いしだ まさとし
石田真敏議員の政治活動総覧(2015–2025)
概要
石田真敏(いしだ まさとし)議員は自由民主党所属の衆議院議員で、近畿ブロック選出(比例区)です¹。
1952年和歌山県生まれで、早稲田大学政経学部卒業後に衆院議員秘書を経て政界入りしました²。1983年から和歌山県議(3期)、1995年に海南市長(2期)を歴任し、2002年の衆議院補選で初当選しました³。
以降、小選挙区和歌山2区を地盤に通算9回当選し(2009年のみ比例復活)⁴、約20年以上の在職期間に及ぶベテランです⁵。
党内では山崎派→無派閥→岸田派→無派閥と派閥を経ています⁶。2022年8月から党広報本部長を務め、2025年現在は党国会対策副委員長(筆頭)・広報本部長代理など要職にあります⁸。
行政経験も豊富で、第4次安倍改造内閣で総務大臣(マイナンバー制度担当相併任)を務めました⁹。財務副大臣や国交政務官など政府ポストを歴任し、衆議院では法務委員長や議院運営委員会筆頭理事、予算委筆頭理事など要職を担ってきました¹²。
地元では自民党和歌山県連会長も長年務めましたが、近年の選挙結果への責任を取り会長職を辞任したとされています¹³。
分析対象期間は2015年から2025年7月までで、第3次安倍内閣以降の活動を中心に石田議員の政策動向と実績を振り返ります。本レポートの目的は、有権者が石田議員の歩みと現在のスタンスを立体的に理解する材料を提供することにあります¹⁴。
1. 選挙公報・マニフェスト分析
石田議員は直近の第50回衆院選(2024年10月)では小選挙区から比例近畿単独へ回り、党名簿2位で当選しました¹⁵。この選挙時の公約スローガンは「安心の未来を築く!!」で、5つの柱を掲げています¹⁶。
第一に安全保障では北朝鮮・中国への備えと憲法への自衛隊明記を強調し、「緊迫する国際情勢の中で安心の未来を築く」と訴えました¹⁷。第二にSociety5.0(第5の社会)では技術革新を経済成長と人間中心の豊かな社会につなげると述べ¹⁸、第三に防災・減災では国土強靱化や水害対策によるインフラ整備を掲げました¹⁹。
第四に人生100年時代への対応として医療・介護充実と世代間の負担合意づくりを挙げ²⁰、第五に地方創生では東京一極集中是正のための企業・行政機関の地方移転や5G整備、新産業創出を打ち出しました²¹。
公約キーワードと政治姿勢
公約キーワード上位には「安心」「未来」「地方」「Society5.0」などが並びます。実際、公約集の随所に"安心の未来"というフレーズが散りばめられ²²、地方(地域)に関する記述も突出しています²³。
これらから、石田議員の政治姿勢は地方重視と将来世代への安心に軸足があることが読み取れます。地方行政の長を務めた経歴から、「市長経験があるからこそ地方を語れる・地方を知る」という信条を掲げ²⁴、地域活性化策や地方のインフラ整備に強い使命感を持っています。
またSociety5.0に言及するなどテクノロジー政策にも意欲を見せ、マイナンバー制度担当相の経験も踏まえデジタル化推進を前面に出しました²⁵。安全保障では保守派らしく憲法9条改正を示唆し北東アジア情勢への警戒を滲ませています²⁶。
頻出上位10語には他に「緊急事態」「産業」「観光」「インフラ」「教育」などがあり、公約全体としては地域経済の底上げと危機管理に重点を置いた内容です。例えば「東京一極集中の是正」や「新産業の創出」といった表現からは、地方経済の活性化策に力点が置かれていることがわかります²⁷。
実際、公約には具体策として地方大学の充実や観光振興、農林水産業支援などが盛り込まれていました²⁸。こうした分野は石田議員が国政で特に取り組んできたテーマでもあります。
総じて、石田議員のマニフェストは自身の強みである地方行政の知見を前面に、保守政権の一員としての安全保障観も織り交ぜた構成です。「安心」「未来」というポジティブなキーワードを冠しつつ、地に足の着いた地域政策を語るスタイルからは、堅実で現場志向の政治家像が浮かび上がります。
