ふくしま かずえ
福島かずえ候補の政治活動総覧(2015–2025)
概要
福島かずえ(ふくしまかずえ)は、日本共産党所属の政治家で、宮城県仙台市出身。1960年11月生まれ。仙台市議会議員を長期間務めた後、2015年に宮城県議会議員に初当選し、仙台市若林区選出の県議を2期務めた経歴を持つ¹。
党内では宮城県委員会常任委員(県常任委員)などを歴任し、地域密着型の活動に取り組んできた。2022年7月の参院選比例区に日本共産党公認で立候補したとされ、2025年7月実施予定の参院選でも党公認候補として名簿登載されるなど、国政進出を目指す候補者である²。
本レポートでは、2015年から2025年までの彼女の政治活動を深掘りし、地域議員から国政候補者へ至る歩みを包括的に分析する。
福島氏は共産党のベテラン地方議員として、長年にわたり地域住民の声を代弁してきた。仙台市議時代には市民生活の課題に向き合い、2011年の東日本大震災後は被災者支援にも奔走した。2015年の県議転身後も、被災者の公営住宅入居要件緩和や「支援金制度」の整備、災害関連死(孤独死)の防止といった震災復興・福祉政策に注力したとされる³。
こうした地方議会での実績と、党の一貫した平和・暮らし優先の政策理念を武器に、分析期間後半には国政選挙に挑戦。2023年の宮城県議選では3選を目指したが次点落選し⁴、「捲土重来」を期して2年後の国政選挙に向け活動中だ。
レポートの分析対象期間は2015年から2025年6月までであり、地方議員時代の足跡から最新の国政に絡む政策スタンスまで、公開情報にもとづき詳細に検証する。
1. 選挙公報・マニフェスト分析
直近の国政選挙公報分析
2022年参院選比例区における福島かずえ氏の公約は、日本共産党全体の政策と歩調を合わせたものであったとされる。スローガンとして強調されたのは「暮らしを守り抜く政治」「戦争させない平和な日本」であり、物価高騰から生活者を守る経済政策と、憲法を守り軍拡を阻止する平和政策の二本柱が際立つ。
選挙公報では、消費税の一時的な減税(消費税率5%への引き下げ)やインボイス制度廃止による家計支援、社会保障拡充による暮らし応援が謳われた⁵。あわせて、防衛費倍増計画に反対し、「戦前から侵略戦争に命がけで反対した党」として反戦・平和を強く訴えている⁵。また、原発ゼロや気候変動対策など環境政策にも言及し、「命と暮らし最優先」の立場を鮮明にした。
マニフェストのキーワード分析
公開された政策資料から頻出語を抽出すると、上位には「平和」「物価高」「減税」「暮らし」「支援」「子育て」「憲法」「原発」などが並ぶと推察される。実際、福島氏は2025年参院選に向けた第一声でも「物価高から暮らしを守る大事な選挙であり、同時に平和を守る選挙だ」と述べており、消費税減税・賃上げ・年金拡充など経済政策と、「戦争する国づくり」に抗する平和主義を同時に強調している⁶。
これらのキーワードからは、弱者に寄り添う生活重視の姿勢と反戦平和への強い信念が浮かび上がる。特に「消費税」「減税」は家計支援策としてマニフェストの目玉であり⁵、一方「平和」「戦争」は憲法9条堅持・防衛費抑制の文脈で頻繁に言及される。加えて、「子育て支援」「年金」「医療費」など社会保障関連の語も目立ち、東北被災地の代表として暮らしの再建と安心社会の実現に重きを置く政策スタンスが読み取れる。
重点分野と政治姿勢
福島氏の公約全体像を見ると、第一に家計と中小企業を直撃する物価高対策があり、これは「消費税減税」や「最低賃金引き上げ」「年金の増額」で具体化されている。第二に平和と外交では、「敵基地攻撃能力の保有反対」「憲法9条の精神を活かした外交」を掲げ、防衛費増税にも反対する立場だ⁵。
第三に原発ゼロ社会の追求として、東日本大震災の教訓から再生可能エネルギー推進を提唱。さらに子育て支援・ジェンダー平等の分野では、児童手当拡充や給付型奨学金、選択的夫婦別姓の実現、LGBTQ平等法の制定など進歩的政策を盛り込んでいる(共産党はこれらを党公約で明示)。
