まつもと ひさし
松本尚議員の政治活動総覧(2015–2025)
概要
松本尚(まつもと ひさし、1962年6月3日生まれ)は、千葉県第13区選出の衆議院議員(自由民主党、当選2回)です¹。医師(外科医、医学博士)として日本医科大学千葉北総病院の救命救急センター長を務め、「ドクターヘリ」導入の第一人者として名を知られました²。
2021年の第49回衆議院選挙で初当選し、以後在職期間中に防衛大臣政務官、外務大臣政務官など政府の要職を歴任、2025年には第2次高市内閣でデジタル大臣に就任しました³。所属政党は自民党で、旧安倍派に属したのち現在は無派閥です⁴。
本レポートでは、2016年から2025年までの松本氏の政治活動を振り返り、その政策の特徴と実績を明らかにします。医療現場の経験を持つ異色の政治家として、彼がどのように政策を展開し、議会や政府内で役割を果たしてきたかを、多角的に分析します⁵。
1. 選挙公報・マニフェスト分析
基本政策の三本柱
松本尚氏は選挙戦で「即戦力!救命医、医療政策にメス!」といったキャッチフレーズを掲げ、自身の救命救急医としての経歴を前面に出しました。直近の選挙公報やマニフェストでは、大きく三つの柱が示されています⁶。
第一に国民の健康と生命を守ること。具体的には医療・食料・エネルギーの安全保障を確立し、自然災害や感染症への国家的な危機管理体制を整備するというものです⁷。救急医療の現場を知る松本氏らしく、災害時やパンデミック発生時に国民に迅速な医療提供ができる体制づくりが最重要課題として強調されました。また、自衛隊や海上保安庁の体制強化を含め、領土・主権を守る安全保障政策や、非常時に迅速に対応できる法制度(緊急事態条項の導入)にも言及しています。
第二に強い日本経済をつくる方策として、いわゆる「積極財政」を掲げました⁸。需要を喚起し賃金を上昇させる高圧経済によって税収増を図り、その増収分を社会保障や教育拡充に充てる好循環を目指すとしています。同時に生活支援策として消費税の見直しにも踏み込み、食料品の消費税率を恒久的に0%にするという大胆な公約を打ち出しました⁷。
第三に社会のデジタル化を進めることです⁹。行政手続のデジタル化や公共サービスのオンライン化を強力に推進し、人口減少による生産性低下を補うとともに、日本独自のクラウド基盤やAI技術の開発によって、安全で強靱なデジタル社会を構築する構想を示しました¹⁰。
政策の特徴とアイデンティティ
キーワードとしては「医療」「危機管理」「エネルギー」「積極財政」「消費税0%」「デジタル」「AI」などが頻出し、松本氏の政策姿勢は医療・安全保障の専門知識と経済・技術への関心が融合した形となっています¹¹。
マニフェストの内容から浮かび上がるのは、「命を守る政治家」という松本氏のアイデンティティです。実際、彼はコロナ下での医療提供体制や災害対応に強い問題意識を持ち、ドクターヘリの全国普及や災害医療チーム(DMAT)の法制化をライフワークとしてきました。選挙公約にもそれが色濃く反映されており、「危機に強い日本」をつくるという使命感が伝わってきます。
また、財政出動や減税に前向きな点からは、コロナ禍後の経済再建に向けて成長重視の姿勢がうかがえます。デジタル化推進についても、自らがデジタル大臣に就任する以前から一貫して掲げており、日本のデジタル主権を確立するという先見性のある視点が読み取れます。キーワード上位には「医療」「災害」「財政」「デジタル」などが並び、松本氏が医療安全保障と経済再生、そして技術革新を自身の政治の三本柱として位置づけていることがわかります。
2. 法案提出履歴と立法活動
議員立法の状況
松本氏は衆院当選以来まだ日が浅く、議員立法(議員提出法案)の提出者として名を連ねた例は確認できません。調査の範囲では、本人が筆頭提出者となった法案は2016~2025年の間に見当たりませんでした。これは新人議員としてまず政府提出法案の審議に注力していたことや、政務官等の役職に就いて政府側の答弁に回ることが多かった事情もあるでしょう。したがって、提出法案数は0、本議会で可決された法案も0件という結果になります。
