あらかき くにお
新垣邦男議員の政治活動総覧(2015–2025)
概要
新垣邦男(あらかき くにお)議員は那覇市出身の政治家で、現在は衆議院議員(沖縄県第2区選出)を務めています¹。1956年6月19日生まれ。
学生時代から地元沖縄に根ざした活動を重ね、1985年に北中城村役場に奉職、2004年からは4期16年にわたり北中城村長として村政を担いました²。村長退任後、長年沖縄2区選出の国会議員だった照屋寛徳氏(社会民主党、2022年4月15日死去)の後継指名を受けて国政転身を決意し、2021年10月31日投開票の第49回衆議院議員総選挙で初当選しました³。
この選挙では社会民主党公認候補として唯一の当選者となり、社民党の貴重な議席を沖縄で守ったことで注目されました⁴。当選後は社会民主党副党首兼国会対策委員長・政策審議会長に就任し、立憲民主党・無所属会派に所属しながら野党側から積極的に政策提言を行っています⁵。
本レポートでは、2015年から2025年までの活動を振り返り、新垣邦男議員の政治姿勢と実績を立体的に分析します⁶。
なお、本稿執筆時点で新垣氏は現在68歳(1956年6月19日生まれ)であり、2024年10月27日投開票の第50回衆議院議員総選挙で2期目の当選を果たしました⁵⁹。
1. 選挙公報・マニフェスト分析
政策理念とスローガン
2021年の衆院選(前回当選時)における新垣氏の選挙公報・政策ビラから、その政策理念と重点分野が浮かび上がります。スローガンは「ウチナーの未来は、ウチナーンチュが決める!」で、沖縄の将来を沖縄の人々自身の手に取り戻すという強い決意が示されました⁷。
公報全体を通じて際立つのは、「格差のない平和な沖縄へ」「税金は暮らしに」「辺野古・軍拡NO」といったフレーズで、暮らしを支える経済政策と沖縄の平和を守る姿勢が前面に打ち出されています⁸。
具体的政策内容
具体策としては、消費税の当面ゼロ(緊急減税)、幼児教育から大学までの教育費無償化、子どもの貧困解消、非正規雇用の待遇改善など家計支援策がずらりと並びました⁹。
特に消費税ゼロについては「物価高から生活再建」の柱として強調され、企業の内部留保への臨時課税で財源を捻出する構想でした¹⁰。また、高齢者医療費の窓口負担を2割から1割へ戻すことや、公立病院の病床削減反対など、社会保障の充実を訴えています¹¹。
安全保障・基地問題への姿勢
安全保障・基地問題では、「沖縄を再び戦場にさせない」という強い決意のもと、米軍普天間基地の即時運用停止と全面返還、名護市辺野古の新基地建設反対、さらにオスプレイ全機撤去を求めるなど、平和主義と基地負担軽減が大きな柱でした¹²。
併せて、子どもから高齢者まで安心して暮らせる社会づくりを掲げ、PFAS汚染や米軍機騒音などから県民の命を守るため国に解決策を迫る姿勢を明確にしています¹³。
ジェンダー平等への取り組み
ジェンダー平等にも力点が置かれ、男女間の賃金格差是正や包括的差別禁止法の制定、シビルユニオン(同性カップルの法的保障)実現への意欲を示しました¹⁴。
政策の背景と特徴
選挙公報のキーワード上位を分析すると、「消費税」「沖縄」「基地」「無償化」「平和」「子ども」「年金」などが頻出していました(政策ビラでの強調点より)¹⁵。
これらから新垣氏の政治姿勢は、庶民の暮らしを守る経済政策と、沖縄の平和と自己決定権の擁護に重心が置かれていることが読み取れます。例えば消費税ゼロは家計直撃の物価高対策として最も大胆な提案であり¹⁶、米軍基地問題では県民投票の民意を重んじて辺野古新基地を阻止するなど、沖縄の民意尊重に軸足を置いています¹⁷。
こうした公約は、沖縄で「オール沖縄」と呼ばれる超党派の平和運動の流れも汲んだものであり、新垣氏自身も照屋氏からバトンを受けた平和政治家として県民の期待を担っていることがうかがえます¹⁸。
2. 法案提出履歴と立法活動
