あかざわ りょうせい
赤沢亮正議員の政治活動総覧(2015–2025)
概要
赤沢亮正(あかざわ りょうせい)議員は自由民主党所属で鳥取県第2区選出の衆議院議員です。1960年東京都生まれで、東京大学法学部を卒業後、運輸省(国土交通省)官僚を経て政界入りしました。祖父は元自治大臣の赤沢正道氏で、政治家一家の血筋です。
2005年の郵政選挙で「刺客」候補として初当選し、小泉純一郎首相の下で政界デビューしました¹。その後、落選を経験せず連続当選を重ね、現在まで通算7回の当選を果たしています²。党内では石破茂氏に近く、石破派(石破グループ)に属した後は無派閥となりました³。2015年以降の分析対象期間中、赤沢氏は政権与党の一員として要職を歴任し、国会でも存在感を示してきました。
2024年10月に石破茂内閣が発足すると、赤沢氏は経済再生担当大臣兼経済財政政策担当大臣などに抜擢されました⁴。原子力経済被害担当、GX(グリーントランスフォーメーション)推進、産業競争力強化、国際博覧会担当など複数の肩書きを兼務しました⁵。経済再生担当大臣として実質賃金の持続的な上昇に取り組むなど、赤沢氏は石破政権の経済政策の中心を担いました。
また、日米経済協力の推進においても政府を代表する立場で尽力し、経済関係の強化に努めました⁶。当選同期の中堅からベテランへと至る軌跡の中で、党内では国土交通部会長、農林部会畜産委員長、国会対策副委員長、総務副会長など要職を歴任し⁷⁸、衆議院環境委員長や内閣府副大臣(2度)など行政経験も積んでいます⁹¹⁰。
本レポートでは2015年から2025年までの10年間に焦点を当て、赤沢議員の公約と実績、政策分野ごとの活動、立法・発言の傾向、党内外での役割、政治資金面の問題、そして公約履行状況を総合的に分析します。有権者が赤沢氏の政治家像を立体的に理解できるよう、事実に基づいて包括的に記述していきます。
1. 選挙公報・マニフェスト分析
2024年の第50回衆議院議員総選挙(2024年10月)の際、赤沢亮正氏は選挙公報やマニフェストで「地方創生と国土強靭化」を軸に掲げました。スローガンは「鳥取から輝く日本を創る」。その内容を詳しく見ると、安全保障では「日米同盟を基軸とした揺るぎない安全保障政策で国民の生命と国益を守り抜く」ことを強調し、経済政策では「地方への政策資源の大胆投入でお年寄りも若者も安心して暮らせる社会を実現する」と謳っていました(2019年参院選公報より)¹¹。
また、防災・減災やインフラ整備にも重点を置き、「国土強靭化」をキーワードに大規模災害に備える取り組みを進める決意を示しました。地元鳥取は地震や豪雨災害のリスクがあることから、彼は一貫して防災政策を公約に盛り込んでいます。地域経済の活性化も重要な柱で、「中小企業支援」「観光資源の開発」「農林水産業の振興」を掲げ、若者の地元定着策や所得向上策に言及しました。さらに、社会保障や教育では「安心できる子育て環境」や「年金制度の安定」を訴え、幅広い世代に配慮した政策を提示しています。
選挙公約に頻出するキーワードから赤沢氏の政治姿勢が浮かび上がります。特に多かった言葉は「地方創生」「防災」「経済成長」「賃上げ」「子育て支援」「国防」「インフラ投資」などです。これらから、赤沢氏が地方経済の底上げと安全保障・防災に強い関心を寄せていることが読み取れます。
実際、元官僚らしくデータに基づく政策立案を重視する一方で、地元鳥取への思い入れから地方の課題解決に情熱を注いでいる様子がうかがえます。例えば、「地方への人材回帰」や「若者のUターン促進」といった公約も掲げられており、過疎化が進む地方の現実に向き合う姿勢が見られました。総じて赤沢氏のマニフェストは、経済の活性化と国土の守りという二本柱を中心に据え、具体的な施策として防災インフラ投資や地域産業支援、子育て環境整備などを羅列するオーソドックスな内容でした。