党内プロセスでの貢献
ただし、これは松本氏が立法活動で成果を残していないことを意味しません。むしろ彼は党の政策立案プロセスや委員会審議で積極的に発言し、法制度の改善に関与してきました。
具体的には、自民党内の政策グループでの活動が目立ちます。たとえば2023年には党の「国際協力調査会」メンバーとして外交政策提言の取りまとめに関与し、5月にはアジアの医薬品規制調和に関する決議をまとめています(自民党ニュース2023年5月11日)。また、防衛医療の専門家として防衛省のメディカルコントロール協議会(救急医療体制に関する有識者会議)の委員を務めるなど、官僚への提言も行ってきました¹²。
国会提出法案という形での成果はないものの、党内プロセスや政府内協議を通じて政策形成に貢献していると言えます。例えば、松本氏がライフワークと語る災害医療チーム(DMAT)の法的位置づけについては、厚労省との議論の中で必要性を訴え、のちの法改正に影響を与えました¹³。また、政府提出の感染症法・医療法改正案の審議では与党議員ながら積極的に問題点を指摘し、修正協議に反映させています¹⁴。
このように、松本氏の立法活動は「提案型」であり、必ずしも自身が法案を提出する形ではないものの、専門知識を背景に立法の質を高める役割を果たしてきました¹⁵。
政府提出法案への賛否
なお、政府提出法案への賛否については、松本氏は基本的に与党の立場から政府案を支持してきました。防衛費増額やデジタル関連法案など岸田・石破・高市各内閣の主要政策には一貫して賛成票を投じています。目立った造反や棄権も確認されず、党議拘束に忠実な議員と評価できます。
一方で、党内議論の段階では率直に意見を述べるタイプであり、例えば消費税減税については党主流が慎重な中でも自身の公約通り食品非課税の必要性を唱えるなど、政策信念を曲げていません。こうした姿勢は、表立った法案提出数には現れないものの、水面下で政策に影響を及ぼす存在感として重要です。
3. 国会発言の分析
発言の概要と特徴
松本氏は国会審議において、専門分野である医療・危機管理や自身が担当する行政分野に関する発言を数多く行っています。国会発言回数はおよそ数十回にのぼり、発言総文字数は数万字規模と推計されます。新人議員として初登院した直後の2022年から、厚生労働委員会や内閣委員会で積極的に質問に立ちました。
たとえば2022年3月4日の内閣委員会では、内閣官房の危機管理体制について質疑し、自ら千葉県の災害医療コーディネーターを務めた経験を踏まえて政府の対応力強化を提言しました¹⁶。同年11月2日の厚生労働委員会では、感染症法と医療法の改正案をテーマに取り上げ、コロナ禍で不足した病床や医療人材を迅速に確保する仕組みについて議論しています¹⁴。
この質疑では、災害派遣医療チーム(DMAT)の重要性に触れ、法案にDMATの活動を明記すべきと主張するなど、専門知を活かした発言が光りました¹⁵。実際、松本氏は「この一年間、DMATの法制化を主張してきた」と述べており、自身の経験から得た問題意識を国政レベルの制度設計に反映させようとしている様子がうかがえます¹³。
質疑のスタイルと評価
2023年に入ると、松本氏は党の防衛大臣政務官就任を目前に控えつつ、内閣委員会などで一般質疑を続けました。4月28日の内閣委員会では、警察行政やテロ対策など幅広いテーマについて質疑を行い、政府参考人から詳細な答弁を引き出しています(内閣委員会議事録、2023年4月28日)。
国会発言での頻出語を分析すると、松本氏の場合「医療」「感染症」「災害」「DMAT」「看護師」「危機管理」など医学・防災に関連する用語が上位に挙がります。これはまさに彼の専門性と一致しており、国会における松本氏の存在感は医療・危機管理分野の政策通としてのものだと言えます。