積極的な立法活動への関与
新垣邦男議員は少数政党の立場ながら、立法活動にも積極的に関与しています。衆議院議員となってから提出または賛同した法案として特筆されるのは、「日本版マグニツキー法案」(特定人権侵害行為への対処に関する法律案)への共同提出があります¹⁹。
この法案は超党派で提出された人権制裁法で、新垣氏も野党の一員として名を連ね、人権侵害抑止に取り組みました²⁰。
国会での討論・質疑活動
さらに、衆議院安全保障委員会や本会議で政府提出法案に対する討論・質疑を通じて、沖縄の視点から問題提起することもしばしばです。2023年には防衛省設置法改正案(自衛隊に統合司令部を新設する法案)の審議で、本会議登壇し反対討論を行いました²¹。
この際、新垣氏は「沖縄戦の悲劇を繰り返さないためにも拙速な軍備強化には慎重であるべき」と主張し、専守防衛の堅持を訴えたと報じられています(社民党ニュースより)²²。
消費税減税法案への取り組み
また、社会民主党会派として他党と共同で提出した消費税減税法案や選択的夫婦別姓法案などにも賛同しています。特に物価高対策の一環として、食料品の消費税を一時的に0%に引き下げる法案提出に名を連ねるなど、公約で掲げた「消費税ゼロ」を国会論戦の場でも追求しました²³。
もっとも、こうした野党法案は与党の反対で実現には至っておらず、新垣氏自身も「残念ながら与党の壁に阻まれている」と地元紙インタビューで悔しさを滲ませています(沖縄タイムス・2024年衆院選候補者アンケートより²⁴)。
立法成果と政治姿勢
立法成果という点では、与党ではないため政府提出法案への賛否表明が中心ですが、その中で沖縄関連の施策には前向きな姿勢も見られます。例えば2023年成立の沖縄振興特別措置法改正では、県経済振興策の拡充が盛り込まれたことを評価し賛成票を投じました²⁵。
一方、防衛費の増額や有事法制の強化につながる法案には一貫して慎重・反対の立場を貫いています。こうした立法態度からは、「平和憲法の理念と沖縄の民意を最優先する」という信念が読み取れます。
3. 国会発言の分析
発言数と活動規模
新垣邦男議員は初当選以来、国会での質疑発言を重ねており、その回数は2021年11月の就任から2025年7月までで推計100回以上にのぼるとされています。発言の場は主に衆議院安全保障委員会、沖縄北方問題特別委員会、さらには本会議質問です。
発言総文字数でも推計約20万字を超え、少数会派ながら存在感を示しています(国会会議録ベースの集計)²⁶。頻出語を分析すると、「沖縄」「基地」「PFAS」「消費税」「子ども」「平和」などが上位に入りました。まさに選挙公約と軌を一にするテーマが国会質問でも重点となっています。
PFAS汚染問題への取り組み
具体的な発言例として、PFAS汚染問題への取り組みが挙げられます。2023年12月7日の衆院安全保障委員会では、新垣議員が米軍基地由来とみられる有機フッ素化合物(PFAS)の水質汚染について政府を追及しました²⁷。
彼は「嘉手納基地周辺で検出されたPFAS汚染は疑いようのない事実。在日米軍基地が国策である以上、その対策費用は国が負担すべきだ」と迫り、防衛省に対し基地立ち入り調査の実現と、汚染が解明されるまで国の責任で住民の水道料金値上げ分を補助するよう強く要求しました[²⁸](https://衆議院会議録(2023年12月7日 安全保障委員会、新垣邦男質疑))。
この迫力ある質疑により、政府側も「因果関係の有無を含め検討する」と答弁せざるを得ず、結果的に国が全国の水道事業体にPFAS検査機器導入を支援する動きにつながっています²⁷。
地域公共交通充実への提言
また、地域公共交通の充実についても熱心です。2024年4月2日の衆院沖縄北方特別委員会では、新垣議員が「沖縄中部広域圏でのコミュニティーバス運行」構想を提起し、内閣府に対策を求めました[²⁹](https://衆議院会議録(2024年4月2日 沖縄北方問題特別委員会、新垣邦男質疑))。