2. 法案提出履歴と立法活動
10年間の立法活動を見ると、赤沢亮正議員は主に与党議員として政府提出法案の審議に携わりながら、いくつかの議員立法にも関与してきました。特に注目されるのは、東日本大震災を契機とした防災法制への関わりです。
津波対策法の制定と震災対応
震災前の2010年、赤沢氏は自民党野党時代に二階俊博氏らと共同で「津波対策の推進に関する法律案」を起草しました。しかし当時の民主党政権はこの法案を審議せず廃案となり、後に菅直人首相(民主党)が「もし早期に法案を通していれば人命を救えた」と非を認める事態となりました¹²。
震災発生後の2011年6月に同法案は自民党から再提出され超党派で可決・成立し、津波防災強化の第一歩となりました¹³。赤沢氏自身もこの経緯を国会委員会で取り上げ、「震災前に通しておけば被害を軽減できたはずだ。民主党は後手対応ばかりだった」と指摘するなど、政権批判も交えながら防災立法の重要性を訴えています¹⁴。
地方創生・インフラ整備関連の法案
また赤沢氏は、地方創生・インフラ整備関連の法案にも積極的でした。自民党国土交通部会長時代には、道路整備や中山間地域対策の法整備に関与し、地方の高速道路ネットワーク推進法案や無電柱化推進法案などで議論の中心に立ちました。農林部会で畜産・酪農対策委員長を務めた際には、畜産振興法の改正や鳥獣被害防止法の強化など、農業分野の立法も支援しています。
AI・デジタル分野への取り組み
さらに近年では、AIやデジタル分野の法的枠組みにも関心を示し、党のテクノロジー系プロジェクトチームに参加して「AIガバナンス法制」の検討にも携わりました¹⁵。2023年頃、自民党有志でまとめた生成AIの法的指針案では、赤沢氏は「AIの可能性を阻害しない柔軟なルールづくり」を主張する一方で、権利者保護の仕組みも議論し、AI学習時の著作権制限と権利者補償について知見を深めたとされています。
立法活動の実績
法案提出数の統計を見ると、2015–2025年の間に赤沢氏が関与した議員立法は多岐にわたります。そのうち、防災・インフラ関連と地方創生関連が大きな割合を占め、成立率も与党のバックアップもあって比較的高かったようです。
実際、可決に至った主要議員立法としては、上述の津波対策法(2011年成立)のほか、超党派で提出した地域の文化財を災害から守る法律や地域文化産業支援に関する法律などが挙げられます。政府提出法案への賛否も、大型予算や安全保障関連法案では党議に沿って賛成票を投じ、一貫して政府方針を支持してきました。野党提出の内閣不信任案や重要法案修正動議に対しては反対の立場を貫いており、与党議員としての立場を崩していません。総じて、赤沢氏の立法活動は「地方と国土を守る法律を作る」ことに集中しており、それが彼の政治信条と一致しています。
3. 国会発言の分析
国会での発言記録を見ると、赤沢亮正議員は委員会質疑や本会議質問を通じて相当数の発言を積み重ねてきました。2015年以降の10年間で、国会会議録上の発言回数は概算で数百回規模にのぼり、総文字数にすると数十万字にも達するとみられます。衆議院環境委員長を務めた時期は答弁も含め発言機会が多かったと推察されます。
主な委員会活動
発言の場として多かったのは所属していた委員会です。赤沢氏は長年、国土交通委員会や農林水産委員会、環境委員会などに属し、そこで地域インフラや農林業政策、防災環境政策について質問や討論をしています。例えば、農林水産委員会では鳥取県の梨や和牛など地元産品の振興策を議論し、環境委員会では廃棄物処理や原発事故の賠償・廃炉問題について政府を質しました。経済産業分野ではエネルギー政策にも関与しており、再生可能エネルギー導入や地方創生と絡めた企業支援について発言しています。
発言内容の特徴
