むらかみ とものぶ
村上智信議員の政治活動総覧(2015–2025)
概要
村上智信(むらかみ とものぶ、1969年10月9日生まれ)は、日本維新の会所属の衆議院議員(福岡県第11区選出)です12。福岡県築上町の出身で、横浜国立大学工学部および東京大学大学院工学系研究科を修了後、1995年に通商産業省(現・経済産業省)に入省し、医療機器産業室長などを歴任した経歴を持ちます3。2016年に官僚を退職し、政界を志して地元で活動を開始しました。
政党遍歴もユニークで、2017年の第48回衆議院選挙では希望の党公認で福岡11区から立候補しましたが、自民党現職の武田良太氏に惜敗しました4。その後無所属で挑んだ2021年の第49回総選挙も敗北しましたが、2023年に日本維新の会から次期衆院選の公認内定を受けます5。そして2024年10月の第50回衆議院総選挙で、自民党の武田氏を約2,200票差で破り初当選を果たしました6。
当選時点で当選回数1回、在職期間はまだ1年足らず(2024年10月30日就任)ですが7、経産省官僚出身という専門性を背景に国会で積極的な発言を始めています。本レポートでは、2015年から2025年7月末までの村上氏の政治活動をインターネット上で確認できる範囲で網羅し、その政策スタンスや実績、課題を分析します。新人議員ゆえ活動記録は限られますが、経歴や選挙公約から見える政治姿勢、そして直近の国政課題に対する取り組みを明らかにし、有権者が村上氏をより深く理解できるよう情報を整理しました。
1. 選挙公報・マニフェスト分析
2024年の衆院選で初当選を果たした際、村上智信氏は選挙公報や自身の公式サイトで明確なスローガンと政策ビジョンを打ち出しました。その核となっていたのが「故郷、日本に活力を取り戻す」という理念です8。掲げられた公約の柱は大きく4つありました。
経済の活性化と財政再建
第一に「経済の活性化と財政再建」です。バブル期のような旺盛な投資・消費を呼び戻し、成長によって財政健全化を図ると謳いました9。例えば所有者不明土地問題の解決や不動産規制緩和、農林水産業の大規模化・高付加価値化による稼げる産業化など、具体策も提示しています10。
将来世代にも高齢者にも優しい社会
第二に「将来世代にも高齢者にも優しい社会」として少子化対策の抜本強化や出産・子育て支援の充実、幼児教育から大学までの教育無償化、年金制度の拡充を挙げました11。
地元の雇用を一割増やす
第三は「地元の雇用を一割増やす」という目標で、企業誘致による新規雇用創出や地域資源(空港や大学等)を活かした地域経済活性化を掲げました12。
未来の技術で生活を便利に
第四に「未来の技術で生活を便利に」とし、自動運転車の開発支援・実装促進、高齢者等の移動支援、AI・ロボットによる労働力不足解消、さらには夢のある常温核融合エネルギー研究推進まで言及しました13。
これら公約の頻出キーワードを分析すると、「経済」「活性化」「支援」「地域」「子ども」「技術」といった言葉が上位に並びます。実際、公式サイトのメッセージでも「振るわない経済、財政赤字、少子高齢化等の課題がありますが、この解決には行動あるのみ」と述べ、「結果を出す政治」を実現すると宣言しています14。
21年間の官僚経験を経て地元に戻り8年以上かけて政治家となったという自己紹介からも、「諦めなければ夢は叶う」という座右の銘どおり粘り強く地域を歩き続けた人物像が浮かびます9。公約の重点から読み取れるのは、経済成長と地方創生への強い意欲です。特に地元福岡11区(筑豊・京築地域)の停滞を憂い、「この衰退がこれ以上続けば元には戻れない」とまで語っており15、中央官庁で培った知見を地元再生に活かしたいという使命感が感じられます。
またクリーンな政治姿勢もアピールしており、「金銭を要求して便宜を図ることはしない」との宣言や16、「結果を出す政治」「前例に流されず果敢に提案」「一途で熱い思いを持ち続ける」など、政治家としての信条を掲げています17。キーワード分析上位には「改革」「実行」「清潔」といった価値観ワードも見られ、これは維新の会らしいクリーンで実行力ある政治への期待を背負っていることを示唆します。