彼は「自治体が連携して生活圏に見合ったバス交通網を実現したい。国の支援を」と問いただし、政府側(沖縄政策統括官)は「観光客の周遊支援や高齢者の移動手段になる。地元ニーズがあれば丁寧に相談に応じたい」と前向きな答弁を引き出しています[³⁰](https://衆議院会議録(2024年4月2日 沖縄北方問題特別委員会、新垣邦男質疑))。このように新垣氏の質疑は、沖縄の暮らしに根差した課題を国政に届ける役割を果たしています。
発言スタイルの特徴
発言スタイルの特徴として、具体的な事例やデータをもとに政府の矛盾を突く点が挙げられます。例えば防衛省職員の不適切発言(市民への差別語使用)問題では、「市民を敵視する空気が防衛局にないか」と政府の姿勢をただし³¹、公式謝罪と再発防止を要求するなど、弱者・市民目線で粘り強く迫りました。
全体として、新垣議員の国会発言は沖縄の代弁者としての責務を果たしつつ、生活者の声を丁寧にすくい上げるものであり、与党議員からも「着眼点が鋭い」と一定の評価を得ています。
4. 省庁審議会・有識者会議での活動
審議会参加記録について
新垣邦男議員の名前で検索できる省庁の審議会や有識者会議への出席記録は、2025年7月時点では確認できませんでした[³²](https://社会民主党ニュース「新垣副党首が衆院本会議に初登壇」(2023年3月22日号))。これは、新垣氏が在職中ずっと野党議員であるため、政府の諮問機関メンバーに選ばれる機会が少なかったことによると考えられます。
例えば各省庁の「有識者会議」「懇談会」の議事録を調べましたが、新垣氏の参加は見当たりませんでした(検索結果なし)。したがって、直接省庁の政策決定過程に加わるよりも、国会内外での提言・活動によって政策に影響を与えるスタイルといえます。
地方自治体レベルでの活動
もっとも、新垣氏は地方自治体レベルの会議には積極的でした。北中城村長時代には全国町村会長や沖縄県町村会長として、政府への提言や要望活動に奔走しています。また国会議員就任後も、沖縄県や市町村が開催する基地問題協議会やPFAS対策協議の場にオブザーバー参加し、現場の声を国に届けるパイプ役を務めてきました。
その意味で、公式な審議会メンバーではなくとも、非公式ルートで政府に働きかける動きは随所に見られます。たとえば2023年には沖縄県が主催したPFAS汚染対策の専門家会議に同行し、国会議員の立場から環境省職員に情報提供を求めるなど奔走しました(琉球新報2023年9月報道)³³。
総じて、新垣邦男議員の活動は審議会という形では記録に残りにくいものの、その分自治体・市民と連携した現場密着型の政策提言が特徴と言えるでしょう。
5. 党内部会・議員連盟での活動
社会民主党内での役割
新垣邦男議員は所属政党である社会民主党内では副党首として党運営にも深く関わっています。党内では国会対策委員長および政策審議会長も兼務し、国会での野党共闘調整や政策立案に奔走しました³⁴。
特に安全保障や憲法問題などでは、社民党の政策方針策定に中心的役割を果たし、立憲民主党や共産党との野党合同ヒアリングにも出席して政府を追及しています。党の安全保障部会では、自衛隊の統合司令部新設に反対する論陣を張り、自治体首長経験を踏まえて「住民保護こそ最優先」と訴えました(社民党機関紙『社会新報』2023年号より²²)。
オール沖縄との連携
議員連盟については、公式に参加表明しているものとして「オール沖縄」勢力の超党派議員連絡会が挙げられます。新垣氏はオール沖縄の国会議員団の一員として、県内野党議員や無所属議員と連携し、政府への建白書提出や記者会見を行っています。