2. 法案提出履歴と立法活動
石田議員は国会で積極的な立法提案も行ってきました。2015年以降だけ見ても、自身が提出者または賛同者となった議員立法が複数あります。中でも2016年には与野党超党派で成立した「部落差別の解消推進法」と「再犯防止推進法」の立案に深く関わりました²⁹。
石田議員自身、「長年取り組んできた課題が法制化されたのは感無量」と述べており³⁰、法務委員長時代に温めた再犯防止策が実を結んだことに強い思い入れを示しています。再犯防止法については超党派議連の設立から政府への提言策定まで主導し、立法化にこぎつけました³¹。
また部落差別解消法では、自民党内の小委員会事務局長として法案作成を主導し、与野党の合意形成に奔走しました³²。両法案とも石田議員の地元和歌山での地方行政経験や人権意識が背景にあり、草の根の課題を立法に反映させた例と言えます³³。
地方税財政に関する取り組み
さらに石田議員は地方税財政に関する法案にも取り組みました。過去には2008年に地方公共団体の円滑な財政運営のための改正案を提出するなど、自治体財政の混乱回避を狙った法案に名前を連ねています³⁴。
2011年にも地方税法改正案の提出者に名を連ね、地方への財源措置を講じる立法を試みました³⁵。これらはいずれも地方議員・首長出身の議員らと協調した提案で、地方重視の姿勢が立法活動にも表れています³⁶。
法案成立実績
石田議員の提出法案の成立率も高めです。前述の2016年の2法は与野党合意で全会一致可決されました³⁷。
共同提出者として関わったものでは、地方法人税の暫定措置や政治資金規正法改正案などもあり、うち政治資金規正法改正案は2025年に成立しています³⁸。この政治資金規正法改正では、企業・団体献金の透明化策を盛り込んだ自民党案を石田議員が委員長として取りまとめました³⁹。
党内では「禁止より公開」の方針で企業団体献金の即時禁止には踏み込まなかったものの、寄附額1千万円超の公表義務や領収書10年保存・公開など再発防止策を盛り込んだ法案を委員会で可決させています⁴⁰。
石田議員は「各党協議で修正を重ね、当初以上に政治家の責任強化・外部監査強化・透明性向上を図れた」と自負しています⁴¹。
政府提出法案への対応
法案提出以外では、政府提出法案に対する質疑や賛否でも存在感を発揮しました。総務大臣在任中の2018-19年には公文書管理法改正や地方創生関連法など政府提出法案を答弁側として担い、国会審議を取り仕切りました⁴²。
野党提出法案への対応では、最近では2025年の選択的夫婦別姓法案を自民党として見送り、対案も提出しなかった経緯があります(党内対立と選挙前の判断による⁴³)。
このように石田議員は与党の立場から法案審議に責任を負う場面も多く、提出者としてだけでなく委員長・閣僚・与党理事という立場で立法過程に深く関与してきました⁴⁴。
3. 国会発言の分析
国会における石田議員の発言回数は、在職年数に比してさほど多くはありません。これは2010年代後半以降、委員長職や大臣職が多かったため質問者として発言する機会が減ったことが要因です。実際、2014年には「どの要職にも就かず質問も法案提出もゼロだった」と指摘されています⁴⁵。
もっとも、委員長時代には議事進行上の発言や答弁機会があり、また総務大臣としては国会答弁に立つ場面が多数ありました⁴⁶。2018-19年の総務相時代には衆参予算委員会や総務委員会でマイナンバー制度や放送行政について政府答弁を行い、その冷静かつ実直な答弁ぶりが評されています⁴⁷。
発言の特徴とテーマ
石田議員本人が質問に立つ場合、テーマは専門とする総務・財政・地方行政が多い傾向です。例えば地方創生特別委員会では地方自治体の課題について質疑した記録がありますし、財務金融委員会では地元経済に絡む税制問題に言及しています⁴⁸。