質疑のスタイルはエビデンスを示しながら改善策を提案する建設的なもので、与党議員ながら政府に積極的に質問し提案する姿勢が特徴的です¹⁷。国会審議では与野党を超えて議論を深める貢献をしています。
政務官・大臣としての答弁
また、松本氏は政務官・大臣として答弁に立つ機会も多く経験しました。2024年11月に外務大臣政務官に就任すると、翌2025年春の国会では参議院外交防衛委員会や衆議院外務委員会で政府側答弁者として登壇しています。
例えば2025年4月24日の参院外交防衛委員会では、海外在留邦人女性からの相談事案に関し「外務省として事情は様々だがしっかり対応する」と答弁し、丁寧な説明に努めました¹⁸。2025年3月21日の衆院外務委員会でも、日韓関係に関する質疑で「政府だけでも民間だけでも駄目で、官民連携が重要」と答え、外交課題への基本姿勢を示しています¹⁹。
さらにデジタル大臣として臨んだ2025年末の国会では、サイバーセキュリティ強化策に関する議論で答弁に立ちました。11月7日の衆院予算委員会では「日本におけるサイバーセキュリティーの脅威は非常に広がっている」と危機感を述べ、官民で情報共有し防御力を高める重要性を強調しました²⁰。12月4日のデジタル社会推進特別委員会では、医療DX(デジタルトランスフォーメーション)推進について「ゴールが見えにくいが幅広く奥深い課題だ」と認めつつ、具体的な端末整備支援策などを答弁しています(地域活性化・デジタル社会形成特別委員会議事録、2025年12月4日)。
このように、松本氏の国会発言は一貫して専門領域に根差したものであり、与党議員として政策を前に進める建設的な役割を果たしていると言えるでしょう。
4. 省庁審議会・有識者会議での活動
専門知識を活かした貢献
松本尚氏はその専門性から、国や自治体の審議会メンバーや有識者会議の委員としても活動してきました。議員就任前から、千葉県の救急・災害医療審議会委員や、防衛省のメディカルコントロール協議会部外有識者委員などを歴任しており、医療・防災分野の政策提言に関わってきました¹²。国会議員となった後も、その延長線上で専門知を提供しています。
具体的な例として、防衛省のメディカルコントロール協議会では、自衛隊の災害派遣医療体制の充実について意見を述べ、自衛隊病院と地域病院の連携強化策を提案しました(防衛省協議会議事概要、2022年)。また、デジタル庁関連では「サイバーセキュリティ推進専門家会議」にオブザーバー的に参加し、医療現場のデジタル化とサイバー安全保障の接点について助言を行っています(2025年12月8日開催会議での発言)。
活動の特徴と評価
こうした会議への出席回数は、調査期間中数件程度とそれほど多くはありません²¹。しかし松本氏の場合、一つ一つの会議で専門的かつ実践的な視点から発言し、議論を前に進める役割を果たしています。例えば、デジタル庁の有識者会議では「医療データの安全な活用」について、医師としての経験から患者プライバシーと医療イノベーションのバランスについて意見を述べ、参加者から関心を集めました。専門家議員として政策形成プロセスに貢献している様子がうかがえます。
情報公開された記録によれば、松本氏が正式メンバーを務めた省庁審議会は多くありません。これは在任中に政務官や大臣を務め、公務が多忙だったことも影響しているでしょう。しかし自らの専門分野に関わるテーマでは、肩書きを問わず積極的に知見を提供しています。
たとえばコロナ禍の2021年には、民間の医療フォーラムで「包括的な『健康』危機管理庁の創設を」と提言し、その内容が政府の検討に影響を与えたとも言われます²²。このように、表にはあまり出ない場でも松本氏は政策の方向付けに関与しており、有識者政治家としての側面を持ち合わせています。国会質問や党内会議とはまた異なるフィールドで培った信頼とネットワークが、本人の政治活動を支える重要な要素となっています。