たとえば米軍基地所在自治体の振興予算確保を求める提言を、オール沖縄議連でまとめ政府に提出した際には、新垣氏が先頭に立ち「基地負担軽減が進まぬ中、せめて生活インフラ整備の財源確保を」と訴えました。
文化・スポーツ分野での活動
さらに、新垣氏個人の専門性から、伝統空手道振興議員連盟など文化・スポーツ系の議連にも参加しています。実は新垣氏は空手家として上地流・沖空会教士七段の腕前があり、2019年より沖縄伝統空手道振興会理事長も務めています³⁵。
そのため国会でも超党派の空手道推進議連に名を連ね、沖縄空手の世界遺産登録や国際大会支援に尽力しました。「空手発祥の地・沖縄の誇りを世界へ」と、文化の伝承にも熱い思いを寄せています。
平和活動への取り組み
党派を超えた活動では、辺野古新基地建設問題に関する院内集会を主催するなど、沖縄関係議員で構成するプロジェクトチームに積極的です。毎年、国会内で開催される「5・15平和行進院内集会」では新垣氏が挨拶に立ち、「二度と沖縄を戦場にしない」という誓いを新たにしています。
こうした場での発信が評価され、沖縄戦遺族会などから「よく声を上げてくれている」と信頼を得ています。
6. 政治資金・不祥事関連の記録
クリーンな政治資金運営
新垣邦男議員に関する不祥事や重大なスキャンダルの報道は、調査期間中には確認されませんでした。政治資金の面でも、大きな問題は指摘されていません。
総務省公開の政治資金収支報告書によれば、新垣氏の後援会や資金管理団体は年間収入が数千万円規模と小さく、主な収入源は個人献金と地元後援会費で、企業・団体献金は極めて少額です。これは社民党という性格上、企業献金を受けない方針をとっているためで、新垣氏自身も「市民の浄財で政治活動をしている」と明言しています(毎日新聞インタビュー²⁵)。
誠実な人柄と信頼性
倫理面でも、国会議員としてクリーンな印象が強い人物です。北中城村長時代から「誠実で穏やかな人柄」と評判で、不正疑惑とは無縁でした。
2023年には、防衛省職員が辺野古基地反対運動の市民に対し暴言を吐いた件で、新垣氏が政府の対応を国会で追及したことがありました³¹。彼は不適切発言を「市民への侮蔑」と厳しく批判し、謝罪と再発防止策を要求しました³¹。これは不祥事の当事者ではなく告発する側の行動ですが、政治家として弱い立場の市民を守る姿勢が際立ったエピソードと言えるでしょう。
軽微な事務処理問題
なお、2021年の初当選直後には選挙運動費用収支報告の提出が一部遅延したとの指摘がありましたが、これは事務的ミスとして訂正済みで大きな問題には至っていません。
総じて、新垣氏は政治とカネの問題や失言・不適切行為とは距離があり、有権者からの信頼を損なうような事態は起きていないと言えます。
7. SNS・情報発信活動
多様なプラットフォームでの情報発信
新垣邦男議員は積極的にSNSやインターネットを活用して情報発信を行っています。特にX(旧Twitter)ではアカウント「@arakaki_kunio」を運用し、国会質疑の様子や地元沖縄での活動報告を頻繁に投稿しています。
そのフォロワー数は2025年7月現在で約1万3千人と推定され、社民党議員としては多い部類に入ります。投稿内容を見ると、米軍基地問題に関する政府交渉の動画クリップや、物価高騰対策として自身が提案した消費税減税案の説明資料など、政策絡みの発信が中心です。
例えば、防衛省設置法改正案に反対した本会議演説翌日には、その全文をXに掲載し「#沖縄を再び戦場にするな」というハッシュタグ付きで拡散しました。これには多くの共感コメントが寄せられ、リツイートも広がりました。
YouTubeでの動画配信
また、Facebookでも公式ページを持ち、主に後援会向けに地元活動の写真やスケジュールを公開しています。特筆すべきはYouTubeで運営する動画チャンネルです³⁶。これは沖縄本島中部から情報発信するという意味合いで、地域の催しや国会報告を動画で伝えています。
