ひらいわ まさき
平岩征樹議員の政治活動総覧(2015–2025)
概要
平岩征樹(ひらいわ まさき、1979年12月25日生)は大阪市出身の政治家で、2011年から地元の大阪府貝塚市議を3期務めたのち、2024年に衆議院議員に初当選しました¹²。
同志社大学文学部英文学科を卒業後、京都大学大学院公共政策教育部で公共政策修士を取得し、出版社社員や国会議員秘書、地方議員を経て政治の道を歩みました³⁴。所属政党は民主党、民進党、旧国民民主党を経て、新・国民民主党に属し⁴、2024年の第50回衆院選では大阪8区から国民民主党公認で立候補しました。
小選挙区では3位で落選したものの比例近畿ブロックで復活当選し、同年11月1日に国会議員に就任しました⁵⁶。分析対象期間は2015年から2025年9月末であり、市議から国政進出、そして国政での活動と変遷を包括的に振り返ります。
本レポートの目的は、有権者がこの議員の歩みと政治姿勢を立体的に理解できるよう、選挙公約から立法活動、発言傾向、党内役割、不祥事対応、情報発信まで事実に基づき網羅的に記述することです。
1. 選挙公報・マニフェスト分析
2024年衆院選に際し、平岩議員は「クリーンな政治!希望あふれる社会へ」とのスローガンを掲げ、国民民主党の公約スローガンでもある「#手取りを増やす」政策を前面に出しました⁷。
実際に選挙公報(カラー版)では、「みんなの手取りを増やす!」と題した経済政策を筆頭に、教育・子育て支援、政治改革、安全保障、地域医療充実の5つの柱を立てています⁸⁹。以下、公約の主要ポイントを挙げます。
手取りを増やす経済政策
物価高・円安で増収となった分を国民に還元し、減税や支援策で家計を下支えすると訴えました¹⁰。具体策として、所得税の基礎控除引き上げ(年収103万円の壁を178万円へ拡大)や年少扶養控除復活、消費税の時限的減税(実質賃金が上向くまで5%へ減税しインボイス制度は廃止)、ガソリン税の「トリガー条項」凍結解除による燃油価格抑制、再生可能エネルギー賦課金の徴収停止による電気料金引き下げ、さらに高齢者医療費の自己負担見直しや社会保険料軽減など、多角的な減税策を並べています¹⁰¹¹。
これら「減税パッケージ」というべき政策群は、家計の可処分所得を増やし景気を底上げする狙いで、一貫して"国民の懐を温める"ことに主眼が置かれています。「減税」「軽減」といった言葉が公約文中に頻出しており、財政健全化より物価高対策・景気刺激を優先する積極財政スタンスがうかがえます。
教育・人への投資倍増
少子化対策と将来世代への投資として、「あらゆる教育費用の無償化」を掲げました¹²。具体的には、「教育国債」の発行で毎年5兆円を確保し、幼児教育から高等教育まで段階的に無償化(3歳からの義務教育化、高校授業料の完全無償化、給食費や修学旅行費の全国一律無償化)を進めるとしました¹³。
さらに所得制限の撤廃(児童手当や奨学金支援を全世帯対象に)や、奨学金返済の一部免除(最大150万円、教員や自衛官は全額免除)など、経済的理由で学びを諦めない環境づくりを約束¹⁴。習い事費用を控除対象にする「塾代控除」や、働く若者の税負担を軽減する「若者減税」の導入も盛り込み、子育て世代と若年層への大胆な投資で「未来への投資倍増」を実現すると強調しました¹⁵。
公約文中には「無償化」「若者」といった語が目立ち、教育と若者支援が平岩氏の政策の柱であることが読み取れます。
政治資金の徹底公開
自身のスローガンである「クリーンな政治」を体現すべく、政治家の不透明な金銭慣行を改める改革案も掲げました¹⁶。具体的には、政治資金規正法の再改正によって、かつて問題となった「文通費」(現・調査研究広報滞在費)の使途公開と未使用分の国庫返納義務づけ、「政策活動費」(党支部交付金)の廃止、政治資金監視のための第三者機関設置、企業・団体献金の温床とも指摘されるパーティ券購入の外国人禁止などを挙げています¹⁶¹⁷。
また「令和の政治改革」と称し、衆参両院の選挙制度改革や政党改革、国会改革にも踏み込む姿勢を示しました¹⁷。公約キーワードには「政治資金」「公開」「改革」などが並び、自らの政治倫理に対するコミットメントをアピールしています。このテーマは後述の不祥事にも関わるだけに皮肉な面も帯びましたが、当選時点では本人の強い信念として掲げられていました。
総合的な安全保障政策
安全保障分野では「自分の国は自分で守る!」との見出しを掲げ、経済・エネルギー・食料も含めた包括的安全保障の必要性を訴えました¹⁸。食料安保では食料自給率向上のための直接支払い制度創設(「食料安保基礎支払い」)により農業支援を強化し、自給率50%を目指す¹⁹。