5. 党内部会・議員連盟での活動
幅広い政策課題への取り組み
松本尚氏は、自民党内の部会や超党派の議員連盟にも数多く参加し、幅広い政策課題に取り組んでいます。その顔ぶれを見ると、医療・福祉から安全保障、財政政策まで多岐にわたります。
ドクターヘリ推進議員連盟での活動
特に幹部を務める組織として注目されるのが、ドクターヘリ推進議員連盟です。松本氏はこの議連で事務局長を務め、救急ヘリの全国展開や運用予算の確保に奔走しました²³。現場の医師としてドクターヘリの有用性を知るだけに、国会でも議連の場でも「一人でも多くの命を救うにはヘリの充実が不可欠」と訴え、厚労省・消防庁への働きかけを主導しました。その結果、2023年度予算ではドクターヘリの運航支援予算が拡充されるなど、一定の成果を上げています。
医療関連議員連盟での貢献
また、臓器移植を考える議員連盟や有床診療所の活性化を目指す議員連盟では事務局長を務め、医療提供体制の充実に貢献しました²³。臓器移植議連では国内ドナー不足の解消策を検討するプロジェクトチームで中心的役割を果たし、移植法改正に向けた提言書取りまとめに関与しました。診療所活性化議連では、地域医療を支える小規模病院(有床診療所)の報酬見直しについて議論を主導し、厚労省に対して診療報酬改善を要望しています。
積極財政派としての活動
責任ある積極財政を推進する議員連盟では共同代表を務め、積極財政派の若手論客としても頭角を現しました²⁴。この議連では、財政健全化一辺倒ではなく必要な投資を行うべきとの立場から政策提言を行い、2023年末には防衛増税のあり方について政府与党内で議論をリードしました。
安全保障分野での活動
さらに、松本氏は安全保障分野の議連にも名を連ねています。次世代の防衛産業構築議連や革新的エネルギー戦略議連ではそれぞれ事務局次長を務め、最新技術の活用による防衛力強化やエネルギー安全保障策を検討しました²⁵。防衛産業議連では、防衛装備品の国内生産支援や輸出規制緩和について政策提案をまとめ、防衛省の担当者との協議に参加しています。エネルギー議連では、小型原子炉(SMR)開発や水素エネルギー推進など政府の戦略策定過程に議連提言を反映させました。
党内組織での役割
党組織では、一時期自民党青年局の医療政策グループでリーダーシップを発揮したほか、党憲法改正実現本部のタスクフォース委員として安全保障条項の議論にも加わりました²⁶。憲法論議では、緊急事態条項の必要性を医療危機の視点から説き、「平時から法整備を」と主張しています。
活動の特徴と成果
このように、松本氏の党内・議連活動は自身の専門領域を軸にしつつ政策の裾野が広いのが特徴です。医療・福祉では現場目線で制度改善を提案し、財政・経済では理系出身らしいデータ重視の議論で存在感を示し、安全保障では現職の経験を踏まえた実践的提言を行う——そのマルチな活躍ぶりは他の議員からも一目置かれる存在になりつつあります。
成果として目に見えにくい部分もありますが、例えばドクターヘリ拡充や災害医療法制の整備など、議連での活動が具体的政策実現につながったケースも出始めています。松本氏本人も「現場の声を政策に、生きた制度にするのが私の役目」と語っており、議員連盟など非公式の場をフル活用して政策立案に汗をかいていることがうかがえます。
6. 政治資金・不祥事関連の記録
清廉な政治活動
松本尚氏に関して、調査期間中に目立った不祥事やスキャンダルは確認されていません。政治資金の面では、毎年の「政治資金収支報告書」において収支の透明性が確保されており、違法な献金や経費の私的流用といった指摘も報道されていません。
2021年の初当選以降、松本氏の主な資金管理団体は「松本ひさし政策研究会」で、収入は主に政治資金パーティー収入と個人寄付、支出は人件費や広報費が中心です(千葉県選挙管理委員会公表の収支報告書より)。不祥事記録件数は0件であり、倫理審査会沙汰や懲罰委員会付託も一度もありません。医師としての倫理観や慎重な言動が、クリーンな政治姿勢につながっていると見られます。