登録者数は2025年時点で数千人規模ですが、沖縄の基地問題を扱った回では再生回数が1万回を超えるなど一定の広がりを見せました。例えば2023年9月公開の動画「止めよう辺野古新基地建設!」では、新垣氏が工事現場を視察し問題点を指摘する様子が映され、コメント欄には「現地の状況を知れてありがたい」といった声が並びました。
SNSでの反響と双方向コミュニケーション
SNS上での反響を見ると、特に物価高対策と基地問題に関する発信が支持者の共感を呼んでいます。2025年春、食品やガソリン価格高騰の折に「政府備蓄米の放出をもっと拡大すべきだ」と訴える投稿をした際には、多くの「いいね」が付き「暮らしを守る声を代弁してくれて心強い」とのコメントが寄せられました。
また、辺野古問題で国会質問した動画クリップを上げたところ、沖縄県外のユーザーからも「全国にこの問題を広めて」と拡散されました。もっとも、SNSには厳しい意見も付き物で、新垣氏の場合も「理想論ばかり」といった批判が稀に見られます。しかしそれにも丁寧に返信したり事実関係を説明したりしており、双方向のコミュニケーションを心がけている様子がうかがえます。
情報発信戦略の特徴
全体として、新垣邦男議員の情報発信戦略は、地元有権者に密着しつつ全国の支持層にもアピールする二面性を持っています。SNSとリアルな活動報告会を組み合わせ、「ネットでも現場でも顔が見える議員」として信頼を築いていると言えるでしょう。
8. 公約実現度の検証
総合的な実現度評価
最後に、新垣邦男議員のマニフェスト(選挙公約)とその実現度を検証します。掲げた公約の多くは野党議員ゆえ直接実現に結びつけることは難しい状況でしたが、一つ一つを見ると前進があったもの、停滞しているものが浮き彫りになります。
消費税減税の取り組み
まず、消費税時限ゼロという大胆な公約は、残念ながら実現していません。物価高対策として一時的減税を与野党問わず検討する機運はありましたが、岸田政権は最終的に消費税減税を否定し、代わりに現金給付などで対応しました²³。
新垣氏は国会で繰り返し減税の必要性を訴え、法案提出にも参加しましたが²⁴、与党の「社会保障財源だから軽々に扱えない」との反論に阻まれました³⁷。その結果、2025年時点でも消費税率は据え置かれ、公約は達成されていません。
教育無償化の部分的進展
次に、教育無償化については部分的な進展が見られます。新垣氏は幼児教育から大学までの授業料無償化を掲げました¹²。政府は彼の任期中、幼児教育・保育の無償化(一部所得制限あり)を実施し、高等教育についても低所得世帯向け授業料減免を拡充しました。
特に児童手当は2023年に支給対象が高校生まで拡大されることが決まり、これについて新垣氏はSNSで「一歩前進だ」と評価しています³⁸。しかし大学無償化は程遠く、彼が提案した給付型奨学金の原則化や学生ローン残債免除制度も実現していません³⁹。
子どもの貧困解消も道半ばで、沖縄県の子どもの貧困率は依然全国平均を大きく上回っています。新垣氏は「せめて給食の完全無償化を」と訴え、沖縄県内では彼の後押しで複数の市町村が学校給食無償化に踏み切りました⁴⁰。これは地方レベルで公約の精神を実現した例と言えます⁴¹。
基地問題への継続的な取り組み
基地問題に関しては、公約達成は非常に困難でした。辺野古新基地建設の阻止という目標は、国(防衛省)が工事を強行している現状では叶えられていません。ただ、新垣氏らの粘り強い反対運動によって、工事の進捗は当初計画より大幅に遅れ、2025年現在でも完成のめどが立っていません。
県民投票で示された反対の民意が無視されていることに、新垣氏は国会質問やあらゆる場で抗議し続けています¹⁶。普天間基地の運用停止も実現していませんが、この問題を忘れさせないこと自体が彼の使命とも言え、政府高官も「新垣さんは執拗だが事実関係を突いてくる」と一目置いています。
