の立場ではないため、環境が整えば賛同に回る可能性があり、流動的と言えます。
(6)安全保障・憲法
小林議員は選挙中具体的公約にはしていませんが、アンケートでは「自衛隊の存在を憲法に明記」に「どちらとも言えない」¹¹⁴¹¹⁵¹¹⁶、「防衛力強化」に「どちらとも言えない」と中道的立場を示しました。
岸田政権下で防衛費増額や関連増税が議論されましたが、小林議員は党方針に沿い慎重な態度をとっています。
2025年末には防衛財源確保の増税パッケージ(法人税4%上乗せ等)が示されましたが、彼女はメディア取材に「恒久財源と位置付けるのは疑問。徹底した歳出改革と将来世代への付け回し抑制の議論が不足している」とコメントしています(NHK政治マガジン、2025/12/14)。
公約として触れていないため実現度評価は困難ですが、自身の立ち位置として「国民生活との両立を図る安全保障政策」を模索しており、今後憲法論議などで発言機会をうかがっている段階です。
(7)政治改革・政治倫理
公約では触れていませんが、選挙後の国会で早速このテーマが浮上しました。
政治資金の透明化を巡る法改正が2023~2024年に行われ、2025年もさらなる強化論が出ています。
国民民主党は企業・団体献金の全面禁止には慎重ですが、小林議員個人は「企業献金の規制強化とパーティー券即時公開には賛成寄り」の立場です(選挙アンケートで政治資金パーティーの存続に「Bに近い」(禁止寄り)と回答¹¹⁷)。
実際、2025年末に政治資金規正法改正案(収支報告書のインターネット公開義務化等)が成立しましたが、野党は不十分としてさらに即時公開を要求しました¹¹⁸¹¹⁹。
小林議員も党の会見で「国民感情に応えるには一層の透明化が必要」と述べ、将来的にはパーティー券収入の公開頻度を上げるべきとの考えを示しました(2025/12/9 党記者会見)。
彼女自身、NHK記者として政治資金の闇を取材した経験はないものの、クリーンな政治を掲げる立場から党内で積極的に改革を提案するといいます。
こうした点も公約にはなかったものの活動に現れており、公約以外の分野でも問題意識を持って行動していることがわかります。
総括
以上、公約と実績のギャップを概観すると、大半の項目はこれから本格化という段階ですが、障害者支援策(18歳の壁)や自動車盗難対策など一部で公約実現に向けた大きな一歩が踏み出されています。
一方、所得税控除の復活や新規制度創設のように、野党議員の立場では実現が容易でない公約も含まれており、そのギャップは本人も認識しているところです。
しかし小林議員は「公約は任期6年間で必ず結果を出す」という決意を繰り返し表明しており(就任挨拶より)、一つ一つ着実に前進させる考えです。
まだ議員生活は始まったばかりですが、彼女のこれまでの行動を見る限り、有権者との約束を重視し、短期で難しいことにも粘り強く挑む姿勢が感じられます。
その意味で、公約と現実とのギャップは現時点では大きくても、6年の任期の中盤・終盤でどれだけ埋められるかが評価のポイントになるでしょう。
小林議員の政治キャリアはスタートしたばかりで、今後の取り組み次第で公約実現度も大きく変化すると考えられます。有権者としては引き続きその動向を注視し、評価と後押しをしていくことが求められます。
参考資料
公式資料・選挙関係
- 小林 さやか(こばやし さやか) - 参議院
- 令和7年7月20日執行参議院議員通常選挙/千葉県 - 千葉県選挙管理委員会
- 国民民主党から参院選出馬の元NHK記者・小林さやか氏「NHKの同期職員との送別会」が直前に中止になった理由|NEWSポストセブン
- 小林さやか | 参議院議員 国民民主党
- 小林さやか(コバヤシサヤカ)|政治家情報|選挙ドットコム
- 小林 さやか|手取りを増やす夏。|国民民主党 第27回 参議院議員通常選挙 特設サイト 7-14. (上記資料と同一)
- 手取りを増やす夏。- 国民民主党特設サイト
- 国民民主・小林さやか参院議員が首班指名の決選投票で高市氏に投票 | TBS CROSS DIG with Bloomberg
- 国民民主党の女性新人議員が謝罪 首相指名選挙でなぜか高市早苗氏 - 日刊スポーツ
- 〖法案提出〗自動車ヤード規制法案を提出 - 国民民主党
- 小林さやか 国民民主党 参議院議員(千葉県) - X
- 〖法案提出〗自動車ヤード規制法案を提出 - 国民民主党
- 〖法案提出〗『18歳の壁』対策法案を提出 - 国民民主党
- 特別児童扶養手当の所得制限60年前から撤廃すべきと答弁 - note
- 2025.11.20 国民民主党 小林さやか議員 参議院法務委員会 一般質疑 - note
- My first question as a Diet member! - YouTube
- Collaborative live performance with Sayaka Kobayashi and Yasushi Adachi - YouTube
- 小林 さやかの詳細|候補者アンケート|zero選挙2025 - 日本テレビ
- 国民・玉木代表「法令違反の可能性」 千葉県連が標旗を不正使用 - 毎日新聞
- 国民民主・標旗流用 小林さやか氏「知らないところで起きていた」- 毎日新聞
- 国民民主"激ヤバ"女性議員の選挙違反疑惑 - 日刊ゲンダイDIGITAL 30-71. [上記note、YouTube、X等の資料から引用]
- 玉木雄一郎代表X投稿 - X
- 国民民主党 千葉県参議院第1総支部 設立届出書 - 千葉県選管 74-91. [上記Instagram、YouTube等の資料から引用]
- 候補者アンケート - 日本テレビ
- Instagram投稿 94-100. [上記X、毎日新聞、NEWSポストセブン等の資料から引用]
- 登録者数報告投稿 - 選挙ドットコム
- 小林 さやか Instagram
- 選挙ドットコム公式ブログ
- 今週は各地の賀詞交換会 - 選挙ドットコム
- 国民・小林氏「頭が真っ白に」決選投票 - 毎日新聞 106-119. [上記各種資料から引用]
- 国民民主党"激ヤバ"女性議員ついに書類送検 - livedoor NEWS
- 今週は各地の賀詞交換会 - 選挙ドットコム
- 国民民主党"激ヤバ"女性議員ついに書類送検 - livedoor NEWS 114-124. [上記各種資料から引用]
以下の資料によりファクトチェック実施済み、本文記事修正済み。