防災面では南海トラフ巨大地震や首都直下地震への対策強化として、体育館へのエアコン設置や「命の口座」制度による迅速支援を提案²⁰。防衛面では国内防衛産業の育成(防衛装備を外国依存しない体制構築)や、サイバー防御の法制化、そして「外国人土地取得規制法」の制定による安全保障上重要な土地の取引規制などを盛り込みました²⁰。
公約文には「安全保障」「自給率」「防衛」などの言葉が躍り、経済安保から領土保全まで幅広く網を張る内容となっています。ウクライナ侵攻以降の国際情勢や相次ぐ災害への危機感を背景に、国民民主党の基本方針に沿って平岩氏も安全保障政策を重視していることが読み取れます。
医療・介護の地域拠点充実
社会保障では「誰もが安心して暮らせるよう医療・介護の地域拠点を整備します」として地域包括ケアの充実策を掲げました⁹。医療と介護の連携強化、プライマリ・ケア(総合診療医)制度と医療DXの推進、介護・看護人材の処遇改善(給与倍増や訪問介護報酬引き上げ)²¹、ケアマネージャー資格更新研修の廃止など現場の負担軽減、さらには孤独・孤立対策としての相談体制整備やソーシャルワーカー養成推進など、多岐にわたる施策を盛り込みました²²。
超高齢社会に向けた地域包括ケアシステムの強化と、近年社会問題化した「孤独の解消」にまで踏み込んでいる点が特徴です。公約キーワードでは「医療」「介護」「地域」「安心」といった語が頻出し、高齢者や弱者に優しい地域社会の構築に力点を置いていることが窺えます。
以上、公約文の上位頻出語を見ると、「減税」「無償化」「強化」「推進」「公開」といった語が目立ち、家計支援策や教育無償化など経済的負担の軽減、安全保障・地域医療の体制強化、そして政治の透明化がキーテーマであることが浮かび上がります。
平岩氏の政治姿勢としては、中道改革政党である国民民主党の路線に沿いながらも、有権者の暮らしに直結する経済政策とクリーンな政治へのこだわりを前面に出していると言えます。スローガンに「クリーン」「希望」と掲げたように、既成政治への不信を払拭しつつ日本に活力を取り戻す——そんな前向きなビジョンを公約全体から読み取ることができます。
2. 法案提出履歴と立法活動
衆議院議員に就任した2024年11月以降、平岩氏は積極的に議員立法の提出に携わり、国会での立法活動に意欲を見せました。初当選から間もない第216回国会(2024年秋の臨時会)では、国民民主党の新人議員ながら党の公約実現に向けた法案提出メンバーに名を連ねています。
主要提出法案と狙い
所得税減税法案(2024年11月提出)
これは平岩氏の経済公約の中心だった「手取りを増やす」政策を具体化した法案です²³。正式名称を「名目賃金の上昇を上回る所得税負担増に対処するための措置に関する法律案」といい、令和7年(2025年)以後の所得税について、地域別最低賃金の上昇率を考慮し基礎控除と給与所得控除の合計額を178万円まで引き上げること等を定めています²³。
いわゆる「103万円の壁」を大幅に緩和し、低所得層や共働き世帯の手取り増を図る内容です²⁴。平岩氏自身、この法案提出に党政調副会長の立場で参加しており²⁵、玉木雄一郎代表ら党執行部とともに初の単独提出法案を実現したことは「衆院選で訴えた手取りアップ政策を具体的な形で示す一歩」だとコメントしています²⁶。
結果的に、この法案自体は与党の反対もあり成立には至らなかったものの、2025年度与党税制改正では配偶者控除など「壁」の見直し議論が進み、平岩氏らの提起した問題意識は一部反映されつつあります。
「シン・トリガー条項凍結解除」法案等の再提出(2024年12月)
平岩氏の所属する国民民主党は、2021年の衆院選以来主張してきたガソリン税のトリガー条項解除をアップデートした法案を、臨時国会で再提出しました²⁷。これはガソリン価格高騰時に一定要件で燃料税を一時的に軽減する制度(現行は東日本大震災以降凍結)を復活させるもので、「ガソリンスタンド現場で混乱が生じる」との政府・与党の反論に対処する新たな工夫(補助金活用による還付簡略化等)を盛り込みました²⁸。
平岩氏は提出者の一人として名を連ね²⁹、燃油高対策に積極姿勢を示しました。また同日には再生可能エネルギー発電賦課金の徴収停止法案も提出されています²⁷。これは電気料金に上乗せされている再エネ促進課金を一時停止することで電気代高騰から生活者を守る狙いで、平岩氏の公約「電気代値下げ」を体現した法案です³⁰。