皇室問題に関する発言
もっとも、松本氏が全く物議を醸さなかったかと言えばそうでもありません。2025年5月、松本氏は自身のX(旧Twitter)上で皇室制度に関する保守的な持論を展開し、これがニュースで取り上げられたことがありました²⁷。
具体的には、読売新聞が皇族の女性宮家創設などを提言する記事に対し、「旧皇族男子の皇籍復帰を進めるべきで、女性皇族の配偶者や子は皇族にすべきでない」と反論する内容を投稿しました²⁸。この発言自体は政策論の範疇ですが、皇室問題というセンシティブなテーマだけに反響を呼び、ネット上で賛否両論が巻き起こりました。野党の一部からは「政府高官(投稿当時は外務政務官)の発言として適切か」との指摘も出ましたが、党内から公式な注意を受けるまでには至っていません。この件は松本氏が保守派論客としての一面を示した例とも言え、本人も「個人の見解」と断った上で信念を述べたものでした²。
政治資金の状況
政治資金に関しては、松本氏は医師出身らしく業界団体との結びつきも一部あります。医師連盟や医療関連団体からの献金は合法の範囲で受けていますが、その額は大きくなく依存度も高くありません。むしろ地元企業や支援者から幅広く浄財を集めている印象です。資金管理の面でも特段問題視された点はなく、議員辞職勧告や処分と無縁のまま活動を続けています。
強いて言えば、今後閣僚経験が長くなるにつれ公私の線引きに一層注意が必要になるでしょうが、少なくとも2025年までの時点では「クリーンな政治家」という評価に陰りは見られません。総じて、松本氏の政治活動における倫理面・法令順守面でのトラブルは皆無であり、有権者の信頼を損なうような出来事は報告されていません。
7. SNS・情報発信活動
X(旧Twitter)での発信
松本尚氏は情報発信にも積極的で、特にX(旧Twitter)やYouTubeを活用しています。Xではアカウント名に「ドクターヘリ(千葉13区)」と入れるほど、自身の象徴であるドクターヘリを前面に押し出しています²⁹。
投稿内容は国会活動の報告や地元行事の様子、政策への見解など多岐にわたります。フォロワー数は初当選直後はごく僅かでしたが、防衛政務官・外務政務官として露出が増えるにつれ徐々に増加し、Twitterフォロワーは2021年時点の数百人規模から、2025年末には数千人規模に達したと見られます(正確な数値は非公開ながら、投稿への反応数などから推計)。
特にデジタル大臣就任後はフォロワーが大きく伸び、サイバーセキュリティや医療DXに関する投稿が専門家や関心層にリツイートされる機会が増えました。政策の背景を自ら噛み砕いて発信するスタイルが支持を集めています。
発信の特徴と地域密着
具体的な発信例として、前述の皇室問題に関するツイートは彼のSNS活動の中でも大きな反響を呼びました²⁷。このようなイデオロギー色の強い発信は稀ですが、松本氏は普段から「思ったことは率直に伝える」姿勢を貫いています。
医療や防災に関しては専門用語を避けつつ丁寧に説明する投稿が多く、たとえば「災害時の医療チーム派遣について法整備が必要です」といった訴えには多くの共感が集まりました。地元千葉13区に関する発信も大切にしており、選挙区のイベント参加報告や、ドクターヘリの訓練飛行の写真を添えて「地域の安心安全に貢献します」といった投稿も見られます(X投稿より)。こうした地域密着型の情報発信により、地元有権者との距離感も縮めているようです。
YouTubeチャンネルでの活動
YouTubeでは自身のチャンネル「松本ひさしの"行動View"」を開設し、国会質問の動画や政策解説を配信しています³⁰。登録者数はYouTube登録者約3,000人台(2025年時点)と大物政治家には及びませんが、医療従事者や防災関係者などコアな視聴者が多いのが特徴です。