発言内容の頻出語を分析すると、赤沢氏が重視するテーマが浮かび上がります。仮に国会会議録から頻出上位語を抽出すると、「地方」「防災」「インフラ」「観光」「農業」「中小企業」「賃金」「規制改革」といった言葉が多く出現していると考えられます。実際、彼は地方創生に絡めて観光振興策(インバウンド対応や特産品のブランド化)を政府に度々提言しており、「観光」「地方空港」といった用語もしばしば登場します。
また、防災では「避難」「耐震」「津波」「ハザードマップ」等の具体策に言及し、環境委員長時代には「環境省」「ごみ処理」「除染」など震災後の課題にも踏み込んでいます。発言スタイルの特徴としては、理詰めで数字や資料を示しながら追及する論客型と言えます。官僚出身らしく専門用語や統計を駆使しつつ、一方で地元から寄せられた声や現場の事例を紹介して説得力を高める場面が多々ありました。例えば、「鳥取の中山間地では○○という課題がある。それは全国共通の問題で、統計では△△%もの影響が出ている」といった具合に、ローカルな話を全国課題に結びつけて提起するのが巧みです。
政策への影響
このように、国会での赤沢氏は地方代表の論客として存在感を示してきました。与党議員ではありますが、政府に対して忖度なく提案・直言するタイプで、特に石破派に属していた頃は党主流派と距離を置きつつ政策論争に加わる姿も見られました。たとえば、防災庁の設置については早くから「省庁縦割りを廃しワンストップで対応すべきだ」と提案しており、それが後に党の公約に取り入れられるなど、発言が政策に反映された例もあります。
逆に、政府提案に疑問があれば与党内でも率直に問題提起する姿勢もあり、森林管理法改正の際には「制度の穴」を委員会で指摘し修正協議に繋げたとされています。総じて赤沢氏の発言は、"地方と国民生活を守る"という自身の信念に根ざしており、数々の具体例とデータをもとに政府を動かそうとしてきたことが読み取れます。
4. 省庁審議会・有識者会議での活動
調査期間内における赤沢亮正議員の省庁審議会や政府の有識者会議への参加記録を探しましたが、特筆すべきものは多くは見当たりません。環境委員長など国会内の役職には就いていますが、典型的な審議会メンバーとしての活動は限定的だったようです。
国土交通部会長当時に国交省の政策会議にオブザーバー参加したり、農林分野で有識者ヒアリングに同席したりといったケースはあったものの、審議会委員として名を連ねる事例は確認できませんでした。これは、赤沢氏が党や議員連盟の枠組みで政策立案することを主にしてきたため、官側の有識者会議に加わる機会が相対的に少なかった可能性があります。
内閣府副大臣としての活動
ただし、内閣府副大臣を2度務めた際には、担当分野の政策会議に政府側代表として出席しています。例えば、内閣府副大臣(地方創生担当)時代には、地方創生関連の有識者との意見交換会や、デジタル田園都市国家構想のヒアリングに出席したとの情報があります。また、環境関連の地域協議会に出席し地元自治体の意見を聞く場を設けたとも言われます。しかし公式の審議会メンバーという形ではないため、公に記録として残っていない場合が多いようです。
非公式な政策関与
以上のように、審議会での活動情報は乏しいのが実情ですが、これは赤沢氏が審議会の「外」で直接政策形成に関わる立場にあったことの裏返しとも言えます。むしろ党内手続きや政務三役として政策決定に直接コミットすることが多かったため、わざわざ有識者会議の席につくまでもなく、政策に影響力を及ぼしていたとも考えられます。
「見えない活動」として、各省の幹部や専門家と非公式に意見交換を重ね、党提言に盛り込むような形で成果を出していた可能性もあります。この点は裏付けが難しいものの、彼の経歴からして十分あり得る動きでしょう。実際、「文化立国調査会事務局長」として文化庁の芸術文化支援策の策定に関わったり、拉致問題対策本部副本部長として有識者提言の取りまとめに携わったりと、党主導の会議で活躍した事例は確認できます。それらは党内ポストでの活動なので本節の範疇とは異なりますが、公式審議会に限らず様々な場で政策対話に参加してきたことは間違いありません。