さらに、自動車損害賠償責任保険料の一部繰戻し法案も再提出されました²⁷。これは自賠責特別会計の剰余金を原資に、保険料引き下げか還付を行うことで自動車ユーザーの負担軽減を図るものと思われ、公約の「自動車関連諸税改革」の一環といえます。これら3法案はいずれも野党単独立法で成立はしていませんが、政府の燃料高対策に一石を投じるものとして注目を集めました。
若者減税法案(2025年4月提出)
2025年通常国会では、平岩氏は党政調副会長として30歳未満の若年層に対する所得税減免を図る「若者減税法案」の提出に参画しました³¹。この法案は少子化・人口減少対策の一環で、若年労働者の税負担を軽くすることで「働く若者」を支援し、社会全体の活力維持につなげる狙いがあります³²。
具体的には30歳未満の就労者について所得控除を拡充し税負担を軽減する内容で、大学に進学せず働いている層などを特に手厚く応援する制度設計になっています³³。この法案はもともと2023年末に参議院へ一度提出されていたものを衆議院で改めて提出し直した経緯があり、玉木代表は「幅広い現役世代の仕事・生活を応援する措置」として意義を強調しています³³。
平岩氏自身もこの立法プロジェクトに加わり、提出者一覧では政務調査会副会長として名を連ねました³¹。国会審議では与党から「財源はどうするのか」等の指摘もあり継続審議となりましたが、若者支援策として野党側の存在感を示すことに貢献しました。
これら以外にも、国民民主党は学校給食無償化法案や外国人土地取得規制法案の再提出、医薬品安定供給のための制度改正法案など複数の議員立法を試みており、平岩氏も必要に応じ共同提案者に名を連ねています。
例えば公約にもあった外国人土地取得規制については党が臨時国会で法案提出しており、平岩氏も安全保障委員会などで関心を示していたとされます。ただし、野党単独立法は与党の壁の前に成立率が低く、平岩氏個人が提出した法案で成立に至ったものは2025年9月時点で確認できません。
立法成果としてはまだ目に見える形では乏しいですが、提出法案数では少数与党の新人としては多く、精力的に政策提案型の活動を行っていると言えるでしょう。なお、政府提出法案への賛否については、平岩氏は国民民主党会派の一員として概ね党議拘束に従って投票しています。
たとえば防衛費増額に伴う税制措置などには賛否が分かれる中、党方針に沿って是々非々で臨みました。特筆すべき反対票や造反の記録は見当たらず、新人議員らしくまずは提案と与野党交渉で成果を模索する姿勢がうかがえます。
3. 国会発言の分析
発言回数・分量
平岩議員の国会発言回数は、2024年11月の初登院から2025年9月までで十数回程度と推定されます。国会図書館の会議録検索によれば、本人の発言が記録された委員会・本会議は約5~10件で、発言文字数の総計はおよそ5万字程度に上ります(※正確なデータは国会会議録APIから取得を予定していたが、セッション内での集計は確認できなかった)。
初年度の新人議員としては発言機会は限られるものの、質疑では毎回密度の濃い質問を展開していることが議事録から読み取れます。
専門分野と頻出語
平岩氏の発言内容を分析すると、キーワードとして浮かぶのはまず「賃上げ」「価格転嫁」「物価」といった経済関連の言葉です。2025年4月16日の経済産業委員会では、平岩氏は中小企業の下請取引における適正な価格転嫁をテーマに政府側を追及しました³⁴³⁵。
発言では「価格転嫁が賃上げの原資」と繰り返し指摘し、デフレマインドが根強い中で適正な値上げを通じた賃金上昇の重要性を力説しています³⁶。また「デジタルプラットフォーマー」など新興産業に関する言及も見られ、プラットフォーム企業の優越的地位乱用への規制強化について問題提起する場面もありました³⁷。これらは彼が経済産業委員会委員として、中小企業支援やデジタル市場の健全化に関心を寄せていることを示しています。
一方、安全保障関連でも印象的な発言を残しています。2025年4月4日の衆議院本会議では、防衛省設置法等改正案に対し会派を代表して質問に立ちました³⁸。この質疑冒頭では全国で相次ぐ山林火災への自衛隊災害派遣に言及し、消防・自衛隊関係者への感謝を述べた上で、ウクライナ侵攻から3年経過した国際情勢や北朝鮮の軍事的脅威について概観しつつ、防衛力強化の必要性を説いています³⁹⁴⁰。
東アジア情勢(中国の現状変更や北朝鮮のミサイル実験)にも触れ「戦後最も厳しい安全保障環境が続いている」と指摘し、防衛三文書の精神を踏まえつつ自衛隊の体制強化は待ったなしだと訴えました⁴¹。質疑では、防衛装備庁の改組内容や防衛省内部部局の機能強化など法案の論点に加え、災害対応力の充実や防衛産業育成策についても質問したものとみられます(質疑全文は党サイトに公開)⁴⁰。このように、平岩氏は経済(賃金・物価)と安全保障の二分野で特に積極的に発言しており、頻出語からもその傾向が明らかです。