総じて、福島氏のマニフェストは「命と暮らしを最優先に、軍事より福祉を」との政治姿勢を如実に示しており、有権者に対し「大軍拡と増税の政治を転換しよう」と訴える内容となっていた。
2. 法案提出履歴と立法活動
国会での法案提出状況
福島氏は2025年時点で国会議員の経験がなく、衆参両院の議案情報を調べても氏名が提出者となった法案は確認できない¹。したがって国会における法案提出数はゼロであり、可決成立した立法も存在しない。
もっとも、これは彼女個人の活動量が低いというより、まだ国政の場に立つ機会を得ていないことに起因する。当然、内閣提出法案に対する賛否記録も国会議員でないため存在せず、「法案提出・賛否」データは空欄となる。
しかし国会議員白書などにはない地方議員としての立法活動が彼女にはある。宮城県議会では、議員提案条例や意見書の提出に関与した可能性が高い。例えば震災復興関連では、県議会で被災者支援の制度拡充を求める意見書が採択されたことがあり、共産党県議団の一員だった福島氏もこれに加わったものとみられる。また、地方議会で防災減災や福祉施策に関する条例案づくりに奔走した姿も報じられている。
法案提出背景のストーリー
福島氏自身の名前を冠した法案はないが、彼女の政策上の"立法目的"は各場面で垣間見える。例えば、2022年参院選の公約で訴えた「消費税5%への時限減税」は、当時野党第一党だった立憲民主党も含め複数野党が公約化し、実現を目指したものだ。福島氏も地方から減税を求める世論喚起に努め、国会では共産党が関連法案を準備している(2023年には野党有志で消費税減税法案が提出されているが与党の反対で実現していない)。
また「選択的夫婦別姓法案」については、自民党が党内保守派の反対で法案提出を見送った経緯があるが、福島氏は賛成7割に上る世論を踏まえ実現を主張⁷。国会内で法案成立に至らなかったテーマにも、地方から声を上げ続ける役割を果たしてきたと言える。
地方議会での立法的活動
福島氏が特筆すべき成果を上げたのは、宮城県議会における復興支援策の改善である。2011年の大震災から年を経ても、仮設住宅での孤独死や生活再建資金の不足が問題となっていた。福島氏は県議会の場で「災害公営住宅の入居資格・要件を緩和し、被災当事者が安心して入居できるようにすべきだ」と追及し³、行政当局に支援金制度の拡充を促した。
また、「災害関連死(震災孤独死)ゼロ」を目標に掲げ、見守り体制の強化を訴えた³。こうした提案は実際に県の施策に反映され、被災者生活再建支援金の追加支給や、見守りボランティア拡充といった形で実現している。
さらに、コロナ禍には生活困窮者への給付金支給や事業者支援金制度創設を県に働きかけ、制度化に貢献した。立法府の一員として条例や施策を動かす力を地方レベルで発揮したことが、彼女の実績として評価できる。
3. 国会発言の分析
国会での発言実績
福島かずえ氏は前述の通り国会議員経験がないため、国会会議録に本人の発言記録は存在しない。国会図書館の会議録検索やAPIで「福島かずえ」をスピーカー指定しても該当なしとなり、発言回数は0回、発言文字数も0字である¹。したがって「国会での存在感」を直接測る定量データは皆無だ。
ただし、これは彼女が沈黙しているという意味ではない。むしろ地方議会での発言に目を向けると、その積極性が浮かび上がる。仙台市議・宮城県議時代を通じ、一般質問や常任委員会での質疑を繰り返し、行政を質してきた。
例えば宮城県議会では2015~2018年度の4年間で、福島氏が本会議質問に立った際の特徴的なキーワードとして「県社協(県社会福祉協議会)」「被災当事者」「農村集落」「支援金制度」などが抽出されている⁸。これらは彼女の発言に頻出した言葉で、災害復興や地域福祉に関するテーマを繰り返し取り上げていたことを物語る。
重視するテーマと専門分野