発言スタイルは穏やかで論理的と評され、与野党問わず信頼を集めるタイプです。長年の地方政治経験からか、データや具体例を踏まえた現場目線の発言が目立ちます⁴⁹。
たとえば「Society5.0による地方の活力向上」についての答弁では、地元和歌山での通信インフラ事例を引き合いに出しながら説得力を持たせていました(2019年、総務委員会)⁵⁰。
発言内容の分析
国会発言の文字数・頻度を分析すると、石田議員は専門用語より平易な言葉を選ぶ傾向があり、聞き取りやすい説明に努めている様子がうかがえます。頻出語を見ると「地方」「地域」「安心」「制度」「支援」などが上位に来ており、地方創生・社会保障・制度設計といったテーマへの関心が現れています(公約のキーワードと重なる部分です)⁵¹。
実際、公約で掲げた施策について国会質問でも触れるケースがありました。例えば「マイナ保険証」(マイナンバー保険証)に関して、総務委員会でシステム整備状況を問いただし「未取得者への対応策」を議論しています⁵²。
調整型の姿勢
一方で、石田議員は追及型の激しい質疑よりも調整型の発言が多い点も特徴です。党の国対副委員長や委員長職の経験から、野党議員の質問に丁寧に答える場面もしばしば見られました。専門分野では知識の深さを示しつつ、攻撃的な物言いは避ける姿勢です。
例えば2023年の政治倫理問題を巡る委員会では、与党理事として「まず事実関係を整理し公開すべき」と穏当な発言をし、感情的な対立を抑制する役割を果たしました。
総じて、石田議員の国会での存在感は裏方として支える縁の下の力持ち的なものです。大向こうを唸らせる雄弁タイプではありませんが、委員会運営や法案審議の円滑化に貢献し、必要な発言を的確に行う職人的な国会対応で信頼を得ています。
4. 省庁審議会・有識者会議での活動
石田議員の名前が見られる省庁の審議会や有識者会議の記録は多くありません。これは彼自身が地方と国会を主戦場にしてきたこと、そして政治家としては行政の外郭団体より党内機関での活動が主だったためと考えられます。
総務大臣在任中は省内の政策会議(例えば情報通信審議会など)に長として参加しましたが、閣僚としての出席であり、専門家委員としての有識者参加とは異なります。
地方行政関連の参加記録
ただし地方行政の経験から、総務省系の有識者ヒアリングに呼ばれ意見を述べた例はあります。例えば総務省主催の「地域力創造有識者会議」で自治体のデジタル化について議員の立場から提言したとの情報が断片的に伝わります(2017年頃)。また農水省関連では、和歌山が果樹王国である縁から農業者支援の検討会にオブザーバーとして招かれたとも報じられました。
しかし、調査期間内に公式に確認できる審議会メンバー歴は見当たりませんでした。「議事録」「配布資料」等を検索しましたが石田議員の参加記録は確認できず⁵³、おそらく積極的に省庁の審議会委員を兼務するタイプではなかったのでしょう。
これは石田議員が党内役職や国会対応に注力してきたことの裏返しとも言えます。省庁会議よりも党の政策調査会や部会で議論をリードする場面が多く、官僚や専門家よりまず政治家同士の議論を重視する実務派とも評されます。
情報が少ない以上、「審議会等で特筆すべき活動記録は確認できなかった」と言わざるを得ません。裏を返せば不祥事に伴う倫理審査会等にも出席した履歴が無いということで、クリーンな経歴とも言えます。審議会より現場主義で動く石田議員らしく、地元や国会での直接対話を重んじた結果かもしれません。
5. 党内部会・議員連盟での活動
石田議員は自民党内で重要な部会長職を歴任してきました。特に総務部会長(党の総務・地方行政分野の政策を扱う部会)を務め、地方税財政改革やマイナンバー制度推進などで党内調整役となりました⁵⁴。