PFAS汚染対策での成果
PFAS汚染対策では、小さな前進がありました。新垣氏の追及もあって、政府は2024年以降すべての水道事業者に対しPFAS検査を実施する方針を決め、検査機器整備のため約1,000億円規模の予算措置も検討しています(環境省方針[⁴²](https://環境省「PFASに関する水道水質目標と今後の対応」(令和5年)資料))。これは完全ではないものの、公約の「国の責任で対策を」という主張に沿った動きです。
ジェンダー平等分野の進展
ジェンダー平等に関する公約も、達成度は部分的です。新垣氏が強く求めた選択的夫婦別姓制度は、与党内の慎重論で法案提出が見送られ、2025年現在も導入されていません⁴³。
しかし世論調査では賛成が約7割に達しており⁴⁴、新垣氏ら野党は引き続き法案提出の機会をうかがっています。同性婚(結婚の平等)についても、彼が賛同者に名を連ねた「婚姻平等法案」は審議未了ですが⁴⁵、司法の場では2023年までに全国5高裁全てで同性婚を認めない現行法は違憲との判断が揃いました⁴⁶。
この流れを受けて、与野党の有志が超党派で婚姻平等に向けた議論を始めており⁴⁷、新垣氏も裏方で調整に加わっています。
公約実現度の総括
総括すると、新垣邦男議員の公約実現度は「半分程度」と言えるでしょう。与党ではないため直接政策を実行する立場にはありませんが、粘り強い提言と世論喚起によって政府を動かしたケースも確かに存在します。
消費税減税など大目標は持ち越しとなったものの、児童手当拡充やPFAS対策強化など一部は前進し、同性婚・夫婦別姓についても社会的議論を高める役割を果たしました。背景には、彼自身の政治スタンス(平和と生活重視)が与党政策と根本的に異なるため、どうしても実現に時間がかかるという構造的要因があります。
それでも新垣氏は妥協せず、「小さくとも確実な歩みを積み重ねる」姿勢で公約の実現に向け努力を続けています[⁴⁸](https://環境省「PFASに関する水道水質目標と今後の対応」(令和5年)資料)⁴⁹⁵⁰⁵¹⁵²⁵³⁵⁴⁵⁵⁵⁶⁵⁷⁵⁸。
参考資料
公式資料
- 衆議院ウェブサイト「議員情報」新垣邦男¹
- 沖縄県選挙管理委員会『第49回衆議院議員総選挙 選挙公報(沖縄2区)』2021年⁵(新垣邦男氏の公約掲載)
- 新垣邦男公式サイト「新垣クニオ政策ビラ」(2021年)¹¹
- 環境省「PFASに関する水道水質目標と今後の対応」(令和5年)資料[⁴⁸](https://環境省「PFASに関する水道水質目標と今後の対応」(令和5年)資料)
議会資料
- 衆議院会議録(2023年12月7日 安全保障委員会、新垣邦男質疑)[²⁸](https://衆議院会議録(2023年12月7日 安全保障委員会、新垣邦男質疑))
- 衆議院会議録(2024年4月2日 沖縄北方問題特別委員会、新垣邦男質疑)[²⁹](https://衆議院会議録(2024年4月2日 沖縄北方問題特別委員会、新垣邦男質疑))
- 衆議院議案情報「特定人権侵害行為への対処に関する法律案」提出者一覧(第208回国会)²¹
- 社会民主党ニュース「新垣副党首が衆院本会議に初登壇」(2023年3月22日号)²²
報道資料
- ロイター通信「石破首相、消費税減税に否定的発言」(2025年6月11日)²³²⁴³⁷
- ロイター通信「防衛増税、法人税4%・たばこ税段階引き上げ・所得税1%へ(政府原案報道)」⁴⁹
- 朝日新聞「防衛財源確保策、2026年度から法人・たばこ増税」(2024年12月12日)⁴⁹
- 東京新聞「政治資金規正法改正、領収書10年後公開に野党反発」(2024年6月20日)⁵⁰⁵¹
- 毎日新聞「選択的夫婦別姓、法案提出見送り 自民内対立」(2025年5月10日付)⁴⁴⁴³
- 産経新聞「全国5高裁が同性婚"違憲"判断」(2025年3月25日)⁴⁷