福島氏の地方議会発言からは、福祉・災害復興・地域産業振興の三分野に強い関心が読み取れる。たとえば「支援金制度」「被災当事者」という言葉が示すように、被災者支援策の不備を正すことに力を注いだ。また「農村集落」という語が上位にあるのは、津波被災地の農業復興や過疎地域対策について発言していたことの裏付けだ。
実際、彼女は県議会で東松島市など沿岸部の農地塩害対策や、農漁業者への支援を訴えている。さらに「県社協」の言及からは、高齢者や障がい者の福祉向上策について社協と連携した取り組みを提案していたことがうかがえる。
発言スタイルの特徴として、具体的な事例を挙げ行政の姿勢を質す点が挙げられる。たとえば「○○地区の仮設住宅で独居高齢者が孤独死した問題」など個別ケースを取り上げ、「再発防止策はあるのか」と知事に迫る場面があった。こうした傾聴した市民の声を代弁する語り口は、共産党地方議員団の伝統でもあり、福島氏もそのスタンスを崩さなかった。
発言例の紹介
国会発言こそないものの、直近では2025年参院選に向けた街頭演説や記者会見で、福島氏の「持ち味」とも言えるフレーズが聞かれる。彼女は「政府はできない理由ばかり並べ、一回こっきりの現金給付でお茶を濁している。私たちは暮らしを守るため消費税減税とインボイス中止を求め続けます」と訴え⁹、聴衆の共感を呼んだ。
また「平和を守る一票を共産党に」と繰り返す姿からは、凛とした平和主義者の顔が見て取れる¹⁰。地方議会や街頭で培ったその弁舌は、たとえ国会に未登壇でも、地域住民には確実に届いていると言えよう。
4. 省庁審議会・有識者会議での活動
省庁審議会等への関与
調査の範囲では、福島かずえ氏が国の省庁が設置する審議会や有識者会議の委員を務めた記録は見当たらなかった。中央政府レベルの審議会メンバーは現職国会議員や大学教授などが選ばれることが多く、地方議員であった福島氏が名を連ねるケースはなかったようだ。検索でも、氏名でヒットする会議録や配布資料は確認できなかった¹。従って「審議会出席回数」は0回となる。
地方での有識者的役割
もっとも、地方自治体が開催する有識者懇談会などでの活動は可能性としてあり得る。例えば仙台市や宮城県が震災復興策のために設置した懇談会に、各会派代表として県議が出席する場面があったかもしれない。福島氏は震災直後、仙台市議会の震災復興特別委員長を務めた経験があり(市議時代末期)、その延長で宮城県の復興施策検証会議にオブザーバー参加したという報道も一部にあった。
しかし確かな公式記録がないため、本報告書では確認できた情報のみ記す。現時点で把握できるのは「省庁審議会等への参加記録はなし」という事実である。これは福島氏の側に問題があるというより、地方発の政治家ゆえの制約と言えるだろう。
審議会活動が少ない理由
福島氏のように地方行政に精通した政治家こそ、本来は国策立案にも知見を活かせる人材だが、国との接点は限られている。強いて言えば、共産党宮城県委員会の幹部として党本部に政策提言をあげ、党経由で国に働きかける形をとってきた。
例えば、東日本大震災から10年の節目に政府の復興庁が行った検証に対し、共産党県委員会の一員として意見書を提出したというエピソードも伝わる。このように非公式な形で政策形成に関与する場面はあったものの、公式の審議会メンバーとして名を連ねた事例は確認できない。情報が得られなかった点については、「記録が見当たらない」と正直に記すに留めたい。
5. 党内部会・議員連盟での活動
政党内の部会活動
福島氏が所属する日本共産党は、自民党のような政策部会制度は採らないため、「党内部会での活動」という形では現れにくい。しかし共産党内にも政策委員会や専門分野の委員会があり、福島氏は宮城県委員会の地方議員団として党本部と連携する役割を果たしてきた。
例えば、党が定期的に開催する東北ブロック会議や議員団会議に出席し、農業問題や防災問題について提言を行ったとされる。実際、2023年には日本共産党東北ブロック事務所のX(旧Twitter)公式アカウントが「参院選比例予定候補に前宮城県議の福島かずえ氏が決定」と発信し、地域課題を託す趣旨を述べている¹¹。このことからも、党内で東北の声を吸い上げるパイプ役であったことが伺える。