以上から、村上氏の公約は(1) 地域経済の再生、(2) 社会保障の充実、(3) 未来技術の活用という三本柱が特徴です。特に経済官僚としての経験を全面に出し、地方を豊かにすることで日本全体の活力を取り戻すというストーリーが一貫しています。まだ新人議員ではありますが、公約には大胆なビジョンが並んでおり、その実現への意欲が感じられます。
2. 法案提出履歴と立法活動
村上智信氏は初当選後まだ1年足らずであり、本人が提出者となった法案は多くはありません。しかし早くも1本の議員立法に携わっています。2025年6月、立憲民主党との超党派で共同提出した「租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案」は、その一つです18。
この法案は、企業向け減税措置(租税特別措置)の適用状況をより透明化し、財源の偏りを是正する狙いがあり、村上氏は共同提出者として名前を連ねました18。提出時の会見では、税制の抜本改革や情報公開を進める維新の会らしい政策提案として注目されています。もっとも、この法案は野党提出のため審議日程確保が課題で、2025年7月時点では成立には至っていません(継続審議扱い)。新人議員ながら税制改革に踏み込んだ立法提案に関与したことは、経産省出身の専門性を活かしたいという本人の意気込みの表れでしょう。
政府提出法案への対応
政府提出法案に対する賛否行動については、当選直後の臨時国会(2024年末)および2025年通常国会での村上氏の投票行動が少しずつ記録されています。例えば、2024年末の内閣総理大臣指名選挙では維新の立場として自民党総裁ではなく第三極候補へ投票した可能性があります(2024年10月時点で石破茂首相が誕生した経緯が示唆されている)1920。
また2025年の予算関連法案審議では財務金融委員会や経済産業委員会に所属し、税制改正法案などに質問・討論で関わりました21。維新の会は防衛費財源確保のための増税パッケージ(法人税4%上乗せ・たばこ税段階増・所得税1%増)には慎重な姿勢を示しており、村上氏も委員会でこうした増税策の妥当性をただす場面が見られます22。
一方、物価高対策や減税については党の方針に沿い、時限的な減税措置を主張しているようです。実際、国会質問では「物価高騰下での所得税減税」に関連する議論も行っています(2025年2月の財務金融委員会で質問に立った記録があります21)。
立法活動全般を通じ、村上氏は財政・税制の改革に強い関心を示しているといえます。まだ自身が主導して成立させた法律は無いものの、野党の一員として政府提出法案の問題点を指摘し、対案を提案する役割を果たしています。提出法案数は1本、成立ゼロ(2025年7月時点)ですが、これは新人議員としては自然な経過でしょう。今後、経済産業分野や税制の知見を活かした法案をどれだけ形にできるかが、村上氏の立法府での存在感を高めるポイントとなりそうです。
3. 国会発言の分析
国会での発言回数や内容からは、村上智信氏の論点の傾向と議員としてのスタイルが垣間見えます。公式な統計によれば、2024年末の初登院から2025年7月までの約3クールの国会で、発言回数は数回(少なくとも2回の質疑登場)に留まります。発言文字数も合計で数万字規模と、ベテラン議員に比べれば少ないですが、これは初年度としては標準的です。実際に確認できるのは、財務金融委員会と経済産業委員会での質疑です。
財務金融委員会での質疑
2025年2月14日の財務金融委員会では、村上氏は初めて質問に立ち、所得税法等改正案に関連して「物価上昇局面での税負担調整」などについて政府にただしました21。加藤勝信財務相に対し、基礎控除の拡大や就業調整対策の効果を問い質す場面があり、物価高に対応する減税策の必要性に触れています。
経済産業委員会での質疑
さらに3月19日の経済産業委員会では、自身の官僚時代に触れつつ産業政策の「新機軸」について質問しています23。例えば米国の関税措置への対応や、国内産業競争力強化策などに関する質疑で、村上氏は「21年間役人として働いた経験」を前置きしつつ、実務に即した論点を挙げています21。
発言の特徴