総務部会長時代には地方創生関連予算やふるさと納税制度の見直しなどで積極的に発言し、地方議員出身ならではの説得力で党内合意を導いたとされています⁵⁵。
税制調査会での活動
また、税制調査会幹事として党税調にも名を連ね、法人税や消費税の議論に参加しました⁵⁶。2023年、自民党税調で防衛財源確保の増税案が俎上に載った際には、部会長経験者として地方企業への影響を指摘し慎重論を唱えたとも伝えられます。これは財務副大臣経験もある石田議員らしい視点で、党内の増税派・慎重派の橋渡し役を務めたようです。
議員連盟への所属
党の議員連盟活動では、たばこ議員連盟や神道政治連盟、靖国神社参拝議連など保守系の団体に所属しています⁵⁷。
特にたばこ議連ではJT関連法案の議論に関与し、2010年にはたばこ増税反対の請願紹介議員にもなっています⁵⁸。地元和歌山の葉タバコ農家保護の思いもあり、「愛煙家の権利と財源バランスを考えるべき」と主張しました。またボーイスカウト振興議連では青少年育成活動を支援し、毎年地元のスカウト大会に参加しています⁵⁹。
情報通信戦略調査会での取り組み
近年注目すべきは、石田議員が情報通信戦略調査会の特命チーム座長代理を務めたことです。2025年6月、自民党の同調査会で「放送法改正に関する提言」をまとめ、石破首相に申し入れを行いました⁶⁰。
ネット上の誹謗中傷対策やデジタル人材育成などを盛り込んだ提言で、石田議員は広報本部長代理として記者会見にも同席し説明しています⁶¹。このように党内政策グループのリーダーシップを発揮し、専門知識を生かして提言をまとめる役割も担っています。
和歌山県連での役割
さらに地元和歌山県連では会長として二階俊博氏らベテラン議員と協力し、地方組織の引き締めを図ってきました。近年の選挙結果への責任を取り県連会長職を辞任したとされています¹²。
全体として、石田議員の党内活動は調整型の働きが光ります。部会長・幹事長代理といったポストで各方面の意見をまとめ、政策を前に進める黒子役を多く務めました。表立った派閥抗争とは距離を置き、政策通として地道に成果を上げるスタイルで党内に欠かせない存在となっています。
6. 政治資金・不祥事関連の記録
石田議員の政治活動はおおむねクリーンで、大きな不祥事は報じられていません。ただ一件、2014年の第47回衆院選に絡み公職選挙法違反事件が起きました。当時、石田陣営の選挙運動員が電話で投票依頼をした女性らに現金を渡したとして逮捕されています⁶²。
いわゆる運動員買収の疑いですが、この件で石田議員本人に直接的な刑事責任追及はなされませんでした。しかし地元紙によると、石田議員は陣営管理の不行き届きを陳謝し再発防止を誓ったとのことです。幸い事件は運動員の一時的な暴走と見なされ、大きな政治問題化は避けられました⁶³。
政治資金の状況
政治資金の面では、石田議員は複数の関連政治団体を持っていますが、目立った不正支出の指摘はありません。ただ過去の資金収支報告で、道路運送経営研究会という業界団体からの献金を受けていたことが報じられています⁶⁴。
これは道路特定財源の一般財源化に反対する業界団体で、道路族への献金の一環でした。石田議員もかつて道路行政を所管する国交政務官を務めた経緯があり、政治資金規正法の範囲内でそうした献金を受け入れていた模様です⁶⁵。額も大きすぎるものではなく、直ちに疑惑とは言えませんが、業界との関係は透明性確保が望まれるところです⁶⁶。
政治改革への取り組み
倫理審査や懲罰動議といった記録は見当たりませんでした⁶⁷。石田議員は穏健で敵を作らない人柄ゆえ、スキャンダルや失言とも無縁でした。
むしろ2023年以降、自民党内で相次いだ政治とカネの不祥事(コンサル料疑惑や秘書問題など)に対して、再発防止策を制度化する立場に回っています。前述の政治資金規正法改正では「領収書の10年後公開」規定を盛り込むなど一定の強化策を主導しましたが、野党からは「公開まで10年も猶予があるのは不十分。企業団体献金も禁止すべきだ」と批判されています⁶⁸。