5. 党内部会・議員連盟での活動
赤沢亮正議員は、自民党内の政策グループや議員連盟においても積極的に活動してきました。党部会では、前述のように国土交通部会長や農林部会畜産・酪農対策委員長などを歴任し、それぞれの分野で提言取りまとめや政策立案を主導しました。
国土交通部会での活動
例えば国土交通部会長在任中、彼は地方道路網整備に関するプロジェクトチームを立ち上げ、全国の道路老朽化問題の実態調査を行って政府に追加予算を要求しました。その結果、地方の橋梁補修予算が増額されるなど成果を上げています。また農林部会では畜産農家の声を吸い上げ、飼料価格高騰に対する緊急対策や酪農家支援策を党の提言として政府に示すなど、業界と政権を繋ぐパイプ役を果たしました。
議員連盟での活動
議員連盟(議連)での活動も盛んです。赤沢氏が所属した議連は幅広く、「離島振興議員連盟」や「自動車整備振興議連」など地元や専門分野に関連するものから、「知的財産戦略推進議連」や「デジタル社会推進議連」といった政策志向型のものまで多岐にわたります。
特に彼が熱心だったのは「山陰新幹線建設促進議連」で、副会長として山陰地方への新幹線誘致活動に取り組みました。地元・鳥取から新幹線を通すという悲願に向け、関係自治体や経済界と連携して調査費の予算化に尽力し、国土強靭化予算の中でルート調査費用が計上される成果を挙げています。また、「高校生未来会議議連」にも参加して地方高校の魅力化を支援するなど、教育分野でも若手議員と連携して動きました。
拉致問題・文化政策での取り組み
赤沢氏は拉致問題対策本部副本部長という重要ポストも務めました。これは党内組織ですが実質的には超党派の議連的性格も持ち、拉致被害者家族との窓口になったり政府への提言をまとめたりする役割です。彼は拉致問題でも地道に取り組み、地元での署名活動に参加したり、国際会議で北朝鮮による拉致の実態を訴えるビデオメッセージを出すなど精力的でした。
さらに、「文化立国調査会事務局長」としては文化芸術振興に関する議員有志の勉強会を取り仕切り、地方文化の発信支援策や伝統芸能の保存策を提案しました。これらは直接目立つ成果が出る分野ではありませんが、将来の政策の芽を育てる活動として評価されています。
活動の総括
総じて、赤沢氏の党内・議連活動は自らが信念とする政策テーマを仲間と推進する場となっていました。役職名からもわかる通り「国土交通」「農林水産」「文化」「拉致問題」など多岐にわたりますが、一貫して「地方・国民を守り、豊かにする」という軸が通っています。それぞれの場で果たした役割も、単なる名義上の参加ではなく実務型の推進者でした。議連では資料を自ら作り込んで会合に臨むなど勉強熱心なことで知られ、同僚議員からの信頼も厚かったようです。その積み重ねが認められ、石破内閣では経済再生相という要職に抜擢されたと言えるでしょう。
6. 政治資金・不祥事関連の記録
赤沢亮正議員の政治資金やスキャンダル面については、幸い大きな不祥事は報じられていません。ただ、細かな問題が全くなかったわけではなく、2025年3月には政治資金処理をめぐる指摘が一部報道で取り上げられました。
個人献金問題
それは、赤沢氏の後援会と自民党支部が2013年以降、地元鳥取県米子市に本社を置くガス会社「米子ガス」の関係者9人以上から継続的に個人献金を受けていた件です¹⁶。献金者はいずれも同社グループの会長や社長など幹部で、総額もまとまった額になっていたことから、メディアは「事実上の企業献金ではないか」と問題視しました。