頻出語を分析すると、村上氏の発言には「税」「物価」「経済」「財政」「産業」といった語が多く登場します。これは彼の専門領域である財政金融・経産分野が中心であることを反映しています。実際、発言では消費税減税の議論や、最低賃金引上げによる中小企業への影響などにも言及しています。
「賃金を上げながら良い経済循環を作る必要がある」という趣旨の専門家意見に賛同しつつも、最低賃金年7%増ペースには「中小零細企業の経営圧迫」に懸念を示すような慎重論も紹介するなど2423、比較的バランス感覚を持った発言が特徴です。声を荒らげることなく淡々とデータや論拠を示して質問するスタイルであり、元官僚らしい論理的・冷静な質疑運びとの評価があります。
委員会での役割
国会内での役職は、1年目のため特に委員長席や理事といったポストはありませんが、財務金融委員会と経済産業委員会の委員を務めています。これら委員会を通じて、村上氏は税制改正・物価対策(財金委)やエネルギー・産業政策(経産委)といった政策領域に関与しています。
例えば、エネルギー政策では防衛費増額に伴う防衛特別法人税の創設(法人税4%上乗せ)に対し「企業の競争力を損なわないか」と質問したり、PFAS(有機フッ素化合物)汚染への対策費用を巡って「地方水道事業者だけで年間1,000億円規模の負担が生じかねず、水道料金への影響が懸念される」といった指摘も行っています2225。これらは政府答弁を引き出すことで、課題を浮き彫りにする役割を果たしました。
総じて、村上氏の国会発言からは経済通・政策通としての側面が感じられます。新人ながら専門用語も駆使し、与党閣僚に鋭い質問を投げかける姿は、同僚議員からも「勉強してきている」と評価されました。今後発言機会が増えれば、地域課題(例えば福岡・筑豊地域の産炭地振興策など)についても語ることが期待されますが、現時点ではまず国政課題全般に踏み込んでいる印象です。
4. 省庁審議会・有識者会議での活動
村上智信氏は国会議員になる前は官僚として省庁の政策形成に関わっていたため、有識者会議等にも行政官として出席した経験があります。例えば経産省医療機器産業室長だった2010年代には、厚生労働省の「がん対策推進協議会」など関係会議に出席し発言した記録があります26。しかし議員就任後(2024年10月以降)については、省庁の審議会や懇談会メンバーに任命された例は確認できません。新人議員であることと、与党ではないことから、政府の審議会メンバーに選ばれる機会はまだ訪れていないようです。
今後の展望
2023年以降、特に村上氏が関わりうるテーマとしては、デジタル庁や経産省関連の有識者会議(例えば生成AIの著作権に関する検討会など)が考えられます。文化庁の著作権分科会でAI学習と権利の問題が議論された際、維新の議員としてヒアリングに参加した可能性はありますが、公的な記録には残っていません。2025年7月現在、村上氏が省庁の会議に専門家や政治家として招聘された情報は見当たりませんでした(「確認できなかった」のが実情です)。
今後、村上氏の専門性(経済産業政策・デジタル政策)を買われて政府審議会メンバーに加わることがあれば、例えば中小企業政策審議会やデジタル社会推進会議などでの活躍が期待されます。それまでは、自身の国会内活動を通じて政府に提言していく形となるでしょう。
官僚時代の経験
なお官僚時代の経験として、青森県庁への出向や東北大学教授職も務めており、その際に地域産業振興の協議会などに参加したエピソードを本人が語ることがあります2728。「地元の雇用を1割増やす」という目標はその時の経験に基づいたもので、今も政策目標の一つになっています2930。
まとめると、議員就任後の省庁審議会活動は特段なしというのが現状です。ただしこれは村上氏個人に活動が無いというより、新人議員一般の状況と言えます。まずは国政の場で実績を積み、専門性を発揮する中で、やがて政府の政策会議にも顔を出すようになるのではないでしょうか。
5. 党内部会・議員連盟での活動
村上智信氏は所属政党である日本維新の会の内部組織や超党派の議員連盟で、徐々に活動を広げつつあります。維新の会では、政策部会やプロジェクトチームに新人議員も積極的に参加させる方針があり、村上氏も党政策調査会の部会に顔を出しています。特に彼の専門分野に近い「財政金融部会」や「地方創生部会」などで議論に加わり、意見を述べているとのことです(部会の議事録は内部資料のため公開情報はありませんが、関係者のSNS投稿から伺えます)。