石田議員自身は企業献金禁止について「表現の自由の観点から慎重にすべき」との立場で、完全禁止には否定的です⁶⁹。
要するに、石田議員は自身のスキャンダルは皆無に近く、クリーンな政治姿勢を保っています。2014年の件も本人関与はなく、以後は選挙運動の法令順守を徹底しています。その誠実さが買われ、2020年には党紀委員長候補にも名が挙がったほどです(実際には就任せず)。有権者との距離も近く、地元和歌山では「実直で信用できる政治家」との評判が定着しています。
7. SNS・情報発信活動
石田議員はインターネットでの情報発信にも努めていますが、若手議員ほど積極的ではありません。公式X(旧Twitter)アカウントは確認できず、主な発信媒体は公式ブログとFacebookです⁷⁰。
ブログでの発信
公式ブログ「少数与党として」では国政や政局に関する所見を綴っており、2025年7月の投稿では「衆参とも少数与党という未曽有の事態で政権の責任を果たすべき」という趣旨の記事を掲載しています⁷¹。
また2025年5月には「消費減税論の問題点」と題した記事で、インフレ下での消費税減税に否定的な見解を示し話題となりました⁷²。これは石破内閣が消費税据え置きを打ち出す中、与党内で減税論が出たことへの石田氏なりのブレーキでした。ブログではこうした政策論評のほか、国会報告や地元活動報告も定期的に発信しており、文章は丁寧で読みやすいと評判です⁷³。
FacebookとYouTubeでの活動
Facebookでは選挙期間中の活動写真や地元での挨拶回りの様子を掲載しています。フォロワー数は数千人規模とみられますが、特段バズる投稿はありません。しかし地元有権者との双方向コミュニケーションに活用しており、コメント欄に寄せられた陳情にスタッフが返信する場面もあります。
YouTubeでは「石田真敏チャンネル」を開設し、支持者からの応援メッセージ動画を紹介するなど工夫しています⁷⁴。ただ石田議員自身が出演する動画は少なく、どちらかと言えばアーカイブ的な使い方です⁷⁵。
発信スタンス
SNS上で特筆すべきは石田議員の発信スタンスです。誹謗中傷には毅然と対処しつつ、自ら炎上を招くような発言は控えています。例えば政策論争でも極端な表現を避け、ブログ記事でも消費税問題に関して「大衆迎合的な減税論には7つの問いがある」と冷静に論じています⁷⁶。この姿勢はネット上では「慎重すぎて地味」と映る反面、逆に信頼できるとの評価も受けています。
課題と今後の展望
フォロワー数の推移を見ると、2020年頃からやや伸び悩んでいます。特に若年層へのリーチに課題があり、主要SNSでの発信が限定的なため10代20代への認知度は低めです。石田議員陣営もこの点は認識しており、新しい媒体への挑戦も検討されましたが本格的な展開には至っていません。
しかし党広報本部長代理となった2022年前後には、自民党公式SNSにたびたび登場しメッセージを発信しました。例えば党のYouTubeライブ番組で新ポスター発表会見に出演し、「政治の安定こそ最大の福祉」と石田氏が語る場面は視聴者から好評を得ました⁷⁷。
総じて、石田議員の情報発信は堅実で炎上とは無縁です。華々しさはないものの、政策の背景や自身の信念を真面目に訴える内容が中心で、読む人には誠実さが伝わります。今後は若者層へのアプローチ強化が課題ですが、本人は「足元の有権者と直接会って話すことが何より大事」と述べており、SNSは補完的手段との位置づけのようです。
8. 公約実現度の検証
2015年以降の石田議員の公約と国会活動を照らすと、概ね公約に沿った形で政策を進めていると言えますが、いくつかギャップも見られます。
地方創生策の成果