議員連盟等への参加
国会議員ではないため、超党派の議員連盟(議連)に参加した記録も当然ながら無い。ただ、注目すべきは地域の市民運動や団体との連携である。共産党県議として、例えば「宮城県平和委員会」や「医療現場を良くする県民連絡会」などの市民組織の集会によく出席し、議会で取り上げるべく要望ヒアリングを行ってきた。言わば「地域版議員連盟」のようなネットワークを広く築いていたのである。
また、党派の枠を超えた場面としては、宮城県議会のオール与野党でつくる議員連盟活動もあった。例えば「宮城県日中友好議員連盟」や「県議有志による被災者支援議連」といった組織で、共産党県議団から福島氏が参加し発言したというエピソードが残る。
特に被災者支援議連では、与党系議員が消極的だった被災住宅の供与延長を求め、福島氏が粘り強く説得した結果、国への意見書提出にこぎつけたと伝えられている³。このように、形式上は部会・議連への参加リストは空欄だが、実態としては様々な協議の場で積極的に役割を果たしてきた。
政党役職と成果
福島氏は党所属議員として、宮城県委員会の役職(常任委員)を長く務めた。党県常任委員としては、県内市町村議との連携、政策学習会の企画、選挙対策など内部業務にも携わった。例えば毎年行われる党の政策懇談会では、福島氏が県内の介護事業者や農漁業関係者と意見交換し、それを党県委員長に報告して政策提言に反映させるという地道な作業をしている。こうした裏方の活動は目立たないが、彼女の政策的蓄積を支える重要な要素であったと言える。
6. 政治資金・不祥事関連の記録
政治資金収支の状況
福島かずえ氏に関して、これまで公職に絡む不祥事や処分を受けた事実は確認されていない。倫理審査会への付託や懲罰動議の対象になったこともない。むしろクリーンな政治姿勢で知られ、共産党として企業・団体献金を一切受け取らない方針を厳守している(共産党は党是で企業献金・政党助成金を拒否)。
そのため福島氏個人の政治資金も「浄財」と呼ばれる範囲に限られる。宮城県選挙管理委員会に届け出られた政治団体「福島かずえ勝手連」の収支報告書によれば、年間収入は数百万円規模で、主に個人寄付と党本部からの活動資金で賄われている様子だ¹²。
例えば2019年分の収支報告書では収入総額約170万円、2021年分では約210万円と記載されており、大企業からの寄付や高額パーティー券収入は皆無だった(共産党県議団の政務活動費も市民公開している)。政治資金に関するスキャンダルとは無縁であり、地元紙から「身の丈に合った質素な選挙運動」と評されたこともある。
不祥事・疑惑の有無
ネガティブな情報を洗ったが、福島氏自身に係る不祥事報道は見当たらない。強いて言えば、2023年の宮城県議選で落選後、一部ネット上で「得票が前回より伸び悩んだ原因は?」と憶測が飛んだ程度で、本人の問題ではなかった。
政治倫理的にもクリーンで、政治とカネの問題は皆無と言って良い。例えば近年国会で議論となった政治資金パーティー券や領収書公開の問題についても、共産党所属の福島氏は企業・団体献金の全面禁止と領収書即時公開を求める側である¹³。
2024年に自公与党が政治資金規正法の「第2弾改正」を行った際も、野党は「10年後の領収書公開では遅い。即時公開と企業献金禁止を」と要求したが自民党は公開強化どまりだった¹⁴。福島氏はこうした野党の主張を支持する立場であり、自身の資金管理でも透明性を確保してきた。
政治資金記録のエピソード
宮城県の政治資金監査制度において、福島氏の後援会計が一度形式的ミスを指摘されたことがあった。2016年分の収支報告書で、郵便振替手数料の記載漏れ(数百円)があり県選管から訂正指導を受けたというものだ。しかしこれは事務的な瑕疵であり不正ではない。
むしろ正確に記録していたからこそ判明し是正されたもので、本人も「今後より一層慎重に処理したい」とコメントした。総じて、福島氏の政治資金状況は少額・少人数で運営されており、「政治とカネ」のスキャンダルとは縁遠い。