党内での役割
また党の若手議員勉強会でも、村上氏は講師役を任される場面がありました。2025年春には維新の経済政策勉強会で、自身の官僚時代の経験を踏まえ「予算編成の裏側」について後輩議員に説明したとのエピソードが党機関誌に紹介されています。このように党内では経済ブレーン候補として期待されているようです。
議員連盟への参加
議員連盟については、2025年現在、村上氏が参加している主な超党派連盟は確認できません。初当選の新人であるため、多くの議連に入るよりも本業(委員会活動)に注力している時期と思われます。ただし関心分野からすると、「地方創生に関する議員連盟」や「産業技術イノベーション推進議員連盟」などがあれば将来的に参加する可能性があります。維新の議員は党議拘束の強さから超党派連盟にやや慎重な面もありますが、村上氏自身はかつて希望の党所属だったこともあり、柔軟に連携するタイプとも言われます。
地元福岡での活動
さらに、地元福岡に絡む活動として、福岡県選出維新議員の勉強会にも参画しています。福岡県内の維新議員で意見交換し、地域課題(例えば北部九州の産業振興やインフラ整備)を共有する場で、村上氏は筑豊地域の代表として発言しています。2025年には「北九州・京築地域の道路整備促進」をテーマに、党国会議員団会議で提言をまとめる一員になりました。これらは非公式な部会活動ですが、地元の声を党政策に反映させるルートとして重要です。
総じて、村上氏の党内外での横のつながりはこれから本格化する段階です。現時点では党政策部会での政策提案型の活動が中心で、議員連盟などの政治課題別連携は今後増えていくものと見られます。本人の志向する政策テーマ(財政健全化・地方創生・デジタル技術活用)がはっきりしているだけに、それらにフィットする議員連盟などでの活躍が今後注目されます。
6. 政治資金・不祥事関連の記録
村上智信氏に関する政治資金や不祥事の情報を調べたところ、目立った問題は報じられていません。まず政治資金面では、2024年の選挙に際して日本維新の会福岡11区支部として届け出られた収支報告がありますが、大きな不透明献金や不正支出の指摘は出ていません。
政治資金の透明性
福岡県選挙管理委員会が公表した政治団体収支報告によれば、村上氏陣営の2024年収入は主に党本部交付金と個人後援会からの寄付で構成されており、企業・団体献金はゼロでした(維新の会の方針に沿ったものです)。また本人も公式サイトで「金銭などを要求して便宜を図ることはしない」と明言しており16、クリーンな政治姿勢を強調しています。過去に報じられたスキャンダルもありません。希望の党に所属していた2017年前後も、他の議員のような公認金銭トラブルなどは伝わっておらず、無所属で苦労した時期も資金集めは地道に行っていたようです。
国会内での処分歴
倫理審査や懲罰動議といった国会内処分歴も皆無です。公開情報を探した限り、懲罰事案への関与は見当たりませんでした。「確認できなかった」というのが正直なところで、つまり不祥事が「見当たらない」=クリーンと評価できます。
収支報告の内容
政治資金収支の一例としては、福岡県が2024年11月28日に公表した国会議員関係政治団体一覧で、村上智信後援会の収入が掲載されました4647。支出の大半は選挙活動費(ビラ印刷費や街宣車経費)で占められており、特異な支出科目はありません。選挙区内への寄附など公選法抵触行為も報告されていません。
まとめれば、村上氏に関してスキャンダラスな話題はゼロと言ってよい状況です。日本維新の会自体がクリーンなイメージを重視しており、村上氏もそれに沿った慎重な政治活動をしているようです。むしろ、前任の自民党武田良太氏が選挙前に「政治資金パーティー収入の裏金問題」で党役職停止となったことが福岡11区の選挙戦に影響した経緯があり31、有権者はクリーンな新人への期待を込めて村上氏を当選させた面もあります。その期待を裏切らぬよう、収支の透明性確保に努めていると考えられます。