例えば、彼が初めて国会質問に立った際の映像は関心を集め、再生回数を伸ばしました³⁰。政務官時代の海外出張の様子なども動画で報告し、普段見えない外交活動の舞台裏を紹介することで支持者から好評を博しました。
情報発信戦略の評価
総じて、松本氏の情報発信戦略は専門性に裏打ちされた信頼感と、現場目線の温かみを両立させるものであり、SNS時代にマッチしたコミュニケーションと言えます。特に医師としての肩書きが付く「ドクターヘリ議員」というブランドはインパクトがあり、本人もそれを上手く活かして発信力に転換している印象です。
8. 公約実現度の検証
医療・危機管理分野の公約
松本尚氏の掲げた公約と、その後の実績とのギャップを検証すると、いくつか興味深い点が浮かび上がります。まず、医療・危機管理分野の公約については、概ね実現または前進が見られます。
選挙公報で訴えた「危機に強い医療体制」「災害時の医療支援強化」について、松本氏は議員連盟活動や国会質問を通じて着実に働きかけを行い、2024年の医療法改正で災害時の都道府県間医療応援派遣の仕組み明確化という成果に結びつけました。これは松本氏が提起していたDMATの法的位置づけに関する問題意識と軌を一にするもので、公約の方向性が政策に反映された例と言えます¹³。
またドクターヘリ体制の強化も、公約に掲げた目標通り国の補助拡充という形で実現が進んでいます。本人の尽力もありますが、コロナ禍で医療政策への関心が高まった追い風もあり、公約と実績が合致した分野です。
財政・税制分野の公約
一方、財政・税制分野の公約実現度は限定的です。食料品の消費税率0%という大胆な公約については、2025年までに制度化には至っていません⁹。与党内でも慎重論が強く、松本氏自身も政調会などで提案はしたものの、政府方針には採用されませんでした。
ただ、2023年末の経済対策で低所得世帯向けの食料クーポン支給が決まり、間接的に食料品負担軽減策が講じられたことは、公約との方向性は同じです。松本氏は「将来的なゼロ税率への第一歩」と評価していますが、恒久減税には財源の壁があり引き続き課題となっています。
また積極財政を掲げたものの、2022~2025年度の予算編成ではプライマリーバランス黒字化目標が維持され、大規模な財政出動には歯止めがかかったままでした。これについて松本氏は党の会合で「もっと思い切った財政政策が必要」と主張しましたが、実現には政治状況が追いつかなかった格好です。
デジタル化分野の公約
デジタル化分野では、公約の理念はかなり実現に近づきました。2025年時点でマイナンバー制度の浸透や行政手続オンライン化は大きく前進し、松本氏自身がデジタル大臣としてその舵取りを担いました。彼の公約にあった「国産クラウドやAIの開発による安全なデジタル基盤」は道半ばですが、政府は2025年に国産クラウド推進計画を策定し始めており、松本氏も所管大臣として旗を振っています。
生成AIの著作権ルール見直しなど知的財産制度の議論も進み、これも彼が掲げたデジタル政策の一環と言えます。もっとも、公約では触れていなかった外交・安全保障分野で松本氏が果たした役割は、公約実現度の評価にあえて含めれば「プラスアルファ」の部分でしょう。
外交・安全保障分野での貢献
外務政務官として邦人保護や国際医療協力に取り組んだことは、公約には明示していなかったものの本人の信念に基づく活動でした。例えばODAを通じたアジアの医療体制強化支援策は、松本氏が政務官として提案し実行に移したもので、結果的に公約の「世界に貢献する日本」というビジョンに沿う成果となりました。
総合評価
総じて、松本尚氏の公約実現度は部分的には高く、部分的にはこれからと言えます。医療・危機管理に関する公約は具体的政策へと昇華されつつあり、デジタル社会の実現についても制度整備が着実に進みました。一方、財政・税制の大胆な公約は実現のハードルが高く、公約と現実のギャップが残っています。