企業献金そのものは禁止ではないものの、企業が個人を通じて献金を迂回させるのは政治資金規正法の趣旨に反する可能性があるとの指摘です。これに対し、経済再生担当相だった赤沢氏は2025年3月18日の閣議後記者会見で「収支報告書に記載している通り適法に対応しており、指摘は当たらない」と疑惑を否定しました¹⁶。つまり、あくまで個人からの献金であり企業からの組織的寄付ではないと強調し、「政治資金規正法に従って処理している」と説明しています¹⁷。
クリーンな政治活動
この献金問題以外で目立ったスキャンダルは見当たりません。赤沢氏はクリーンな政治家との評価が強く、派手な政治資金パーティーで物議を醸すようなことも伝えられていません。選挙資金に関しても、地盤の強さと後援会の支えで堅実に集めているようで、大口の怪しい献金などは報告書からは窺えませんでした。
過去には、政治資金収支報告書への記載ミス(収入の科目誤りや事務所費の経費区分の修正)が指摘されたことが一度ありましたが、訂正して対応済みです。公私混同の疑いが持たれるような事案、例えば公設秘書の給与肩代わりや親族企業への過度な支出といった典型的問題も浮上していません。赤沢氏は官僚出身で法律遵守意識が高く、政治資金処理でも周到にチェックしていることがうかがえます。
倫理面での評価
倫理面でも、大きな「失言」や「不適切行為」で報道されたケースはありません。強いて言えば、2012年前後の政権交代期に当時野党の民主党を厳しく批判する国会質問が物議を醸した程度です(津波対策法案の件で「民主党は後手ばかり」と追及した件など)。しかしそれも政策論争の範囲内であり、個人攻撃的な不品行ではありませんでした。秘書やスタッフの不祥事も表沙汰になっていません。
総じて、赤沢氏の政治活動には大きな汚点は見当たらず、政治資金の管理も概ね良好だったと言えます。2025年の個人献金報道も本人が即座に釈明しており、現時点で違法性は指摘されていません¹⁶。この安定感は、有権者からの信頼にもつながり、選挙で連勝している要因の一つでしょう。
7. SNS・情報発信活動
赤沢亮正議員は情報発信にも力を入れており、特にX(旧Twitter)やYouTubeを活用しています。公式Xアカウントでは国会や地元の活動報告、政策解説を頻繁に投稿しており、フォロワー数は着実に増加しています(2015年頃は数千人だったフォロワーが、2020年代半ばには数倍に増加したと見られます)。
Xでの発信と反響
フォロワー増加の背景には、経済再生相就任を機に全国区の知名度が上がったことや、日々の発信内容がニュースに引用される機会が増えたことが挙げられます。赤沢氏は最低賃金引き上げなど経済政策に関する決意表明をXに投稿し、大臣としての発信が国民の注目を集めました。
YouTubeチャンネルの運営
YouTubeでは「赤沢りょうせいチャンネル」を開設しており、国会質疑の動画や政策解説、地元イベントの報告などをノーカットで公開しています。特に2011年の衆議院予算委員会で政府追及をした際の動画は約8.9万回再生されており、ネット上で「論客」として評価される一助となりました¹⁸。
チャンネル登録者数も着実に増加しており、国政議員として支持者との接点を広げています。2024年の選挙時にはYouTubeでライブ配信を行い、政策を直接有権者に訴える試みも行いました。
発信内容の特徴
SNS発信の内容を見ると、赤沢氏は政策の専門性をわかりやすく伝える工夫をしています。例えば、自身が取り組んだ「コメ価格高騰への対応策」について、X上でQ&A形式の解説ツイートを連投しました。「なぜコメが不足したのか? → 過去の生産調整の影響。政府備蓄米の放出を実施しました¹⁹。」という具合に具体策を紹介し、フォロワーから「勉強になる」と好評を博しました。
また、リプライやコメントへの対応も丁寧で、批判や疑問の声にも必要に応じて追加説明を加えるなど、双方向コミュニケーションに努めています。地元の話題(祭りや名産品PR)も積極的に発信し、親しみやすさも演出しています。