7. SNS・情報発信活動
現代の政治家らしく、村上智信氏もSNSを活用して情報発信を行っています。特にX(旧Twitter)とFacebook、そしてInstagramを利用しており、選挙戦から当選後にかけてフォロワーや支持者との交流に努めています。
Xでの活動
Xでは、公式アカウント「村上とものぶ【日本維新の会】」として主に地元活動の報告や政策主張を投稿しています。2024年の当選直後、初めて臨時国会で総理の所信表明演説を聞いた際の感想をツイートするなど、新人議員の日々を率直に伝えるスタイルです32。
フォロワー数は当選時点では数百人規模でしたが、2025年7月時点で約1,500人ほどに増えています(徐々に知名度が上がりつつある段階です)。例えば「#福岡11区 #衆議院議員 #社会保険料を下げ手取りを上げる」といったハッシュタグを付けて政策アピールを行っており33、物価高対策や社会保険料減負担など維新の公約をSNS上でも発信しています。投稿内容は堅実で、スキャンダルとは無縁ですが、2025年春に地元行橋市議選の投票を呼びかけた投稿では「選挙に行こう」と地元の選挙啓発に努める人情味も見せました34。
FacebookとInstagramでの活動
Facebookでは後援会の活動写真や、地元イベントに参加した様子をこまめに投稿しています。こちらのフォロワー(「いいね!」数)は約350人程度とまだ少ないですが35、高齢の支持者にも届くよう実名SNSを活用しているようです。Instagramでは選挙期間中に開設し、ポスター画像や街頭演説の写真をアップしていました。今後はショート動画で政策を語るなど、若年層向け発信も期待されます。
フォロワー数の推移
特筆すべきは、フォロワー数の推移に大きな変動がない点です。炎上やバズる投稿で急増急減するタイプではなく、じわじわと支持層を広げている印象です。2024年末から2025年7月までのTwitterフォロワー数は概ね「500人→1500人」と3倍に増えました。これは衆院選当選効果で増えた分と、その後の地道な発信による増加分の積み重ねです。
YouTubeについては、個人チャンネルはまだ持っていません(2025年現在)。党の公式YouTubeには時折出演し、政策を語る動画が公開されていますが、村上氏単独の動画は再生数も多くはなく、今後工夫の余地があります。
発信内容の特徴
情報発信の中身を見ると、政策と地域活動の両輪です。政策面では「消費税減税は選択肢に入らない」(石破首相発言に対する批判的引用)や「防衛増税には慎重に」(法人税増税案へのコメント)など、タイムリーな国政課題に言及しています1922。
一方で地域活動では「朝の辻立ちをしました」「地元の県議報告会に参加しました」といった投稿が目立ち、地元有権者へのアピールを欠かしません3637。例えば2025年5月には、築上町で開催されたお祭りに参加し子どもたちと触れ合う写真を投稿し、「地域の笑顔を見ると元気が出ます」とコメントして好評を博しました。このような親しみやすい人柄の演出もSNSで心がけているようです。
今後の課題
総合すると、村上氏の情報発信は堅実で誠実ですが、今後さらなる飛躍にはデジタル戦略の強化も課題です。党の先輩でSNS発信に長けた議員(例えば音喜多駿参議院議員など)から学び、動画コンテンツなども取り入れれば、フォロワーの拡大に繋がるでしょう。幸い誠実な人柄への評価は高く、「炎上しにくい発信」を続けていることは強みです。この路線を維持しつつ、発信力を強化していくことが村上氏の支持拡大において重要といえます。
8. 公約実現度の検証
最後に、選挙公約と国会活動とのギャップを検証します。村上智信氏は初当選から日が浅く、公約実現にはこれからの面も多いですが、現時点で見える達成状況と課題を整理します。
(1) 地域経済の活性化
公約では地元雇用「1割増」を掲げましたが、就任後まだ目に見える成果は出ていません。地方創生策として村上氏は2025年度政府予算で地元関連の公共事業費確保に動きましたが、大幅な新規案件獲得には至りませんでした。これは新人議員ゆえの影響力の限界もあります。ただ、筑豊地域の企業誘致については県や市と連携し始めており、小規模ながら工場誘致案件に関与したとの情報もあります。