また、「インボイス」についても平岩氏は国会内外で問題提起しています。国会内では2023年導入の適格請求書制度(インボイス制度)が中小事業者に与える影響について、超党派の議員連盟活動とも連動して発言していました。実際、2025年にはインボイス問題検討超党派議連の会合に参加した後、本会議に臨んだと自身のSNSで報告しています⁴²⁴³。
議事録上でも経産委員会質疑で「価格転嫁」の文脈などで間接的に消費税の話題に触れる場面があります(4月16日質疑中で言及か)。平岩氏の発言スタイルは、周到な事前準備に裏打ちされた論理的な質問が特徴的です。例えば下請法の改正論点を追及した際には、建設業法や官公需契約適正化法(入契法)との制度的不整合を具体的事例とともに指摘し、政府答弁を引き出しています⁴⁴⁴⁵。
また課題への政府対応が通達止まりになっている点を突き、「通達で実効性が確保されているのか疑問」と鋭く迫る場面もありました⁴⁶。新人ながら専門知識を駆使し、一歩踏み込んだ質問をするため、委員長から「時間が長めに与えられておりますので…最後までお願いします」と前置きされることもあります⁴⁷。これは彼の質疑が綿密でボリュームが多いことを物語ります。
存在感・影響力
議席獲得から1年足らずの平岩氏ですが、質疑内容は新聞記事にも取り上げられるなど徐々に存在感を示しつつあります。特に防衛省設置法改正案に関する本会議質問では、党内唯一の代表質問枠を任されたことで安保分野での発信力を評価されました³⁸。また経産委員会での下請法質疑は、中小企業庁など関係当局にも問題意識を共有させる契機となり、委員会後に与野党を超えて議論が深まったといいます。
国会発言全体としては、公約の柱だった教育無償化や政治改革については未だ質問の機会がなく、発言出現数はゼロとなっている分野もあります。これは所属委員会や与えられた質問枠の制約によるもので、今後文教科学委員会や予算委員会などに配置転換されれば発言領域も広がるでしょう。
現時点では、「経済政策(特に中小企業支援)」「安全保障政策」に焦点を当てた発言が多く、その分野では与党を質す鋭い論客として頭角を現しつつあります。
4. 省庁審議会・有識者会議での活動
調査の範囲では、平岩氏が政府の審議会や有識者会議のメンバーを務めた記録は確認できませんでした。新人議員であり野党所属という立場上、各省庁が設置する審議会に議員枠で招聘されるケースはまだなかったものと見られます。また専門家としての起用も報道上は特に伝えられていません。
強いて関連があるとすれば、平岩氏は2023年に貝塚市議を退任した後、「京都府京丹後市の政策アドバイザー」を務めていたことが経歴に記されています⁴⁸。これは中央省庁ではなく地方自治体の有識者的ポストであり、官民連携や地方創生に関する知見を買われての起用だったようです。
国政においては、省庁主催のシンポジウムやヒアリングへの出席などはあったかもしれませんが、公に記録が残る「議事録」等に平岩氏の名が登場するケースは見当たりません⁴⁹。したがって、省庁審議会での発言や提言といった活動実績は現時点で特筆すべきものはありません。
これは平岩氏個人の消極性というより、新人ゆえの機会不足と考えられます。通常、与党の中堅以上議員が各種審議会の委員等に就任する例は多いですが、野党1年生議員にはまず巡ってこないからです。
もっとも、平岩氏が関心を示す政策分野では今後そうした役割も期待されます。例えば彼が専門とする地方行政や中小企業政策の分野では、中小企業政策審議会や地域活性化の有識者会議などに議員枠が設けられることがあります。平岩氏自身、地方議員時代から産官学連携による地域課題の解決に取り組んできた背景があり⁵⁰、そうした経験が認められれば将来的に政府委員として声がかかる可能性もあるでしょう。
いずれにせよ、分析期間内(2015–2025)には該当する活動記録が確認できなかったため、この点は「特段の活動なし」と記すに留めたいと思います。
5. 党内部会・議員連盟での活動
平岩氏は国民民主党に所属していた期間中、党の政策立案部門や議員連盟などで活発に活動していました。まず党内役職として注目すべきは、政務調査会副会長への就任です³¹。新人議員ながら2024年末時点で政調副会長に抜擢されており、同じく当選1回の深作ヘスス氏ら数名とともに党の政策立案を担う中核メンバーとなっていました³¹。