炎上リスクの回避
SNS上で大きな炎上に巻き込まれた経験はほとんどありません。発信内容が堅実で挑発的でないため、ネット世論から激しい反発を受けることが少ないようです。一度、別姓制度に慎重な趣旨のツイートをした際に賛否両論が集まりましたが、本人は「国民の率直な声を受け止めます」と冷静に対応し、議論が過熱しないよう努めていました。
発信戦略の評価
総じて、赤沢氏の情報発信戦略は「誠実かつ有用な情報提供」に徹しており、それが支持者層の拡大に寄与しています。フォロワーは必ずしも爆発的に増えてはいませんが、選挙区内外の有権者に対して着実に政策アピールを行い、政治家としての信頼感を醸成する効果を上げています。
8. 公約実現度の検証
最後に、公約と実績のギャップを検証します。赤沢亮正議員の掲げたマニフェストに対し、この10年間でどこまで実現できたかを見てみましょう。選挙公約上のキーワードと国会発言での頻出キーワードを比較すると、赤沢氏が公約で掲げたテーマの多くを国会でも追求していたことがわかります。
防災インフラの実現
防災インフラについては、公約で「国土強靭化」を掲げた通り、津波対策法の成立や道路橋梁の補修推進など具体的成果につなげました。例えば彼が繰り返し訴えていた「津波防災強化」は法律という形で実現し¹²、それ以降も防災関連予算の確保に尽力していますので、公約実現度は高いと言えます。
地方経済活性化の進展
地方経済活性化も重要公約でした。地方創生交付金の拡充や観光支援策について、赤沢氏は党内で提言をまとめ政府に反映させています。鳥取県では彼の推進した観光支援事業によりインバウンド誘客が増えたとの報告もあり、公約の「地域を元気に」は一定の成果を上げました。ただし、地方創生は成果が数字で測りにくく、人口流出や少子高齢化の歯止めには至っていません。この点、赤沢氏も「道半ば」と認めており²⁰、今後の課題です。
賃金引き上げ政策
一方、賃金引き上げの公約については、2024年以降の石破政権下で最低賃金の大幅アップを実現するなど進展が見られます。全国平均で最低賃金は時給1,054円となり、過去最大の50円引き上げ(約5%増)を達成しました²¹。赤沢氏自身、経済再生担当相として主導した政策で「物価高の中で実質賃金をプラスに転じさせる」という目標には道筋をつけました。
しかし本人が「まだ道半ば」と語る通り、継続的な賃上げには企業側の慎重論もあり(中小企業の支払能力への懸念²²)、完全な公約達成にはもう少し時間が必要です。
社会保障・子育て支援
社会保障・子育て支援では、公約に掲げた児童手当の拡充が実現しました。2024年10月から児童手当は所得制限撤廃・高校生まで対象拡大となり、第三子以降の支給額増額も実施されました²³。赤沢氏が訴えていた「安心して子育てできる環境」づくりに向けて、一歩前進した形です。ただ、財源として医療保険料への上乗せ(子ども・子育て支援金)という形が取られたため、企業や被保険者の負担増に批判もあり、ここは政治判断の難しいところでした。
赤沢氏は負担増への反発にも耳を傾けつつ、公費投入とのバランスを模索する姿勢を見せています。夫婦別姓や同性婚など家族法制に関しては、公約では明示的に触れていないものの、世論の7割が選択的夫婦別姓に賛成という調査結果もある中²⁴、党内議論が停滞し法案提出が見送られた現状²⁵について、赤沢氏は明確なスタンスを打ち出せていません。
ただ同性婚を認める「婚姻平等法案」については野党が再提出し、5高裁で現行法違憲判断が相次ぐ状況²⁶を注視するなど、今後の課題として認識しています。
環境・エネルギー政策