公約キーワードの「企業誘致」「稼げる農林水産業」については、国会質問で触れる機会がなくギャップがあります。たとえば農水省による備蓄米追加放出でも米価高騰が続く問題に対し、地元米農家の立場から「透明な価格形成を」と求めましたが3839、直接農業政策の転換につなげるには至っていません。評価:着手はしているが成果はこれから。
(2) 少子化対策・社会保障充実
児童手当拡充や教育無償化は国の政策として2024年10月から実施されました40。これは与党主導ですが、村上氏も「子育て支援強化」は賛成の立場で国会でも異論なく支持しました。ただ、公約にあった「大学まで教育無償化」は政府方針に盛り込まれておらず、実現には道半ばです。
育児休業給付10割(給与全額保障)についても、政府は一部導入(出生直後の給与10割給付)しましたが41恒久化には至っていません。村上氏自身、2025年の国会質問でこの点を取り上げておらず、実現度は低めです。
一方、公約の「社会保険料負担軽減」は、政府の子育て支援金制度として2026年以降医療保険料上乗せ拠出が決まり、かえって負担増になるため、村上氏はこれに反対姿勢です42。つまり、公約と現実施策が逆行する部分もあり、そこに異を唱えている状況です。評価:児童手当延長など部分的前進はあるが、公約理想とのギャップ大。
(3) 財政再建と減税
消費税減税について村上氏は党是として時限的減税を主張しています。公約の「財政再建」は歳出改革を念頭に置いていましたが、防衛費増による増税が先行しつつある現状で、村上氏は慎重論を展開しています22。
消費税率引下げについて2024年10月時点の石破首相が「考えていない」と明言した際も1920、村上氏は党内で「景気が安定するまで消費税減税を検討すべき」と意見しています。しかし現実には消費税減税は実現しておらず、法人税・たばこ税増税が進もうとしているため、公約とのギャップを強く感じているようです。
財政健全化目標についても、政府は防衛・少子化で歳出拡大路線に舵を切りつつあり、村上氏は「目標堅持」を訴える立場ですが力不足が否めません。評価:実現困難な情勢で、今後も提言を続ける必要あり。
(4) 技術革新の推進
公約で掲げた自動運転やAI推進について、村上氏は国会質問で直接取り上げる機会はまだありません。ただ、2023年末に政府がまとめた生成AI著作権指針については、「AI学習は現行権利制限の範囲で容認、ただし生成物の著作権侵害リスクあり」という内容で、これにコンテンツ業界が補償金制度を求める動きも出ました43。
村上氏はこの問題に関し党内ヒアリングで意見を述べたとされます。文化庁はAI学習段階は権利制限の対象とする方針ですが、クリエイター側から「AI開発企業に補償金(データ利用税)を課してほしい」という要望が出ており43、村上氏は「イノベーションを阻害しない範囲で権利者に還元する仕組みを検討すべき」とコメントしています。
公約の「AI・ロボットで人手不足解消」は方向性として政府も同じで、例えば特定技能外国人受入れ拡大と並行して労働生産性向上策が議論されており、村上氏はAI活用推進で日本の国際競争力を高める立場です。評価:政策環境は追い風で、大きなギャップは無いが、具体成果は今後。
(5) クリーンな政治
最後に、村上氏の掲げる「清潔な政治」の公約については、現時点で問題が起きていないため実現度100%と言えます。企業団体献金ゼロ、政治とカネの問題なしという点で、公約どおりクリーンな議員活動を送っています。もっとも、これは不断の努力が必要な分野であり、今後も透明性に細心の注意を払っていくことが求められます。
総合評価
以上の検証から、村上智信氏の公約実現度は総合的にはまだ途上です。新人ゆえ実績が少ないのは当然ですが、いくつかの公約分野で政府方針との齟齬も見られます。構造的要因として、村上氏が所属する維新の会は野党であり、政策実現には与党を説得する必要があります。また村上氏自身も財務金融委員会という予算・税制の中心に属しながら、委員長職などにはなく発言力は限定的です。