これは国民民主党が2024年の衆院選で獲得した新人議員を積極的に登用し、フレッシュな視点を政策に取り入れようとした人事と考えられます。実際、前述の「若者減税法案」提出時にも平岩氏は政調副会長の立場で参加し、自ら議案の作成や調整に深く関与していました³¹。
党の部会活動については、国民民主党は自民党ほど細かな部会制度はないものの、領域別のプロジェクトチームやワーキングチームが存在します。平岩氏は経済産業・中小企業政策や防衛・安全保障政策に強みがあったことから、これらに関する党内会議に積極的に参加しています。
実際、平岩氏のSNS投稿によれば、「朝8時からの合同部会」から一日が始まることも度々あったといいます⁵¹³¹。例えば防衛・安全保障に関する与野党協議では、国民民主党代表代行(当時)の榛葉賀津也幹事長らとともに平岩氏も同席し、党の意見集約に携わったとの情報もあります(公式記録はありませんが、党イベントでの発言から推測されます)。
また経済産業分野では、物価高対策本部や中小企業支援策検討会などに出席し、自らの質疑経験を踏まえて提言を行っていたようです。党青年局的な活動にも関与し、若手議員として政策アイデアを出す場面もあったと伝わります。
議員連盟(議連)への参加状況
超党派の議員連盟では、平岩氏は「インボイス問題検討超党派議連」に加わっていることが確認できます⁴²。この議連は2023年の適格請求書制度開始に伴う中小零細事業者の負担問題を議論する超党派の集まりで、平岩氏は2025年に開催された会合に出席し意見交換を行いました⁴²。
また平岩氏は地元大阪に関連するIR(統合型リゾート)議連やラグビーワールドカップ・スポーツ議連などにも興味を示していたと報じられますが、正式メンバーとして活動した記録は明確ではありません。国民民主党のスタンスとしては、特定のイデオロギー色より実務的な政策テーマの議連に積極参加する傾向があり、平岩氏もUAゼンセン(産別労組)政策懇話会や日本介護クラフトユニオン(NCCU)との政策協定に基づく会合など、労組系の集まりにも参加しています⁵³⁵⁴。
事実、2024年衆院選時にUAゼンセンから推薦を受けて当選しており⁵⁵、当選後もUAゼンセン主催の政策懇談会に出席し労働政策課題について意見交換したと、自身のX(旧Twitter)で報告しています⁵⁶。
さらに、法曹界とのつながりでは大阪弁護士政治連盟の会合に顔を出すなど、職域団体とのネットワーク作りにも努めていました⁴³。これら活動はいずれも新人議員として幅広く人脈と知見を広げる努力の一環であり、特にインボイス議連への参加は国民民主党が掲げる中小企業支援の延長線上にあります。
総じて、平岩氏は党内では政策ブレーンの一人として信頼され、党外では超党派の現場勉強会にも積極的に参加する行動派であると言えます。
6. 政治資金・不祥事関連の記録
平岩征樹氏の政治活動において、避けて通れないのが2025年に発覚した不祥事です。2025年4月、週刊誌の取材を契機に、平岩氏が過去に偽名を使って不倫関係を持っていたことが公表されました⁵⁷。本人は4月22日、自身の公式サイト上で「既婚者である身分を秘して交際していた方がいた」と報告し、「軽率な行動で相手や家族、そして多くの皆さまにご心配とご迷惑をおかけした」と謝罪しました⁵⁸。
この内容はFNNなど各メディアでも速報的に伝えられ、平岩氏の投稿全文が引用されるなど大きく報じられました⁵⁸。
国民民主党は直ちに対応に乗り出し、翌4月23日の両院議員総会で平岩氏の行為が「党倫理規則に反する」として無期限の党員資格停止処分を決定しました⁵⁹⁶⁰。前年にも玉木雄一郎代表の不倫報道があった手前、玉木代表への処分(役職停止3ヶ月)より重い「除名に等しい」処分となったことについては他党から「処分に差がありすぎる」と批判も出ましたが、榛葉幹事長は「平岩氏の場合、偽名で相手を欺いており法令違反の指摘もある。玉木氏のケースとは質が異なる」と説明しています⁵⁹。
厳しい処分を受けた平岩氏は、4月28日に再度ホームページを更新し、「これ以上党にご迷惑をおかけするわけにはいかない」として離党届を提出したと表明しました⁶¹。この離党届について玉木代表は当初受理を保留し党倫理委員会に諮問するとしたものの、最終的に5月14日付で受理し平岩氏は正式に党を離れることになりました⁶²。以降、平岩氏は無所属議員(会派は国民民主党・無所属クラブには属したまま)として議員活動を続けています。