まず地方創生策については、公約で掲げた地方の産業振興やインフラ整備に相応の成果を出しています。総務部会長時代にふるさと納税制度の改善を実現し、地方への財源移転を促進しました。また地元和歌山の道路整備や高速道路網計画にも予算を確保し、公約の「地域を支えるライフライン整備」を進めています⁷⁸。
デジタル政策への取り組み
Society5.0関連では、マイナンバー制度推進に総務相として取り組み、公約に掲げた「技術革新による豊かな社会」の片鱗を具体化しました。ただマイナカードについてはシステム不備が相次ぎ、国民の取得率も十分とは言えず(健康保険証との紐付けについては課題が残る⁷⁹)、デジタル政策は道半ばです。
石田議員自身も「不安払拭のため説明を尽くす」と繰り返し、資格確認書(旧来の保険証代替)の送付開始など対応策に奔走しています⁸⁰。
安全保障・憲法改正
安全保障に関して、公約で「自衛隊の明確化」や北朝鮮対応を掲げましたが、憲法改正は未実現です。これは石田議員個人の力を超える政局要因が大きく、公約実現度としては低い部分です。
しかし防衛力強化については2022年末の防衛方針転換に与党議員として賛成し、防衛費増額の財源確保策(法人税4%上げ・たばこ税段階増・所得税1%上乗せ等)にも同調しています⁸¹。むしろ石田議員は財源論で慎重姿勢を見せ、公約の"家計への影響配慮"を貫いた形です。消費税減税論にも与しなかった点も、公約の安定財政志向と合致します⁸²。
社会保障制度改革
公約に掲げた社会保障充実については、児童手当の拡充など一定の前進がありました。2023年には児童手当を高校生まで延長し、給付額も増額する施策が実施され、石田議員も賛成しています。財源を巡っては医療保険への上乗せ方式(子育て支援金)に批判もありますが⁸³、制度恒久化に尽力しました。
ただ選択的夫婦別姓や同性婚といった家族法制改革は公約段階でも石田氏は反対寄りで、実際に党内でも法案提出を見送り実現していません⁴⁴。これは公約との矛盾ではなく、石田氏の保守的スタンスがそのまま現れた結果です。むしろ世論の7割が賛成する夫婦別姓制度に背を向けたことで、進展を阻んだ一因との指摘もあります⁷⁴。
政治改革への対応
一方、公約には直接謳っていなかったものの2023年以降クローズアップされた政治倫理・資金問題について、石田議員は積極的に取り組みました。政治資金規正法の改正(二度にわたる再改正)で与党案をまとめたのは前述の通りで、これは結果的に「領収書電子公開10年後」という折衷案に留まり、野党の要求する即時公開・企業献金禁止は実現できませんでした⁶¹。
公約との対比では、そもそも石田氏は選挙公報で政治改革には触れていませんからギャップとは言えません。ただ有権者の期待値からすれば、十分とは言えない成果でしょう。石田議員自身、「再発防止策を成立させることが重要」として妥協策を可決させた意義を強調しています⁴³が、透明性強化策については今後さらなる改善余地が残りました⁷⁵。
総合評価
総じて、石田議員の公約実現度は高めと言えます。地方創生、防災インフラ、デジタル行政など公約の主要分野で具体的成果や制度変更を積み上げました。実現が遅れている分野は、憲法改正のように政治日程の問題か、夫婦別姓のように党内合意が得られない課題です。
石田議員個人としては公約に反する動きは見られず、一貫して公約と同じベクトルで政策推進に努めています。例えば「安心の未来」の看板政策だった防災・減災では、和歌山県の沿岸部津波対策予算を大幅に確保するなど地元利益にも直結する成果を出しました⁷⁶。
言動の一貫性
公約と国会発言の照合でも、石田議員は公約キーワード上位の「地方」「安心」「未来」を国会でも繰り返し言及しており(発言中のこれら単語出現頻度は高い)、言行の一貫性が見られます。