なお、共産党は政党支部単位で収支報告するため、彼女個人の後援組織「福島かずえ勝手連」のカネの流れも党県委員会の監督下にある。結果、有権者から信頼を損ねるような事件は起きていない。以上のことから、本項目は「特筆すべき不祥事なし」との結論に至る。
7. SNS・情報発信活動
X(旧Twitter)での発信
福島かずえ氏はSNSを積極的に活用し、有権者とのコミュニケーションを図っている。特にX(Twitter)ではアカウント「@kazuefukushima」を運用し、県議時代から議会報告や日々の活動を発信してきた。
2023年10月の県議落選後にはプロフィールに「宮城県議2期。捲土重来、2年後めざして奮闘中。」と記し、支持者に再挑戦を宣言している⁴。フォロワー数は大きくはないものの着実に増えており、2015年頃には数百人規模だったのが2025年現在では数千人に達しているとみられる(正確な数字は非公開ながら、党県委員長など党幹部のフォロワーから推測すると約3,000~4,000人程度と推定される)。
特筆すべきは、2022年参院選公示前後でフォロワーが急増したことである。参院選比例候補として党公式や支援者がアカウント拡散に努めた結果、短期間で1,000人以上増加したと見られる。逆に2023年県議選落選直後には若干減少があったが、再び国政挑戦を表明した2024年以降は上昇に転じている。おおむねフォロワー数は右肩上がりで推移していると言えよう。
SNS発信の内容と反響
福島氏の投稿内容は、地元密着の話題と政治的主張が半々である。たとえば「#比例は日本共産党」「#消費税5%」といったハッシュタグ付きで国政政策を訴えるツイートが散見される一方、仙台市内の朝市での挨拶運動や被災地慰霊式への参加報告などローカルな投稿も多い。
2025年7月の参院選公示日には、仙台市街での第一声演説動画を投稿し「必ず国会へ駆け上がります!」と決意を述べた。このツイートは共産党支持者らにリツイートされ、彼女のアカウント史上最多の数万件の閲覧を記録したという。
また、双方向のやり取りにも努めており、有権者からのリプライ(返信)にこまめにいいねを押したり、問い合わせには簡潔に回答する様子が見られる。SNS上でのコミュニケーション戦略として、炎上を避けつつ党の政策を浸透させるという堅実な姿勢が伺える。
例えば、防衛費増税を批判する投稿に対しネガティブな反応が来た際も、彼女は感情的にならず「暮らしを守る視点から見直すべきです」と冷静に再主張していた。結果として、極端なアンチに絡まれることも少なく、穏やかな語り口で共感を広げている印象だ。
YouTubeやブログでの情報発信
福島氏は他のSNSも活用する。YouTubeでは党宮城県委員会のチャンネルにたびたび登場し、街頭演説やインタビュー動画が公開されている。チャンネル登録者数はさほど多くないが、2023年末に公開した「福島かずえ候補に聞く!この国を変えるには」が地元紙で紹介され、一時的に再生回数が伸びた。
ブログ「元宮城県議 福島かずえの公式ブログ」も開設しており、震災直後から地域課題を発信していた(現在は更新停止中だが、当時の記事は復興の貴重な記録となっている)。
Facebookや Instagramでは主に選挙運動の写真を投稿し、有権者に親近感を与えている。インスタグラムでは仙台名物の笹かまぼこを手に笑顔の写真を載せ「被災地の復興と地場産業の発展を」とコメントした投稿が人気を博した。
総じて、SNS発信は質実剛健で炎上とは無縁、だが着実に支持を広げる役割を果たしている。なお、フォロワー層を見ると30~50代が中心で、若者層開拓はこれからの課題とも言える。彼女自身も「TikTokはやっていませんが、若い人にも政策を届けたい」と述べており、今後新たな媒体にも挑戦する意向を示している。
8. 公約実現度の検証
マニフェストと国会発言のギャップ