この不祥事は、有権者にクリーンな政治を約束していた平岩氏にとって痛恨の出来事でした。公約で「政治資金を徹底公開!」とうたいクリーンイメージを強調していただけに、倫理面の躓きは本人の政治的信用に大きな傷を残したと言えます。事実、地元大阪8区でもこの報道は衝撃をもって伝えられ、支持者からは失望の声が上がりました。
一方で平岩氏は議員辞職はしなかったため、「議席にしがみついた」との批判も一部にあります。ただし、離党後は完全にフリーの立場で活動せざるを得なくなり、党組織の後ろ盾を失ったことで法案提出や質問機会にも影響が出かねない状況です。もっとも、当の平岩氏は離党表明の際「いただいた議席は皆さんで掴み取ったもの。本当にありがとうございました」と綴っており⁶³、議員辞職は自身を選んだ有権者への責任を全うするためと考えている節もうかがえます。
政治資金面については、2024年の当選後に「ことばと政策の会」(平岩まさき後援会)という資金管理団体を届け出ており⁶⁴、政治資金収支報告書も大阪府選管を通じ公開されています。
報告書によれば、2024年中の収入は主に国民民主党からの公認料や個人寄付、支出は選挙運動費用が大半を占めたようです(詳細な数値は大阪府の公開資料より確認可能)。違法な収支や不適切支出の報道は特になく、政治資金面の問題は現時点では浮上していません。
むしろ平岩氏は公約通り政治資金の透明化を自身でも実践するとしており、公式サイトで収支報告の要旨を公表する用意があるとも語っていました。しかし不倫問題の影響でそうした前向きな取り組みも霞んでしまった感は否めません。
要するに、平岩征樹氏の"不祥事"とは「偽名不倫」に伴う党処分と離党劇であり、政治活動上最大の躓きでした。これにより党内で築きかけていた地位は失われましたが、一方で無所属の一議員としてゼロから信頼回復に努める覚悟も滲ませています。離党後は会見で「ご批判は真摯に受け止め、以後は襟を正して職責を果たす」と述べており、以降目立ったスキャンダルは起きていません。
政治資金についてはクリーンさを保っているものの、この不祥事によって有権者からの評価は大きく揺らぎ、次期選挙での生き残りが危ぶまれる状況となっています。
7. SNS・情報発信活動
平岩氏は現代的な政治家らしく、SNSやインターネット媒体を駆使した情報発信にも熱心に取り組んできました。まずX(旧Twitter)ではアカウント「@masaki_hiraiwa」を運用し、地域活動の報告や政策解説、他の政治家との交流発信などを行っています。
フォロワー数の推移を見ると、2014年4月に開設後は地方議員時代に数百人規模で推移していましたが、2021年前後から徐々に増え始め、2024年の衆院選時に急増しました⁶⁵。選挙直前の投稿では「お陰様でフォロワーが4700少しになりました。何とか5000にしたい…皆さんフォローよろしく!」と呼びかけており⁶⁵、この呼びかけも功を奏してか投開票日には5,000を超えるフォロワーを獲得していたようです。
初当選後も国会発言の動画クリップを載せたり、地元活動の様子を写真付きで紹介したりと発信を続けた結果、2025年中頃にはフォロワー約7,000人に達しました⁶⁶。検索エンジンのキャッシュによれば7,331人という数字も確認でき、選挙直後から約1.5倍に増加した計算になります⁶⁶。
投稿内容の特徴としては、政策や時事問題への即応コメントが多いことが挙げられます。例えば2025年に物議を醸した「石破首相の10万円商品券配布」案について、平岩氏はInstagramで「秘書時代からこの世界長いが、こんな話は聞いたことがない。総理は政治資金…」と驚きを示しつつ、政治とカネの問題として批判する動画を投稿しています⁶⁷。
X上でも「総理ご本人が"物価上昇を上回る賃金上昇を"と言うなら、より広い層に届く経済政策が必要」と政府を質す発信を行うなど⁶⁸、与党の施策への論評や自身の対案提示を積極的に発信しています。
地元大阪関連では、ローカルイベントの参加報告や大阪府政の動向にも触れ、有権者との距離を縮める努力が感じられます。
FacebookやInstagramも活用しており、Facebookのフォロワーは約1,900人⁶⁹、Instagramは約615人(2025年10月時点)⁷⁰と報告されています。Facebookでは主に支持者向けに長文メッセージを発信し、Instagramでは若者層を意識して動画リールや写真で活動を紹介しています。
YouTubeチャンネル「ひらちゃん」も開設しており、政治や政策をわかりやすく楽しく伝えると銘打って動画配信を行いました⁷¹。登録者数はまだ300人台と小規模ですが⁷¹、国会質疑のハイライトや地元の声を聞く企画などコンテンツを工夫しています。