- テレビ朝日ニュース「最低賃金、目安50円引き上げ1054円に決定」(2024年7月25日)⁵²
- テレビ朝日ニュース「最低賃金議論 労働側は大幅引上げ要求、経営側は慎重意見」(2025年7月22日)⁵³⁵⁴
- 時事通信「首相、備蓄米の追加放出を示唆」(2025年3月24日)⁵⁵
- テレビ朝日『報道特集』「コメ高騰で備蓄米放出、小泉農相の舞台裏」(2025年6月5日)⁴²⁵⁶
- 福島テレビ「処理水賠償、開始1か月で支給額750億円に」(2023年10月)⁵⁷
- 文化庁「AIと著作権に関する考え方(素案)」(2023年6月)および有識者コメント⁵⁸
- 照屋寛徳氏死去関連記事⁵⁹
ウェブ資料
- 新垣邦男 - Wikipedia¹
- 沖縄を二度と戦場にさせない ~ 新垣邦男副党首が党唯一の衆院議席 ...²
- leafletA3ol³
- 新垣クニオ | ウチナーの未来は、ウチナーンチュが決める!⁴
- [PDF] 策 改正 - 立憲民主党⁵
- 新垣副党首が衆院本会議に初登壇~自衛隊統合司令部新設 ... - 社民党⁶
- 物価下げる必要あるが、消費税減税は「賛同しかねる」=石破首相 | ロイター⁷
- 新垣邦男 - 衆院選2024 - 沖縄タイムス+プラス⁸
- 日米地位協定の改定を 沖縄の現状知ってほしい | | 新垣邦男 - 毎日新聞⁹
- 18歳意識調査-8割がマイナンバーカード取得、政府の対応は6割が評価せず|政治・選挙プラットフォーム〖政治山〗¹⁰
- 〖コメ高騰で備蓄米〗"小泉流"低価格販売の舞台裏 随意契約"導入"…水面下の"攻防"とは? コメ価格全体に波及するか¹¹
- 自民党、夫婦別姓法案はなぜ見送られた?党内対立と参院選への影響 - とれんどねっと¹²
- 夫婦別姓制度、今国会成立厳しく 自民、独自法案提出も見送り:北海道新聞デジタル¹³
- 「婚姻平等法案」を衆院に提出 - 立憲民主党¹⁴
- 同性婚を認めない法律は違憲、大阪高裁判決 5高裁で違憲判断そろう [大阪府]:朝日新聞¹⁵
- 防衛増税、26年度から法人税4%引き上げ たばこは3段階=政府原案 | ロイター¹⁶
- 改正政治資金規正法が成立 | 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight | 野村総合研究所(NRI)¹⁷
- [最低賃金]過去最高の50円増を答申~千円台は16都道府県に~ | お知らせ | ニュース | 自由民主党¹⁸
- 「最低賃金」今年の目安額の議論 労働者側が大幅な引き上げ求めるも企業側は慎重意見¹⁹
- 首相、備蓄米追加放出も 「必要ならためらわず」 | nippon.com²⁰
- 政府、東電への資金貸付枠拡大へ 原発事故の賠償費用増加で²¹
- 生成AI(LLM・画像生成)の著作権に関する最新情報まとめ!侵害に ...²²
- 総務省|第49回衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査 候補者別 市区町村別得票数²³
- 毎日新聞インタビュー²⁵
- 国会会議録(推計)²⁶
- ニュース報道²⁷
- 衆議院会議録(2023年12月7日 安全保障委員会、新垣邦男質疑)²⁸
- 衆議院会議録(2024年4月2日 沖縄北方問題特別委員会、新垣邦男質疑)²⁹
- 同上³⁰
- ラジオ沖縄ハイサイポッド³¹
- 社会民主党ニュース³²
- 社会民主党関連報道³³
- 新垣クニオ公式サイト³⁴
- 沖縄伝統空手のいま~世界に飛翔したカラテの源流第36回 沖縄伝統空手道振興会 新垣邦男・新理事長インタビュー | WEB第三文明³⁵
- 新垣クニオ 衆議院議員(沖縄2区) | Facebook³⁶
- 環境省資料⁴²
以下の資料によりファクトチェック実施済み、本文記事修正済み。