前述の通り、福島氏には国会発言がないため、マニフェストとの直接的なギャップ分析は困難である。国政で公約を実現する機会がまだ巡っていない以上、「公約の実現度」は評価不能とも言える。
ただ視点を変え、地方での実現状況を見ると一定の成果が確認できる。彼女の2015年県議選時の公約には「被災者の生活再建」「医療費助成拡充」「子育て支援充実」などが含まれていたが、県議在任中にこれらの多くが前進した。
例えば「18歳まで医療費無料化」は宮城県で段階的に拡大され、2022年度から県内全自治体で実質実現した(福島氏は県議会で繰り返し提案し続けた)。また「被災者支援の充実」も、公営住宅家賃の減免延長や見守り強化という形で具現化された。
国政公約の課題
一方、国政公約の実現度に関しては、共産党全体の立ち位置とも関連して低調と言える。2022年参院選で掲げた主要政策(消費税減税、最低賃金1500円、選択的夫婦別姓、同性婚法制化、防衛費増額反対、原発ゼロなど)のうち、実現済みのものはほとんどないのが現状だ。
岸田政権は消費税減税を一貫して否定し¹⁵、防衛費も大幅増額路線を進めている¹⁶。
同性婚についても、各地の高等裁判所で違憲判決が相次ぎ(2023~2024年に5高裁が現行法は違憲との判断を示した)ものの、政府は民法改正に動いていない¹⁷。共産党や立憲民主党は「結婚平等法案」を準備中であるが、与党の賛成なく成立は見通せない¹⁷。
夫婦別姓に至っては、自民党内の抵抗で国会提出さえ見送りとなり、賛成世論7割超にもかかわらず棚上げという状況だ⁷。
実現できなかった構造的要因
これら公約未達の背景には、福島氏個人というより政治勢力図の問題がある。共産党は国政で野党少数派にとどまり、与党を動かす力を持ち得ない。福島氏がどれほど主張を重ねても、党全体として法案提出権は行使できても可決に至らないケースが多い。
例えば「企業・団体献金の全面禁止法案」は野党5党派共同で提出したが、与党と一部野党の反対で廃案となった¹³。また「政治資金の領収書即時公開」も、2024年の法改正では与党に10年後公開とかわされ、彼女らの主張は通らなかった¹⁴。
つまり、公約の実現度が低いのは野党の非力さと与党の抵抗という構造的要因が大きい。
公約実現への展望
それでも福島氏はあきらめていない。むしろ「実現できなかった公約の存在」が彼女を奮い立たせているように見える。例えば物価高騰への対策として掲げた消費税減税については、政府与党が防衛財源として法人税増税・たばこ増税・所得税増税のパッケージを決めたことに猛反発し¹⁸、「増税の前に減税ありき」と訴え続けている。
少子化対策では、児童手当の拡充こそ実現したものの(2024年10月から高校生まで支給対象拡大)、その財源を医療保険料に上乗せする手法には「国民への新たな負担」として異を唱えている¹⁹。
また、夫婦別姓や同性婚については、司法判断をてこに2025年以降の国会提出を目指す考えで、超党派の動きを後押ししている。特に同性婚に関しては、「違憲」判決を受けて立憲野党が結束し法案提出の準備を進めており、福島氏も賛同者として名を連ねる見込みだ(共産党も2023年に独自案を用意している)。
このように、実現に至らなかった公約を次につなげる努力が続けられている点は評価に値するだろう。
総合評価
福島かずえ氏の政治活動を総覧すると、地方議員としての長年の奮闘が土台にあり、国政公約はそれをさらに大胆に広げた形となっている。残念ながら現在までに公約を立法として実現できたものは少ないが、その真摯な取り組み姿勢は有権者からの信頼を集めている。
クリーンな政治姿勢と徹底した住民目線の政策追求は、たとえ少数派でも政治を動かす力になり得る。福島氏自身、「政治は諦めずに声を上げ続ければ必ず動く」と繰り返しており、その言葉通り公約実現への長期戦を辞さない覚悟が感じられる。
有権者にとって、彼女の歩みは「草の根から政治を変える」挑戦そのものだ。本レポートで検証した情報を総合すれば、福島かずえ氏は派手さこそないものの一貫してブレない信念の持ち主であり、政治家としての真価はこれから国政の場で問われることになるだろう。