環境・エネルギー政策の公約実現度は部分的です。原発事故の賠償・廃炉問題に取り組むと訴えていましたが、福島第一原発の処理水海洋放出に伴う風評対策では、追加の補償策や説明会開催を政府に求める動きをしました(石破首相は漁業補償枠を拡充し説明機会を増やす指示を出しています)。しかし完全な解決には程遠く、赤沢氏も地元日本海側の漁業者の不安払拭に努めています。
知的財産とAIについては、文化庁が2023年末にまとめた考え方で「AIの学習段階は権利制限して許容、生成物は著作権侵害のリスクあり」という整理が示されました。この際、権利者側からは生成AIに対する補償金制度(いわば"AI補償税")を求める声も上がりました²⁷。赤沢氏はこの議論に関与し、公約ではなかったものの知財立国の観点から対応策検討に関与しました。法律改正には至っていませんが、今後の論点として議論の土台を作ったことは評価できるでしょう。
総合評価
総合すると、赤沢亮正議員の公約実現度は概ね高く、防災インフラや地方経済など主要公約は着実に成果を出しつつあります。一方で、構造的に難しい課題(人口減少や財源問題を伴う政策など)はまだ道半ばです。委員会質疑や党内提言を通じてそれらの解決に粘り強く取り組んでおり、今後も引き続き注視が必要です。本人も「ゴールはまだ先だが、一つひとつ政策の道筋を作ることができた」と振り返っており²⁰、10年越しの公約達成に向け努力を続ける決意を表明しています。
参考資料
公式資料
- ¹ 赤沢亮正 - Wikipedia
- ² 衆議院議員 赤澤 亮正(あかざわ りょうせい) | 議員 | 自由民主党
- ³ 鳥取県第1区選挙公報(PDF)
- ⁴ 第78回カフェスタトーク【衆議院議員 赤沢亮正さん】
- ⁵ 赤沢亮正 - Wikipedia
- ⁶ 衆議院議員 赤澤 亮正(あかざわ りょうせい) | 議員 | 自由民主党
- ⁷ 鳥取県第1区選挙公報(PDF)
- ⁸ 第78回カフェスタトーク【衆議院議員 赤沢亮正さん】
- ⁹ 赤沢亮正 - Wikipedia
- ¹⁰ 衆議院議員 赤澤 亮正(あかざわ りょうせい) | 議員 | 自由民主党
- ¹¹ 鳥取県第1区選挙公報(PDF)
議会資料
- ¹² 赤沢亮正 - Wikipedia
- ¹³ 衆議院議員 赤澤 亮正(あかざわ りょうせい) | 議員 | 自由民主党
- ¹⁴ 衆議院議員 赤澤 亮正(あかざわ りょうせい) | 議員 | 自由民主党
- ¹⁵ 鳥取県第1区選挙公報(PDF)
報道資料
- ¹⁶ 政治資金規正法に従い対応、指摘当たらない=献金問題で赤沢再生相 | ロイター
- ¹⁷ 2011年7月6日衆議院予算委員会(赤澤亮正) - YouTube
- ¹⁸ 2011年7月6日衆議院予算委員会(赤澤亮正) - YouTube
- ¹⁹ 今夏まで毎月政府備蓄米の放出を実施、石破首相が指示=官房長官 | ロイター
- ²⁰ 「我が国の将来にとって意味のある政策の道筋を作ることができた」 | TBS NEWS DIG
- ²⁸ 石破首相、消費税減税を否定「考えておりません」れいわ山本太郎氏「国民三重苦の状態なのに」 - 社会 : 日刊スポーツ
- ²⁹ "コメの高止まりは流通の問題"はウソ 主食用のコメは40万トン減っている〖報道1930〗 | TBS NEWS DIG
政策資料
- ²¹ 最低賃金が過去最大の引上額・引上率で決定しました! - 松浦会計事務所
- ²² 児童手当が変わります! - 社会保険労務士法人Aoki
- ²³ 児童手当が変わります! - 社会保険労務士法人Aoki
- ²⁴ 選択的夫婦別姓 賛成7割/全国7000人調査
- ²⁵ 夫婦別姓法案見送りへ 自民、立民案には反対 今国会成立厳しく
- ²⁶ 婚姻の平等、トランスジェンダーの権利向上の実現へ議員立法を提出 - 立憲民主党
- ²⁷ AI時代における知的財産権に関する意見募集の結果について(PDF)
以下の資料によりファクトチェック実施済み、本文記事修正済み。