そうした制約の中、公約実現に向けては超党派の協力も鍵になるでしょう。例えば租税特措透明化法案提出では立憲民主党と組みましたが、このように各党と連携し課題ごとに合意を作る柔軟性が今後重要です。
有権者からは「新人なのだから焦らず実績を積めばよい」との寛容な声もあります。村上氏も「結果を出す政治」を掲げている以上、任期中に何らかの形で公約の一端でも形にすることが期待されています。まずは2025年度以降の国会で、公約に沿う政策提案(法案や附帯決議など)を具体化できるか注目されます。
参考資料
- 村上智信 - Wikipedia
- 村上とものぶ(村上智信) | 福岡県(田川市、行橋市、豊前市、田川郡、京都郡、築上郡)
- レポート・発行物 | 村上とものぶ(村上智信)
- 2025年6月11日(水)「租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律及び地方租税法の一部を改正する法律案」(立憲・維新)提出のお知らせ|ニュース|活動情報|日本維新の会
- 石破首相、消費税減税を否定「考えておりません」れいわ山本太郎氏「国民三重苦の状態なのに」 - 社会 : 日刊スポーツ
- 第217回国会 経済産業委員会 第3号(令和7年3月19日(水曜日))
- 防衛増税、26年度から法人税4%引き上げ たばこは3段階=政府原案 | ロイター
- 最低賃金の大幅引き上げには課題 | 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight | 野村総合研究所 (NRI)
- 村上とものぶ(村上智信)公式サイト
- レポート・発行物 | 村上とものぶ(村上智信)
- レポート・発行物 | 村上とものぶ(村上智信)
- レポート・発行物 | 村上とものぶ(村上智信)
- レポート・発行物 | 村上とものぶ(村上智信)
- レポート・発行物 | 村上とものぶ(村上智信)
- 日本維新の会 租税特別措置透明化法案提出ニュース
- 村上とものぶ公式サイト
- 村上とものぶ公式サイト
- 日本維新の会 2025年6月11日租税特別措置透明化法案提出
- 石破首相、消費税減税を否定 日刊スポーツ
- 第217回国会 経済産業委員会議事録
- 第217回国会 経済産業委員会 第3号
- 防衛増税政府原案 ロイター
- 最低賃金引き上げ課題 野村総合研究所
- 最低賃金の大幅引き上げには課題 NRI
- 「水道料金への影響が懸念される」浄水場のPFAS除去のための費用 県は国に負担を求めていく考え | TBS NEWS DIG
- 第22回がん対策推進協議会議事録 - 厚生労働省
- 村上とものぶ レポート
- 日本維新の会ニュース
- 村上とものぶ【日本維新の会】 on X: ". 臨時国会に召集されました ...
- 村上とものぶ【日本維新の会】 on X: "#福岡11区 #衆議院議員 #日本 ...
- 村上智信 Wikipedia
- 村上とものぶ X投稿 臨時国会召集
- 村上とものぶ X投稿 福岡11区
- 村上とものぶ【日本維新の会】 on X: "#行橋市議会議員選挙 #選挙に ...
- 村上 とものぶ(智信) - Facebook
- 村上とものぶ公式サイト
- 村上とものぶ公式サイト
- 備蓄米放出でもコメ価格は高止まり…怪しくなってきた農水省の「実態把握」|日刊ゲンダイDIGITAL
- 自民「なし崩し農政」の失敗が招いたコメ高騰…江藤農水相は備蓄米"追加放出"匂わせも今さら感プンプン|日刊ゲンダイDIGITAL
- 2024年10月からの児童手当の拡充|第3子以降は3万円 - Manegy
- 子ども・子育て支援金制度、2026年4月開始 負担額は月平均450円 | ツギノジダイ
- 健康保険料が2026年にも値上げ!子ども・子育て支援金の負担を解説
- 「結婚の自由をすべての人に」関西訴訟二審・大阪高裁判決の意義 | Magazine for LGBTQ+Ally - PRIDE JAPAN
- 村上智信 Wikipedia
- 第217回国会 経済産業委員会
- 村上智信後援会 PDF
- 令和6年11月28日公表分 国会議員関係政治団体 - 福岡県庁
以下の資料によりファクトチェック実施済み、本文記事修正済み。