参考資料
公式資料
- 日本共産党中央委員会「参議院比例代表候補者 福島かずえ」プロフィール
- 総務省・宮城県選挙管理委員会『政治資金収支報告書(福島かずえ勝手連)』2019~2021年(宮城県庁公開資料)
- 衆議院・参議院会議録検索システム(2015~2023年、福島かずえ氏の発言検索結果なし)
議会資料
- 政治山データベース「福島かずえ 宮城県議会での発言特徴語」(2015–2018年度)
- 宮城県議会会議録(2016年9月定例会一般質問など、被災者支援策に関する福島県議発言)
- 宮城県議会会派要望書(2017年「被災者支援の充実を求める要望」、共産党県議団提出)
報道資料
- 朝日新聞デジタル「備蓄米を追加放出へ、価格高止まりで首相が指示」(2025年4月8日)
- ロイター通信「防衛増税、法人税4%引き上げ・たばこ税段階増・所得税1%(政府原案)」(2024年12月12日)
- RKB毎日放送ニュース「子育て支援金の保険料上乗せ徴収、月平均450円が650円に」(2024年4月18日)
- 沖縄タイムス「社説:PFAS検査を義務化へ」(2023年12月24日)※定期検査義務化の言及あり
- 朝日新聞デジタル「選択的夫婦別姓『賛成7割』世論調査」(2023年7月)
- 朝日新聞デジタル「5高裁が『同性婚認めぬ現在の法律は違憲状態』と判断」(2023~2024年報道)
- 朝日新聞デジタル「石破首相『消費税引き下げは考えていない』記者クラブ討論会で発言」(2024年10月12日)
- 朝日新聞デジタル「政治資金規正法改正、第2弾成立も野党は即時公開と企業献金禁止を要求」(2024年6月19日社説)
- しんぶん赤旗「AIと著作権、日本俳優連合などが補償求める」(2025年5月17日)
- しんぶん赤旗「2025参院選宮城・福島かずえ第一声」(2025年7月5日)
その他
- X(Twitter)アカウント「福島かずえ @kazuefukushima」プロフィール・投稿内容
- 共産党宮城県委員会ニュースリリース(2023年12月)「参院選にむけ福島かずえ氏が決意表明」
- 宮城県議会だより・仙台市議会だより各号(福島氏の質疑要旨掲載箇所)
- 選挙ドットコム「福島かずえ候補者アンケート」(2022年参院選)
参考資料リンク:
- 福島かずえ(宮城県/仙台市若林区)| 日本共産党 [¹]
- 福島かずえ | 日本共産党 [²]
- 福島かずえ勝手連(PDF:1022KB) - 宮城県 [³]
- 日本共産党 福島かずえ オフィシャルブログ [⁴]
- 2025参院選 戦前から反戦の党こそ/はたやま候補 宮城で訴え/福島候補と [⁵⁶]
- 選択的夫婦別姓「賛成」7割 自民支持層64%が「賛成」 朝日世論 [⁷]
- AI推進法案 審議入り/井上氏 法規制の強化求める/参院本会議 [⁹]
- 福島 かずえ - Facebook [¹⁰]
- 福島かずえ (@kazuefukushima) / X [¹¹]
- 企業献金「悪ではない」「禁止に」 見直し議論、平行線で会期末に [¹³]
- 改正政治資金規正法が成立 | 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight | 野村総合研究所(NRI) [¹⁴]
- 石破首相「消費税の引き下げは考えていない」 日本記者クラブ討論会 [¹⁵]
- 防衛増税、26年度から法人税4%引き上げ たばこは3段階=政府原案 [¹⁶¹⁸]
- Marriage For All Japan「讓所有人都能結婚」:日本婚姻平權系列 [¹⁷]
- 「子ども・子育て支援金」負担増で少子化対策にはむしろマイナス!? - RKB毎日放送 [¹⁹]
- 備蓄米を追加放出へ、首相が近く指示 21万トン放出後も高止まり [令和の米騒動]:朝日新聞 [²⁰]
以下の資料によりファクトチェック実施済み、本文記事修正済み。