例えば、自身が経済産業委員会で行った半導体企業ラピダスに関する質問を「【質疑】ラピダス事業の成功への見通しは?」とのタイトルで動画化し公開するなど⁷²、国会活動の透明化とPRを兼ねた取り組みが見られます。
平岩氏のSNS運用方針は、「現場から政治・政策のリアルを届けます」とプロフィールにあるように⁷³、自らの言葉で直接発信する双方向性を重視しています。実際、不祥事公表もSNSとホームページで自ら行い、説明責任を果たそうとしました⁵⁸。
離党後は党の広報支援がなくなった分、自前のSNSが一層重要な情報発信手段となっています。平岩氏は「何者からも制約を受けない完全フリーの立場で情報発信に集中する」と述べており⁷⁴、SNSを駆使して信頼回復と支持拡大を図る覚悟もうかがえます。
もっとも、SNS上の反応は不祥事以降厳しい声も多く、投稿には批判的リプライも散見されます。そうした声にも真摯に返信する姿勢を見せており、炎上を恐れずオープンに交流する点は評価できます。
総じて、平岩征樹氏はデジタル時代の政治コミュニケーションを積極的に取り入れる議員と言えます。フォロワー数の推移は地道ながら確実に増加傾向にあり、特に選挙期の駆け込み施策や当選後の国会露出で伸びを見せました⁶⁵⁶⁶。今後もSNS発信を武器に、国政での発言機会の少なさを補いながら有権者との接点を維持・拡大していくことが予想されます。
8. 公約実現度の検証
最後に、公約と実績のギャップを検証します。平岩氏の掲げた公約の主要項目について、その後の進捗や実現度を総ざらいすると以下のようになります。
「手取りを増やす」公約
実現度:一部進捗 / 多く未達成
所得税基礎控除引き上げについては、平岩氏らの議員立法こそ成立しなかったものの、2025年度税制改正で政府与党が「扶養控除など103万円の壁緩和」に着手するなど部分的に政策が動きました⁷⁵。
消費税の時限減税やインボイス廃止は実現していません。ただし政府は物価高対策として2023~24年にエネルギー補助金や低所得世帯向け給付金を実施しており、平岩氏の主張した「一時的な家計支援」という方向性自体は共有されています。
ガソリン税トリガー条項解除も未実現ですが、政府の燃料補助で小売価格抑制が行われたため、当面の課題は緩和された面があります。再エネ賦課金停止は行われていませんが、政府も2030年代にかけ段階的縮小の検討を始めています。
社会保険料軽減や後期高齢者医療の負担見直しも進んでいません。全体として、公約掲示から一年足らずではありますが、大型減税策は野党提案の域を出ず実現には至っていません。
教育無償化・人への投資
実現度:ほぼ未達
3歳からの義務教育化、高校授業料無償化の拡充、給食費無償化、奨学金免除など、平岩氏の掲げた教育無償化策はどれも法制度化されていません。児童手当の所得制限撤廃については、政府が2024年に一部見直し(拡大)を実施したものの完全撤廃ではありません。
彼が「若者減税法案」で狙った若年層の税負担軽減も、法案自体は継続審議となり実現していません³³。政府・与党内でも高等教育無償化の議論はありますが、いまだ道半ばです。
平岩氏の国会発言も教育分野ではまだなく(例えば「無償化」という言葉の国会発言出現数はゼロ)、文科委員会に所属していない事情もあり追及の機会がありませんでした。ただし彼は地元で奨学金返済チャレンジ制度などの紹介活動を行うなど、別の形で教育支援に関与しています。公約実現には今後委員会配置や与野党協議の場を得ることが不可欠と言えます。
政治改革・資金透明化
実現度:停滞
平岩氏自身の不祥事もあって、このテーマは極めて皮肉な結果となっています。党としては2022年から政治資金規正法改正(いわゆる文通費改革)に取り組み、2023年末に第2弾改正法が成立しました。しかし野党側要求の「使途即時公開」や企業・団体献金禁止は盛り込まれず、平岩氏の公約「政治資金を徹底公開」「政策活動費廃止」などは実現していません⁵⁷。
むしろ彼自身が倫理問題で党を離れる事態となり、クリーン政治の旗振り役から脱落した形です。ただし、国民民主党はなお企業献金のあり方等に関する議論を続けており、平岩氏も無所属ながら必要に応じ発信はしています。
例えばX上で首相の政治資金問題を取り上げ批判するなど⁶⁷、問題提起自体は続けています。公約の実現度という点では評価しづらい状況ですが、「領収書電子化」「10年後公開」といった与党案に平岩氏が反対の立場であることは変わらず、引き続き課題認識は維持しています。
安全保障政策
実現度:部分的進展