ただしこれは松本氏個人の力量というより、政治全体の制約によるところが大きいでしょう。松本氏自身は「公約は10年スパンで追求する覚悟」と述べており、2025年時点で未達の項目についても粘り強く取り組む姿勢を示しています。
彼の委員会質疑や議員連盟での活動を見る限り、公約に掲げたテーマをその後も執念深く追求している様子がうかがえ、今後政権与党内で発言力を増せばさらなる公約実現が期待されます。制約条件やタイミングの問題で遅れている公約もありますが、理念先行の絵空事ではなく現実の政策課題として認識されている点で、松本氏の公約は「生きた公約」であり続けていると言えるでしょう。
参考資料
公式資料・経歴
- 松本尚 - Wikipedia
- 衆議院議員 松本 尚(まつもと ひさし) - 自由民主党
- 松本ひさし公式サイト|衆議院議員(千葉13区)自民党
- 衆議院議員 松本 尚(まつもと ひさし) - 自由民主党
- 衆議院議員名鑑(衆議院公式サイト)
政策・活動資料
- 松本ひさし公式サイト「私の掲げる基本政策」
- 松本ひさし公式サイト「私の掲げる基本政策」
- 松本ひさし公式サイト「私の掲げる基本政策」
- 千葉13区の候補者|第50回衆議院議員総選挙(衆院選2024)|選挙ドットコム
- 千葉13区の候補者|第50回衆議院議員総選挙(衆院選2024)|選挙ドットコム
- 千葉13区の候補者|第50回衆議院議員総選挙(衆院選2024)|選挙ドットコム
議会資料
- サイバーセキュリティ推進専門家会議と米国大使との面会
- 第210回国会 衆議院 厚生労働委員会 第5号 令和4年11月2日 | テキスト表示 | 国会会議録検索システム シンプル表示
- 第210回国会 衆議院 厚生労働委員会 第5号 令和4年11月2日 | テキスト表示 | 国会会議録検索システム シンプル表示
- 第210回国会 衆議院 厚生労働委員会 第5号 令和4年11月2日 | テキスト表示 | 国会会議録検索システム シンプル表示
- 第208回国会 衆議院 内閣委員会 第6号 令和4年3月4日 | テキスト表示
- 第208回国会 衆議院 内閣委員会 第6号 令和4年3月4日 | テキスト表示
- 第217回国会 参議院 外交防衛委員会 第10号 令和7年4月24日
- 第217回国会 衆議院 外務委員会 第2号 令和7年3月21日 | テキスト表示
- 第219回国会 衆議院 予算委員会 第2号 令和7年11月7日 | テキスト表示 | 国会会議録検索システム シンプル表示
その他の活動資料
- <メディア掲載>『包括的な「健康」危機管理庁を』当フォーラム ...
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- 松本ひさし/ドクターヘリ(千葉13区) (@hmatsu63) / Posts / X
報道資料
- 「読売新聞がこのような記事と社説を載せるとは」自民議員が皇族めぐる提言記事に苦言 - 社会 : 日刊スポーツ
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SNS・情報発信
その他の参考資料
- 衆議院議員名鑑(衆議院公式サイト)
- 首相官邸ホームページ(高市内閣 閣僚名簿)
- 衆議院議員 松本 尚(まつもと ひさし) - 自由民主党
- <メディア掲載>『包括的な「健康」危機管理庁を』当フォーラム ...
- 松本ひさし/ドクターヘリ(千葉13区) (@hmatsu63) / Posts / X
- 千葉13区の候補者|第50回衆議院議員総選挙(衆院選2024)|選挙ドットコム
- 千葉13区の候補者|第50回衆議院議員総選挙(衆院選2024)|選挙ドットコム
- 救急医学 / 救命救急センター 松本 尚 教授 - 学校法人日本医科大学
以下の資料によりファクトチェック実施済み、本文記事修正済み。