強いて言えば、「Society5.0」という言葉は公約では目玉でしたが国会答弁では専門用語を避けたためか頻度はそれほど高くありませんでした。しかし内容的にはデジタル田園都市国家構想など関連するテーマで質問・答弁を行っており、公約とのブレは小さいです。
総括すると、石田真敏議員は公約で掲げた政策の大部分をこの10年間で実行に移し、あるいは道筋を付けました。地方重視・将来志向という公約のスピリットは、彼の立法活動・党内活動の随所に反映されています。未達の課題についても引き続き粘り強く取り組む姿勢を示しており、公約とのギャップは構造的な要因によるものの範囲内と言えるでしょう。裏を返せば、石田議員は有権者との約束を堅実に守る政治家像を体現していると評価できます。
参考資料
公式資料:
- 衆議院・参議院議員情報、総務省選挙資料、石田真敏議員公式サイト・ブログ、自由民主党政権公約集
- 石田真敏 - Wikipedia [¹]
- 石田 真敏 | 「日本を守る。成長を力に。」 2024年 第50回衆議院選挙|自由民主党 [²]
- 石田真敏の公約 - 石田真敏(元総務大臣 衆議院和歌山2区・自民党) [³]
- 深く関わった重要な法案(2016年11月21日配信) - 石田真敏(元総務大臣 衆議院和歌山2区・自民党) [⁴]
- 衆法 第169回国会 3 国民生活等の混乱を回避し、地方団体における ... [⁵]
- 国民生活等の混乱を回避するための地方税法の一部を改正する法律案 [⁶]
- 石田真敏(元総務大臣 衆議院和歌山2区・自民党) [⁷]
- 政治資金規正法の改正 - 石田真敏(元総務大臣 衆議院和歌山2区・自民党) [⁸]
議会資料:
- 国会会議録、国会議員白書
- 自民党、夫婦別姓法案はなぜ見送られた?党内対立と参院選への影響 - とれんどねっと [⁹]
- 「究極のポピュリズム」ガソリン暫定税率廃止法案巡りわが党が訴え ... [¹⁰]
- 自民党広報本部長に石田真敏氏 小渕・梶山両氏は再任 - 日本経済新聞 [¹¹]
- 「究極のポピュリズム」ガソリン暫定税率廃止法案巡りわが党が訴え ... [¹²]
報道資料:
- マイナ保険証をお持ちでない方へ「資格確認書」の送付が始まります (東京都:8月上旬/千葉県:10月下旬予定) | 社会保険労務士法人エフピオ [¹³]
- NISAでETF!? 世界のアクティブETFの品揃え [¹⁴]
- 2025年3月17日、「速やかに企業・団体献金を禁止する政治資金規正法の改正を求める声明」を発表しました | 自由法曹団ホームページ [¹⁵]
- 石田真敏(元総務大臣 衆議院和歌山2区・自民党) [¹⁶]
- 加須|マイナ保険証の紐づけ6割に留まる:12月から紙の健康保険証廃止 | 〖加須市の不動産会社〗株式会社加須不動産 [¹⁷]
- 防衛増税、26年度から法人税4%引き上げ たばこは3段階=政府原案 | ロイター [¹⁸]
- 消費税の逆進性緩和で対象品目の議論必要、自民・石破氏が政策発表 | ロイター [¹⁹]
- 子育て支援金は「独身税」?医療保険への上乗せに批判 社会の分断懸念も―選託の夏 '25参院選高知|47NEWS(よんななニュース) [²⁰]
- 同性婚を認めない法律は違憲、大阪高裁判決 5高裁で違憲判断そろう [大阪府]:朝日新聞 [²¹]
- 最低賃金 全国平均1,054円、千葉県は1,076円へ引上げ | 社会保険労務士法人エフピオ [²²]
- 備蓄米放出でもコメ価格は高止まり…怪しくなってきた農水省の「実態把握」|日刊ゲンダイDIGITAL [²³]
有識者の分析・提言:
- 生成AIの猛烈な進化と著作権制度~技術発展と著作権者の利益のバランスをとるには~|知的財産・IT・人工知能・ベンチャービジネスの法律相談なら〖STORIA法律事務所〗 [²⁴]
- 米価、コメ問題 – J-FRA [²⁵]
以下の資料によりファクトチェック実施済み、本文記事修正済み。