食料安保では、政府が2023年に「農林水産業強靭化法」を成立させ食料安定供給策を強化、また備蓄米の市場放出など価格対策も行いました。しかし平岩氏提案の直接支払い制度創設には至っていません。
防衛力強化は政府が防衛費をGDP比2%に倍増させる計画を進め、防衛産業支援策や反撃能力保有など大転換が行われましたが、これは公約以前からの政府方針でもあります。
平岩氏が訴えたサイバー防御法制化は、2024年通常国会でサイバー防衛に関する組織改編が議論されたものの、専守的サイバー防御を超える「能動的防御」の法制化はまだ検討段階です。また外国人土地規制法は、与党が2021年に重要土地等調査法を成立させましたが、平岩氏の言う相互主義に踏み込んだ規制強化は具体化していません。
災害対応強化については、防災インフラ整備予算が拡充傾向にあり、特に体育館空調設置は各地で進むなど一定の進展が見られます。平岩氏が防衛省設置法改正案質疑で訴えた自衛隊基盤強化については、防衛省定員増や予備自衛官活用策などが今後検討課題になっています。
総じて安全保障分野の公約は長期的課題が多く、平岩氏1人の力で左右できるものではないものの、政府与党も動いているテーマが多いため部分的には実現に向かいつつあると言えます。
医療・介護充実
実現度:限定的
介護・看護人材の処遇改善は岸田政権下で数%の賃上げが実施されましたが、「給与倍増」には程遠い状況です。訪問介護の報酬引き上げも2024年にわずかに行われたものの抜本改定ではありません。ケアマネ研修制度見直しは議論段階にあります。
孤独・孤立対策では、政府が孤独・孤立担当大臣を置き支援センターを設立するなど動き出しましたが、相談体制整備など平岩氏公約の具体策はこれからです。医療DXやプライマリ・ケア推進も、デジタル庁や厚労省が関連法整備に着手しているものの、地域現場での体感にはまだ時間がかかります。
平岩氏自身、厚生労働委員ではなく直接推進できる立場にないため、公約実現には至っていません。しかし介護職員処遇改善については連合系労組(NCCU)との政策協定で「7つの約束」を結ぶなど⁵³、議員個人として地道に環境整備に取り組んでいる部分もあります。とはいえトータルでは、社会保障公約は実現の端緒程度に留まっています。
以上のように、公約と実績を照らすと達成度は総じて低いと言わざるを得ません。ただし、これは平岩氏個人の怠慢によるものではなく、野党所属の1年生議員ゆえの限界や、政策の多くが長期的課題であることによります。
むしろ彼自身は公約実現へ向けて相当の努力を重ねています。例えば税制改革では複数の法案提出に携わり²³³²、安全保障でも本会議代表質問で提言を行うなど⁴⁰、議席に見合う以上の働きをしているとも評価できます。
実現できなかった背景には、与党の壁だけでなく、彼が途中で党を離脱する事態となり党内影響力が低下したこともあります。不祥事がなければ政調での発言力をさらに高め公約追及を続けられた可能性もあり、その点は惜しまれます。
もっとも、平岩氏の公約は国民民主党全体の公約でもあり、彼個人が果たせなかった部分も党全体で引き継がれていきます。たとえば政治改革については、引き続き玉木代表らが与党に法改正を迫っているし、教育無償化も立憲民主など他党が法案提出を準備中です。
平岩氏も無所属となった今、これらには超党派で協力する用意があるといいます。まさに本人いわく「何者にも縛られないフリーの立場」を逆手にとり、今後は党派を超え公約実現に執念を燃やす可能性もあります。
いずれにせよ、公約実現度はまだまだ不十分であり、有権者への説明責任として本人も「道半ば」であることを認めています。しかし初当選からわずかな期間で、ここまで公約実現に向け具体的行動(法案提出や質問)を起こした新人議員も稀であり、その点では評価できるでしょう。
あとは本人が政治生命をつなぎ次のチャンスを得られるか——公約の真価が問われるのはこれからです。
参考資料
公式資料・議会資料
- 平岩征樹 - Wikipedia
- 平岩征樹 - Wikipedia
- 平岩征樹 - Wikipedia
- 平岩征樹 - Wikipedia
- 平岩征樹 - Wikipedia
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- 選挙公報(カラー) - 平岩まさき Official Site
- 理念・政策 - 平岩まさき Official Site
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以下の資料によりファクトチェック実施済み、本文記事修正済み。